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非営利型一般財団法人に対する課税の在り方に関する質問主意書

参議院 第211回 第50号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×5承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2023年4月4日
内閣転送 2023年4月10日
答弁書受領日
2023年4月14日
提出から10日
答弁の項目数
9
質問 2,754字/答弁 3,208字

質問本文

公益法人制度改革により、公益財団法人及び一般財団法人の制度が設けられ、併せて税制上の取扱いが整備された。しかし、非営利型一般財団法人は、公益財団法人とは異なり利子・配当収入が所得税法上非課税とされず、一方で法人税が非課税であるため確定申告も認められないことから源泉徴収された所得税の還付も受けられないため、不利益を被っている。

このような非営利型一般財団法人に対する課税の在り方について、以下質問する。

一 財団法人は、寄附された財産の運用益を主たる財源として事業を行う。具体的な財産運用益としては、預金利息収入や社債等の債券から得られる利子収入、株式等から得られる配当収入が大半を占める。一般に、財団法人が事業を行う原資として、これらの収入以外に然るべき金額の運用益を得られる収入があると考えているのか、あるとすれば何を想定しているのか、政府の見解を示されたい。

二 個人・法人のいずれであっても、利子・配当収入に対する課税は、所得税法に基づき源泉徴収される。しかし、法人の場合は、法人税法に基づき課税所得に対する法人税が課され、先に源泉徴収された所得税額は法人税から控除することができる。源泉徴収された所得税が法人税より多い場合には還付される。こうした仕組みを前提にすれば、法人の所得に対する課税は原則として法人税であり、所得税は課されないものと解釈できるが、この理解でよいか。この理解が誤りであれば、根拠を示した上で政府の見解を明らかにされたい。

三 公益財団法人も非営利型一般財団法人も非収益事業に対する法人税は非課税であるが、非課税でない法人の場合は、課税所得に対して法人税率を乗じて法人税を計算する。この「法人税は非課税である」という意味は、法人税率が〇%なのか。法人税は非課税であるならば、法人の課税所得がいくらであっても、また所得のもとになる法人の収入(利子・配当収入)がいくらであってもその所得や収入には課税されないという理解でよいか。この理解が誤りであれば、根拠を示した上で政府の見解を明らかにされたい。

四 公益財団法人と非営利型一般財団法人は、法人税法上はいずれも収益事業にのみ課税されることとなっているが、利子・配当収入を得た場合の所得税法上の取扱いに違いがある。

1 所得税法では、利子・配当収入を得た場合に源泉徴収される所得税について、公益財団法人は非課税とする一方で、一般財団法人は非営利型か否かを問わずに課税することとしている。少なくとも、非営利型一般財団法人については、公益財団法人同様に非課税とされるべきと考えるが、なぜ、公益財団法人と非営利型一般財団法人の間でこのような取扱いの違いを設けているのか。いずれも法人税が非課税であることとの関連を含めて、それを合理的とする法的根拠とともに説明されたい。

2 法人税法では、法人に法人税を確定するための確定申告を義務付けている。その際、所得税法に基づき先に一部の収入に対して源泉徴収された所得税額がある場合には、法人税額から所得税額を控除することができる。一方、公益財団法人と非営利型一般財団法人は、収益事業を除き所得に法人税が課税されないことから、収益事業がない場合は確定申告が不要とされている。しかし、非営利型一般財団法人の場合は、利子・配当収入に対して所得税が源泉徴収されているので、法人税が非課税であっても確定申告を行い、先に源泉徴収された税金を還付請求する必要があるのではないかと考える。なぜ、非営利型一般財団法人は、他の会社等と同様に確定申告ができるような取扱いとなっていないのか。法人税が非課税であることとの関連を含めて、それを合理的とする法的根拠とともに説明されたい。

3 以上の取扱いの結果、非営利型一般財団法人は利子・配当収入自体が課税対象となっており、その還付を受けることもできず、公益財団法人との間で法的公平性を欠くことになるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 平成十七年六月、政府の税制調査会基礎問題小委員会非営利法人課税ワーキンググループが取りまとめた「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」では、利子・配当等の金融資産収益は「公益活動を支える不可欠な財源であり、政策的な配慮が引き続き必要であるとの考え方もある」との意見も示されていた。それにもかかわらず、公益法人制度改革に伴い行われた税制改正で、結果的に公益財団法人の利子・配当のみを非課税とし、非営利型一般財団法人の利子・配当に対しては課税としたのはなぜか。特に、財務省で当時どのような議論がされたのか、その内容を詳細に明らかにされたい。また、結果として税制調査会で出された意見が反映されないまま、制度改正及び税制改正が行われたことに対して、政府としての見解を示されたい。

六 法人税の計算に当たっては、利子・配当は益金に算入され、売却した有価証券の売却損を含む損金の額を差し引いて、課税所得を決定する。仮に、非営利型一般財団法人が所有する有価証券を売却し損失が出た場合、現行制度であれば、非営利型一般財団法人は、利子・配当収入に課税されているにもかかわらず、損失分を課税所得より減ずる方法がなく不利益を被る。このような状況では、課税の公平性を欠くばかりか、合理性もないと考えるが、政府の見解を示されたい。また、全ての法人は、申告納税の義務と権利を有するにもかかわらず、非営利型一般財団法人にはそれが許されない根拠を示されたい。

七 東京地方裁判所で争われている「非営利型一般財団法人の利子・配当収入の徴税事件」において、国は被告として、「租税法の定立については、国家財政、社会経済、国民所得、国民生活等の実態についての正確な資料を基礎とする立法府の政策的、技術的な判断に委ねるほかない」との主張を行い続けている。この主張は、国としての意見に間違いないか。また、非営利型一般財団法人における法人税法及び所得税法上の取扱いを決定する前に、裁判で主張している国家財政、社会経済、国民所得、国民経済等の実態についてどのような資料を検討して立法に至ったのか説明されたい。他方、裁判所も、基本的にはその裁量的判断を尊重せざるを得ないとの主張を行い続けている。これは、「租税の定立」は国家統治の基本に関する極めて高度の政治性を有する行為(統治行為)であり、よって裁判所の司法権の対象ではないとの見解を行政府・立法府共に有しているという理解でよいか、政府の見解を示されたい。そうでない場合は、租税法の定立について裁判所の判断は及ばないとする根拠について、政府の理解するところを明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「然るべき金額」及び「運用益を得られる収入」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、一般財団法人の行う事業の内容を網羅的に把握していないため、お尋ねの「これらの収入以外に然るべき金額の運用益を得られる収入があると考えているのか、あるとすれば何を想定しているのか」について、お答えすることは困難である。

二について

法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第五条において、内国法人に対しては、各事業年度の所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課することとされており、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第百七十四条において、内国法人が支払を受ける利子、配当等に所得税を課することとされている。

内国法人については、法人税法第六十八条第一項において、法人税額から利子及び配当等に係る所得税額を控除することとされているが、これは、法人税と所得税の調整を行うためである。このため、御指摘の「こうした仕組みを前提にすれば、法人の所得に対する課税は原則として法人税であり」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘のように「所得税は課されないものと解釈できる」ものではないと考えている。

三について

お尋ねの「この「法人税は非課税である」という意味は、法人税率が〇%なのか」及び「法人税は非課税であるならば、・・・その所得や収入には課税されないという理解でよいか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、法人税法第六条において、公益法人等の収益事業(同法第二条第十三号に規定する収益事業をいう。以下同じ。)から生じた所得以外の所得(以下「収益事業外所得」という。)については、各事業年度の所得に対する法人税を課さないこととされていることから、収益事業外所得又は当該収益事業外所得に係る御指摘の「収入」の多寡にかかわらず、当該収益事業外所得を法人税の課税標準とし、これに税率を乗じて法人税額が算出されることはない。

四の1について

公益財団法人及び非営利型一般財団法人(法人税法第二条第九号の二に規定する非営利型法人のうち、一般財団法人に該当するものをいう。以下同じ。)については、事業を行って利益を稼得することや、その利益を構成員等に分配することを目的としない法人であると考えられることから、同法第五条及び第六条において、営利企業と競合する収益事業から生じた所得には法人税を課し、収益事業外所得には法人税を課さないこととされているものと承知している。

また、公益法人(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第二条第三号に規定する公益法人をいう。)が行う公益目的事業に係る活動が果たす役割の重要性に鑑み、当該活動を促進しつつ適正な課税の確保を図る観点から、公益財団法人については、所得税法第十一条第一項の規定により、支払を受ける利子、配当等には所得税を課さないこととされているものと承知している。

四の2について

所得税については、所得税法第二百十二条において、内国法人に対して利子、配当等の支払をする者は、その支払の際、当該利子、配当等について所得税を徴収し国に納付しなければならないこととされている。

法人税については、法人税法第五条において、内国法人に対しては、各事業年度の所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課することとされているところ、非営利型一般財団法人については、同法第四条において、法人税の納税義務は収益事業を行う場合等に限られることとされており、同法第六条において、収益事業外所得には法人税を課さないこととされている。

また、内国法人が支払を受ける利子、配当等については、同法第六十八条第一項において、利子及び配当等に係る所得税額について法人税額から控除することとされている。一方、当該利子及び配当等が、非営利型一般財団法人の収益事業外所得である場合は、当該収益事業外所得には法人税を課さないこととされていることから、同条第二項の規定に基づき、当該利子及び配当等に係る所得税額の控除も行われないこととされている。

したがって、内国法人が支払を受ける利子、配当等については、法人税と所得税の調整を行うため、確定申告の際に当該利子及び配当等に係る所得税額を法人税額から控除するが、非営利型一般財団法人の収益事業外所得については、同様の調整を行う必要がないことから、控除は行わないこととされているものと承知している。

四の3について

お尋ねについては、四の1について及び四の2についてで述べたとおりであり、「法的公平性を欠く」ものではないと考えている。

五及び七の中段について

五のお尋ねについては、御指摘の「政府の税制調査会基礎問題小委員会非営利法人課税ワーキンググループが取りまとめた「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」」においては、「公益法人等の場合、利子・配当等の金融資産収益に対する課税については、収益事業に属するものを除き、法人税が非課税とされている。金融資産収益については、会費や寄附金収入とは異なり、公益法人等が事業活動を行う中で新たに発生した所得であって、経済的価値においては現在収益事業とされている金銭貸付業から生じた所得と同じであること等から一定の税負担を求めるべきとの考え方がある。他方、金融資産収益は、公益活動を支える不可欠な財源であり、政策的な配慮が引き続き必要であるとの考え方もある」との意見が示されており、こうした意見を踏まえて総合的に検討して、御指摘の「税制改正」が行われたものである。このため、御指摘の「制度改正」の意味するところが明らかではないが、「税制調査会で出された意見が反映されないまま」「税制改正が行われた」との御指摘は当たらないと考えている。

また、七の中段のお尋ねについては、御指摘の「税制改正」に当たっては、「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」(平成十七年六月税制調査会基礎問題小委員会非営利法人課税ワーキング・グループ取りまとめ)などの資料を検討している。

六について

前段のお尋ねについては、収益事業においては益金に算入される性質の収益や損金に算入される性質の損失であったとしても、非営利型一般財団法人の収益事業外所得については、法人税を課さないこととなり、課税所得の計算上、関連する益金も損金も計上されない。このような仕組みは、「課税の公平性を欠くばかりか、合理性もない」ものではないと考えている。

後段のお尋ねについては、「申告納税の義務と権利を有するにもかかわらず、非営利型一般財団法人にはそれが許されない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、非営利型一般財団法人に係る税制上の取扱いについては四の2についてで述べたとおりである。

七の前段及び後段について

前段のお尋ねについては、御指摘の「「非営利型一般財団法人の利子・配当収入の徴税事件」」の意味するところが明らかではないが、一般論として、租税法の定立の適否が争われる訴訟において、御指摘のとおり主張することはある。

後段のお尋ねについては、租税法の定立に係る合憲性に関する裁判所の判断については、政府としては、昭和六十年三月二十七日最高裁判所大法廷判決において判示された内容が、その後の租税法の定立の適否が争われた訴訟においても踏襲されていると理解しており、また、当該判示された内容は、御指摘の「「租税の定立」は国家統治の基本に関する極めて高度の政治性を有する行為(統治行為)であり、よって裁判所の司法権の対象ではない」という見解とは異なるものと理解している。

また、お尋ねの「立法府」の見解については、政府としてお答えする立場にない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×5承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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