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長野県松本市のペット繁殖業者による虐待案件と改正動物愛護法の施行状況に関する質問主意書

参議院 第207回 第53号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2021年12月21日
内閣転送 2021年12月21日
答弁書受領日
2022年1月7日
提出から17日
答弁の項目数
7
質問 1,339字/答弁 2,172字

質問本文

千匹もの犬を劣悪な環境で飼っていた長野県松本市のペット繁殖業者が動物の愛護及び管理に関する法律違反の疑いで逮捕された。狭いケージ内で排せつ物は垂れ流されたままで、病気やけがの処置もされず、餌は二日に一回しか与えられないなどの虐待や、滅菌・麻酔なしの帝王切開を行い、死んだ犬は弁当ゴミと一緒に処理するなど、信じがたい行為が報告されている。この虐待案件は、繁殖業者の動物の命に対する意識の欠如と、行政の怠慢が、前代未聞の大きな悲劇を生んだとも評されている。

今回の事件の背景も含め、二〇一九年に改正された動物の愛護及び管理に関する法律(以下「改正動物愛護法」という。)の施行状況について、以下のとおり質問する。

一 これだけひどい状況であるにもかかわらず、今回のペット繁殖業者は、環境省令に基づく改善勧告や命令、登録取消しの対象ではなく、三十年もの長きにわたって営業を継続していた。なぜこのような劣悪なペット繁殖業者が長く営業を続けることができたのか。

二 悪質なペット繁殖業者の排除や飼育環境の改善を目的に二〇一九年に改正動物愛護法が成立した。二〇一九年の改正を受け、今年六月に施行された環境省令では、数値等を盛り込んだ上限規制が設けられた。改正動物愛護法の一部は経過措置の対象となっており、第一種動物取扱業に関する完全施行は二〇二四年六月となる。環境省は経過期間中であっても、「基準との乖離が大きい事業者に対しては集中的に指導などを行うこと」と説明しているとのことであるが、今回の事件を防げなかった。

せっかくの法律や環境省令も、実際に現場を担当する地方自治体が適切に運用しなければ意味がないものになってしまう。

1 環境省は、全国の自治体に対し、改めて環境省令の内容を通知し、積極的な措置を促すべきではないか。

2 二〇一九年の改正及びそれに引き続く環境省令の策定を受けて、自治体における動物虐待の対応人員などの増員はどの程度なされているか。

三 二〇一九年の改正及びそれに引き続く環境省令の策定過程で、八週齢規制や数値基準などを設けただけではなく、悪質なペット繁殖業者に対して厳格な運用を行う、いわゆる「レッドカード基準」が国の姿勢として示された中で、今回の事件が発生した。

この現状に対し、現在は登録制で誰でもできる状態のペット繁殖業について、許可制の導入を入口規制として検討すべきという意見がある。政府の見解を示されたい。

四 ここ数年の動物虐待事件の件数と、動物の愛護及び管理に関する法律違反に関する立入検査の件数の推移を明らかにされたい。

五 長野県の対応は「年一回の定期的な立入検査」程度にとどまっていた。しかも、事前通告ありの立入検査であり、業者側は、施設に立入検査が入る日時があらかじめ分かっていたとされる。今後、立入検査に際して、事前連絡なしの立入検査を積極的に行うよう、自治体に促すべきではないか。

六 松本市やその関係者によると、立入検査の後に約千匹の犬の大半が埼玉県内の関係業者に移送されたという。なぜ、警察の捜査中にもかかわらず、被害にあった犬達の移動、所有権が移動できてしまうのか、理由を示されたい。あわせて、政府の認識を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の事件については、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号。以下「動物愛護管理法」という。)及び知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例(平成十一年長野県条例第四十六号。以下「事務処理条例」という。)に基づき、長野県及び松本市が御指摘の動物取扱業者の指導及び監督を行ってきたところ、同県において、現在、同県が動物愛護管理法に基づき行った対応等の事実関係、評価及び改善策について整理を行っているところと承知している。

二の1について

環境省は、動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第三十九号。以下「改正法」という。)による改正後の動物愛護管理法第二十一条第一項の規定の令和三年六月一日の施行に先立って、同項の規定に基づき第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(令和三年環境省令第七号。以下「飼養管理基準」という。)を同年四月一日に公布した。

改正法による動物愛護管理法の改正内容及び飼養管理基準については、同日付けで、都道府県知事等に対し、「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(通知)」(令和三年四月一日付け環自総発第二一〇四〇一一〇号環境省自然環境局長通知)を発出し、この中で、「基準を満たさない不適切な状態を放置し、速やかに改善する意志がないような悪質な事業者に対しては、勧告、命令、取消処分、刑事告発といった手段を効果的に活用するといった厳格な対応を図ることが重要である」と通知した。

また、都道府県等が飼養管理基準を運用するに当たっての技術的助言として、同年五月二十五日付けで、都道府県知事等に対し、「「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」の策定について(通知)」(令和三年五月二十五日付け環自総発第二一〇五二五一号環境省自然環境局長通知)を発出し、この中で、「特に不適切な飼養及び保管を行っている事業者に対しては厳格な対応を図られるよう」要請した。

さらに、御指摘の事件に係る動物愛護管理法第二十四条第一項及び事務処理条例に基づく松本市保健所による立入検査並びに長野県警察による捜査が行われたことを受けて、同省担当者から都道府県等の担当者に対し、電子メールにより動物取扱業者への厳格な対応につき周知を行った。

都道府県知事等による動物取扱業者に対する指導及び監督が徹底されるよう、引き続き都道府県等に対して必要な技術的助言を行ってまいりたい。

二の2について

お尋ねの「自治体における動物虐待の対応人員など」の意味するところが必ずしも明らかではないが、環境省が令和二年及び令和三年に実施した調査によると、都道府県等において動物愛護管理行政に従事する職員の数は、令和二年三月三十一日時点においては四千六百十四名、令和三年三月三十一日時点においては四千六百八十四名となっており、一年間で七十名増加している。

三について

第一種動物取扱業を営もうとする者は、動物愛護管理法第十条第一項に規定する都道府県知事等の登録を受けなければならないところ、都道府県知事等は、動物愛護管理法第十二条第一項に基づき、当該者が同項に規定する登録の拒否事由に該当するときは、登録を拒否しなければならないとされている。また、登録後においても、第一種動物取扱業者は、飼養管理基準又は動物愛護管理法第二十一条第四項に基づき条例により定められた基準を遵守する義務を負うところ、都道府県知事等は、第一種動物取扱業者がこれらの基準を遵守していないと認めるときは、動物愛護管理法第二十三条第一項に基づく勧告等をすることができるとされ、また、第一種動物取扱業者が一定の事由に該当するときは、動物愛護管理法第十九条第一項に基づき登録の取消し等ができることとされている。

まずは、これらの制度の適切な運用により動物取扱業の適正化が図られるよう、引き続き都道府県等に対して必要な技術的助言を行ってまいりたい。

四について

過去三年間における警察による動物愛護管理法第四十四条の規定に基づく動物虐待事犯の検挙件数は、平成三十年が八十四件、令和元年が百五件、令和二年が百二件である。

また、過去三年間における都道府県等による動物愛護管理法に基づく立入検査の件数は、平成三十年度が二万四千九百五十二件、令和元年度が二万五千四百七十三件、令和二年度が二万千七十八件である。

五について

御指摘の「事前連絡なしの立入検査」については、都道府県等向けに作成した「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針~守るべき基準のポイント~」(令和三年五月環境省作成)において、「検査の実効性を高めるためには、事前の連絡を行わずに抜き打ちでの検査を実施することが有効な場合もあり、法はこれを否定していないことにも留意すること」と記載し、その有効性について周知を図っている。

都道府県知事等による動物取扱業者に対する指導及び監督が徹底されるよう、引き続き都道府県等に対して必要な技術的助言を行ってまいりたい。

六について

お尋ねについては、捜査中の事件に関わることであるため、お答えを差し控えたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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