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集団的自衛権行使の解釈変更と憲法違反の関係に関する質問主意書
参議院 第186回 第134号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
一 一般論として、ある内閣による憲法違反の内容の憲法解釈の変更の閣議決定は法的に無効であると解するが、政府はどのように考えているか。
二 一般論として、憲法前文の「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」に規定されている「憲法」には、内閣による憲法の解釈の変更により新しい憲法規範となった解釈変更後の「憲法」も含まれると解してよいか。また、そうした「排除する」とされる解釈変更による「憲法」があった場合に、当該「憲法」は当然に法的に無効であると考えてよいか(現実にこうした事態が起きるか否かではなく、あくまで、法理としてどうかということを問うているのであり、絶対に答弁拒否することなく答弁されたい。)。
三 前文における「日本国民は、(中略)政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」とは、主権者である日本国民が、国民主権という政治原理を採用した動機及び理由において、国家の行為による戦争の惨禍が国民に生じることを将来にわたり防ぐためであることを示しているものと解してよいか、政府の解釈を示されたい。
四 政府の憲法解釈においても憲法の前文は憲法の各条項の解釈の指針となるものとされているところ(平成六年十月十八日 大出内閣法制局長官答弁)、主権者である国民が国民主権原理を採用した動機及び理由は国家の行為による戦争の惨禍を国民に生じさせないためであるという前文の解釈(前記三に対する政府答弁)は、憲法第九条、第九十六条、第九十九条の解釈の指針となるものと解してよいか。
五 一般論として、どのような武力行使の規模の集団的自衛権の行使であれ、それを行使した場合、その武力行使を行う戦闘部隊はその武力行使の過程で戦死することがあり得るものであり、かつ、集団的自衛権行使の相手先国からの反撃等により当国(行使国)の国民が死亡することがあり得るものと政府は認識しているか。こうした可能性がない、あるいは死者を一人も出さないことができると考える場合は、その具体的理由を明らかにされたい。
六 憲法前文において、「日本国民は、(中略)政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」とあるところ、自衛隊員が戦死し、かつ、その他の国民も戦死する可能性のある集団的自衛権の行使を、憲法第九条において、主権者である国民の主権行使である国民投票を行わずに、閣議決定による解釈変更によって可能とすることは、憲法前文の下の憲法第九条及び憲法第九十六条の解釈として、前記五においてあらゆる集団的自衛権の行使において死者が一人も出ないことができるとする考えに立つのでない限り、いかなる集団的自衛権行使を想定する場合であれ当該閣議決定は憲法第九条及び憲法第九十六条違反となり法的に無効となるのではないか。憲法第九条違反にも、また、憲法第九十六条違反ともならないと考える場合は、その法制的理由について具体的に示されたい。
七 憲法前文において、「日本国民は、(中略)政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」とあるところ、自衛隊員が戦死し、かつ、その他の国民も戦死する可能性のある集団的自衛権の行使を、憲法第九条において、主権者である国民の主権行使である国民投票を行わずに、解釈変更の閣議決定により可能とすることは、憲法第九十九条の下の国務大臣の憲法尊重義務及び擁護義務に反するものであり、当該閣議決定行為は憲法第九十九条違反として違憲無効となるのではないか。憲法第九十九条違反とならない場合は、その法制的理由について具体的に示されたい。
八 前記一、二及び三並びに憲法前文の「かかる原理」たる戦争の惨禍を防ぐことをその理由等とする国民主権の原理を総合して考えると、憲法前文の解釈として、自衛隊員及び他の国民が戦死する可能性がある集団的自衛権の行使を可能とする内閣の閣議決定により解釈変更された新しい憲法規範は、国民主権の行使である国民投票によらず定められた新しい憲法規範であり、「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」として主権者である国民より排除されるところの憲法であって、当該閣議決定は憲法違反の行為であり法的に無効であり、従って、当該解釈変更された新しい憲法規範は法的に無効であると解してよいか。もし、これと異なる見解を政府が採用する場合は、その法制的理由について詳細に示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「憲法違反の内容の憲法解釈の変更の閣議決定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、閣議決定は、法令の範囲内においてなされるものであり、内閣が、憲法違反の内容の閣議決定を行うことは考えられない。
二について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、憲法前文の「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」の意味は、人類普遍の原理である国民主権に反するような一切の憲法、法令及び詔勅を排除するとの意味であると理解している。
三について
御指摘の憲法前文の箇所のうち、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」の趣旨は、戦争の主体が国家である、戦争を起こすことの決定は国政の運用に当たる国家機関によってなされるということに着目し、かつて体験したような戦争の惨禍が起こることがないようにするという日本国民の固い決意を表明したところにあると考えられ、これは憲法の基本原則の一つである平和主義を強調したものであり、また、「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」の趣旨は、過去の戦争が国家機関の手によって行われ、その惨禍を日本国民が等しく受けたということに着目し、国民主権を確立することにより、過去のそのような例が起こることがないようにするという固い決意を表明したものであると理解している。
四について
御指摘のとおり、憲法前文は、憲法のそれぞれの条文を解釈する場合の解釈上の指針としての意味を持っていると理解している。
五から八までについて
「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が平成二十六年五月十五日に報告書を提出したことを受けて、国民の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態に切れ目のない対処を可能とするための国内法制の整備の在り方について、憲法解釈との関係も含め、現在、「安全保障法制整備に関する与党協議会」において協議が進められているものと承知しており、現時点において、集団的自衛権の行使容認を前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。