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新しい公益法人制度の問題点に関する質問主意書
衆議院 第170回 第233号
質問本文
新しい公益法人制度が本年十二月より施行される。明治二十九年の民法制定以来、約一世紀ぶりとなる公益法人制度改革の目的は、民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し、民による公益の増進に寄与するとともに、主務官庁の裁量権に基づく許可の不明瞭性等の従来の公益法人制度の問題点を解決することにある、と理解している。しかし、とくに一般社団・財団法人については、比較的簡易に設立でき、自主的な運営を前提としているため、収支報告等の義務や監督官庁がないなど、悪意により設立、運営される可能性が排除できない問題点があると考える。
そこで、以下のとおり質問する。
一 同制度改正の趣旨については前述のとおりと承知しているが、制度改正の必要性がどこにあるのか、改めて問いたい。また、現行法でも行政手続法により、「主務官庁の裁量権に基づく許可の不明瞭性」については排除できたのではないのか。できないとすれば、その理由を示されたい。
二 改正により、特定非営利活動法人(NPO法人)と公益法人の違いがあまりなくなるように考える。「公益法人制度改革に関する有識者会議」等でも、NPO法人との一本化が論議されたと聞いている。なぜ一本化されなかったのか、それぞれに期待される役割について、政府の考え方を示されたい。
三 一般社団・財団の目的、名称について、どのような制約があるのか。法務省発行のパンフレット「知って! 活用! 新非営利法人制度」には「一般社団法人及び一般財団法人が行うことができる事業に制限はありません」とある。例えば「一般財団法人皇室奉賛財団」「一般社団法人天皇陛下奉賀社団」「一般財団法人国際連合日本財団」「一般社団法人犯罪推進社団」など、権威を借用したり、反社会的行為を助長したりするような法人を設立し、名称とすることは可能か。規制できるとすれば、どこの官庁が、どのような根拠条文により行えるのか。
四 「一般財団法人皇室奉賛財団」「一般社団法人天皇陛下奉賀社団」などの構成員が、その名刺を持って、奉賛事業などを行うことを目的に企業等から寄付金や、奉賛金を集めることは可能か。できないとすれば、根拠条文を示されたい。また、集めた金を、非営利である本来の目的に使う限り、非課税となり、その収支についてもなんら報告の義務がないと理解してよろしいか。集めた金の中から、当該公益法人役員に対し、任意の報酬を支払う場合も同様か。
五 一般財団法人設立に関しては、三百万円以上の財産拠出が要件となっている。この拠出を証明するものは銀行の預金証明等によるものと理解しているが、設立後、この預金を全額引き出した場合は法的にどうなるのか。また、それを、どこの官庁が、どのような形でチェックするのか。「見せ金」で一般財団が設立されることをどのような形で防ごうと考えているのか、示されたい。
六 特定非営利活動促進法(NPO法)による設立要件には欠格事由があり、暴力団員が設立、構成要員にはなれない。しかし、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では欠格事由は設けられていないと理解している。暴力団員や右翼団体構成員が一般社団法人及び一般財団法人を設立することは可能か。規制できるとすれば、どこの官庁が、どのような根拠条文により行えるのか。
七 NPO法人に関しては、暴力団関係者がそれを隠れみのとして悪用し、恐喝など犯罪に利用されたケースが相次いで報道されている。しかし、社会一般の感覚では、比較的新しく誕生したNPOより、財団・社団は歴史もあり、より権威や、信頼性、世間の評価も高いのではないかと考える。新しい公益法人制度改正により、こうしたより評価の高い団体が悪意により設立され、利用される懸念はないのか。このような事態を想定した対策について、どのような論議がされたのか。その結果、どのような対策がとられているのか。内閣府、法務省、警察庁は、この問題について、いつ、どのような形で検討をしたのか、日時、会合名、場所等、具体的に示されたい。また政府は、見直し規定にかかわらず、早急に対策を打ち出すべきと考えるが、方針を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び七について
公益法人制度については、現行においても、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」(平成八年九月二十日閣議決定)等を定め、主務官庁による公益法人の設立許可及び指導監督の統一的な運用を図ってきたところであるが、主務官庁の許可制度の下では法人設立が簡便でなく、公益性の判断基準が不明確である等の批判がなされてきたところである。こうした問題点を抜本的に解消するため、公益法人制度改革においては、法人格の取得と公益性の判断を分離し、公益性の有無にかかわらず、準則主義により簡便に法人格を取得することができる一般社団法人及び一般財団法人(以下「一般社団法人等」という。)の制度を創設した上で、公益性の認定基準を明確に法定するとともに、公益性の認定を民間有識者からなる合議制機関の判断に基づき、内閣総理大臣又は都道府県知事が一元的に行うこととしたものである。
二について
御指摘の「公益法人制度改革に関する有識者会議」において取りまとめられた報告書においては、特定非営利活動法人制度は引き続き存置するものとされ、「今後の行政改革の方針」(平成十六年十二月二十四日閣議決定)中の「公益法人制度改革の基本的枠組み」においてもその旨定められたところである。
政府としては、それぞれの制度について、このような報告書等の内容も踏まえ、制度の趣旨に即した運用を図ってまいりたい。
三について
お尋ねの一般社団法人等の目的及び名称の制約については、例えば、強行法規又は公序良俗に反する目的や名称を定めたような場合には、一般社団法人等を設立することはできないものと考えられる。
四について
御指摘の寄付金等を集めることについては、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)上、特段の規制はない。
法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第九号の二に規定する非営利型法人については、同条第十三号に規定する収益事業から生じた所得について法人税が課されるが、収益事業を行わない場合であっても一定の収入金額を有するときには損益計算書等を提出する義務が課されている。なお、非営利型法人が特定の個人又は団体に特別の利益を与えるなど、法人税法施行令(昭和四十年政令第九十七号)第三条に規定する要件を満たさないこととなった場合には、法人税法第二条第九号に規定する普通法人として、その行うすべての事業から生じた所得について法人税が課されることになる。
五について
一般社団・財団法人法上、一般財団法人が設立後に、設立の際に拠出された財産を使用することに特段の規制はない。なお、一般財団法人は、所定の期間、純資産額が三百万円未満となった場合には、解散するものとされている(一般社団・財団法人法第二百二条第二項)。
六について
一般社団法人等については、その事業の範囲に制限はなく、設立者や役員等の欠格事由として暴力団員等であることは定められていない。なお、裁判所は、一般社団法人等の設立が不法な目的に基づいてされたとき等の所定の場合において、その解散を命ずることができるものとされている(一般社団・財団法人法第二百六十一条第一項)。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。