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国家戦略特別区域(成田市)における医学部及び附属病院新設に関する質問主意書
参議院 第190回 第86号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1
質問本文
第百九十回国会質問第一七号「国家戦略特別区域における医学部新設に関する質問主意書」(相原久美子参議院議員提出)において、内閣府の「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」(平成二十七年七月三十一日内閣府・文部科学省・厚生労働省決定。以下「医学部新設方針」という。)と成田市における説明「国家戦略特区における医学部新設について」(平成二十七年九月二十七日成田市企画政策部国家戦略特区推進課)の不一致について質問がなされたが、答弁書(内閣参質一九〇第一七号)一についてでは「政府と同市との間では認識は一致している」と回答されている。
この答弁書を受けて以下の質問をする。
一 医学部新設方針の中で目的として「国内外の優れた医師を集め、最高水準の医療を提供できる、世界最高水準の「国際医療拠点」をつくるという国家戦略特区の趣旨を踏まえた、国際的な医療人材の育成のための医学部新設の方針を定める。」とあり、留意点として「国家戦略特区の趣旨を踏まえ、一般の臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なる、上記の目的に沿った際立った特徴を有する医学部とすること」と記されており、「その他、社会保障制度への影響など」には「養成された医師が、当初の目的に反して一般の臨床医として勤務するようであれば、長期間にわたり社会保障制度に影響を及ぼす可能性もあり、その場合には、医師需給を踏まえた全体の医学部定員の中で調整を行う。」とも記されており、国家戦略特区における医学部新設はあくまで国際的な医療人材の育成のためであって、一般の臨床医の育成が主目的ではないと明確に述べられている。
これに対して前述の成田市の説明では、千葉県内の医学部は千葉大学一校のみであり、人口十万人当たりの医師数は全国最下位レベルにあるなど医師不足は将来的にも厳しい状況が続くと見込まれることに鑑み、こうした状況を改善し、地域医療の崩壊を未然に食い止めるために国家戦略特区を活用した医学部新設を提案した旨述べており、主として一般の臨床医の育成のために医学部新設を提案したとされている。さらに平成二十五年九月十一日開催の国家戦略特別区域ワーキンググループ提案に関するヒアリングに提出された、成田市と国際医療福祉大学によるプレゼンテーション「国際医療学園都市構想」によれば、医学部の入学定員百四十名のうち二十名は海外からの留学生を含め国際舞台での医療の担い手となる人材として教育するが、百二十人は国内の医師不足の解消を図るため、地域医療の担い手として教育すると記されており、現在も入学定員は変更されていないことから、こうした医学部学生の育成方針は維持されているものと考えられる。
成田市の説明は医学部新設方針に明らかに相反していると考えられるが、政府はこれを許容していると考えてよいか。
二 国家戦略特区における国際医療福祉大学の医学部の新設が予定されている成田市は人口約十三万人のところに、市内にはすでに一般病院として成田赤十字病院、成田病院が存在し、近隣市にも成田富里徳洲会病院、東邦大学医療センター佐倉病院、日本医科大学千葉北総病院などの急性期病院が多数存在している。ここにさらに国家戦略特区として医療法上の病床規制を撤廃した上で、予定されている国際医療福祉大学の附属病院(六百床)が建設されれば、成田市周辺地域における医療供給体制の過剰あるいは不均衡を来たし、当該地域の既存の医療の混乱や崩壊を招くという危惧も指摘されている。政府は、国家戦略特区における医学部及び附属病院の建設が成田市周辺地域の既存の医療の混乱や崩壊を招く可能性についてどのように認識しているのか。あるいはこうした混乱を防止するために、何らかの措置が講じられるべきと考えているか。
三 成田市が国際医療福祉大学医学部のキャンパス用地として土地の所有者である民間企業から土地を購入するための購入価格を決定するにあたり、成田市が不動産鑑定業者に依頼し算出した不動産価格と当該所有者が不動産鑑定業者に依頼し算出した不動産価格との中間値をもって当該購入価格としたが、このように、地方自治体が事業のために土地購入を行う場合に、自らの不動産鑑定価格と土地所有者の不動産鑑定価格の中間値、又は土地所有者が行った不動産鑑定価格をもって、土地購入価格とした事例として政府が把握しているものを挙げられたい。なお、対象事例は購入価格が十億円以上となったものに限る。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、御指摘の参議院議員相原久美子君提出国家戦略特別区域における医学部新設に関する質問に対する答弁書(平成二十八年一月二十九日内閣参質一九〇第一七号)一についてでお答えしたとおりである。
なお、内閣府、文部科学省及び厚生労働省としては、「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」(平成二十七年七月三十一日内閣府・文部科学省・厚生労働省決定。以下「方針」という。)において、国際的な医療人材の育成という目的に沿った医学部とするための留意点を示し、千葉県成田市における医師の養成に係る大学の設置を実施すると見込まれる者である学校法人国際医療福祉大学(以下単に「国際医療福祉大学」という。)の当該留意点への対応状況について、平成二十七年十一月二十日に、医学教育に知見を有する専門家の意見を聴取した上で、確認を行ったところであり、国際医療福祉大学が新設する意向を有している医学部においては留学生を含めた学生全員に対して国際的な医療人材の育成のための教育が行われる予定であると承知している。
二について
国家戦略特別区域における医学部の新設に当たっては、方針において留意点として示した「医学部新設及び附属病院設置のための教員や医師、看護師の確保に際し、引き抜き等により地域医療に支障を来さないような方策を講じること」が必要である。その上で、当該留意点の重要性に鑑み、平成二十七年十一月二十六日に開催された国家戦略特別区域会議合同会議において、厚生労働省から国際医療福祉大学に対し、国際医療福祉大学の教員への応募については、海外からの応募の場合を除いて、応募者の所属機関に対し、応募者が国際医療福祉大学へ転出することで当該所属機関の医療活動に与える影響がない旨の書面の提出を求めること並びに国際医療福祉大学の教員等の確保が地域医療に与える影響について検証及び評価を行うことを要請したところである。また、仮に千葉県成田市において国際医療福祉大学の附属病院が開設される場合は、現状では、同市を含む二次医療圏の病床数が医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第二項第十四号に規定する基準病床数を超えることとなることから、当該附属病院の開設について同法第七条第一項の規定に基づく許可の申請が行われ、千葉県知事が同項に規定する病院の開設の許可の申請に対する許可に係る事務を行おうとする場合には、当該基準病床数の算定の特例の適用が必要となるところ、当該特例の適用が適切に行われるよう、同省としては、当該留意点の趣旨及び当該要請を踏まえた国際医療福祉大学の対応状況を考慮しつつ対応してまいりたい。
三について
お尋ねについては、調査に膨大な作業を要することから、網羅的にお答えすることは困難であるが、平成二十二年度から平成二十六年度までの間において地方公共団体が事業のために土地を買い入れた場合(買入価格が十億円以上である場合に限る。)に限れば、地方公共団体が依頼した不動産鑑定業者により決定された鑑定評価額と土地所有者が依頼した不動産鑑定業者により決定された鑑定評価額との平均値を買入価格とした契約については把握していないが、土地所有者が依頼した不動産鑑定業者により決定された鑑定評価額を買入価格とした契約については、地方公共団体が国から国有財産を買い入れた契約が十二件あることを把握しており、①契約を締結した年月日、②買い入れた地方公共団体、③買入価格を契約ごとにお示しすると、それぞれ次のとおりである。
①平成二十三年十月二十四日 ②東京都新宿区 ③四十六億八百万円
①平成二十四年一月三十一日 ②東京都北区 ③十五億二千万円
①平成二十四年二月二十八日 ②東京都 ③三十八億千万円
①平成二十四年三月二十一日 ②東京都 ③十八億七千百万円
①平成二十五年三月十八日 ②東京都 ③三十九億六千五百万円
①平成二十五年三月二十二日 ②東京都中野区 ③四十一億五千三百万円
①平成二十五年三月二十九日 ②東京都 ③十二億三千三百万円
①平成二十五年四月十八日 ②千葉県船橋市 ③二十四億七千万円
①平成二十五年五月一日 ②東京都品川区 ③二十七億千八百万円
①平成二十五年十一月十一日 ②東京都 ③百五十八億五千万円
①平成二十七年三月十六日 ②東京都中野区 ③七十八億六千万円
①平成二十七年三月十七日 ②東京都 ③十四億二千万円
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