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指定廃棄物の指定解除手続及び長期管理施設の詳細調査候補地選定の在り方等に関する質問主意書
参議院 第189回 第283号
質問本文
平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)に規定される「指定廃棄物」については、放射能濃度の分析を実施してから四年以上を経過しているものもあり、全体として濃度は相当程度減衰してきていると考えられる。一方、指定廃棄物の長期管理施設の詳細調査候補地選定については、指定解除を実施しないことを前提に必要面積等の算定が行われていると考えられ、合理性に欠いている。そこで、指定廃棄物について、その指定解除の手続の検討状況及び長期管理施設の詳細調査候補地選定の在り方等について、以下質問する。
一 望月環境大臣は、平成二十七年四月二十四日の衆議院環境委員会において、指定廃棄物の指定解除の手続について、検討を実施しているとした上で、「時期については確たることは申し上げられませんが、御指摘を踏まえて、できるだけ早期に結論を出すために、事務方に検討を急ぐように指示をしている」と答弁している。環境省からは、解除に伴い処理責任の主体が国ではなくなること等の課題があることが繰り返し説明されているものの、それらの課題を解決するための検討が進んでいる様子はうかがえない状況にある。そこで、大臣の答弁以降の指定解除の手続についての検討に関する具体的な進捗状況及び結論を出す時期の目途を明らかにされたい。
二 指定廃棄物の長期管理施設の詳細調査候補地の選定において、必要な面積を十分に確保できる土地を確保することとされているが、現時点の指定廃棄物全てに係る必要面積を前提とするのは、土地を過大に確保することにつながりかねず、詳細調査候補地選定プロセスに対する不信を増幅させる可能性がある。放射能濃度の減衰を考慮した現時点での数値を明らかにし、指定廃棄物のうちどの程度が指定の要件である一キログラム当たり八千ベクレルを下回っているのか、最新の状況を基に評価すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
三 長期管理施設の詳細調査候補地の選定において、可能なものは指定廃棄物としての指定を解除した上で必要な面積を算定するべきであり、指定廃棄物の指定解除の手続が決定されない段階で、長期管理施設の詳細調査候補地選定の手続を進めるのは合理的ではないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
四 長期管理施設の詳細調査候補地の選定手法に関して、点数評価等による絞り込みを行う際の評価項目として使用する、指定廃棄物等の保管状況については、指定廃棄物の指定解除の手続を経た上で再評価すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 平成二十七年五月十三日の参議院東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会において、環境省は、指定廃棄物の放射能濃度に関して、「指定時に濃度を把握してございますので、物理的な減衰でございますので、いつの時点でどれだけの濃度があるというのが分かっておれば、何年たてばどれだけ減るということは計算上出てまいります。そういう意味で改めて測定するということの必要は乏しい」としている。この考え方を前提とすれば、濃度がどの程度減衰したかについて大まかな値を示すことは可能であり、実際に環境省は、平成二十七年七月八日に開催された第四回栃木県指定廃棄物処分等有識者会議において、一般的な濃度減衰の傾向について説明を行っている。放射性物質汚染廃棄物の処理に関する国民の理解を得るためには、現時点における減衰後の推定濃度を公表するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
また、千葉県千葉市に一時保管されている七・七トンの指定廃棄物について、一般的な濃度減衰の傾向を前提に計算すると、平成二十七年八月三十一日時点において、一キログラム当たり八千ベクレルを下回っているのは何トンなのか、明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、現在、関係地方公共団体と意見交換を行いながら、手続の詳細について検討を行っているところであるが、結論を出す時期の目途については未定である。
二から四までについて
御指摘の指定解除の手続について結論が出た後は、当該手続に沿って指定解除を行うこととなるが、指定廃棄物(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)第十九条に規定する指定廃棄物をいう。以下同じ。)を長期にわたって管理する施設(以下「長期管理施設」という。)の設置に必要な面積の算出及び詳細調査(長期管理施設の建設に向けた手順の一環として行う地盤、地質等の調査をいう。以下同じ。)を行う候補地の選定の一環として行う市町村ごとの指定廃棄物の保管量に係る評価(以下「算出等」という。)については、関係する各県の県知事及び各県内の市町村長が参加する会議における議論を踏まえ確定した各県の長期管理施設の候補地の選定手法において、選定作業を行う時点の最新の指定廃棄物の保管量を用いることとしていることから、御指摘の放射能濃度の減衰及び指定解除を行うことが想定される指定廃棄物の量を考慮したうえで算出等を改めて行う必要はないと考えている。
また、仮に指定解除を行うたびに算出等を行うこととすると、詳細調査を行う候補地を確定することができず、指定廃棄物の処理に着手できなくなることから、詳細調査を行う候補地の選定結果の提示後に御指摘の指定解除を行う場合でも、改めて算出等を行う予定はない。
五について
指定廃棄物の放射能濃度の減衰については、指定廃棄物を保管している者において、当該指定廃棄物の指定時の放射能濃度及び国が公表している一般的な放射能濃度の減衰傾向を基に、減衰に要する年数を推定することができること、指定廃棄物の放射能濃度の減衰は処理の安全性の確保に影響を及ぼすものではないこと等から、御指摘のような減衰後の推定濃度を現時点において公表する必要はないと考えている。
また、御指摘の千葉市において保管されている約七・七トンの指定廃棄物については、当該指定廃棄物に係る指定の申請書に記載されている放射能濃度を基に平成二十七年八月三十一日時点の放射能濃度を推定すると、約七・七トンの全量が一キログラム当たり八千ベクレル以下となる。
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