Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第78回

丸金証券株式会社の不当労働行為及び暴行事件に関する質問

参議院 第78回 第4号

提出者
参議院
提出日
1976年10月9日
内閣転送 1976年10月13日
答弁書受領日
1976年10月29日
提出から20日
答弁の項目数
9
質問 1,684字/答弁 1,666字

質問本文

丸金証券株式会社の不当労働行為及び暴行事件に関する質問主意書

労働者の団結権、団体交渉権、争議権などは、日本国憲法、労働組合法により基本権として保障されている。今日、数多く見られる労働争議の大部分は労働基本権の保障をめぐつてのものであり、その解決がおくれる原因は、不当労働行為救済制度が十分に機能し得ないためと考えられる。

東京都中央区日本橋蛎殻町一の七の九、丸金証券株式会社と丸金証券労働組合との間に於て、昨年六月、会社側の団体交渉拒否に端を発し、今日まで紛争が続いており、その間、組合員が会社側の導入したガードマンの暴力により重傷を負うなど、極めて憂慮すべき状態となつている。

ついては、次の点について質問するので、政府の考え方を明らかにされたい。

一 会社は幹部、職制、第二組合員、雇入れガードマンにより、組合員を恫喝するのみか、暴力を振い組合員に対し十五件にも及ぶ傷害事件を発生させている。かかる行為は労働問題以前の暴力事件として処理されるべきであると考えるがどうか。

二 組合側の就労、団交要求を拒否するだけでなく、ガードマンにより組合運動を弾圧して何等解決姿勢を会社側が示さないのは、地方労働委員会等による救済制度が現行制度では十分機能しないためと考えられる。政府は、現行制度で十分対処できると判断するか。

三 会社側は、昨年十月「ゼッケン着用」を理由に大幅な賃金カットを行い、中央労働基準監督署から是正勧告を受け、やむを得ずこれに従わざるを得ないなど、組合員に大きな犠牲を強いている。このような悪質な経営者に対し政府はどのように指導しようとするか。また、罰則を考慮する必要はないか。

四 会社側が組合員に対し、「自宅待機」の不当命令を出し、会社内への立入りを拒否すると共に、今日なお四十九年度の賃金を適用、一時金も支給しない、という差別扱いをしており、労組法第七条一号及び二号の定めに鑑み問題があると考えるが、政府の判断はどうか。

五 久松警察署は、会社附近に警察官を常駐させ、組合員の行動を監視しているのみか本年四月二十七日には、会社内で団体交渉を要求中の組合員二名を逮捕し、六月二十八日には、組合活動を理由(ビラ貼り行動)に三名を逮捕、うち一名を起訴する行動に出ている。このことは労働運動への不当な介入と考えるがどうか。

また、今日、全国的に警察官が使用者側の意を受け、労働運動への不当な介入が頻発しているが、労働運動へ警察官が介入する法的根拠は何か。

六 会社側は、本年四月より、組合側にも、社員に対してもその身分、氏名を明らかにしない公安刑事と見られる者を社内に常駐させ、組合員の行動を監視させている。このことは正当な組合活動を犯罪視することに端を発しているためと考えられる。政府はこのような故意に紛争を解決しようとしない会社側の態度をどのように認識しているのか。

七 会社側は、本年六月二十一日、帝国警備保障のガードマン五名を導入し、会社の出入口に待機させ、組合側の団交要求などの組合活動を直接妨害させるとともに、組合員に積極的に挑発させ、組合員に負傷を負わせるなどの暴力行為を働かせている。

ガードマンの労働争議への介入は、全金本山製作所、光文社など全国各地で数多く見られ、この問題に関し、政府は、昭和四十九年四月二十五日の本院社会労働委員会に於て、「労働組合の正当な活動に干渉してはならない」と答弁しており、警備業法第八条にも明確に規定し、同法案提出の際にも政府答弁で明らかにされている。然るに、今日、ガードマンの争議行為への介入、暴力行為は続いている。政府は警備会社に対してどのような行政指導を行つているのか。今後、かかる不当介入、暴力行為排除のため具体的にどのように対処しようとするのか。

八 組合は、会社側の一連の暴力事件について、本年七月二十一日、久松署に告訴しているが、捜査の処理状況はどのようになつているか。

九 丸金証券株式会社の直接の監督官庁である大蔵省の、本労働紛争問題についての指導方針を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

久松警察署においては、昭和五十一年三月以降、丸金証券労働組合側から十三件、丸金証券株式会社側から六件の告訴を受け、現在捜査中であり、このほか、組合側による不法事案について、昭和五十一年四月二十七日威力業務妨害罪で、同年六月二十八日暴力行為等処罰ニ関スル法律違反でそれぞれ検挙し、東京地方検察庁に送致済みであると聞いている。

政府は、労使関係に対しては何ら介入するものではないが、暴力の行使等の不法事案に対しては、労使いずれが行つたものであれ、法に照らし厳正に取締りが行われるべきであると考える。

二について

本紛争においては、組合から東京都地方労働委員会に対し五件の不当労働行為救済申立てが行われ、現在、同委員会において審理が進められていると聞いている。

現行の不当労働行為制度は、使用者による不当労働行為を禁止して、一般的にその抑制・防止を図るとともに、不当労働行為があつた場合には、労働委員会においてそれがなかつたのと同様の状態に復させること等により、実質的に使用者による労働者の団結権等の侵害を排除し、健全な労使関係の確立を促進しようとするものであり、政府としては、過去二十数年の実績からみて、それ相当に機能しているものと考えている。

三について

賃金カットについては、昭和五十年九月、組合員から中央労働基準監督署に対し、会社において労働基準法に違反する事実があるとの申告があつたので、同署において調査のうえ、同年十月、会社に対しその是正をするよう勧告を行い、是正させたところである。

政府としては、今後とも、労働基準法等の遵守を図るため、強力に監督指導を行い、是正勧告に従わないような悪質な法違反に対しては、罰則の適用を含め、厳重に措置してまいりたい。

四について

労働組合法では、使用者が、労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として労働者に対して不利益な取扱いをすること、労働組合との団体交渉を正当な理由がなく拒むこと等を不当労働行為として禁止している。

本紛争においては、組合から東京都地方労働委員会に対し五件の不当労働行為救済申立てが行われ、現在同委員会において審理が進められていると聞いているので、政府としては、不当労働行為があつたかどうかについての見解を述べることは差し控えたい。

なお、政府としては、会社と組合との間において、本紛争の解決を含め、健全な労使関係が確立されることを期待している。

五について

久松警察署が会社付近に警察官を常駐させ、組合員の行動を監視させている事実はないと聞いている。

政府は、正当な労働組合運動に対しては介入すべきでないが、暴力の行使等の違法行為が行われた場合に、法の定めるところに従つて取締りを行うことは、当然の警察の責務であると考える。

六について

労使紛争は、まず当事者間の話合いによつて自主的に解決されるべきであり、政府としては、本紛争についても、会社と組合との間で自主的な解決を図るべく一層の努力がされることを期待している。

なお、警察官を社内に常駐させ、組合員の行動を監視させている事実はないと聞いている。

七について

警察庁の指導方針に基づき、各都道府県公安委員会においては、警備業法第八条の規定に従い、労働組合の正当な活動に干渉するなどのことがないよう、講習会等により警備業者に対し一般的に指導しているほか、労働争議が発生している事業所等で警備業務が行われる場合には、当該警備業者に対して必要な指導監督を実施しているところであり、政府としては、今後もこの方針によつて警備業務の実施に当たつての労働争議への不当介入事案等の防止に努めていく所存である。

八について

久松警察署においては、昭和五十一年七月二十一日に組合側から暴行、傷害罪等で十二件の告訴を受理し、現在参考人等の取調べ、実況見分等所要の捜査を行つていると聞いている。

九について

大蔵省は、証券業務に関し証券会社を監督する立場にあるので、労使間の問題に直接介入することは適当でないと考える。

参議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1977年11月11日 目黒今朝次郎 答弁 1977年12月2日
参議院 第82回 第9号
提出 1976年11月2日 戸田 菊雄 答弁 1976年11月19日
参議院 第78回 第11号
提出 1974年3月11日 阿具根 登 答弁 1974年3月19日
参議院 第72回 第9号
提出 1977年4月4日 上田卓三 答弁 1977年4月12日
衆議院 第80回 第14号
提出 1988年4月19日 新村勝雄 答弁 1988年5月17日
衆議院 第112回 第26号
提出 1978年3月4日 内藤 功 答弁 1978年3月14日
参議院 第84回 第13号
提出 1973年12月1日 日野吉夫 答弁 1973年12月11日
衆議院 第72回 第1号
提出 1977年6月9日 近藤 忠孝 答弁 1977年6月21日
参議院 第80回 第48号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる