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子ども・子育て関係費の推計における人口前提の妥当性に関する質問主意書
参議院 第217回 第213号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×3
質問本文
厚生労働省等が二〇一八年に公表した「二〇四〇年を見据えた社会保障の将来見通し」では、子ども・子育て関係費について、「二〇二〇年度以降給付の対象となる子ども数を固定した形で推計」されている。つまり、二〇二〇年度以降、子ども数は減らない前提の下で推計がなされている(以下「当該政府推計」という。)。しかし、出生数は年々減少しており、二〇二三年には七十五万人を割り込む水準となった。人口減少、とりわけ少子化の進行は極めて確実性の高い予測可能事象である。そのため、「子ども数を固定」した仮定に基づく将来推計は、財政支出の過大見積りを招くおそれがある。当該政府推計は、子ども政策に関する予算措置や財源構成(保険方式・拠出金方式等)の設計に一定の影響を及ぼしてきた経緯があるため、前提の妥当性及び制度的影響を検証する必要がある。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 子ども数を固定する前提に関する事実関係について
1 当該政府推計について、「子ども数を固定」した理由(推計において、子ども数が今後減らないことを前提とした理由)を示されたい。
2 前記一の1について、「子ども数を固定」することを前提条件の一つとして決定するまでの経緯の詳細について、検討プロセスを含めて具体的に説明されたい。
3 「子ども数を固定」する前提が、直近の実績(出生数の大幅な減少)と推計の乖離を拡大させている主な要因であると考えられるが、政府の認識を示されたい。
二 推計の妥当性及び影響の検証について
少子化が進行しているにもかかわらず、子ども数が今後減らないことを前提として「子ども数を固定」して推計したことによって、当該政府推計が本来よりも高い水準の支出を正当化する根拠となるおそれが高い。
1 子ども数が今後減らないことを前提として政府が行った試算又は推計はあるか示されたい。ある場合、当該試算又は推計を全て示されたい。また、当該試算又は推計を根拠として予算編成された政策等がある場合、当該政策等(例:こども保険構想、支援金方式など)を全て示されたい。
2 将来推計が制度設計や国民負担の前提となる場合、子ども数等の前提条件の妥当性を外部有識者等がレビューする制度を設ける必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
3 前記二の2について、制度を設ける必要がないと考える場合、少子化という我が国の主要な課題さえ前提条件に入れられない現在の政府の試算又は推計の妥当性を担保するためには、何らかの措置を講じる必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
三 今後の見直しの方針について
1 当該政府推計は、今後の新たな推計において修正される予定があるか示されたい。ある場合、当該時期及び修正方針を示されたい。ない場合、当該理由を示されたい。
2 子ども数の推移に応じて、自動的に子ども・子育て関係費も見直される制度的仕組み(スライド制等)を導入する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
「二千四十年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(平成三十年五月二十一日内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省作成。以下「社会保障の将来見通し」という。)における社会保障給付費のうち「子ども・子育て」分の将来見通しの前提条件として、御指摘の「「子ども数を固定」した理由」は、出生数が減少している中で、少子化対策として平成二十九年六月二日に厚生労働省が公表した「子育て安心プラン」等による各種政策の効果も相まって、将来における「給付の対象となる子ども数」の推計が困難であることから、関係府省庁において、令和二年度以降一定と仮定して推計したものである。
一の3について
お尋ねの「「子ども数を固定」する前提が、直近の実績(出生数の大幅な減少)と推計の乖離を拡大させている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般的に、将来の人口や経済状況を見通すことには不確実性を伴うため、御指摘の「乖離」の「要因」について一概に特定することは困難である。
二の1について
御指摘の「子ども数が今後減らないこと」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、調査に膨大な作業を要することから、お尋ねに網羅的にお答えすることは困難であるが、御指摘の「子ども」が子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第六条第一項に規定する「子ども」を、御指摘の「今後減らないこと」が複数年にわたる「試算又は推計」の対象とする期間において一定であると仮定することを指すのであれば、政府において把握している限りにおいては、例えば、国の審議会等に提出された「政府が行った試算又は推計」及び「当該試算又は推計を根拠として予算編成された政策等」はないものと認識している。
二の2及び3について
御指摘の「将来推計」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにしても、政府における各種の「試算又は推計」については、その目的と性格に応じて、適切な手法が採用されていると考えており、一律に、「外部有識者等がレビューする制度」等の「何らかの措置を講じる必要」があるとは考えていない。
三について
お尋ねの「今後の新たな推計」及び「子ども数の推移に応じて、自動的に子ども・子育て関係費も見直される制度的仕組み(スライド制等)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、社会保障の将来見通しにおいては、留意事項として、「本見通しは、一定の仮定をおいて行ったものであり、結果は相当程度の幅をもってみる必要がある。」としており、一般的に、将来の人口や経済状況を見通すことには不確実性を伴うため、将来見通しの前提と実績値の間に違いが生じたことのみをもって、社会保障の将来見通しの「見直し」をすることは現時点で考えていない。