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松枯れ防止対策に関する質問

参議院 第91回 第6号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
1980年3月10日
内閣転送 1980年3月12日
答弁書受領日
1980年3月18日
提出から8日
答弁の項目数
6
質問 1,036字/答弁 1,366字

質問本文

松枯れ防止対策に関する質問主意書

現下の激甚型松枯れ現象は、今なおその猛威を止めることなく、全国的に拡大・蔓延しつつある。

林野庁の調査によれば、松枯れ被害量は、昭和五十三年度は、史上最高の二〇七万立方米を記録し、五十四年度も、前年を一割も上回る被害量となろうとしている。

昭和五十二年度より、空中散布による特別防除が実施されながら、このような結果となることに対し、国民は判断に苦しむものである。激甚型松枯れの原因を松くい虫とする林野庁の見解に反対の意見も多い。

空中散布の結果、駆除すべきマツノマダラカミキリよりも、それ以外の各種昆虫類等が大量に死に、生態系に悪影響をもたらすとともに、周辺の人畜等に対しても安全確保の見地から大きな危惧が抱かれるに至つている。

環境庁の委託によつて行われた財団法人・山階鳥類研究所の「森林における農薬空中散布の鳥類及びその生息環境に及ぼす影響調査報告書」も、生態系に悪影響をもたらす事実を認めている。

このままでは、松くい虫防除特別措置法の意図や、国民の希望に反して、松くい虫を撲滅するのではなく、他の生物を撲滅し、いわゆる「サイレント・スプリング」を現出せしめるのではないかという恐れを抱かざるをえない。

このような立場から、以下の質問をする。

一 現下の激甚型松枯れの原因を松くい虫とする説には、松くい虫のみでは松を枯死させ得ない事実、また飛来する以前に松の樹勢を弱め、ひどい場合は枯死に至らしめるところの他の要因が先行している事実からみて、単純な松くい虫説には納得しがたい。現下の激甚型松枯れの真のメカニズムについての見解をききたい。

二 空中散布による特別防除の実施にもかかわらず、逆に、松枯れ被害が激増している現状をどう判断しているか。

三 空中散布は、松くい虫駆除に対して、むしろ効果より害の方が多いという意見についてどう考えるか。もし、害よりも、効果が大きいと考えるならば、その根拠を示してほしい。

四 財団法人・山階鳥類研究所の「報告書」について、どう判断しているか。

五 松くい虫防除特別措置法の定める「五年間」の期間内に、松枯れを微損型被害に終息させられる見通しを持つているのか。もし終息しなかつた場合、空中散布を期間延長して行う考えか。

六 空中散布による特別防除を直ちに中止し、激甚型松枯れのメカニズムに関する徹底究明、特別防除の効果の検討も含めて、松くい虫駆除法を根本的に再検討する考えはないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

激害型松枯損の原因については、昭和四十三年度から昭和四十六年度にかけての国立林業試験場を中心とする昆虫学、樹病学、菌学、樹木生理学、土壤学、気象学等関係各分野を網羅した共同研究において、植物病理学上の基本的な原則とされている病原体決定の手法に基づき、マツノマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウが松の生理の異常をもたらす病原体であることが立証されている。

二について

特別防除の実施地域は、周囲の自然環境及び生活環境の保全並びに農業、漁業その他の事業への被害の防止に対する配慮から、松くい虫被害区域の一部にとどまつているが、これを実施している地域では、全般的にみて、十分な防除効果を挙げているところである。

松くい虫被害が、昭和五十三年度に大幅に増加し、昭和五十四年度も引き続き大きな被害が発生していることについては、昭和五十三年夏期における異常な高温少雨という気象条件が加害害虫の活動・繁殖を活発にし、更に、これが昭和五十四年におけるマツノマダラカミキリの生息密度にも影響を及ぼしたものと推測される。

三について

特別防除は、二についてで述べたように自然環境等の保全や農業等への被害防止に十分配慮して実施しているところであり、また、その効果については昭和五十二年度及び昭和五十三年度に特別防除を実施した三十一都府県において、特別防除実施箇所に定点を設定し、調査を実施したところ、定点の被害本数率は、昭和五十二年度から特別防除を実施した定点では全定点平均で、昭和五十二年度二・一パーセント、昭和五十三年度一・九パーセント(特別防除実施前の昭和五十一年度三・六パーセント)、昭和五十三年度から特別防除を実施した定点では全定点平均で、昭和五十三年度四・三パーセント(特別防除実施前の昭和五十二年度七・六パーセント)と減少しており、十分な効果を挙げているところである。

四について

環境庁が昭和五十二年度及び昭和五十三年度にわたつて財団法人「山階鳥類研究所」に委託して実施した調査は、植生、昆虫及び鳥類について各種の調査を行つたものであるが、当該調査に係る報告書は、農薬の空中散布が鳥類及びその生息環境に及ぼす影響については、必ずしも明確な結論を出したものではなく、これのみをもつて判断することは困難であると考えている。

五について

昭和五十三年度の予期せざる異常気象等により未曾有の被害が発生し、昭和五十四年度もその影響を受けて被害が増大していることから、昭和五十六年度に被害を終息させるという当初目標を達成することは、必ずしも容易ではないと考えられる。今後、総合的な防除対策を緊急に推進し、被害の減少を図り、できるだけ早い時期に終息に向かうよう最善の努力をしてまいりたい。

特別防除の将来の取扱いについては、今後の松くい虫被害の状況等を踏まえ、慎重に検討してまいりたい。

六について

松くい虫の防除については、特別防除を計画的に実施するとともに、特別防除の実施が困難な松林については、被害木の伐倒駆除、激害跡地における樹種転換等を重点的に実施することが、現段階では最も有効であると考えている。

なお、新たな防除技術等の開発研究についても、国立、公立の試験研究機関及び国立林木育種場を中心として鋭意進めているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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