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外国人の生活保護受給に係る最高裁判決を踏まえ旧厚生省通達を見直す必要性に関する質問主意書
参議院 第210回 第23号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1
質問本文
外国人の生活保護受給に関しては、過去、大阪市で外国人の生活保護集団申請がなされたことが議論を呼んだ。また、先日も「国葬反対より外国人生活保護反対」というワードがSNS上でトレンド入りするなど、国民の中には「外国から来た人が自国政府の保護を受けずに来訪を受け入れた国での日常生活上の生活保障を受けるのは道理に合わない」との反対の声が多いと見られる。
我が国の生活保護受給者数は減少傾向にあるにもかかわらず、世帯主が外国人である生活保護世帯数は、増加傾向にあるとされる。十五年前と比べると、中国人やフィリピン人世帯で二倍以上、ブラジル人世帯に至っては七倍以上増加しているとの話も聞く。
外国人に生活保護を与える行政上の根拠は、昭和二十九年五月八日社発第三八二号各都道府県知事あて厚生省社会局長通達「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」(以下「旧厚生省通達」という。)と思われる。旧厚生省通達では、「当分の間」外国人であっても生活に困窮する外国人には保護を行うとされている。
一方、原則として外国人が生活保護法上の適用対象とならないことは、平成二十六年七月十八日の最高裁判決が、外国人が生活保護法の保護対象とする「国民」に含まれないと判示しており、法解釈として明確となっている。しかし、政府は、現在まで、人道的な観点から、行政措置として、引き続き外国人の生活保護受給を認めるとしている。
そこで、以下質問する。
一 外国人の生活保護に関して、実態を把握するために、世帯主が外国人である生活保護世帯について、過去十年間の国籍別の生活保護の申請件数、保護開始世帯数、保護世帯類型別の推移及び保護世帯人員数別の推移を示されたい。
二 外国人から生活保護申請があり、当該外国人が要保護状態にあると認めた場合、当該外国人の本国政府又は本邦所在の当該国在外公館等に対し、照会を行う仕組みはあるか。照会を行う場合、照会内容は、どのようなものか。
三 旧厚生省通達によれば、「当分の間」必要と認める保護を行う旨が記載されている。過去の国会答弁によれば、政府は、「人道的な立場から」引き続き外国人の生活保護受給を認めているようである。しかしながら旧厚生省通達の発出から七十年近くが経過しており、当時とは社会情勢も日本の経済事情も全く異なるし、諸外国政府との関係もごく一部を除けばほぼ全ての国と連絡ができる体制となっている。政府は、「当分の間」の運用として定められた、約七十年前の旧厚生省通達について、最高裁判決に沿って見直す必要があると考えるが、政府の見解及びその理由を示されたい。
四 旧厚生省通達によれば外国人への生活保護は行政措置として行われているとのことであるが、それは市町村の判断において個別の適用がされるということか。実施機関である市町村が外国人への生活保護を最高裁判決の立場等から実施を見送った場合、当該市町村が国からの交付金などで不利益な取扱いを受けることはないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
世帯主が日本の国籍を有しない者であって生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)に基づく保護に準じた保護を受けている世帯について、国籍別の世帯類型別の推移及び世帯人員別の推移は、「政府統計の総合窓口」のホームページにおいて被保護者調査として公表しているところである。また、国籍別の保護の開始の申請件数及び開始件数については把握していない。
二について
「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」(昭和二十九年五月八日付け社発第三百八十二号厚生省社会局長通知。以下「昭和二十九年通知」という。)において、生活に困窮する外国人に対する保護の開始に向けた手続に関し、「保護の実施機関より報告をうけた都道府県知事は当該要保護者が、その属する国の代表部若しくは領事館(支部又は支所のある場合にはその支部又は支所)又はそれらの斡旋による団体等から必要な保護又は援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知すること」としている。
三について
生活に困窮する外国人に対しては、人道上の観点から、生活保護法による保護に準じた保護が行われているところであり、最高裁判所の判例においても「外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得る」とされている(最高裁判所平成二十六年七月十八日第二小法廷判決)。昭和二十九年通知にいう「当分の間」とは、具体的に特定の期間を想定しているものではなく、現在においても生活に困窮する外国人が一定程度存在していることから、昭和二十九年通知を見直す状況にないと考えている。
四について
昭和二十九年通知は、地方公共団体に法的な義務を課するものではないが、厚生労働省としては、一定の外国人に対し、人道上の観点から、生活保護法に基づく保護に準じた保護を行うという昭和二十九年通知の内容に沿った取扱いをしていただきたいと考えている。また、お尋ねの「実施機関である市町村が外国人への生活保護を最高裁判決の立場等から実施を見送った場合、当該市町村が国からの交付金などで不利益な取扱いを受ける」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。