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中東地域への自衛隊派遣に関する質問主意書

参議院 第200回 第113号

提出者
参議院
提出日
2019年12月6日
内閣転送 2019年12月9日
答弁書受領日
2019年12月17日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,331字/答弁 888字

質問本文

令和元年十月十八日、菅内閣官房長官は、記者会見において、中東地域における平和と安定及び我が国に関係する船舶の安全の確保のために、独自の取組を行っていくこととし、政府として、情報収集態勢強化のための自衛隊アセットの活用に係る具体的な検討を開始するとの方針を確認したことを公表した。

本件に関し、以下質問する。

一 河野防衛大臣は、同年十一月二十三日、英国国際戦略研究所(IISS)が主催するIISS地域安全保障サミット(マナーマ対話)において、「情報収集態勢の強化を図るため、日本独自の取組として、自衛隊アセットの活用について検討を開始しました。これは、我が国に関係する船舶の安全は勿論、中東地域の平和と安定に資するものです。」と発言しているが、今般の「自衛隊アセットの活用」は、我が国の情報収集態勢強化のために調査及び研究を目的として実施されるものであり、それを「中東地域の平和と安定に資するもので」あるとするのは、論理的に整合しないのではないか。政府として明確に説明されたい。

二 一般論として、他国が国際的な武力紛争の当事者となっている場合に、自衛隊が当該他国の依頼によらず独自の情報収集活動あるいは警戒監視活動を行い、それらを通じて収集した情報のうち、当該武力紛争の相手国の軍隊の様子、動向等に係る情報であって、当該他国による武力の行使を直接支援することとなる情報を、当該他国に提供することは、日本国憲法第九条との関係で問題を生ずることとなるか、政府の見解を示されたい。

三 本年十二月二日から三日まで、イランのアラグチ政務担当外務次官が訪日し、三日には、安倍総理を表敬したものと承知している。報道によると、安倍総理は、アラグチ次官に対し、中東地域への自衛隊の派遣を検討していることを伝えたとされるが、アラグチ次官より、中東地域への自衛隊の派遣に対し、どのような立場が示されたのか。

四 アラグチ次官は、NHKのインタビューにおいて、日本政府が中東地域への自衛隊の派遣を検討していることについて「日本の最終的な決定を待っているところではあるが、いかなる外国の軍隊もこの地域の安定や安全、平和に貢献するとは思えない」と述べた上で、安倍総理に対し、こうしたイラン側の立場を伝えたことを明らかにしており、イランの報道機関も、このアラグチ次官のインタビュー内容を報道している。中東地域の平和と安定の実現において重要な存在であるイラン政府の高官から、「いかなる外国の軍隊もこの地域の安定や安全、平和に貢献するとは思えない」との発言があったことについて、中東地域への自衛隊派遣を検討している政府として、どのように受けとめているのか。こうしたイラン側の立場に対する政府としての見解を示されたい。

五 前記一において示した河野防衛大臣による「自衛隊アセットの活用」が「中東地域の平和と安定に資するもので」あるとの発言と、前記四において示したイランのアラグチ政務担当外務次官による「いかなる外国の軍隊もこの地域の安定や安全、平和に貢献するとは思えない」との発言は、全く相反しており、中東地域への自衛隊の派遣は見送るべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの河野防衛大臣の発言は、令和元年十月十八日の記者会見において菅内閣官房長官が述べた政府の方針のとおり、中東地域における平和と安定及び我が国に関係する船舶の安全の確保のため、更なる外交努力や航行安全対策の徹底とともに、情報収集態勢強化のための自衛隊アセットの活用に係る具体的な検討を行っている旨を述べたものである。

二について

一般論として、政府としては、従前から、自衛隊がその任務を遂行するために行う情報収集活動によって得られる情報を、一般的な情報交換の一環として提供することは、実力の行使に当たらず、憲法上の問題はないと考えているが、例えば、特定の国の武力行使を直接支援するために、偵察行動を伴うような情報収集を行い、これを提供する場合のように、情報の提供に特定の行動が伴う場合には、これが例外的に他国による武力の行使と一体となると判断される可能性があると考えている。いずれにせよ、他国の武力の行使に関連する我が国の活動が、当該他国の武力の行使と一体化するかどうかについては、一般に、我が国の活動の具体的内容等諸般の事情を総合的に勘案し、個別に判断すべきものと考えている。

三について

外交上のやり取りの詳細についてお答えすることは、相手国との関係もあり差し控えたい。

四について

お尋ねについては、令和元年十二月四日の記者会見において、菅内閣官房長官が、「日本からは、中東における我が国に関係する船舶の安全確保のため、独自の取組として情報収集態勢を強化するために自衛隊を活用するための検討を行っている旨、説明をいたしました。また、船舶の安全な航行確保のために沿岸国としての責任を全うするように、この点も要請をいたしました。これに対するイラン側の反応については外交上のやり取りでありますので詳細は控えます」と述べたとおりである。

五について

お尋ねについては、令和元年十月十八日の記者会見において菅内閣官房長官が述べた政府の方針のとおりであり、現在、当該方針に従って、情報収集態勢強化のための自衛隊アセットの活用に係る具体的な検討を行っているところである。

参議院の原文

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