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政府における政策決定の補佐を行う政策会議等に関する質問主意書

参議院 第165回 第30号

提出者
参議院
提出日
2006年12月8日
内閣転送 2006年12月13日
答弁書受領日
2006年12月19日
提出から11日
答弁の項目数
17
質問 2,931字/答弁 4,887字

質問本文

我が国において、法律を作る場合は、国民の信託を得た国権の最高機関である国会が行い、法律に基づく具体的な政策を作る場合は、国会が選んだ首相が総理する内閣が行うのが基本である。ところが、現在、内閣には政策決定の補佐を行う様々な会議、委員会(以下「政策会議等」という。)が設置されており、国会や内閣の統制から外れて、国民の信託を受けない者が政策決定を行っている。首相のリーダーシップを強めるというのは一つの考えであろうが、このような会議の決定が日本の国益のためになるものであればまだしも、一度誤った決定を下せば、日本の社会に多大な悪影響をもたらすことは明らかである。

そこで、問題に満ちた政策会議等の在り方について、以下質問する。

一 内閣には政策会議等が、法律、政省令、閣議決定等様々な根拠法令等に基づいて設置されているものの、その設置根拠や構成員の選出過程には不透明な部分が多い。

1 政策会議等は根拠法令等によりその権能や決定の効果は異なるのか。異なるのであれば、どのような違いがあるのか。それぞれ明らかにされたい。また、設置方法を統一しない理由についても明らかにされたい。

2 政策会議等が、各府省の施策と異なる決定を行った場合、どちらの決定が優先されるのか明らかにされたい。

3 政府は、特に平成十三年の省庁再編以来、内閣機能の強化をうたってきた。内閣機能の強化において、政策会議等はどのような役割を果たすのか明らかにされたい。

4 政策会議等の構成員は、優れた識見を有する者から選ぶと聞くが、「優れた」とは誰がどのような基準で判断するのか。その選出過程を含めて明確に示されたい。

5 政策会議等の多くは内閣に置かれているため、国会がその政策決定過程には関与できない。政府は、このような仕組みについて国民が認めていると考えているのか。国民が認めていると考えているならば、具体的根拠を示されたい。

二 経済財政諮問会議と総合科学技術会議は、どちらも内閣府設置法第十八条第一項の「内閣の重要政策に関して…次の機関を置く」との規定を根拠としているものの、その取扱いは全く異なっている。

1 総合科学技術会議の議員のうちのいわゆる民間有識者(以下「総合科学技術会議の民間議員」という。)は、内閣府設置法第三十条第一項で「議員を任命しようとするときは、両議院の同意を得なければならない」旨の規定がされているにもかかわらず、なぜ同じ法律に基づく経済財政諮問会議の議員のうちのいわゆる民間有識者(以下「経済財政諮問会議の民間議員」という。)には国会同意が不要であるのか。それぞれの会議の趣旨、権能等両者の違い等に触れながら理由を明確に示されたい。

2 政府は、どのような政策会議等の構成員について、国会同意が必要であると考えているのか、見解を示されたい。

3 総合科学技術会議の民間議員について、内閣府設置法第三十二条では、職務上の義務違反その他議員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる旨の罷免条項がある。また、同法第三十三条では、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない旨の服務条項がある。しかしながら、経済財政諮問会議の民間議員には同様の条項が無い。罷免・服務条項に関し、両会議の取扱いが異なっている理由について明らかにされたい。

三 政府は、平成七年に規制緩和小委員会を設置して以来、現在まで名称を変えながらも会議等を存続させている。

1 規制改革は小泉内閣で担当大臣を置くなど、政府の重要政策であったにもかかわらず、規制改革・民間開放推進会議の根拠は、政省令である内閣府組織令である。経済財政諮問会議及び総合科学技術会議の根拠が内閣府設置法である一方、なぜ規制改革・民間開放推進会議の根拠が法律でなく国会の審議を直接受けない政省令であるのか。国会の審議など必要ないという考えなのか。理由を示されたい。

2 平成十年、小渕内閣に置かれた行政改革推進本部規制緩和委員会以来、長期にわたり、宮内義彦氏が規制緩和や規制改革に関する会議等の長を務めてきたが、宮内氏は規制緩和や規制改革に直接関係する一民間企業の人物である。なぜこのような当事者が、これほど長期にわたり会議等の長を務めてきたのか。また、宮内氏がどのような基準により選ばれたのか、それぞれ明確に示されたい。

3 宮内氏以外に鈴木良男氏、神田秀樹氏、八代尚宏氏が、規制緩和や規制改革に関する会議の委員等を長期間務めている。同じ人物が長期にわたり委員等を務めることは問題ではないのか。政府の見解を示されたい。

4 平成七年の規制緩和小委員会の発足から現在の規制改革・民間開放推進会議までの各委員会等について、平成七年度から平成十八年度までの予算額及びスタッフの人員数を年度ごとに示されたい。また、スタッフの出身(スタッフになる前にどの府省や企業等に勤務していたか)に関し、出身母体ごとの人数について具体的名称を挙げて示されたい。

四 対日投資会議は規制改革・民間開放推進会議と同様に非常に重要であるにもかかわらず、その設置根拠は閣議決定である。

1 対日投資会議の設置根拠について、法律とせず閣議決定としている理由を示されたい。

2 平成十八年四月二十八日現在、対日投資会議専門部会には九名の外国人特別委員がおり、多くが英国及び米国の人間である。しかも、そのほとんどがサービス産業出身者であり、ものづくりの企業出身者はわずかである。外国人特別委員の人選についての決定権者及び決定方法を明らかにされたい。また、なぜこれほどまで偏った人選になったのか明らかにされたい。

3 米国政府の政策決定の補佐を行う政策会議等の構成員が日本国民である事例があれば、具体的に示されたい。事例がないのであれば、その理由について示されたい。また、このような事例がないとすると、日米の不均衡を許してもいいのか政府の見解を示されたい。

五 一九九六年の米国政府の日本政府に対する年次改革要望書において、米国は「審議会及び研究会」という項目で、「政府機関に助言・提言する公式・非公式の諮問委員会及び研究会(審議会、研究会、懇談会及び勉強会等)」について、その構成員から公務員を排除し、外国の非政府関係者及び外国企業が参加し、政府から独立性を保つよう要求している。

1 政策会議等はあくまで日本政府が政策を決定することを助けるものであって、他国が口を挟む話ではない。米国がこのような内政干渉とも言える要求をしてきたことに対して政府は抗議を行ったのか明らかにされたい。

2 同要望書に対して政府はどのような対応を行ったのか。もし米国の要望を受け入れるのであれば、同様の要求を政府は米国に対して行っているのかそれぞれ明らかにされたい。また、行っていないのであれば、その理由を明確に示されたい。

3 同要望書と経済財政諮問会議の設置はどのような関係があったのか。時系列に沿って主要人物の名前を挙げるなど詳しく示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

御指摘の「政策会議等」については、その対象が必ずしも明らかでないが、内閣、内閣官房及び内閣府に置かれた本部、会議等(以下「会議等」という。)は、それぞれの根拠法令等において規定される目的、所掌事務等に基づいて運営されている。また、会議等の設置は、それぞれの会議等の趣旨、目的、運営方式等に応じて適切と考えられる方法により行われるべきものと考えている。

一の2について

政府の施策は、会議等が取りまとめを行った場合には、政府内の調整を経て決定されるものと考えている。

一の3について

内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整等に資するため、御指摘の会議等を活用しているところである。

一の4について

会議等の構成員の任命等の権限を有する者が、それぞれの会議等の目的、所掌事務等に照らして適切と考えられる者を会議等の構成員として任命等をしているところである。

一の5について

会議等は、国民の代表者で組織された国会が定めた法律に基づく行政を行うために、活用されているものであると考えている。

二の1について

経済財政諮問会議及び総合科学技術会議の議員の任命に当たっては、それぞれの会議の位置付けや構成等に応じて内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の定めるところに従い、必要とされる手続を適切に行っているところである。

二の2について

個々の会議等の委員の任命について両議院の同意を得るべきものか否かは、当該会議等の位置付けや構成等に応じて、その設置の根拠となる法律により個別に定められているところである。

二の3について

経済財政諮問会議の有識者議員は、一般職の国家公務員であり、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の任免や服務等についての規定が適用されるが、総合科学技術会議の有識者議員は、国家公務員法第二条第三項第九号の規定により特別職の国家公務員とされ、同法の規定が適用されないことから、内閣府設置法に任免や服務等についての定めが置かれているものと承知している。

三の1について

規制改革・民間開放推進会議は、内閣府設置法第三十七条第二項に基づき設置されている合議制の機関(以下「審議会等」という。)として設置されているが、このような審議会等は、所管大臣以外の関係大臣の諮問等を受けるものや構成員に国会議員を充てるもの等の場合には法律に設置根拠を置き、その他の場合には政令に根拠を置くこととしており、規制改革・民間開放推進会議については法律で設置することとしているものには該当しないため、政令に根拠を置いて設置しているところである。

三の2について

お尋ねの宮内義彦氏は、「規制緩和委員会の設置について」(平成十年一月二十六日行政改革推進本部長決定)に基づき、規制緩和の推進について専門的な知識を有する者として、同委員会委員として委嘱され、委員の互選により、同委員会の長として選出されたものである。また、同氏は、総合規制改革会議令(平成十三年政令第八十七号)第二条第一項に基づき、規制改革に関し優れた識見を有する者として、総合規制改革会議委員として内閣総理大臣により任命され、同令第三条第一項に基づき、委員の互選により、同会議議長として選任されたものである。さらに、同氏は、規制改革・民間開放推進会議令(平成十六年政令第百二十一号)第二条第一項に基づく、規制改革・民間開放に関し優れた識見を有する者として、規制改革・民間開放推進会議委員として内閣総理大臣により任命され、同令第三条第一項に基づき、委員の互選により、同会議議長として選任されたものである。

三の3について

お尋ねの三委員は、それぞれ規制緩和の推進について専門的な知識を有する者、規制改革に関し優れた識見を有する者、規制改革・民間開放に関し優れた識見を有する者として選出され、結果として御指摘の委員会等において委員を務めたものであり、問題があるとは考えていない。

三の4について

お尋ねの委員会等についての予算額は、平成七年度は九千二百三十九万四千円、平成八年度は一億四千三十六万七千円、平成九年度は一億一千三百六十九万四千円、平成十年度は予算額なし、平成十一年度は二千百八十三万九千円、平成十二年度は二千二百三十九万六千円、平成十三年度は予算額なし、平成十四年度は八千三百四十六万八千円、平成十五年度は八千四百十八万三千円、平成十六年度は九千五百七十三万八千円、平成十七年度は八千九百二十七万二千円、平成十八年度は七千二百五十九万八千円となっている。

また、お尋ねの人員数と出身元については、平成七年度の人員は九名であり、その内訳は、総務庁三名、大蔵省、通商産業省、運輸省、トヨタ自動車株式会社、日本労働組合総連合会、株式会社三菱総合研究所各一名である。平成八年度の人員は十七名であり、その内訳は、総務庁四名、大蔵省、日本労働組合総連合会各二名、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、JR東日本株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社三菱総合研究所各一名である。平成九年度の人員は十七名であり、その内訳は、総務庁四名、大蔵省二名、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、JR東日本株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本労働組合総連合会、株式会社三菱総合研究所各一名である。平成十年度の人員は十一名であり、その内訳は、総務庁八名、運輸省、郵政省、トヨタ自動車株式会社各一名である。平成十一年度の人員は二十名であり、その内訳は、総務庁十名、大蔵省、文部省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、新日本製鐵株式会社、ソニー株式会社、トヨタ自動車株式会社各一名である。平成十二年度の人員は二十七名であり、その内訳は、総務庁九名、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省、株式会社イトーヨーカ堂、オリックス株式会社、関西電力株式会社、新日本製鐵株式会社、セコム株式会社、ソニー株式会社、東京海上火災保険株式会社、東レ株式会社、トヨタ自動車株式会社各一名である。平成十三年度の人員は十九名であり、その内訳は、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省各二名、内閣府、公正取引委員会、文部科学省、農林水産省、環境省、参議院事務局、オリックス株式会社、社団法人関西経済連合会、新日本製鐵株式会社、トヨタ自動車株式会社、松下電器産業株式会社各一名である。平成十四年度の人員は二十七名であり、その内訳は、総務省、厚生労働省三名、経済産業省、国土交通省各二名、内閣府、公正取引委員会、文部科学省、農林水産省、環境省、参議院事務局、オリックス株式会社、社団法人関西経済連合会、国民生活金融公庫、新日本製鐵株式会社、セコム株式会社、東京海上火災保険株式会社、トヨタ自動車株式会社、松下電器産業株式会社、株式会社三井住友銀行、森ビル株式会社、ユニ・チャーム株式会社各一名である。平成十五年度の人員は二十五名であり、その内訳は、総務省三名、厚生労働省、経済産業省、国土交通省各二名、公正取引委員会、文部科学省、農林水産省、環境省、参議院事務局、オリックス株式会社、社団法人関西経済連合会、国民生活金融公庫、新日本製鐵株式会社、セコム株式会社、東京海上火災保険株式会社、トヨタ自動車株式会社、松下電器産業株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、株式会社三井住友銀行、ユニ・チャーム株式会社各一名である。平成十六年度の人員は三十名であり、その内訳は、総務省四名、厚生労働省、経済産業省、国土交通省各二名、内閣府、公正取引委員会、文部科学省、農林水産省、参議院事務局、オリックス株式会社、関西電力株式会社、国民生活金融公庫、JFEスチール株式会社、セコム株式会社、第一生命保険相互会社、東京海上火災保険株式会社、トヨタ自動車株式会社、社団法人日本経済団体連合会、日本郵船株式会社、松下電器産業株式会社、三井住友海上株式会社、株式会社三井住友銀行、三菱商事株式会社、森ビル株式会社各一名である。平成十七年度の人員は三十三名であり、その内訳は、総務省四名、内閣府、厚生労働省、経済産業省、国土交通省各二名、公正取引委員会、文部科学省、農林水産省、参議院事務局、オリックス株式会社、関西電力株式会社、国民生活金融公庫、JFEスチール株式会社、信金中央金庫、セコム株式会社、ソニー株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、トヨタ自動車株式会社、社団法人日本経済団体連合会、日本生命保険相互会社、日本郵船株式会社、松下電器産業株式会社、三井住友海上株式会社、株式会社三井住友銀行、三菱商事株式会社、森ビル株式会社各一名である。平成十八年度の人員は三十三名であり、その内訳は、総務省四名、内閣府、厚生労働省、経済産業省、国土交通省各二名、公正取引委員会、文部科学省、農林水産省、参議院事務局、オリックス株式会社、関西電力株式会社、国民生活金融公庫、JFEスチール株式会社、信金中央金庫、セコム株式会社、ソニー株式会社、帝人株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、トヨタ自動車株式会社、社団法人日本経済団体連合会、日本生命保険相互会社、日本郵船株式会社、松下電器産業株式会社、三井住友海上株式会社、株式会社三菱東京UFJ銀行、森ビル株式会社各一名である。なお、平成七年度については、四月二十五日現在、平成八年度については、四月十八日現在、平成十年度については、五月十一日現在、その他については、四月一日現在の人員である。

四の1について

対日投資会議は、対日投資促進の観点から、投資環境の改善に係る意見の集約及び投資促進関連施策の周知を図るために、関係省庁間の連絡調整を行うことを目的とした関係閣僚会議であり、関係行政機関の所掌事務の範囲内における連絡調整を前提としているものであることから、設置根拠を法律にすることなく置かれているものである。

四の2について

御指摘の「外国人特別委員」については、「対日投資会議専門部会運営要領」(平成六年九月十三日対日投資会議議長決定)に基づいて、投資等に関し専門的知識のある外国人の中から内閣総理大臣が依頼することとしており、その具体的選定に当たっては、特定分野にとどまらずあらゆる分野に関して対日直接投資に知見を有する者に依頼することとしている。御指摘の時期の外国人特別委員についても、このような方法に基づき適切な選考を行っているものである。なお、対日投資会議専門部会の特別委員については、本年十月二十四日をもって任期切れとなっている。

四の3について

米国政府のデータベースによれば、米国政府の諮問委員会等のうち、例えば、運輸省の航空無線技術委員会、エネルギー省の高エネルギー物理学諮問パネルに、日本人が構成員として参加していたことがあると承知している。

五の1及び2について

日米政府間では、日米双方が主体的に取り組む政策等に関する提案を相互に行いつつ、建設的な議論を行っているところである。御指摘の「日本における規制緩和、行政改革及び競争政策に関する日本政府に対する米国政府の要望書」(平成八年十一月十五日。以下「要望書」という。)における「審議会及び研究会」の項目については、広い意味での行政改革の中で取り組んでいる旨を米国政府に対して説明しているところである。

五の3について

経済財政諮問会議は、行政改革会議の最終報告に基づき、内閣及び内閣総理大臣のリーダーシップ強化の一環として、経済財政政策に関して、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に資するため、内閣総理大臣を議長とし、関係大臣及び有識者等を構成員とする重要政策に関する会議として設置されたものであり、要望書の「審議会及び研究会」の項目とは関係がない。

参議院の原文

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