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トラック運送に係る休憩・休息設備の充実に関する質問主意書

参議院 第207回 第46号

提出者
参議院
提出日
2021年12月21日
内閣転送 2021年12月21日
答弁書受領日
2022年1月7日
提出から17日
答弁の項目数
5
質問 1,394字/答弁 1,688字

質問本文

トラックドライバー(以下「ドライバー」という。)は改善基準告示など法令上の規制において、連続運転時間(四時間以内、その後三十分以上の休憩等が必要)、一日当たりの運転時間(二日平均九時間以内)、休息期間(継続八時間以上)等が義務付けられている。これらの法令を遵守するためには運送業務の中途で休憩・休息する必要がある。これが休憩・休息用の駐車スペースが必要な所以である。それだけではなく、ドライバーは、工場や物流施設などに指定された時間に搬入しなければならず、早着も延着も許されないために、時間調整を強いられるケースも多い。この時間調整のためにも、駐車スペースは必要である。

しかし、高速道路のSA・PAや幹線国道等の休憩・休息用の駐車スペースは全国的に不足しており、ドライバーが満足に休憩・休息・時間調整等をすることができない状況にある。

在庫コストを減らすためなどに「ジャストインタイム」を求めている荷主側が、一時駐車できる場所を自ら用意することは少ない。業界団体である全日本トラック協会は、仮眠や食事ができるトラックステーションを運営しているものの、修繕や運営に係る費用捻出等に苦慮しており、全国のトラックステーションはピーク時の約四十か所から二十五か所に減少している。

以上を踏まえて、以下のとおり質問する。

一 トラック運送のサービスは、国民生活や企業活動を支えるまさに必須の社会インフラであり、誰もがその恩恵を享受している。そのことを考え合わせると、ドライバーのための休憩・休息設備の整備は、広義には社会全体の問題であり、高速道路会社における増設・拡充のみならず、地方自治体等と連携した幹線国道等における「道の駅」の増設・拡充や、流通団地・工業団地等における大規模駐車施設の設置等について、国がイニシアチブをとり、取り組むべきと考えるが、政府の認識を伺う。

二 既にオーバーフローしているSA・PAの駐車容量を拡大するために、既存SA・PAの敷地内で駐車スペースを高層化するという提案が業界団体から出されている。確かに、新たな用地確保が不要な分、迅速に駐車容量の拡大が実現可能であると考えるが、この提案についての政府の見解を明らかにされたい。

三 ドライバーの勤務時間中の心身の健全性を確保するためには、シャワー施設等、休憩・休息建屋内の施設の充実も重要であり、特に、新型コロナウイルス禍においては、その重要性は高まっている。ついては、シャワー施設等のあるSA・PA、道の駅を増やすよう努めるべきと考えるが、シャワー設備等増設の必要性についての政府の認識を示されたい。

四 新型コロナウイルス禍においてドライバーの感染を防止するため、SA・PA、道の駅等の休憩・休息施設における消毒、衛生管理等の徹底に加え、自動水栓化等の非接触への対応など感染防止対策を強化すべきと考えるが、政府の見解を示されたい

五 新型コロナウイルス禍による時短営業によって、休憩・休息建屋内の食堂や売店などでの食料確保が困難な例がある。緊急事態宣言等の実施期間中のドライバーの食事の確保については、情報提供等の取組はなされているが、ドライバーはほとんど単独で食事をとっており、運行中の飲酒もあり得ないことから、地方自治体と調整の上、通常営業とするなどの検討が必要ではないか。政府の認識を伺う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

高速道路会社(高速道路株式会社法(平成十六年法律第九十九号)第一条に規定する会社をいう。以下同じ。)が管理する高速道路(同法第二条第二項に規定する高速道路をいう。以下同じ。)においては、高速道路会社が、休憩施設における駐車スペースの利用状況や混雑状況を踏まえ、その拡充に取り組んでいるところである。具体的には、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社において、令和二年度には四十九箇所の休憩施設において駐車スペースを約五百五十台分拡充し、今年度には四十四箇所の休憩施設において駐車スペースを約六百台分拡充する予定である。

一般道路及び無料の高速道路においては、道路管理者と市町村等が連携して、道路利用者が安心して立ち寄ることができる休憩施設として「道の駅」の整備を進めているところであり、令和三年六月時点において全国で千百九十三箇所の「道の駅」が登録されている。道路管理者は、こうした「道の駅」を活用し、駐車スペースの確保に努めているところである。

御指摘の「流通団地・工業団地」については、地方公共団体において、周辺のまちづくりとの調和にも配慮しながら、団地ごとの立地特性を踏まえた都市計画を検討するなど、地域の特性に応じ、適切な駐車スペースの確保に努めているところである。

政府としては、駐車スペースの確保については、各主体において適切に対応しているものと考えている。

二について

御指摘の「既存SA・PAの敷地内で駐車スペースを高層化するという提案」については、新たな駐車スペースの整備に係る施工期間に閉鎖される既存駐車スペースの代替となる駐車スペースの確保が必要なことや高速道路に係る債務の確実な償還に影響を与えない範囲で整備を実施する必要があること等から、高速道路会社において慎重な検討が必要であると承知している。

三について

高速道路の休憩施設におけるシャワー室等を有する施設については、高速道路会社が、それらの利用状況や周辺の休憩施設における設置状況を踏まえながら、一部の休憩施設において整備しており、それらの増設については、高速道路会社が適切に判断していくものと承知している。

また、「道の駅」におけるシャワー室等を有する施設については、道路管理者と市町村等が連携して、それらの利用状況を踏まえながら、一部の「道の駅」において整備しており、それらの増設については、道路管理者と市町村等が適切に判断していくものと承知している。

四について

高速道路の休憩施設における感染防止対策については、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)第十八条第一項の規定に基づき定められた「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(以下「基本的対処方針」という。)等を踏まえ、高速道路会社において、「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を作成し、消毒液の設置等により衛生管理を徹底するなど、自主的な感染防止のための取組を適切に実施しているものと承知している。

また、「道の駅」においても、道路管理者と市町村等が連携して、基本的対処方針等を踏まえ、自主的な感染防止のための取組を適切に実施しているものと承知している。

なお、休憩施設における、御指摘の「自動水栓化等の非接触への対応」については、一般的な衛生管理の観点から、当該施設の管理者において適切に対応されているものと承知している。

五について

関係機関と連携の上、我が国の物流を支えるトラック運転者が食事を取ることができる環境の確保に努めることは重要であると認識している。

高速道路の休憩施設及び「道の駅」における飲食店等については、現在、新型インフルエンザ等対策特別措置法第二条第三号に規定する新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置又は同条第四号に規定する新型インフルエンザ等緊急事態措置は実施されていないため、基本的に営業時間の短縮は行われていないところ、引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染状況等に応じて適切な措置を講じてまいりたい。

参議院の原文

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