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「経営・管理」の在留資格を悪用した外国人移住の実態に関する再質問主意書
参議院 第217回 第237号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×7承知していない ×3
質問本文
私が提出した「「経営・管理」の在留資格を悪用した外国人移住の実態に関する質問主意書」(第二百十七回国会質問第七〇号。以下「本件質問主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質二一七第七〇号。以下「本件答弁書」という。)では、「具体的に意味するところが必ずしも明らかではない」との理由により、実質的な答弁がなされなかった。しかし、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)の趣旨に照らすならば、政府には国会議員から提出された質問主意書に対して、誠実かつ明確に答弁する責務がある。
本件質問主意書は、在留資格制度の悪用による外国人の移住の実態について政府の危機認識を質問しており、その答弁を通じて、広く国民に実情を周知し制度の改善に資することを目的としている。国家の安全保障や国民の生命・生活に関わる重大な質問に対して「具体的に意味するところが明らかではない」といった曖昧な表現により具体的な答弁をしない政府の対応は、国会法の趣旨に照らして極めて不誠実なものであると言わざるを得ない。これは、国民の負託を受けた国会議員の質問権を軽視するのみならず、政府としての危機感及び当事者意識の欠如を露呈するものであり、結果として、国民の不安を助長している。
令和七年四月二十一日付の読売新聞オンライン記事「「簡単に取れる」日本のビザ、中国人からの相談殺到 食い物にする「移民ブローカー」の存在」では、経営・管理ビザ制度が実質的に形骸化し、実態のないペーパーカンパニーの設立や「ビザと住居のセット販売」などを通じた制度の悪用事例が紹介されており、「経営・管理」の在留資格の悪用がビジネスとして横行している実態が詳細に報じられている。特に、中国のSNS上では、「簡単に取れる」、「マニュアル付きで安心」といった文言が拡散され、移住を目的とした「経営・管理」の実態を伴わない形式的な申請が拡大している状況が明らかとなっている。こうした報道を通じて制度の脆弱性が広く認知される中、国民の間では、制度の悪用が放置されていることへの危機意識や不安感が日増しに高まっている。それにもかかわらず、政府が本件答弁書において記したような要点を外した責任回避的な回答は、質問権に対する答弁の誠実さを欠くだけでなく、制度の信頼回復に向けた真摯な取組が見受けられず、国民の疑念と不満を更に助長するものであると考える。
質問主意書は、禅問答のような抽象論ではなく、立法府が行政府に対し説明責任を果たさせるための正当な制度的手段である。その本来の趣旨を政府は正しく理解し、真摯かつ具体的な答弁をもって国民に対する責任を果たすべきである。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 政府は本件質問主意書に対し、具体的に意味するところが明らかではないと繰り返し答弁しているが、これは事実上、質問の趣旨に答える意思がないことを意味し、極めて不誠実な対応であると考える。特に、本件質問主意書の質問一では、経営に関与しない外国人が経営・管理の在留資格を取得しているケースに関する政府の把握状況や摘発事案の件数を質問したが、本件答弁書において「摘発された事案や件数」について一切答えておらず、行政の情報収集・分析能力に疑問を呈さざるを得ない。
1 名義貸しや形式的な経営実態による「経営・管理」ビザの不正取得事案件数について、現時点での政府の把握状況を示されたい。摘発・退去強制処分に至った事案があれば、当該内容及び件数を示されたい。
2 こうした不正取得への対策として、出入国在留管理庁においてどのような監視・審査体制を強化していく予定か具体的に示されたい。
二 本件質問主意書では、ペーパーカンパニーを用いた虚偽申請や斡旋業者の存在について質問したが、本件答弁書では「具体的に意味するところが明らかではない」として誠実に答弁していない。現に、報道等ではこうした実態が繰り返し指摘されている。また、外国人向けSNS等でも堂々と「簡単に取れる」、「名義貸しで安心」といった文言が拡散されている。
1 「経営・管理」の在留資格取得におけるペーパーカンパニーの活用事例や移民ブローカーによる斡旋事例について、政府の把握状況を示されたい。
2 出入国在留管理庁及び関係機関は、こうした不正申請に関与した斡旋業者に対し、どのような取締・規制強化策を講じているか示されたい。行政処分又は刑事告発に至った事例がある場合、当該事例の概要を示されたい。
三 本件質問主意書の質問三では、法人登記制度の脆弱性を背景とした在留資格制度の悪用に関する実態審査や登記後の事業活動の監視制度導入の検討状況を質問したが、本件答弁書では「導入することは考えていない」との答弁であった。
1 現行の商業登記制度において、実態のない会社の設立が容易であるとの指摘に対し、政府は当該現状を問題視しているか、見解を示されたい。
2 登記後の「経営・管理」在留資格保有者に対し、事業継続実態の報告義務や実地調査制度を導入することにより、不正取得を防止すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 本件答弁書の「四について」では、「医療目的の不正移住」に関しては、令和七年二月四日の衆議院予算委員会における厚生労働大臣の国会答弁を引用し当該対策について答弁していたが、具体的な実効性がある制度的対応については答弁していない。
1 「経営・管理」の在留資格を取得した外国人が、医療保険制度を悪用した事例(高額治療後の未払いでの帰国など)について、政府の把握している件数及び主な事例を示されたい。
2 今後、医療保険制度の適正管理を徹底するため、所得証明の義務化や保険料の前払制度導入について検討する考えはあるか示されたい。
五 中国の「国防動員法」や「国家情報法」などに基づく、海外在住中国人に対する指示義務について、政府は「他国の法律」であることを理由に言及を避けているが、他国の法律であっても日本国内の治安や国家主権に影響を及ぼす可能性がある場合には、政府として何らかの見解を示すべきと考える。
1 日本に居住する中国人が中国政府の指示により政治工作や影響力工作に従事するリスクについて、安全保障上の観点から政府の見解を示されたい。
2 自治体レベルでの外国人受入れ促進が外国政府の影響力拡大に利用される懸念について、どのように監視を行う方針か、政府の見解を示されたい。
六 特区民泊の運営を通じた「経営・管理」在留資格の取得の実態について、報道により指摘されており、SNSなどでも広く情報が共有されている。当該問題について「具体的に意味するところが明らかではない」として答弁をしないのは、現実の運用実態を直視していない証左であると考える。
1 「民泊事業」を名目にした在留資格取得の実態について、政府の把握状況を示されたい。
2 特区民泊に関する運用実態の調査を強化し、「経営・管理」など在留資格の不正利用を集中的に摘発すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「名義貸しや形式的な経営実態による「経営・管理」ビザの不正取得事案」及び「こうした不正取得」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、仮にこれが出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)別表第一の二の表の経営・管理の項の下欄に掲げる活動の実態がないにもかかわらず、「経営・管理」の在留資格を取得しようとする事案についてのお尋ねであれば、当該在留資格に係る入管法第七条の二第一項に規定する在留資格認定証明書の交付申請等(以下「在留資格認定証明書交付申請等」という。)の中には、事業の実態に疑義がある事案があることは承知しているが、その件数及びこのうちお尋ねの「摘発・退去強制処分に至った事案」の内容及び件数については、在留資格認定証明書交付申請等に対する処分についてその理由別の統計を作成しているものではないため、お答えすることは困難である。また、こうした事業の実態に疑義がある事案への対策として、在留資格認定証明書交付申請等に係る審査における実地調査の強化に努めるとともに、国家公務員全体の定員の削減が求められている中で、適正な出入国在留管理行政の遂行のため、必要な人員の確保に努めてきたところであり、引き続き、必要な調査を含めた厳格な審査を行うこと及び必要な人員の確保に努めてまいりたい。
二の1について
お尋ねの「ペーパーカンパニーの活用事例」については、在留資格認定証明書交付申請等に係る審査において、事業の実態がないことが判明した場合には、不交付処分等を行っている。お尋ねの「移民ブローカーによる斡旋事例」については、その具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、「経営・管理」の在留資格に係る入管法第二十条第二項の規定による在留資格の変更の申請に関し当該申請の取次ぎをした者が不正行為を行ったと疑われる事例があることは把握している。
二の2について
前段のお尋ねについては、例えば、本年二月、入管法違反を始めとする犯罪を未然に防止し、外国人の在留の公正な管理を図るため、東京出入国在留管理局、警視庁及び日本行政書士会連合会の三者間で相互に情報共有を図るための協定書を締結し、入管法等の関係法令に違反する事案や違反するおそれのある事案に関する情報交換等を行うこととしており、引き続きこのような取組を通じて適切な対応を行ってまいりたい。
後段のお尋ねについては、「こうした不正申請に関与した斡旋業者」に対する「行政処分又は刑事告発に至った事例」の有無及び内容については、政府として網羅的かつ具体的に把握していないため、「当該事例の概要」についてお答えすることは困難である。
三の1について
お尋ねの「実態のない会社の設立が容易である」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、会社の設立の登記の申請書には、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第四十七条第二項等の規定に基づいて、登記すべき事項に係る事実関係等を証明するための書面を添付しなければならず、当該書面を添付しないときは、登記官は、同法第二十四条の規定により、その登記の申請を却下しなければならないものとされている。このことにより、会社の設立の登記において、登記手続の迅速性の要請にも配慮しつつ、実体に合致しない登記がされることの防止が図られている。
三の2について
現行制度においても、「経営・管理」の在留資格をもって在留する者からの入管法第二十一条第二項の規定による在留期間更新許可の申請の際には、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号)別表第三の七の経営・管理の項の下欄に掲げる「経営又は管理に係る事業の損益計算書」及び「年間の収入及び納税額に関する証明書」の提出を求めており、その審査において事業が継続しているか否か等を確認している。また、当該申請に係る審査の際に事業の実態に疑義があれば、審査を担当する職員が実地調査等の必要な調査を実施した上で、当該申請の許否の判断を行っている。
四の1について
お尋ねについては、把握していない。
四の2について
お尋ねの「医療保険制度の適正管理を徹底するため」の「所得証明の義務化や保険料の前払制度」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、「医療保険制度」の「保険料」の納付については、令和七年四月三日の参議院厚生労働委員会において、政府参考人が「我が国の医療保険制度は、適正な在留資格を有し、日本国内に住所を有する外国人については原則として加入し、保険料を納めていただきながら保険給付が受けられるという仕組みになっております。このことは、要するに被保険者の支え合いで成り立っている医療保険制度でございますので、外国人の方にも適切に保険料納付していただくこと、極めて重要であるというふうに考えております。これまでの取組といたしましては、保険者において、外国語によるリーフレット作成などによる制度の周知、外国人を含め保険料の滞納者への納付の勧奨や相談等の取組を行っておりますが、引き続き、保険料を適切に納付いただけるよう、関係省庁ともよく連携しながらしっかり取り組んでいきたいと考えております。」と答弁したとおりである。
五の1について
御指摘の「国防動員法」及び「国家情報法」は他国の法律であり、また、お尋ねの「日本に居住する中国人が中国政府の指示により政治工作や影響力工作に従事するリスク」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、カウンターインテリジェンスに関する機能の強化は重要と認識しており、政府の各行政機関において、必要な取組を進めてまいりたい。
五の2について
お尋ねの「自治体レベルでの外国人受入れ促進が外国政府の影響力拡大に利用される懸念」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
六の1について
住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第二条第三項に規定する住宅宿泊事業及び国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十三条第一項に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を営む外国人の在留資格を網羅的に把握していないが、「経営・管理」の在留資格をもってこれらの事業を経営する者が存在することは把握している。
六の2について
お尋ねの「特区民泊に関する運用実態の調査を強化し」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「経営・管理」等の在留資格認定証明書交付申請等に係る審査において、六の1でお尋ねの「民泊事業」について、その事業の実態に疑義があれば、審査を担当する職員が実地調査等の必要な調査を実施しており、正当な理由なく「経営・管理」等の在留資格に該当する活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること等が判明した場合は、入管法第二十二条の四第一項の規定による在留資格の取消手続を執ることとしているほか、入管法第二十四条に定める退去強制事由に該当する外国人に対しては、入管法に定める退去強制手続を執ることとしており、引き続きこれらの対応に努めてまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×7承知していない ×3
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。