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国民健康保険・後期高齢者医療制度による医療機関受診の際の資格確認に関する質問主意書
参議院 第186回 第74号承知していない ×2個別の事案 ×2
質問本文
当事務所に、同一県内で転居した高齢者が医療機関を受診した際に、被保険者証(以下「保険証」という。)を確認したにもかかわらず後期高齢者医療広域連合が医療機関の同意を得ないまま、レセプトを返戻したという相談が寄せられた。この事例において、医療機関が、当該広域連合に返戻の理由を確認したところ、「保険者番号が違う。医療機関から問い合わせれば、新しい保険者番号を伝えているので、改めて再提出をお願いしている。」と説明を受けた。
公的医療保険の資格喪失後に被保険者が医療機関に保険証を提示して受診した場合には、原則として医療機関には診療報酬を支払い、被保険者には給付費の請求を行う取扱いが行われてきた。また、後期高齢者医療制度において、被保険者が同一都道府県内で転居した場合であれば、保険者の変更はない。
この事から考えると先の相談の事例では、保険証の確認を行った医療機関に対して、保険証回収を怠ったと思われる保険者がレセプトを返戻し、保険者の変更がなく当該被保険者の新旧保険者番号を承知している当該広域連合が診療報酬を支払わなかったことは問題であると思われる。
右の点を踏まえ、以下質問する。
一 全国健康保険(以下「協会けんぽ」という。)の資格喪失後、保険証を提示して医療機関を受診した場合について、二〇一三年五月二十一日の参議院厚生労働委員会において、木倉保険局長は「協会けんぽに加入されておられた被保険者、これが協会けんぽの方の資格を喪失したその後に医療機関を受診されたという場合でございますけれども、まずその保険証の回収日よりも前に受診されておったということであれば、その保険証を医療機関に提示をされまして受診されておったということが考えられますので、原則としては医療機関には診療報酬をお支払いするということで、被保険者の方が資格喪失されたことを分かりながら被保険者証を返納せずに持っておられて使われたということですから、被保険者の方に給付費の請求を行う取扱い」と答弁している。これは、被保険者資格喪失後に保険証が回収されるまでの期間に保険証を提示して医療機関を受診した場合には、協会けんぽに限らず国民健康保険、後期高齢者医療、健康保険、共済など全ての公的医療保険制度に共通する取扱いと考えるが、いかがか。
二 国民健康保険の資格喪失に伴って保険者は確実に保険証を回収する必要があるが、保険証の回収の有無、回収日など保険証の回収情報の記録は保険者に義務付けられているのか。
三 各都道府県の国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)の資格管理システムは回収の有無、回収日など保険証の回収情報を記録することができるのか。また、保険証の回収情報を記録することができる場合に、その情報は国保連によるレセプト審査の資格確認に使用されているのか、都道府県ごとに明らかにされたい。
四 後期高齢者医療制度における被保険者の都道府県を越える移動による保険者の変更や、同一都道府県内での移転による保険者番号、被保険者番号などの変更の際に、後期高齢者医療広域連合は確実に旧保険証を回収する必要があるが、回収の有無、回収日など保険証の回収情報の記録は保険者に義務付けられているのか。
五 後期高齢者医療制度の広域電算処理システム(標準システム)は回収の有無、回収日など保険証の回収情報を記録することができるのか。また、保険証の回収情報を記録することができる場合に、その情報は国保連によるレセプト審査の資格確認に使用されているのか、都道府県ごとに明らかにされたい。
六 協会けんぽなど健康保険の保険者は、保険証の回収情報を資格管理システムに入力して診療報酬支払いに関する資格審査に使用している。国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証回収情報を資格管理システムに入力することを義務付け、レセプト審査に活用することを検討すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
七 後期高齢者医療制度では、被保険者が同一都道府県内で移動をしても、保険者は同一であり同じ広域連合の中で資格情報は管理されている。また、このような場合には、療養の給付とそれに対する診療報酬の支払いという被保険者、保険者、医療機関の関係に変更はなく、保険証の保険者番号の違いなどを理由とする返戻は、専ら保険者の管理上の都合であり、保険証が回収されていないことに責めを負わない医療機関に、旧番号を調査させたうえでレセプトを再提出させるという新たな負担を負わせることは適当ではないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
八 前記七で指摘した場合、後期高齢者医療広域連合はレセプトを返戻することなく、診療報酬を支払うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の答弁は、全国健康保険協会における取扱いを示したものであるが、他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度においては、被保険者資格喪失後に被保険者証が回収されるまでの期間に被保険者証を提示して医療機関を受診した場合には、医療機関で療養の給付(以下「資格喪失後給付」という。)に要した費用について、個別の事案の状況を勘案しつつ、医療機関又は資格喪失後給付を受けた者に返還を求めているものと承知している。
二について
国民健康保険の被保険者が、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号。以下「国保法」という。)第八条又は第二十一条の規定により被保険者資格を喪失したときは、国保法第九条第九項(国保法第二十二条において準用する場合を含む。)の規定に基づき、当該被保険者に係る被保険者証を返還しなければならないこととされているが、国民健康保険の保険者は、当該被保険者証の返還の有無や返還日等、被保険者証の返還に関する情報を記録することを義務付けられていない。
三について
御指摘の国民健康保険団体連合会(以下「国保連」という。)の資格管理システムについては、被保険者証の返還に関する情報を記録することができるものと承知しているが、国民健康保険の各保険者と各都道府県の国保連との間の委託契約に基づき運用されているものであることから、各都道府県の国保連が国民健康保険の診療報酬の審査及び支払を行う際に、当該情報を使用しているかどうかについては把握していない。
四について
後期高齢者医療の被保険者が、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号。以下「高確法」という。)第五十三条の規定により被保険者資格を喪失したときは、高確法第五十四条第九項の規定に基づき、当該被保険者に係る被保険者証を後期高齢者医療広域連合に返還しなければならないこととされ、また、当該被保険者が後期高齢者医療広域連合の区域内においてその住所を変更したときは、高齢者の医療の確保に関する法律施行規則(平成十九年厚生労働省令第百二十九号)第二十三条の規定に基づき、その旨の届書を後期高齢者医療広域連合に提出しなければならないとされているが、後期高齢者医療広域連合は、当該被保険者証の返還の有無や返還日等、被保険者証の返還に関する情報を記録することを義務付けられていない。
五について
御指摘の後期高齢者医療広域連合電算処理システムについては、被保険者証の返還に関する情報を記録することができると承知しているが、各後期高齢者医療広域連合において運用されているものであり、診療報酬の審査及び支払については、各後期高齢者医療広域連合と各都道府県の国保連との間の委託契約に基づき運用されているものであることから、各都道府県の国保連が後期高齢者医療の診療報酬の審査及び支払を行う際に、当該情報を使用しているかどうかについては把握していない。
六について
国保連が行う国民健康保険及び後期高齢者医療の診療報酬の審査及び支払に関する事務は、国民健康保険の各保険者又は各後期高齢者医療広域連合と各都道府県の国保連との間の委託契約に基づき実施されており、当該事務の実施に当たり、被保険者証の返還に関する情報を使用するかどうかについては、国民健康保険の各保険者又は各後期高齢者医療広域連合と各都道府県の国保連との間で判断されるべきものであることから、御指摘の「保険証回収情報を資格管理システムに入力すること」を法令上義務付けることは適当ではないと考えている。
七及び八について
後期高齢者医療制度においては、同一都道府県の区域内での住所の変更であっても保険者番号の変更により新たな被保険者証を発行する場合があり、後期高齢者医療制度の被保険者が当該被保険者証を提示せず、従前の被保険者証を提示して医療機関を受診した場合であって、その事実を当該医療機関が知ることができなかった場合には、一般論として、医療機関に対して診療報酬の支払を行う取扱いとすべきと考えており、個別の事案の状況を勘案しつつ、各後期高齢者医療広域連合において診療報酬の審査及び支払が適切に行われるよう、引き続き指導してまいりたい。
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