Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第201回

我が国の行政運営における「私的懇談会」等の運営等に関する質問主意書

参議院 第201回 第144号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×5

提出者
参議院
提出日
2020年6月11日
内閣転送 2020年6月17日
答弁書受領日
2020年6月23日
提出から12日
答弁の項目数
7
質問 4,182字/答弁 2,401字

質問本文

我が国の行政運営において、専門家の知見等を活かす仕組みとして存在しているはずの審議会等の第三者機関が、ともすれば実質的に十分な独立性や専門性を有さず、その時々の政権の既定方針の追認や権威付けのための機関と化しているのではないかとの指摘が有識者等からなされている。

特に、いわゆる「私的懇談会」や「懇談会等行政運営上の会合」といわれるもの(以下「懇談会等」という。)については、国家行政組織法八条、内閣府設置法三十七条等を根拠とする正規の審議会(以下「審議会等」という。)との違いが不分明であるにもかかわらず、政権の政策決定や政策判断への影響度合いが大きくなってきている傾向が顕著であり、その法的根拠や人選の中立性、予算措置や運用・運営面での妥当性など、立法府や第三者機関による厳格な監視が必要だとの指摘もある。

このような指摘を受け、「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(一九九九年四月二十七日閣議決定「中央省庁等改革の推進に関する方針」の一部。以下「基本的計画」という。)などでは、懇談会等の在り方について、参加者個々人の意見を聞くのみで意思決定を行うべきでないことや、答申・意見書など合議体としての結論と受け取られるような呼称を付さないことなど、運営の原則に関わる幾つかの重要な規律を示しているところである。

以上のような問題認識及び懇談会等の在るべき姿に関するこれまでの議論等に鑑み、以下、近年に設置された二つの懇談会等について、質問する。

一 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議

1 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下「専門家会議」という。)は、新型コロナウイルス感染症対策本部の私的懇談会であると考えられるが、政府の見解は如何か。

2 基本的計画によれば、私的懇談会は「審議会等の公開に係る措置に準ずる」として、審議会等が「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する。なお、特段の理由により会議及び議事録を非公開とする場合には、その理由を明示するとともに、議事要旨を公開するものとする。」とあるところが準用されている。この規定を踏まえれば、専門家会議において、議事録を公開しない特段の理由はないものと考えるが、政府の見解は如何か。特段の理由があるとする場合には、その特段の理由を明確に示されたい。

3 「行政文書の管理に関するガイドライン」(平成二十三年四月一日内閣総理大臣決定、令和元年五月一日最終改正。以下「ガイドライン」という。)十二頁には、「審議会等や懇談会等については、法第一条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録を作成するものとする。」とあり、基本的計画の審議会等、懇談会等の透明性に関する規定にも沿っている。専門家会議は、このガイドライン中の「審議会等や懇談会等」に当たると考えるが、政府の見解は如何か。

4 専門家会議は、法律の根拠がない以上、構成員が公務員として行う公務ではなく、私人としての構成員の意見表明を聴取する会議であり、ガイドライン十三頁の「各行政機関の対応を円滑に行うため、政府全体として情報交換を行う会議等」とは性質が異なると考えるが、政府の見解は如何か。

5 ガイドライン十三頁の「各行政機関の対応を円滑に行うため、政府全体として情報交換を行う会議等」には審議会等、懇談会等は含まれないと解さないと、基本的計画に整合しないと考えるが、政府の見解は如何か。

二 出入国管理政策懇談会及び収容・送還に関する専門部会

1 収容・送還に関する専門部会は、法務大臣の私的懇談会として「出入国管理政策懇談会」が設置され、その下に設置されているという理解でよいか、確認されたい。

2 その上で、出入国管理政策懇談会及びその下に設けられる専門部会の目的は、法務大臣や出入国在留管理庁の持つ方針の実施施策を審議・検討することではなく、また、これらの方針に対する批判も含めて、有識者から幅広く自由闊達な意見聴取をすることであるものと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

3 出入国管理政策懇談会及び収容・送還に関する専門部会における委員の発言は、公務員としての公務ではなく、私人としての思想信条の表明、学問成果の発表であると考えるが、政府の見解は如何か。

4 前記二の2及び3に関連し、出入国管理政策懇談会委員及び収容・送還に関する専門部会の各委員に対し、委員就任時に「(当該懇談会・専門部会は)法務大臣の方針に基づく実施施策を検討する場ではなく、法務大臣の方針に対する批判も含めて、幅広く自由闊達な意見聴取を目的とする場である」という趣旨の説明をしたか否か、明らかにされたい。

5 第七次出入国管理政策懇談会の令和元年五月三十一日の議事録に、出入国在留管理庁政策課長の発言として「これは、前回の基本計画からも積み残しの検討課題となっているものでございますけれども、退去強制手続中に難民認定制度を行えば送還が停止されるという制度の見直しでございます。このような問題については、特に御検討をお願いしたいと考えているところでございます。また、検討方法につきましては、別途専門部会を設けるというようなことも選択肢に入れて、今後検討していきたいと考えております。」とある。これは、送還停止制度を見直すという方針を前提に、その実施のための具体的施策の検討を同懇談会に諮問したものと読めるところ、これは、法務大臣や出入国在留管理庁の方針と異なる意見の表明を妨げるおそれがあると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

6 出入国管理政策懇談会及び収容・送還に関する専門部会の会合は、法務大臣の方針に縛られることなく幅広く自由闊達な意見聴取ができるよう配慮されるべきと考えるが、毎回の会合に、出入国在留管理庁長官、同庁各課課長、同庁各室長などが出席していることは、出入国在留管理庁に批判的意見を述べることについて抑制的な影響を生じさせるおそれがあるのではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

7 収容・送還に関する専門部会の結果を踏まえた出入国管理政策懇談会は、個々の委員の意見聴取にとどまらない懇談会としての意見の策定を予定しているか否か、明らかにされたい。もしそれを予定している場合、基本的計画との整合性についての政府の見解を明らかにされたい。

8 私的懇談会においては、自由闊達な意見聴取をするべきであって、官僚が委員の意見を誘導するべきでないし、まして、誤った情報や差別・偏向を含む見解を事前に与えて誤導することは許されないと考える。その上で、収容・送還に関する専門部会の第一回会合に、出入国在留管理庁から「送還忌避者の実態について(令和元年六月末現在)」(令和元年十月一日付発表)が資料として提出されたが、同資料については、同年十二月二十日、「捜査段階の通報内容に基づいて記載したものですが、今般の御指摘を真摯に受け止め、今後このような公表を行う場合には、判決結果等を踏まえて行ってまいります。」などと説明が掲示され、法務省ホームページから削除されたが、令和二年三月二十七日に、新たな「送還忌避者の実態について(令和元年十二月末現在)」が法務省からプレスリリースとして発出され、再び法務省ホームページに掲載されている。これについて、以下、質問する。

(1) 「送還忌避者の実態について(令和元年六月末現在)」は、不適切な内容を含む資料として撤回されたものか、そうであれば当該文書のどの箇所・記述が不適切だと判断されたのかを含め、同文書の扱いについて明らかにされたい。

(2) 「送還忌避者の実態について(令和元年六月末現在)」の四頁に、被退令仮放免者の逮捕件数等のグラフが記載されていたが、記録された逮捕事案について、その後の起訴、判決結果を確認していたか否か、明らかにされたい。仮に確認していた場合、その結果を示されたい。特に、「殺人未遂二件」、「性犯罪(わいせつ)三件」の起訴の有無、起訴された場合の罪名、判決結果を明らかにされたい。

(3) 「送還忌避者の実態について(令和元年六月末現在)」の二頁に「我が国で罪を犯し刑事罰を科された者や退去強制処分歴又は仮放免取消歴を有する者を仮放免することは、我が国の安全・安心を確保する観点から認めるべきでなく、一刻も早い送還を期すべき」、三頁に「法律上、難民認定手続中は一律に送還が停止されることに着目して、申請に及んでいる者が一定数存在することが考えられ、こうした難民認定制度の濫用的利用者の存在は、早期送還にとって大きな支障となっている」との記載があったところ、「送還忌避者の実態について(令和元年十二月末現在)」(令和二年三月二十七日付発表)には、それらの記述が存在しない。それらの記述を削除した理由を明らかにされたい。

(4) 前記二の8の(3)に関連し、「送還忌避者の実態について(令和元年六月末現在)」の扱い及び同文書の一部を「送還忌避者の実態について(令和元年十二月末現在)」(令和二年三月二十七日付発表)において削除したことについて、専門部会委員に説明をしたのか否か、説明していた場合は、説明内容とその時期を明らかにされたい。

(5) 前記二の8の(4)に関連し、もし「送還忌避者の実態について(令和元年六月末現在)」の削除された記述部分の影響が未だに専門部会の委員に残っているとすれば、その影響がない場合と比して委員の意見が異なるものとなるおそれがあり、真に自由な意見表明・聴取の場とは言えなくなることが懸念されるが、政府の見解は如何か。

(6) 「送還忌避者の実態について(令和元年十二月末現在)」の四頁にも、被退令仮放免者の逮捕件数等のグラフが記載されているが、そこに記録された逮捕事案について、その後の起訴、判決結果を確認したか否か、明らかにされたい。確認していた場合、その結果を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」(以下「専門家会議」という。)は、「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(平成十一年四月二十七日閣議決定)にいう「懇談会等行政運営上の会合」(以下「懇談会等行政運営上の会合」という。)である。

一の2について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、専門家会議については、出席者が自由かつ率直に議論することができるよう、会議については非公開とし、その議事概要を公開することとしているものである。

一の3について

専門家会議については、「行政文書の管理に関するガイドライン」(平成二十三年四月一日内閣総理大臣決定。以下「ガイドライン」という。)第三の留意事項の「別表第一の業務に係る文書作成」の項目中の「懇談会等」に該当するものと考えている。

一の4について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、専門家会議は、ガイドライン第三の留意事項の「歴史的緊急事態に対応する会議等における記録の作成の確保」の項目中の「政策の決定又は了解を行わない会議等」(以下「政策の決定又は了解を行わない会議等」という。)に該当するものと考えている。

一の5について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、ガイドラインにおいては、第三の留意事項の「別表第一の業務に係る文書作成」の項目中の「審議会等や懇談会等」については、「開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録」を作成することとされ、そのうち、歴史的緊急事態における政策の決定又は了解を行わない会議等に該当するものについては、「活動期間、活動場所、チームの構成員、その時々の活動の進捗状況や確認事項(共有された確認事項、確認事項に対して構成員等が具体的に採った対応等)を記載した文書」等を作成することとされており、「「各行政機関の対応を円滑に行うため、政府全体として情報交換を行う会議等」には審議会等、懇談会等は含まれないと解さないと、基本的計画に整合しない」との御指摘は当たらない。

二の1、2及び4から6までについて

御指摘の「出入国管理政策懇談会」(以下「政策懇談会」という。)は、出入国在留管理行政について広く各界の有識者から意見を聴取するための懇談会等行政運営上の会合であり、平成二十八年九月に開始した第七次政策懇談会は、平成二十七年九月十五日に法務大臣が定めた第五次出入国管理基本計画において今後検討することとした課題等について、担当職員から出入国在留管理行政の現状等を説明するなどした上で、幅広い視点から有識者の意見を聴取することを目的としている。

また、御指摘の「収容・送還に関する専門部会」(以下「専門部会」という。)は、第七次政策懇談会の下で令和元年十月以降開催されてきたもので、出入国在留管理行政のうち、収容及び送還に関する問題を解決するために、今後、出入国在留管理庁が採るべき具体的な方策について、担当職員から現状や課題等を説明するなどした上で、専門的知見を有する有識者から意見を聴取することを目的としている。

政策懇談会及び専門部会の各委員に対しては、委員への就任に際して、それぞれその目的を説明しているところであり、「法務大臣や出入国在留管理庁の方針と異なる意見の表明を妨げるおそれがある」との御指摘及び「出入国在留管理庁に批判的意見を述べることについて抑制的な影響を生じさせるおそれがある」との御指摘は、いずれも当たらないと考えている。

二の3及び7について

御指摘の「公務員としての公務ではなく、私人としての思想信条の表明、学問成果の発表である」及び「個々の委員の意見聴取にとどまらない懇談会としての意見の策定を予定している」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

二の8の(1)及び(3)から(5)までについて

出入国在留管理庁が令和元年十月一日に公表した資料「送還忌避者の実態について」(以下「十月版資料」という。)については、同年十一月二十八日の参議院厚生労働委員会の質疑において、十月版資料に「被退令仮放免者が関与した社会的耳目を集めた事件」として記載した事例のうち一つが判決結果を踏まえた記載となっていないとの指摘を受けたことを踏まえ、その後速やかに法務省ホームページにおける公開を停止する措置をとり、同年十二月十二日に開催された専門部会第四回会合において、同庁の担当者から各委員に対し、このような経緯等の説明を行ったところである。

その後、同庁は、十月版資料に記載した統計を更新するなどして新たに作成した資料「送還忌避者の実態について」(以下「三月版資料」という。)を令和二年三月二十七日に同省ホームページにおいて公表した。三月版資料は、送還忌避者に関する実情の把握に資する客観的な統計数値等の記載に重点を置いた内容としており、十月版資料の内容のうち、右に述べた「被退令仮放免者が関与した社会的耳目を集めた事件」として記載した部分並びに十月版資料二ページ及び三ページの御指摘の各記載部分に相当する内容等は、三月版資料には記載していない。

十月版資料の内容と三月版資料の内容との異同については、更新した統計数値の一部は、同年二月十七日に開催された専門部会第七回会合において、同庁の担当者から各委員に説明を行うなどしたが、その他の異同についての説明は行っていない。

もとより、専門部会においては、各委員の専門的知見に基づく自由かっ達な議論がされているものと考えている。

二の8の(2)及び(6)について

御指摘の各グラフにおいて「仮放免中の逮捕事案」として集計した各事案について、逮捕後の刑事手続の状況についてお尋ねのような確認は行っていない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×5

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2004年6月15日 松本 大輔(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年6月22日
提出 2006年12月8日 櫻井充 答弁 2006年12月19日
参議院 第165回 第30号
提出 2004年8月5日 松本 大輔(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年8月11日
提出 2016年11月21日 逢坂 誠二(民進党・無所属クラブ) 答弁 2016年11月29日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる