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選挙権年齢引下げに伴う政府の対応に関する質問主意書
参議院 第190回 第23号
質問本文
平成二十八年参議院議員通常選挙から選挙権年齢が十八歳に引き下げられる。これは、国民の参政権を拡げ若者の社会参加、政治参加の推進を図ることにより民主主義を更に発展させるという重要な意義がある。若者が政策決定に参画し政治的影響力を高めることは我が党の一貫した主張であり、十八歳を通過点とする現在と未来の有権者の負託に応える、活き活きとした主権者教育政策の着実な実現が求められている。こうした観点から、政府の政治教育及び主権者教育に関して以下質問する。
一 主権者教育の推進に関して、我が党は、平成二十七年八月二十日に十八歳選挙権に係る主権者教育の推進等に関する申入れを行い、「学校教育を中心とした「主権者教育」確立のための政策提言」を行っている。政府としては、我が党の提言に対し、どのような検討をし、いかなる対応を行ったかを示されたい。
二 文部科学省は、学校における政治的活動の制限等についての指針を示した昭和四十四年の文部省通知「高等学校における政治的教養と政治的活動について」を廃止し、「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」という新たな通知を平成二十七年十月二十九日に発出した。この新たな通知において、我が党の提言内容はどのような扱いになっているのか伺いたい。また、学校教育と政治的中立性については、「教職員、学生・生徒、保護者・地域のいずれにとってもわかりやすく、明快なガイドライン、ルールを文科省、地教委、学校が三位一体で確立する」ことを我が党は提言しているが、こうしたガイドラインの策定について、政府の方針を示されたい。
三 政府は、選挙権年齢の十八歳への引下げ法案審議の際、「高校生向けの副教材で選挙の意義や重要性を実践的な体験を通して学ぶことができるようにするとともに、教師用の指導資料も併せて作成し、学校教育活動の具体的な場面における指導の留意点について示すことを通じて、各学校の政治的中立性が確保され、なおかつ現実の事象に即した政治的教養の教育が実践的に行われるように示していきたい。」旨答弁した。しかしながら、平成二十七年九月二十九日に公表され、十一月から配布された副教材及び指導資料については、学校現場において、戸惑いが生じ萎縮効果を生むことが懸念されている。今後、開かれた場で、多様な意見を取り入れつつ副教材及び指導資料の検証を行うべきと考えるが、政府の対応方針を示されたい。
四 選挙権年齢の十八歳への引下げ法案の発議者からは、「主権者教育については、学習指導要領の改訂に際し、しっかりと位置付けていく必要がある。」旨答弁があった。現在、検討が行われている次期学習指導要領における主権者教育の位置付けについて、検討状況を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
御指摘の「主権者教育」については、御指摘の「学校教育を中心とした「主権者教育」確立のための政策提言」を含む各種の提言等も参考にしつつ検討を行い、例えば、政治や選挙等に関する高等学校等の生徒向けの補助教材である「私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために」(以下「補助教材」という。)及びその活用のための指導資料である「私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために 活用のための指導資料」(以下「指導資料」という。)の作成及び配布や「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(平成二十七年十月二十九日付け二七文科初第九三三号文部科学省初等中等教育局長通知。以下「通知」という。)の発出等の対応を行ったところである。
通知では、各都道府県教育委員会等に対し、「高等学校等においては(中略)習得した知識を活用し、主体的な選択・判断を行い、他者と協働しながら様々な課題を解決していくという国家・社会の形成者としての資質や能力を育むことが・・・求められ」ること等を踏まえ、「校長を中心に学校として指導のねらいを明確にし、系統的、計画的な指導計画を立てて実施すること」や、「現実の具体的な政治的事象も取り扱い、生徒が有権者として自らの判断で権利を行使することができるよう、より一層具体的かつ実践的な指導を行うこと」、「現実の政治を素材とした実践的な教育活動をより一層充実させるとともに、高等学校等の生徒による政治的活動等に関して指導するに当たっては、学校としての方針を保護者やPTA等に十分説明し、共有すること等を通じ、家庭や地域の関係団体等との連携・協力を図ること」等の留意事項等を示したところである。
また、御指摘の「ガイドラインの策定」については、文部科学省としては、教育委員会や高等学校の関係者、高等学校の生徒の保護者の代表者等から意見の聴取を行った上で指導資料や通知を作成し、これらの文書において、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十四条第二項の規定に基づく政治的中立性の確保など政治的教養を育む教育の推進に当たっての留意点等を示しているところである。
三について
お尋ねについては、文部科学省としては、今後、高等学校等における補助教材等の活用状況や政治的教養を育む教育の実施状況について調査を行い、その結果を踏まえ、高等学校等における政治的教養を育む教育の更なる充実に取り組んでまいりたい。
四について
学習指導要領の改訂については、現在、中央教育審議会において審議がなされているところであり、平成二十七年八月には、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会において、「教育課程企画特別部会 論点整理」(以下「論点整理」という。)が取りまとめられたところである。論点整理においては、これからの時代には、「国家及び社会の形成者として必要な知識や思考力等を基盤として選択・判断等を行い、課題を解決していくために必要な力・・・を、全ての高校生に共通に育んでいくことが求められる」ことを踏まえ、例えば、高等学校の公民科において、「主体的な社会参画に必要な力を、人間としての在り方生き方の考察と関わらせながら実践的に育む科目「公共(仮称)」の設置を検討すること」が示されており、教育課程部会の下に置かれた「高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム」等において、専門的な観点から更なる検討が進められている。
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