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参議院地方区定数に関する質問主意書

参議院 第77回 第18号

提出者
参議院
提出日
1976年5月20日
内閣転送 1976年5月22日
答弁書受領日
1976年5月28日
提出から8日
答弁の項目数
3
質問 1,108字/答弁 1,004字

質問本文

去る五月一〇日、参議院公職選挙法改正に関する特別委員会における政府答弁を踏まえて、適切なる参議院地方区定数是正に資するという観点から、以下質問する。

一 議員定数不均衡に関する最高裁の昭和三九年二月五日の判決と、昭和五一年四月一四日の判決を比較して、法制局長官は「その表現において若干異なるところがあるとしても、選挙人の投票の価値の平等ということが、憲法上の法の下の平等の原則にかかわりを持つものであることを基本としている点において、同じ考え方に立つものである。」旨の答弁を行つた。

しかし、五一年判決では、投票価値の平等が憲法上の要請であることを明言したのに対し、三九年判決では、憲法一四条等の条項が投票価値の平等を積極的に命じてはいないとしていること、また五一年判決では、このような投票価値の平等の範囲内において、厳格な制約のもとで、国会の裁量を認めたのに対し、三九年判決では、国会の裁量権を前面に出している点において、判例の大きな変化があつたと考えるべきである。

再度政府に、前記両判決の相違を質問する。

二 五〇年センサスにもとづき、いわゆる剱木試案を検討したところ、投票価値の最大の開きは、鳥取対東京が一対五という結果を得た。この点につき法制局長官は、「現行とさほど変らぬので違憲とはいえないということを卒直に感じた。」旨の答弁をしている。

しかし、前記五一年判決では、「具体的な選挙制度において現実に投票価値に不平等の結果が生じている場合には、それは国会が正当に考慮することのできる重要な政策的目的乃至は理由に基づいて、結果として合理的に是認することができるものでなければならない。」としているのであつて、法制局長官のこの程度の答弁では、とうてい合理的に是認することができるものでないことは明白である。

再度、いわゆる剱木試案が法制化されても違憲ではないという根拠を、明らかにされたい。

三 参議院地方区の議員定数の配分について、立法当時の事情を政府が説明するときには、衆参両院の制度の相違を示す根拠を引用したり、あるいは種々の配分案に関する議論における地域代表という性格を強調したりするが、立法者が、具体的に人口比例を根拠とする旨を明らかにしている点については、避けて通つているように見える。これでは、五一年判決の趣旨をも正当に踏まえていないと批判されても致し方ないであろう。

そこで、政府は、今後の適切なる法改正に資する意味で、立法当時の政府の提案理由説明及び答弁を中心として、議員定数の配分について、人口比例の論理を展開した箇所を正確に引用し、もつて十全なる回答をなすべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の昭和三十九年二月五日の最高裁判所大法廷判決は参議院地方選出議員の選挙区の議員定数の不均衡に関するものであり、昭和五十一年四月十四日の最高裁判所大法廷判決は衆議院議員の選挙区の議員定数の不均衡に関するものであるが、両判決とも、各選挙区の議員定数の配分決定の要素として、選挙人数又は人口数と配分議員定数との比率以外の他の多くの要素を考慮してしかるべきことを認めつつも、選挙人数又は人口数と配分議員定数との比率の平等を最も重要な要素として考慮すべきことが憲法上要請されているとするものであると理解されるので、基本的には同じ考え方に立つ判決であると考える。

二について

昭和五十一年四月十四日の最高裁判所大法廷判決は、衆議院議員の選挙区の議員定数の配分に関するものであり、参議院地方選出議員の選挙区の議員定数の配分については、衆議院議員の場合と異なり、前提となる考慮すべき要素に違いがあることは明らかであるから、参議院地方選出議員の定数配分規定が直ちに違憲であるとは断定し難いと考えている。御指摘のいわゆる剱木試案については、政府として、公的な立場で最終的な意見を述べることは差し控えたいが、この試案は、参議院地方選出議員の選挙区の議員定数について現行総定数の範囲内でいわゆる逆転現象を生じているような選挙区の最小限度の是正を行おうとするものであると聞いており、現行の議員定数配分規定の下における人口数と議員定数との比率の偏差を拡大するものではないと思われるから、直ちに違憲とは断定し難いものと考える。

三について

参議院議員の定数の配分については、第九十一回帝国議会に提出された参議院議員選挙法案についての政府の提案理由の説明で「参議院の地位と職能とに鑑み、議員の定数は衆議院議員に比し相当減少することが適当であると考へられまするが、他面議案審査、其の他議院の活動に支障なからしめることが必要でありますから、是等の事情を酌量致しまして、議員定数は之を二百五十人と致したのであります、其の中百五十人を地方選出議員とし、各選挙区に於て選挙すべき議員の数は、最近の人口調査の結果に基きまして、各都道府県の人口に比例して、最低二人、最高八人の間に於て、半数交代を可能ならしめるが為にそれぞれ偶数となるやうに定めることとし、残りの百人を全国選出議員と定めたのであります、」と述べていることは承知している。

参議院の原文

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