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選挙期間中の政党その他の政治団体の機関紙誌の頒布に関する質問主意書

参議院 第213回 第126号趣旨が明らかではない ×2

提出者
参議院
提出日
2024年5月8日
内閣転送 2024年5月13日
答弁書受領日
2024年5月17日
提出から9日
答弁の項目数
5
質問 2,685字/答弁 2,998字

質問本文

政党その他の政治団体が発行する機関新聞紙及び機関雑誌(以下「機関紙誌」という。)について、衆議院議員、参議院議員、都道府県の議会の議員、都道府県知事、指定都市の議会の議員又は市長の選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に、当該選挙に関する報道及び評論を掲載するものを当該選挙が行われている区域で頒布することに関して、公職選挙法第二百一条の十五で規定がされている。

機関紙誌の頒布方法については「通常の方法」に限られており、引き続いて発行されている期間が六月以上の機関紙誌の「通常の方法」とは「当該選挙の期日の公示又は告示の日前六月間において平常行われていた方法をいい、その間に行われた臨時又は特別の方法を含まない。」とされている。

ただし、「平常行われていた方法」とは、当該選挙の期日の公示又は告示の日前六月間において反復継続して行われていた方法で相当の実績を有するものをいうが、結局は、個々具体の場合について頒布の手段、対象、部数、対価、地域、回数等により、平常行われていた方法かどうかを認定するほかないものと逐条解説で説明されている。

日本国憲法において、言論、出版、結社、表現の自由が保障されている中で、機関紙誌の頒布に制限を加えているのは、選挙期間中に無償で無差別かつ大量に選挙に関する報道、評論を掲載した号外等が頒布されるという事態が生じ、選挙の公正が害されると同時にいわゆる「ビラ公害」という言葉に象徴されるような世論の批判が高まることになった経緯からで、必要最小限の合理的な規制を設けたものであるという理由により昭和五十年に改正が行われたものである。

さて、上記の規定に基づき選挙期間中に当該選挙に関する報道及び評論を掲載する機関紙誌を頒布する場合には、総務大臣(都道府県の議会の議員、都道府県知事、指定都市の議会の議員又は市長の選挙については、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会)に届け出る必要がある。

この総務大臣への「政党その他の政治団体の機関紙誌届」用紙には機関紙誌名、創刊年月日、発行部数、発行回数、引き続いて発行されている期間、編集人名、発行人名を記載することになっているが、具体的な頒布方法についての届出は不要となっている。「平常行われていた方法」に当たるか否かについては、個々具体の場合について、頒布の手段、対象、部数、対価、地域、回数等により認定することになるにもかかわらず、具体的な「頒布方法」が届出事項に含まれていないのは運用の不備だと言わざるを得ない。

また、平常行われていた方法か否かについて、個々具体の場合について、違反を取り締まる捜査機関等が認定することになれば、恣意的に運用される懸念があることに加え、候補者間での解釈の違いによりトラブルを引き起こす可能性があるため、より具体的に定めておく必要があると考える。有料で頒布している場合には当該選挙区で頒布する部数がほぼ確定している一方、無償で街頭やポスティングで頒布する場合は数の制限なく無制限に頒布することが出来るというのは余りにも均衡を欠いている。

以上踏まえて、以下質問する。

一 最近の国政選挙における公職選挙法第二百一条の十五の規定に基づく機関紙誌の届出の内容(直近の衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙に関して届出のあった機関紙誌名と、それぞれの編集人名、発行人名、創刊年月日、発行方法、引き続き発行されている期間)を具体的に示されたい。

二 前記一の届出に対して、総務省及び担当する選挙管理委員会は、公職選挙法第二百一条の十五が規定する「通常の方法」及び「平常行われていた方法」について、どのような資料等に基づき事実であるか否かを確認しているのか具体的に示されたい。

三 公職選挙法第百四十八条及び第二百一条の十五の規定に違反した場合は、同法第二百三十五条の二の規定に基づき、「新聞紙、雑誌が選挙の公正を害する罪」として処罰される可能性があるところ、過去における同条に基づく処罰事例や警告事例を具体的に示されたい。また、かかる事例がない場合は、その旨も示されたい。

四 「政党その他の政治団体の機関紙誌届」に通常の「頒布方法」を記載する欄を追加する必要があると考えるが政府の見解を伺う。また、記載された「頒布方法」が事実かどうか確認する上で、その裏付けとなる資料の提出も求める必要があると考えるが見解を伺う。

五 特に、選挙期間中に無償で無差別かつ大量に頒布することは選挙の公正が害されると同時に資金力がある陣営がより多くの機関紙誌を頒布できることになってしまうので、街頭演説時やポスティングなど無償で無差別に頒布する方法を平常行われた方法とする場合は、当該選挙の期日の公示又は告示の日前六月間の頒布実績について日時、場所、頒布枚数を具体的に届け出る必要があると考えるが政府の見解を伺う。

六 街頭やポスティングでの頒布が平常行われていた方法か否かについて届出者の目安となるように示す必要があり、少なくとも平常行われていた方法に該当しないケースについては明確にすべきであると考える。例えば、配布場所について同じ場所で曜日又は日を決めて六月以上継続的に各号の頒布を行っていること、号によって配布部数の変動がなく一定であることとし、各号それぞれ街頭やポスティングで頒布を行ってはいるが、その都度、頒布場所や部数が変わる場合は公職選挙法第二百一条の十五にある「その間に行われた臨時又は特別の方法」とする旨を明確にすべきだと考えるが政府の見解を伺う。

七 そもそも立候補者自身が頒布できるビラには枚数制限が設けられており、資金力により頒布枚数に差が生じ、資金力がある方が優位にならないようになっている。

公正な選挙、お金のかからない選挙という視点に立つならば、当該選挙区に立候補している者に関して記載がある機関紙誌を街頭やポスティング等の手段により、無償で無差別に頒布することは禁止すべきだと考える。早急に法改正すべきだと考えるが政府の見解を伺う。

なお、政府においては、過去提出された公職選挙法関係の国会質疑や質問主意書に対して「選挙制度の基本に関わる問題であることから、各党各会派において御議論いただくべきことと考える。」旨の答弁が多いが、本質問は選挙制度の基本について問うているのではなく、あくまでも法律の運用面についての指摘であるので、上記のような答弁をすることなく、質問に対して真摯に回答されることを求めるものである。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「機関紙誌の届出の内容」について、①名称、②編集人の氏名、③発行人の氏名、④創刊年月日、⑤発行方法及び⑥引き続いて発行されている期間をお示しすると、以下のとおりである。

第四十九回衆議院議員総選挙

機関新聞紙

①しんぶん赤旗 ②高橋敬 ③高橋敬 ④昭和三年二月一日 ⑤日刊 ⑥九十三年八か月

①自由民主 ②伊原裕和 ③阿部信吾 ④昭和三十年六月十五日 ⑤週刊 ⑥六十六年四か月

①公明新聞 ②吉本正史 ③吉本正史 ④昭和三十七年四月二日 ⑤日刊 ⑥五十九年六か月

①機関紙 日本維新 ②島松洋一 ③島松洋一 ④平成二十七年十二月二十九日 ⑤季刊 ⑥五年九か月

①立憲民主 ②坂上直子 ③秋元雅人 ④令和二年十月十六日 ⑤月刊 ⑥一年

①国民民主PRESS ②山口花 ③岡崎敏弘 ④令和二年十月二十三日 ⑤隔月刊 ⑥十一か月

①社会新報 ②田中稔 ③中島修 ④昭和三十年十月十三日 ⑤週刊 ⑥六十六年

機関雑誌

①前衛 ②菅原克尚 ③菅原克尚 ④昭和二十一年二月十五日 ⑤月刊 ⑥七十五年八か月

①りぶる ②阿部信吾 ③阿部信吾 ④昭和五十七年三月十五日 ⑤月刊 ⑥三十九年七か月

①公明グラフ ②高橋次郎 ③吉本正史 ④昭和四十一年十二月二十日 ⑤季刊 ⑥五十四年九か月

①月刊社会民主 ②田中稔 ③中島修 ④昭和三十年十月十三日 ⑤月刊 ⑥六十六年

第二十六回参議院議員通常選挙

機関新聞紙

①公明新聞 ②吉本正史 ③吉本正史 ④昭和三十七年四月二日 ⑤日刊 ⑥六十年二か月

①立憲民主 ②飯塚桂子 ③豊原昭二 ④令和二年十月十六日 ⑤月刊 ⑥一年八か月

①国民民主PRESS ②山口花 ③岡崎敏弘 ④令和二年十月二十三日 ⑤隔月刊 ⑥一年七か月

①しんぶん赤旗 ②大井伸行 ③大井伸行 ④昭和三年二月一日 ⑤日刊 ⑥九十四年四か月

①自由民主 ②伊原裕和 ③阿部信吾 ④昭和三十年六月十五日 ⑤週刊 ⑥六十七年

①社会新報 ②田中稔 ③中島修 ④昭和二十六年十一月一日 ⑤週刊 ⑥七十年七か月

①参政党DIYタイムズ ②神谷宗幣 ③神谷宗幣 ④令和四年一月十四日 ⑤隔月刊 ⑥五か月

①新風 ②川畑賢一 ③魚谷哲央 ④平成八年一月一日 ⑤月刊 ⑥二十六年五か月

機関雑誌

①公明グラフ ②髙橋次郎 ③吉本正史 ④昭和四十一年十二月二十日 ⑤季刊 ⑥五十五年六か月

①前衛 ②菅原克尚 ③菅原克尚 ④昭和二十一年二月十五日 ⑤月刊 ⑥七十六年四か月

①りぶる ②阿部信吾 ③阿部信吾 ④昭和五十七年三月十五日 ⑤月刊 ⑥四十年三か月

①月刊社会民主 ②田中稔 ③中島修 ④昭和三十二年五月十日 ⑤月刊 ⑥六十五年一か月

二、四及び五について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「平常行われていた方法」については、第七十五回国会に内閣が提出した公職選挙法の一部を改正する法律案(以下「内閣提出法律案」という。)への議員修正により追加されたものであり、その趣旨について、当該修正案の提案者から、「少なくとも六カ月間というものを一つの期間として認める基準にしているわけでありますから、その六カ月間は少なくとも経常的に、継続的にずっと努力をしていくということが通常の方法であって、(中略)平生からやはり努力をして積み上げていくという運動の中のものを評価してそれが通常の方法である、こういうふうに考えるべきだ」との説明がなされていたところ、頒布の主体、手段、対象、部数、回数、対価等により、個別具体に実態を踏まえて判断されるものと解されており、総務省及び各選挙管理委員会においては、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号。以下「法」という。)第二百一条の十五第一項の届出について、形式的審査を行った上で受理しているものであることから、御指摘の「「通常の方法」及び「平常行われていた方法」」について確認することはしておらず、また、政府としては、御指摘の「通常の「頒布方法」」及び「当該選挙の期日の公示又は告示の日前六月間の頒布実績について日時、場所、頒布枚数」を届け出ることが求められているとは考えていない。

三について

政府として、お尋ねの「処罰事例や警告事例」を詳細かつ網羅的に把握しているものではないが、例えば、昭和五十一年四月七日秩父簡易裁判所判決においては、「被告人は、昭和五〇年四月一三日施行の埼玉県議会議員選挙に際し、公職選挙法二〇一条の一四所定の機関紙でなく、かつ、毎月三回以上号を逐つて定期に有償頒布していない新聞紙「政経タイムス」の編集、発行ならびに経営を担当する者であるが、その選挙運動の期間中である同年四月二日ころ、同選挙に埼玉北一区から立候補した井上喜一郎、栗原稔および中石松一らの得票数の予想を論じ、さらに右「中石の前には栄光に輝く当選はなく、失意の落選以外のものはない」などと同人を批評した同月三日付同新聞号外約二五、〇〇〇部を編集印刷して、同月三日設楽光吉を介し、別表記載のとおり、同選挙区内の秩父市宮側町六番四号新聞販売業小島繁雄ほか七名に対し、合計二一、三〇〇部を交付して翌四月四日付各新聞紙に折込配付方を依頼し、もつて選挙に関する報道および評論を掲載したものである。・・・被告人の判示所為は、昭和五〇年法律第六三号による改正前の公職選挙法二三五条の二・二号、一四八条三項に該当するので、所定刑中罰金刑を選択し、情状として、本件は被告人の同法に対する誤解によるものであること、判示の政経タイムスの号外はその殆んどが一般人に配布される前に回収されており、それは警察が新聞販売店に対して注意したためではあるが、被告人も右回収につき手配したことを酌量して、その所定金額の範囲内で被告人を罰金一万円に処し、(中略)本件は形式犯であることも考慮すると、被告人に対し選挙権および被選挙権を停止することは、いささか酷に失するので、公職選挙法二五二条四項により同条一項所定の五年間選挙権および被選挙権を有しない旨の規定を適用しない。」とされ、同判決が確定したものと承知している。

六について

御指摘の「平常行われていた方法」については、二、四及び五についてでお答えしたとおり、議員修正の経緯から個別具体に実態を踏まえて判断されるものと解されており、総務省及び各選挙管理委員会においては、法第二百一条の十五第一項の届出について、形式的審査を行った上で受理しているものであることから、御指摘のように「街頭やポスティングでの頒布が平常行われていた方法か否かについて届出者の目安となるように示す必要があり、少なくとも平常行われていた方法に該当しないケースについては明確にすべき」ことが求められているとは考えていない。

七について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「平常行われていた方法」については、内閣提出法律案において、「定期購読者以外の者に対して頒布する新聞紙又は雑誌については、政談演説会の会場において頒布する場合を除き、有償でする場合に限る」としていたことに代わるものとして、議員修正により設けられた経緯もあることから、御指摘のような法改正は、政治活動の自由と密接に関連するものであり、各党各会派において御議論いただくべきものと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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