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政府関係機関の予算・決算制度に関する質問

参議院 第95回 第10号

提出者
参議院
提出日
1981年11月14日
内閣転送 1981年11月18日
答弁書受領日
1981年12月22日
提出から38日
答弁の項目数
2
質問 1,229字/答弁 1,089字

質問本文

政府関係機関の予算・決算制度に関する質問主意書

政府関係機関の予算・決算制度は、官庁的なものと民間企業的なものが結合して成り立つているため、種々の問題点が存在していることは、かねてより指摘されているところである。よつて次の各項について政府の見解をただしておきたい。

一 予算会計制度の改善について

かつて第一次臨時行政調査会が、政府関係機関の予算会計制度について、「予算については、国の会計と同様に収入支出についての拘束予算(収入支出予算)の形式がとられているが、この予算形式は、事業体としての経営成果の判定に役立つ予算形式とはいい難い。」と指摘し、これらについては、企業性を発揮させる体制とすることが必要であり、そのため収入支出予算の形式を改めて、適当とみられる事業計画等による企業的な予算制度を採用すべきであるなどの勧告を行つているが、現行の予算及びそれに対応した決算の形式は、依然として改善されておらず、官庁会計を主とし企業会計を併用した方式をとつているため、会計処理が必要以上に複雑化し、極めて判別し難いものとなつていると言わざるをえない。よつて次の点について伺いたい。

(1) 政府関係機関の予算・決算制度において、現行のような収入支出予算・決算方式を併用する理由は何か。

(2) 収入支出予算・決算方式の併用を改め、企業会計的な予算・決算制度を採用することのメリット、デメリットをどのように考えるか。

二 損益計算書の改善について

去る九月十七日、参議院決算委員会における日本国有鉄道の決算審査の際、日本国有鉄道予算参照書中の一般勘定損益計算書と、それに対応する年度決算の一般勘定損益計算書との科目区分に、著しい不一致があり、判別しにくい点のあることを指摘したところ、日本国有鉄道当局は検討する旨答弁した。

その後の調査によつて、他の政府関係機関においても同様の事務処理が行われていることが確認されたので、次の点について伺いたい。

(1) 日本国有鉄道の予算参照書及び決算書における一般勘定損益計算書の科目区分の不一致が生じている理由について、予算参照書の場合は大蔵省が様式を決め、決算書の場合については、日本国有鉄道自身がその様式を決めることができる制度に由来することが明らかにされたが、その経緯に誤りはないか。また、他の政府関係機関において見受けられる事態についても、同様の事情と解してよいか。

(2) 政府関係機関の予算・決算を通じて、その運営の実態を的確に把握するためには、これら各機関の損益が明確に表示され、これが国民の評価の参考となるものでなければならないことは言うまでもない。しかしながら、現行の各機関の損益計算書は、予算と決算で科目区分を異にしているため極めて判読しにくく、国会における審査に際し、その脈絡をたどることが困難であるので、この際国民の理解を容易にするような様式に改めるための検討を加えるべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

(1) 政府関係機関の予算・決算制度において現行のような収入支出予算・決算方式を採用している理由は、政府関係機関の行う事業が高度に公共性を有するものであり、また、その事業資金について国家財政ないし最終的には国民の税負担と緊密な関係を有することから、その事業に係る資金、経費等について、予算・決算による国の統制を行う必要があり、また、その事業の運営に当たつては、極力企業性を発揮させるとともに、その事業の成果を的確に判定するという観点から、企業会計の原則に準拠した損益計算書、貸借対照表等の財務諸表を作成させる必要があるためである。

(2) 政府関係機関の事業活動については、一方においてその事業の公共性等からの国による所要の統制と、他方において企業性を発揮し、その成果を国民に示すこととの調和が図られることが基本的に必要であると考える。

国の統制については、現行制度上は収入支出予算の形式によりその事業に係る資金、経費等の規制を行うこととなつているが、この制度においても、予算の移流用、予備費の使用、弾力条項等予算執行上の弾力性が付与されている等企業性を発揮し得るよう配慮されている。

また、事業の成果を国民に公表することについては、別途企業会計的な財務諸表を作成し、これにより判断できることとなつている。

このような現行の予算制度と企業会計の併用方式は、それぞれ公共性と企業性の要請にこたえ、かつ、これを調和させるという観点からのものであり、この目的と性格の相違を考慮すれば、収入支出予算・決算方式を廃止して企業会計的な予算・決算制度に一元化することは、必ずしも適当であるとは考えられない。

二について

(1) 日本国有鉄道の予算参照書における一般勘定損益計算書については、日本国有鉄道が予算に添付して運輸大臣に提出することになつているが、現行の様式が定められるに際しては、収入支出予算の科目区分との関連等を配慮しつつ、日本国有鉄道、運輸省及び大蔵省が協議したものである。

一方、日本国有鉄道の決算書における一般勘定損益計算書については、日本国有鉄道が、会計規程において、事業の成果の把握に資するための科目区分を重視して、その様式を定めたものである。

また、他の公社において見受けられる事態についても、おおむね同様の事情である。

(2) (1)において述べたとおり、公社の損益計算書については、それぞれの趣旨に即し科目区分を行つているところである。御指摘の予算と決算における公社の損益計算書の科目区分については、これまでの経緯等も踏まえ、慎重に研究してまいりたい。

参議院の原文

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