ことばで探す › 参議院 第189回
明治大学法科大学院青柳幸一教授による司法試験問題漏洩に関する質問主意書
参議院 第189回 第297号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
公正であるべき司法において、その担い手を選抜する司法試験に際して、こともあろうか、平成十九年、慶應義塾大学法科大学院植村栄治教授に続いて、またしても、司法試験考査委員が自らの教え子に問題のみならず解答さえ漏洩する事件が発覚し、司法試験及び司法に対する国民の信頼は大きく傷ついてしまった。
ところが、平成二十七年九月十日、参議院法務委員会における上川法務大臣の答弁は、本件に関して、「ただいま捜査の段階であるということでございますので、お答えは差し控えさせて頂きたい」、「個人のプライバシーに関わることということでございまして、お答えにつきましては現段階では差し控えさせて頂きたいと存じます。」を繰り返すばかりで、何も答えようとしない。その結果、委員会は四回にわたって中断してしまい、上川法務大臣及び政府が今般の事件を真摯に受け止めているか疑義を抱かざるを得ない。
そこで、司法試験及び司法の信頼を取り戻し、三度、同種の事件が発生しないために、以下のとおり質問する。
一 独立行政法人大学入試センターが実施する大学入試センター試験(以下、「センター試験」という。)の問題は、誰が、どのように作成しているか。
二 センター試験の問題作成に、講師等大学受験予備校(以下、「予備校」という。)の関係者は関与しているか。
三 予備校に通う者の殆どが大学入試を受けるように、法科大学院に通う者は司法試験を受験する。したがって、司法試験の問題を法科大学院の教員が作成することは、センター試験の問題を予備校講師が作成するようなものではないか。
四 三に述べた意味において、法科大学院の教員が司法試験考査委員を兼ねることは「構造カンニング」とでも言うべき状態である。それにもかかわらず、慶應義塾大学法科大学院植村教授によるカンニング事件発覚後も法科大学院の教員を司法試験考査委員に任命し続ける理由は何か。
五 再び、慶應義塾大学法科大学院の植村教授事件、明治大学法科大学院の青柳教授事件を引き起こさないために、法科大学院の教員を司法試験考査委員に任命しないこととすればいかがか。
何か不都合はあるのか。
六 捜査中を理由に国会答弁を拒否する法律上の根拠を明らかにされたい。
七 プライバシーに関わることを理由に国会答弁を拒否する法律上の根拠を明らかにされたい。
八 前記委員会質疑において、上川法務大臣が述べた、平成二十一年三月三十日に司法試験委員会が決定したところの「処分基準」とはいかなるものか。
全文を示されたい。
九 青柳教授から司法試験問題を教示された受験生(以下、司法試験委員会に倣い、「A」という。)は、八の基準に照らすと、いかなる当てはめとなったか。
十 上川法務大臣は、九の当てはめの結果、Aは四年以上の受験禁止処分に該当すると答弁している。
しかるに、Aに関して五年間の受験禁止処分が課されたのは、他にいかなる事情を斟酌したからか。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
大学入試センター試験の問題は、独立行政法人大学入試センターにおいて、高等学校の学習内容を踏まえ、専門的見地から作成されていると承知している。
また、お尋ねの「講師等大学受験予備校(以下、「予備校」という。)の関係者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、独立行政法人大学入試センターにおいては、平成十三年に策定した「独立行政法人大学入試センター教科科目第一委員会委員の選考等に関する細則」に基づき、「大学、大学共同利用機関法人又は独立行政法人・・・の教授若しくは准教授又は学識経験のある者で理事長が特に必要と認めたものであること」、「高等学校等の教育課程に理解と認識を有し、原則として大学入学者選抜試験問題の作成経験を有すること」及び「試験の公正な実施に関して社会的疑義の生じる恐れのある子又は兄弟姉妹等に大学入学志願者がいないこと又は任命の日から三年以内に生じることが予測されないこと」の全てに該当する者のほか、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)に規定する指導主事その他の高等学校等教育関係者で、「大学入試センター試験に理解と認識を有すること」、「任期中及び任期満了後一年間は、高等学校等において授業を担当しないこと」及び「試験の公正な実施に関して社会的疑義の生じる恐れのある子又は兄弟姉妹等に大学入学志願者がいないこと又は任命の日から三年以内に生じることが予測されないこと」の全てに該当する者が試験問題を作成していると承知している。
三について
司法試験と大学入試センター試験とは、その趣旨及び目的が異なることから、一概に比較することは困難である。
四について
法科大学院においては、将来の法曹としての実務に必要な学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を涵養するための理論的かつ実践的な教育を体系的に実施するものとされており、また、司法試験は、法科大学院における教育との有機的連携の下に、裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかの判定を行うものとされていることから、司法試験における問題作成等を行う司法試験考査委員については、司法試験を行うについて必要な学識経験を有する者として、法科大学院の教員をもこれに任命してきたものである。
五について
お尋ねについては、司法試験の実施をつかさどる司法試験委員会において、漏えいの原因を究明するとともに、御指摘の点も含め、適切な再発防止策を検討していく方針である。
六について
捜査中の事件に関する情報については、関係者の名誉やプライバシーを保護する必要があるほか、当該情報を開示することにより罪証隠滅を招くなどして捜査・公判への支障が生じるおそれがあることから、慎重に対応しているところである。
七について
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。