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韓国による漁船だ捕問題に関する質問主意書

参議院 第24回 第6号

提出者
参議院
提出日
1956年2月22日
内閣転送 1956年2月27日
答弁書受領日
1956年3月2日
提出から9日
答弁の項目数
0
質問 1,295字/答弁 885字

質問本文

一、いわゆる李承晩ライン、それに基く日本の平和的漁船のだ捕問題は、今日にいたるまで何ら根本的解決をみざる状態であるが、李ライン撤廃・漁船だ捕ならびに長期抑留解除等に関する政府の根本方針をあらためてただすと同時に交渉の現況、進渉状態を具体的に明示せられたい。

二、昭和三十年十一月二十五日、対馬沖にて韓国側にだ捕された第一金比羅丸の乗組員に対し、政府から十二月末見舞金として金三万五千円(別に山口県より三千円)を八名分補助、困窮せる留守家族はこれに強く感謝し正月を迎えたのであるが、今年一月五日突然山口県水産部長名にて次のような通知をうけた。

漁第五号 昭和三十一年一月五日 山口県水産部長[印]

萩市玉江浦漁業協同組合経由

第一金比羅丸殿

だ捕漁船乗組員救済費補助金について

かねて交付しました拿捕漁船乗組員の見舞金については、水産庁長官より別紙写の通り通知がありましたのでこの補助金については左記事項を特に御留意の上遺憾なきを期せられるよう留守家族に御伝達方御取計い願います。

記

一、見舞金中差入品購入費補助(一五、〇〇〇円)は専ら差入品の購入に充つること

二、差入品購入費補助により購入せられた差入品の発送前に抑留者が本邦に帰還し、又は帰還する旨の通知があつた時は、その抑留者に係る差入品購入費補助(一五、〇〇〇円)の返還をしなければならない。

右の通知は、このような明示をされなかつた留守家族に大きな困惑を与え、政府の突然の指示がその実情を無視して行われていることに対して憤りを与えている。そして右通知が、今年一月五日にとくに出されたこと及びその内容から見て、現金受領のさいは指示がなかつたことは明らかであり、また、留守家族の訴えはそのことをはつきりと裏書きしている。留守家族は、いまさらそのような指示がされても見舞金として受領したわれわれは、生活困窮のさい生活費等として使用している。政府のやり方は一方的であり勝手であり、全くむごいと訴えているのが状況である。右に関して政府の見解をただしたい。

(一) 山口県の漁第五号に見られる政府指示は、何年何月何日にいかなる形式で行われたか。その内容如何。

(二) 参議院外務委員会における外務省政府委員の答弁ではこの金額は見舞金として出されたのであるが、その内訳は水産庁が担当であると言明している。しからば見舞金三五、〇〇〇円決定にいたる経過、指示にいたる経過を明示せられたい。

(三) いずれにしても事後における政府通知第一項の指示は、現在留守家族を保護するのではなく、かえつてなすすべを失わせ、困惑させている。これは明らかに政府の責任である。これに対しいかなる措置をとる意思があるか。撤回すべきであると思うがどうか。

(四) 政府通知の第二項は全く抑留者、留守家族を苦しめる措置であると考えるが、政府の見解を問う。撤回すべきものと考えるが政府の見解如何。

〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1

電話:03-3581-3111(大代表)

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参議院の原文・経過

政府答弁書

一、いわゆる李ラインが確立された国際法及び国際慣習上何ら根拠なく、わが方としてこれを認め得ないことについては、その設定以来屡次にわたつて韓国側に申し入れてあり、その侵犯に籍口する本邦漁船の不法だ捕についても事件発生の都度厳重抗議を申し入れ、船舶及び乗組員の釈放返還を要求してきたのであるが、先方がこれに誠意を示さなかつたことは、まことに遺憾である。抑留邦人漁夫の早期釈放をはかることについては、先方が大村収容所の韓国人犯罪者の釈放要求に関連せしめているので、わが方としては、その問題の解決にも政治的考慮を加えることとし、厳重交渉を重ねて来ている。

政府は、李ライン問題を含めて日韓間の諸懸案の全面的、根本的な解決をはかるべく、随時米国側と連絡し、日韓間の見解調整につきその好意的あつ旋を依頼するとともに他方在京韓国代表部を通ずる直接交渉にも努力中である。

二、(1)イ 差入品購入費補助金一五、〇〇〇円は差入品の購入以外に使用しないこと。

ロ 差入品の発送前に抑留者が帰還した場合はその差入品購入費補助金は返還すること。

ハ 昭和三十年十二月二十八日付で上記の内容を水産庁より関係知事あて指示した。

(2) 第一金比羅丸乗組員一人当り交付金額三五、〇〇〇円の内訳は、差入品購入費補助金一五、〇〇〇円及び見舞金二〇、〇〇〇円であり、昭和三十年十二月十六日予備費支出が閣議で決定されるに際し、決定された基準

イ だ捕漁船乗組員の留守家族に対し差入品購入費等補助として抑留者一人につき一五、〇〇〇円

ロ 漁船乗組員給与保険未加入者に対しては、見舞金として昭和三十年十二月までにだ捕抑留月数に応じ一人一ケ月につき一〇、〇〇〇円(以下省略)によるものである。

前記(1)の通達は、上述の内容を持つ補助金につき、その使途に遺憾のないよう指導する目的で発したものである。

(3)及び(4) 政府としては、補助金の目的に沿うよう日韓漁業対策本部及び県に対し、帰還前に差入れを行うよう督励し、現在既に差入物資の購入も殆んど終了している。

なお、補助金の目的外の使用は、避けたい所存である。

参議院の原文

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