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脱衣所・浴室で冬場に多く発生する事故に関する質問主意書
参議院 第216回 第65号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
脱衣所・浴室で冬場に多く発生する事故について、以下質問する。
一 厚生労働省(以下「厚労省」という。)は、入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究で、「入浴中急死の多くは浴槽内で発生し、高齢者に多く、冬場に多い。」、「器質的疾患によるものと、熱中症によるものの二つの病態が存在する」としている。前者は、冠動脈硬化など心臓病や脳血管障害(一部)が死因であり、入浴中に心臓発作から心肺停止に至り、あるいは脳血管障害のために出浴不能となって死亡する。後者では器質的疾患は関与せず、アルコールや眠剤による長時間入浴が体温上昇をもたらし、あるいはアルコールなどの関与がなくとも長時間入浴による体温上昇が意識障害(熱中症の症状)をもたらして出浴が不能となり、その結果、入浴が遷延して体温が更に上昇し、熱中症の症状のために死に至ると結論を示した。
鳥取県では、令和五年に脱衣所・浴室内で発生し緊急搬送された事故は五百四十五件、うち、約八割を六十五歳以上の高齢者が占め、十二月~三月に多く発生している。大半の入浴事故の要因が「熱中症」であることが明らかになったと調査報告で示している。
厚労省は、脱衣所・浴室で発生する事故について「器質的疾患によるものと、熱中症によるもの」の二つの結論を示しているが、どちらの事故が多いのか、政府の分析と見解を示されたい。
二 日本医師会の見解では、ヒートショックとは「急激な温度の変化で身体がダメージを受けること」と説明されている。暖房がきいた部屋から寒い脱衣所や浴室に入ると、急激な温度差で血圧が上がり心拍数が増え、脳卒中や狭心症を起こすこともある。高齢者に多く、血圧の急激な変化に起因して死亡する。
マスコミは、ヒートショックによる冬場の事故が発生していると報道するが、表現を「ヒートショック」で一つにまとめてしまうと、暖房がきいた部屋から寒い脱衣所や浴室に入ると、急激な温度差による影響が原因と解釈されてしまうおそれが考えられる。鳥取県の調査のように大半の入浴事故の要因が「熱中症」であることが明らかになっている。
政府は、これから冬本番を迎えるに当たり、国民へ具体的な説明を今一度示すべきであると考えるが見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十四年度及び平成二十五年度の厚生労働科学研究費補助金による循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究」(以下「本件研究」という。)において、「入浴事故に関連する三学会(日本温泉気候物理医学会、日本救急医学会、日本法医学会)が合同して研究班を立ち上げ、実態把握、原因究明と予防対策に関する検討を進め」、「三学会が調査研究の結果を討議し、以下のコンセンサスを得た。入浴中急死には以下の複数の機序が関与する・・・。①器質的疾患(脳血管障害、急性冠症候群)のために入浴中に心肺停止となり、あるいは意識障害を発症して出浴困難となり、溺水あるいは高体温のためにショックとなり死亡する。②非器質的疾患(日本救急医学会:熱中症、:日本法医学会:アルコール・眠剤、日本気候温泉物理医学会:血圧低下)により意識障害が誘発され、出浴困難となり、溺水あるいは高体温のためにショックとなり死亡する。」とされているところ、これ以上のお尋ねの「分析」は行われておらず、「どちらの事故が多いのか」の「政府の分析と見解」をお示しすることは困難である。
二について
御指摘の「国民へ具体的な説明を今一度示すべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「熱中症」が「要因」の「入浴事故」に関しては、本件研究において、「高温・長時間入浴による死亡事故」として「高体温や出浴時の脳血流減少などによる意識障害」の危険性等を記載したパンフレット「気をつけて!冬のお風呂の死亡事故」を作成し、厚生労働科学研究成果データベースのホームページにおいて公表するとともに、消費者庁のホームページにおいて、当該パンフレットの内容を引用しつつ、「年末年始に増加する高齢者の事故に注意しましょう!―浴室での溺水事故、餅による窒息事故、掃除中・除雪中の転倒・転落事故等に注意―」と題する注意喚起を行うなどしており、今後とも、必要な周知に努めてまいりたい。