Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第180回

違法伐採対策の推進に関する質問主意書

参議院 第180回 第155号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2

提出者
参議院
提出日
2012年6月20日
内閣転送 2012年6月25日
答弁書受領日
2012年6月29日
提出から9日
答弁の項目数
9
質問 3,018字/答弁 2,377字

質問本文

本年、六月にはブラジルにおいて、リオ・プラス20が開催される。その重要なテーマは、グリーン経済と持続可能な地球社会の構築であり、また、GDPを補完する幸福度指標についても議論の対象となる。幸福という言葉が議題に直接的に表示されたことは、画期的である。アジェンダ21が宣言されてから二十年が経過しているが、発展途上国においては人口増加、先進国においては過剰消費が進展している。先進国と途上国間における調整は厳しく、大きな問題である。依然として、この人口増加や過剰消費の問題は、主流であり続けている。結果として、地球環境に過大な負荷がかかり、生物多様性の現実は深刻化している。

途上国の森林・林業の分野においても、同様の状況が進んでいる。特に、林業における違法行為に基づく乱開発は、土壌を剥き出しにし、土壌中のメタンや炭素成分の大気中への拡散は、膨大であることから、地球温暖化への影響などが指摘されている。林業の持続可能な開発のあり方が求められているが、現実は厳しく、広範な影響をもたらすものと認識している。その中でも違法伐採と違法な木材の流通は、世界の持続可能な森林経営を阻害する重大な問題と認識している。日本は世界有数の森林国でありながら、七割以上の木材を輸入に依存している木材輸入大国である。熱帯雨林の違法伐採と違法な木材の流通問題を抱えている途上国から日本に来た留学生は、日本の国土の豊かな森林を目の当たりにして大きな矛盾を抱いている。すなわち、豊かな森林を持つ国・日本が、何故木材輸入国であり続けるのかとの指摘がある。

平成十七年のグレンイーグルズ・サミットにおいて、日本を始めとする木材消費国は違法伐採問題に取り組む国際的な約束をした。その翌年に、日本ではグリーン購入法の改正により、政府調達において木材の合法性及び持続可能性を確認する措置を導入した。これは世界に先駆けた動きであった。しかしながら、日本における木材の主要な消費は、民間セクターによるものである。違法に伐採された木材に関する民間事業者への規制的な措置は効果を上げているとは言えない。法的な規制はこれまで存在せず、我が国政府は企業の自主的な取組を推奨しているに過ぎない。

また、日本の政府調達における合法性証明においても、相手国の証明に頼っているが、生産国は木材を売りたいという前提があり、国によってはガバナンスが弱いという問題や、伐採地周辺の住民と政府・企業が対立していることもある。

具体的には、合法性が証明されているとするマレーシア・サラワク州では、森林に依存する先住民族など人々の土地に関する権利が、政府が森林開発の許可を判断する際に尊重されていないことが、現地NGO等より報告されている。先住民族の土地に関する権利の侵害に基づく森林伐採に対して、マレーシア最高裁で違法の判決が出ている。この例では、これまで「合法」だった輸入木材が、実は「違法」だったということになる。このように合法性の証明を相手国に頼っているとその信頼性が低くなる場合もあり、国際的な信頼性の維持も含めて日本側で何らかの対策をとることが喫緊の課題である。

近年、米国、EU等では民間セクターを含む違法な木材流通に対する法的な規制をとり始め、木材取引業者がリスク評価を行い、対処を行うことを法的に義務付けている。他の先進国での取組が進むことによって、規制のない日本が、違法伐採木材の受入国になる可能性が高まるとも考えられる。そのようなリスクを避けるために、日本でも民間を含め、違法伐採木材の流通を規制する法的措置を講じる必要性があるとの視点から、以下質問する。

一 グリーン購入法の成果について

1 政府によると、違法に伐採された木材は使用しないことになっているが、グリーン購入法での対策では不十分との指摘がある。グリーン購入法の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」に基づく具体的な成果を明らかにされたい。また、日本市場における合法性の確認された木材の流通量は、グリーン購入法によりどの程度、増加したと言えるか、各品目の数量と合法性証明を得ているとされる材積の市場全体に占める割合、それぞれの変化の動向について見解を示されたい。

2 日本の政府調達は、実際に合法性証明を求めているのか、どのような現実的対応をとっているのか、明らかにされたい。また、合法性証明が不十分な場合、調達しないことになっているのかを明らかにされたい。さらに、政府調達量全体において、合法性証明の要求と確認ができている割合と、各省庁の製品別・国別の実績を示されたい。

二 合法性の証明について

1 林野庁は、木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のために、ガイドラインにおいて証明方法を示している。同ガイドラインのうち、「二.業界団体による自主的行動規範に基づく事業者認定による方法」と「三.個別企業による自主的な証明方法」においては合法性を構成する要件が極めて重要である。合法性の要件をより明確にすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

2 生産国から出される合法性証明の書類として、輸出手続きに関する書類や、JAS認定書、加工業者が有する森林認証・CoC認証証書などが使われることもあるというが、これらは合法的に伐採された証明と言えるのか、政府の見解を示されたい。

3 包括的な合法性証明制度のない国においては、どのように合法性を確認するのか、合法証明に使われる書類とは、どのようなものがあるのか、すべて明らかにして各国ごとの実績を示されたい。

三 合法木材の輸入企業への税制上の優遇措置について

合法木材の調達ルートの確認には、企業の労力と時間の負担がかかる。違法伐採対策をとっている企業が不利を被る一方で、対策に取り組まない企業がコスト面で有利になる状況は一種のモラルハザードである。これを改善するために民間セクターへの法的規制の拡大は必要と考えるが、政府の見解を示されたい。また、合法木材の輸入企業にメリットを働かせるため、税制上の優遇措置を検討すべきと考えるが、併せて政府の見解を示されたい。

四 合法性の確認対象について

日本のグリーン購入法において合法性の確認は「伐採にあたっての森林に関連する法令」が対象となっている。例えば、木材流通における税金・ロイヤルティの支払、また、森林の開発・伐採の許認可手続きにおける先住民族や地域住民の森林・土地利用の権利を尊重すること等は、確認の対象となり得るのか、政府の見解を明らかにされたい。

五 証明書による合法確認について

日本の現状の合法性確認制度の実施の実態は、生産国からの何らかの証明書があればすべて合法という位置付けになっているとの指摘もある。その結果、日本が違法木材あるいは違法の可能性の高い木材の受入国になる可能性があると考えられるが、政府の見解を示されたい。

六 民間部門の違法木材の流通に対する法的規制について

政府調達にのみ限定され民間調達には適用されていない日本のグリーン購入法に対して、民間部門も含めて違法木材を規制するEUや米国の法律は、取引業者がリスク評価を行い違法な取引には罰則が科せられる。日本のグリーン購入法にはそのような規定はなく参考にすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号。以下「法」という。)に基づき、国及び独立行政法人等(以下「国等」という。)が特定調達物品等(法第六条第二項第二号に規定する特定調達物品等をいう。以下同じ。)として木材又は木材製品を調達する場合には、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(平成二十四年二月七日閣議決定)において、木材又は木材製品の原料となる原木が、伐採に当たって、原木の生産された国又は地域における森林に関する法令に照らして手続が適切になされたものであること(以下「合法性」という。)を要件とするとともに、持続可能な森林経営が営まれている森林から産出されたものであることに配慮することとしており、これらの確認は、「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」(平成十八年二月十五日林野庁公表。以下「ガイドライン」という。)に準拠して行うこととしている。一方、ガイドラインに準拠して行う合法性の確認は、民間事業者が木材又は木材製品を調達する場合にも行われることがあるため、ガイドラインの策定による成果を、お尋ねのように法の運用の成果に限定してお答えすることは困難であるが、例えば、社団法人全国木材組合連合会が行った調査によると、ガイドライン3(2)に規定する証明を行った事業者の数は、平成十八年度から平成二十三年度までの間に、四千九百六から八千五百六十に増加しており、合法性が確認された木材及び木材製品の供給は増加しているものと考えている。

お尋ねの「日本市場における合法性の確認された木材の流通量」については、お尋ねの「各品目の数量」及び「合法性証明を得ているとされる材積」の双方とも把握しておらず、お答えすることは困難である。

一の2について

国等は、特定調達物品等として木材又は木材製品を調達する際には、当該木材又は木材製品の合法性が確認されていることを証明するものとして当該確認を行った者が発行した書類(以下「証明書類」という。)を納品書に添付することなどを実務上の要件としている。

また、お尋ねの「合法性証明が不十分な場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、証明書類の記載が虚偽であるなど、当該要件を満たさない場合には、当該木材又は木材製品を調達しないこととしている。

お尋ねの「政府調達量全体において、合法性証明の要求と確認ができている割合と、各省庁の製品別・国別の実績」は把握していない。

二の1について

木材及び木材製品の合法性は、ガイドライン2(1)において「伐採に当たって原木の生産される国又は地域における森林に関する法令に照らし手続が適切になされたものであること」と定義しており、その要件は明確であると考えている。

二の2について

お尋ねの書類のうち、ガイドライン3(1)に規定する森林認証制度及びCoC認証制度を活用した証明方法に基づいて発行された証明書は、木材及び木材製品の合法性が確認されていることを証明するものであると考えている。一方、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)第十四条第一項の規定に基づき農林物資の製造業者等が日本農林規格による格付を行うために受ける登録認定機関の認定に係る書類等については、木材及び木材製品の合法性が確認されていることを証明するものではないと考えている。なお、お尋ねの「輸出手続きに関する書類」については、その意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。

二の3について

お尋ねの「包括的な合法性証明制度のない国」から輸入された原木を原料とする木材又は木材製品についても、国等は、当該木材又は木材製品を特定調達物品等として調達する場合には、一の2についてで述べたとおり、証明書類を納品書に添付することなどを実務上の要件としている。証明書類としては、例えば、二の2についてで述べた証明書が挙げられるが、原木の生産される国又は地域ごとに異なるものであり、全てを把握してはいないことから、「各国ごとの実績」についてお答えすることは困難である。

三について

政府としては、合法性が確認された木材及び木材製品を取り扱う事業者の数を増やすことが重要であると考え、事業者及び消費者に対する普及啓発に努めているところであり、今後とも、このような取組を行っていくこととしている。

四について

お尋ねの「木材流通における税金・ロイヤルティの支払」及び「森林の開発・伐採の許認可手続きにおける先住民族や地域住民の森林・土地利用の権利を尊重すること」については、これらが原木の生産される国又は地域における森林に関する法令において規制の対象となっている場合には、合法性の確認の対象となる。

五について

一の1についてで述べたとおり、国等が特定調達物品等として木材又は木材製品を調達する場合に行う木材及び木材製品の合法性の確認は、ガイドラインに準拠して行うこととしており、「生産国からの何らかの証明書があればすべて合法という位置付けになっている」との御指摘は当たらないものと考えている。また、合法性が確認された木材及び木材製品の供給は増加しているものと考えており、御指摘のように「日本が違法木材あるいは違法の可能性の高い木材の受入国になる可能性」はないと考えている。

六について

お尋ねのように、民間事業者に対し、木材又は木材製品を調達する場合に当該木材又は木材製品の合法性が確認されていることを義務付けるような制度を導入すべきとの考え方については、御指摘の欧州連合及び米国の法律の内容、実効性等を参考としつつ、導入の必要性、法との関係等を検討する必要があると考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2006年5月16日 喜納昌吉 答弁 2006年5月26日
参議院 第164回 第56号検討してまいりたい ×1
提出 2014年6月18日 河野 正美(日本維新の会) 答弁 2014年6月27日
衆議院 第186回 第243号
提出 2006年1月27日 小川勝也 答弁 2006年2月7日
参議院 第164回 第8号お答えすることは困難 ×3
提出 2012年8月8日 谷岡 郁子 答弁 2012年8月17日
参議院 第180回 第215号
提出 2008年6月5日 村井 宗明(民主党・無所属クラブ) 答弁 2008年6月13日
衆議院 第169回 第477号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる