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自閉症児・者の早期発見・早期療育体制および福祉対策の確立に関する質問

参議院 第74回 第1号検討してまいりたい ×3

提出者
参議院
提出日
1974年12月11日
内閣転送 1974年12月14日
答弁書受領日
1974年12月20日
提出から9日
答弁の項目数
3
質問 1,637字/答弁 1,860字

質問本文

自閉症児・者の早期発見・早期療育体制および福祉対策の確立に関する質問主意書

親をはじめ他人との感情のふれあいができず、人や言葉の認知障害を有するいわゆる「自閉症」の児童成人は、全国に四千人から二万人いるといわれている。

自閉症は、早期発見・早期治療を行えば、治すことができるといわれながら、その対策は確立されていない。

これら自閉症児に対して、現在三ケ所の自閉症児施設で治療訓練が行われ、情緒障害児学級等において教育が行われているが、充分な国の施策となつていない。

とくに最近では自閉症児は年長化している。にも拘らず、年長者に対する福祉対策は放置されており、家庭において親の負担となつているのが現状である。

このような現状を打破し、自閉症児の早期発見・早期治療体制を確立し、年長者にも医療と福祉を保障する体系をすみやかに整備する必要がある。

以上の観点から次の諸点について質問を行うので、政府の誠意ある答弁と実行をお願いしたい。

一、早期発見・早期療育体制の確立

(1) 自閉症の発症をできるだけ早く発見し療育に結びつけるために、健診体制の強化が必要である。現在母子保健法にもとづいて、乳幼児健診、三歳児健診が行われているが、自閉症の発見については、不充分といわざるをえない。今後健診体制の強化をどう考えているか。

(2) また、児童相談所、精神衛生センター、病院等の連携体制の強化が急務と考えるが、政府は、どのように指導強化してゆくのか、お伺いしたい。

(3) 自閉症を診断する医師により診断名が異なるように、自閉症の概念はあいまいであり、このことが自閉症対策を困難にしている。自閉症の診断基準をすみやかに決めるべきである。政府の考えをききたい。

(4) 児童精神科医療に従事する医師、看護婦等の養成確保をはかる必要があるが、政府の具体的方針をききたい。

(5) 児童精神科医が少ない原因の一つは、診療報酬における小児加算に問題があるためであると考えられる。これに対する考えと改善方法についてお伺いしたい。

(6) 現在、精神病院に併設された三ケ所の自閉症児施設で療育が行われているが、今後政府はどのように療育の場を整備してゆく考えなのか。精神病院に併設の形をとるのか、福祉施設を活用するのか。福祉施設で行う場合、医療の面、教育の面をどうするのか。明年度及び将来の具体的整備計画と、それに伴う財政措置についてお伺いしたい。

(7) 各府県に少なくとも一ケ所の児童精神科を持つ病院を整備し、診断および治療のセンター的役割をする医療施設を設ける必要がある。現状と整備計画についてお伺いしたい。

(8) 自閉症児を一般児童と接触させながら療育を行う場として、幼稚園・保育所は重要な役割を荷なつている。障害児教育・障害児保育を行う所へ国は積極的な財政援助を行う必要があるが、今後どのように充実させてゆくのか。

(9) 自閉症の研究は、現在、心身障害研究費の異常行動児の療育費のなかで行われている。原因究明と治療体系確立をさらに強化する必要がある。政府の今後の方針をききたい。

二、年長児・者の福祉施設の整備

自閉症児は、いまでは成人期に達するものが多くなつてきている。しかしこれに対する福祉施設はない。

児については、厚生事務次官通達により自閉症児施設が設置運営されているが、年長者についての療育のめやすとなるものはない。

精神病院で大人と一緒に治療が行われるのは自閉症児・者にとつて好ましいことではない。

医療と福祉と教育を保障するためには、どのような施設を整備してゆく考えなのか。

また通園施設の整備についてはどのように考えているのか、お伺いしたい。

三、自閉症研究専門委員会の中間報告について

先に自閉症児・者の福祉についての中間答申が行われ、具体的施策について種々指摘がなされている。政府は実行への具体策を打ち出すべきであると思うが、どうか。考えをききたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、について

(1) 自閉症の診断には、専門的知識と技術が必要であり、自閉症の早期発見のためには乳幼児健康診査、三歳児健康診査等の健診体制の強化も必要と考えている。

しかし自閉症は、一般的に生後一~二歳頃、両親が、わが子の「言葉の発達遅滞」、「独り言」など言語の発達異常に気付き、児童相談所、医療機関等に相談し、その結果発見されることが多いので、このような相談があつた場合に、各地域において診断・判定が適正に行いうるよう配慮してまいりたい。

(2) 心身障害児の診断・判定、診断・判定後の事後指導等については、関係機関の連携が必要であるが、特に自閉症については専門的な技術を要する問題もあるので、今後、例えば児童相談所長会議等で、関係機関の連携強化につき、指示、指導を行いたい。

(3) 自閉症児は、両親を含めた他人との感情のふれあいができず、人や言葉を認知できないということが一般にいわれているが、なお学問的には、原因、症状のとらえ方の面で議論のあるところであり、単に行政的に診断基準を定めることは必ずしも適当でないと考えるので、今後学問的研究と併せて検討してまいりたい。

(4) 政府としては医師、看護婦等の医療従事者の全般的な不足の現状に対処するため、現在、計画的にその確保策を進めているところである。

また児童精神科医療に従事する医師の資質の向上を図るための対策の一環として、昭和四十七年度よりとくに、公立病院、精神衛生センター、児童相談所等に勤務する医師に対する児童精神医学臨床医研修会を実施しているところであるが、今後ともこの面で努力してまいりたい。

(5) 診療報酬における小児加算の問題については、乳幼児に対する医療の特殊性等を考慮して、従来から初診時及び入院時の乳幼児加算等が算定できることとなつていたが、昭和四十九年十月の診療報酬の改定において更に再診時における乳幼児加算を新設したところである。今後もこの問題については、診療報酬の改善の際に検討してまいりたいと考えている。

(6) 自閉症児の態様は区々であり、その態様によつて、医療機関での処遇が適当である者もあり、福祉施設での処遇が適当である者もあることから、両面からの対策が必要と考える。

福祉施設で処遇する場合においても、医療面で条件の整つたところで処遇する必要があると考えている。

自閉症児のための施設のあり方については今後更に検討を進めてまいりたい。

教育面については、施設内での学級の設置、教員派遣等で教育の機会を確保してまいりたい。

また自閉症児の教育方法についても、国立特殊教育総合研究所及び国立久里浜養護学校において実際的研究を行つているところである。

(7) 児童精神科の病床の整備については、病床整備の一環としてその整備計画を有する地方公共団体等に対して、その実情に応じ助成に努めてきたところであり、また国立療養所においても昭和四十九年から難病病床計画の一環として、病床整備を図つているところであり、今後ともこれら施策の充実に努めてまいりたい。

(8) 自閉症児にとつては幼児期に一般児童に接触させることが療育上有効であるといわれているので、本年度から、保育所においては、自閉症児を含む心身障害児をパイロット的に保育所で保育できるよう特別な財政援助を行うこととしたところであり、私立幼稚園においても自閉症児を入園させている場合には教育費の一部を補助し、その振興を図つているところである。

今後、これらの施設の拡充について、努力してまいりたい。

(9) 自閉症の研究は、心身障害研究費のなかで行つているが今後とも引き続きその強化を図り、自閉症の原因究明、治療体系の確立を目指してまいりたい。

二、について

自閉症の年長者の実態については目下調査が行われているところであるが当面条件の整つた精神薄弱児・者施設で受け入れることを検討したいと考えている。

また、自閉症単独の通園施設は自閉症の療育上適当ではないといわれているが通園による療育・訓練の必要性はあるので、精神薄弱児・者通園施設の利用を検討したい。

三、について

自閉症研究専門委員会の中間報告は、自閉症に関しはじめてのまとまつた報告で、基本的かつ具体的な貴重な意見が述べられており、政府としては、障害児保育の実施、幼稚園での教育等を行つているところであるが、その他の具体的施策については、本委員会が引き続き進めている研究等も参考にしつつ検討を行つてまいりたいと考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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