ことばで探す › 参議院 第169回
予算と関連法案に関する質問主意書
参議院 第169回 第28号
質問本文
予算と関連法案について、以下の通り質問する。
一 国会は二院制となっており、両院の議決が一致しないことにより、提出された法案が修正あるいは否決・廃案になることは常に想定されうると考えるが政府の見解如何。
二 予算の国会議決により、歳出予算について、政府はどのように拘束されると考えているか。
三 歳出関連法案は予算提出後に国会に提出される例が多い。予算と一体である法案を予算提出後に国会提出する理由如何。また、法案が成立しなければこの部分にかかる予算について、国会議決の効力は発生しないと考えるが政府の見解如何。
四 歳出関連法案の成立を前提とした歳出予算については、予算書においてその項目とその部分にかかる予算額とそれら予算の全体総額を示し、留保付きの予算議決を求めていることを国会に対し明らかにすべきと考えるが政府はどのように考えているか。
五 すべての歳出関連法案については予算とセットで国会に提出し、国会がすべての審議方法、審議順を決めるべきと考えるが、政府の見解如何。また、こうした方式を国会がとった場合、政府にはどのような問題が生じるか。
六 予算の国会議決により、歳入予算について、政府はどのように拘束されると考えているのか。税収等にかかるものと借り入れによって財源を調達するものとに分けて見解を示されたい。
七 予算と歳入関連法案(歳入関連法案には租税にかかるものと特例公債発行にかかるものがあるが、ここでは、特に前者を指している。)は国会に同時に提出され、並行して審議、議決されることが通例となっている。こうした審議、議決を行うことに伴って発生すると予想される弊害について、政府はどのような認識を持った上で予算と歳入関連法案の国会提出を行っているのか。
八 憲法が定める予算にかかる衆議院の優越は、歳入関連法案の成立によって歳入根拠が確立することが前提となっていると考えるが政府の見解如何。
また、歳入関連法案の不成立によって歳入根拠が大きく崩れる場合には、衆議院の優越にかかわらず予算は修正されなければ成立しないと考えるが政府の見解如何。
九 歳入関連法案が成立しない場合、あるいは成立しないと見込まれる場合には、予算提出者たる政府は国会に対し予算をどのように処理することを期待しているのか。
また、政府自身はどのような対応をすることを想定しているのか。
十 憲法が定める予算についての衆議院の優越を担保するため、また、予算と歳入予算の不一致によって発生する弊害を防ぐために、歳入関連法案の審議・成立を予算の審議、議決に先行させるべきと考えるが政府の見解如何。また、こうした方式をとった場合、政府にどのような問題が生じるか。
十一 租税に関する改正法案は、所得税法、法人税法、相続税法、地価税法、酒税法、租税特別措置法など、それぞれ独立した税法の改正が一つの法律案、すなわち一括法案として提出されることがいわば通例となっている。
1 租税に関する法律は、課税目的、課税対象などによってそれぞれの独立した法律となっていると考えるが政府の見解如何。
2 独立した法律である以上、その改正目的も異なると考えるが政府の見解如何。
3 こうした独立した各法律の改正は、その改正の趣旨を明らかにするためにも、それぞれの法律ごとに行うべきと考えるが政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
日本国憲法第五十九条第一項において、法律案について両議院で可決したとき法律となる旨が規定されていること等から、両議院の議決により、法律案が修正される場合や、否決等がされて廃案となる場合があり得ると考えられる。
二について
歳出予算は、内閣に対して、一会計年度における債務を負担する権限及び国費を支出する権限を付与するものであり、その会計年度において、内閣が債務を負担し、及び国費を支出することができる金額は、この歳出予算の金額の範囲内に限られることとなる。
三及び五について
予算及び歳出予算に関連する法律案の国会提出の順序については、法律上、特段の定めはなく、歳出予算に関連する法律案を通常国会へ提出する場合、予算の国会提出と同時に、又は予算の国会提出後、国会へ提出することを通例としている。また、国会における審議の在り方については、国会において御議論がなされるべき事柄であると考えるが、政府としては、法律案及び予算については、いずれも成立を期して国会に提出している。
予算は、日本国憲法第六十条の規定に従い、国会において審議され、成立し、一方で、法律案は、日本国憲法第五十九条の規定に従い、国会において審議され、成立するものであるが、歳出予算に関連する法律案があり、かつそれが成立しない場合には、当該法律案に基づく新たな歳出としては、執行できないものと考えられる。
四について
歳出予算は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)に基づき、部局等の組織の別に区分し、その目的に従って項に区分し、国会の議決を経ることとされている。
国会に提出する予算には、参考のため各省各庁の予定経費要求書等を添付し、歳出の事項別の内容について説明しているところであり、法律に支出の根拠をおく経費については、当該法律を引用するなど分かりやすく簡明な記述となるよう配慮している。
六について
歳入予算は、税法による賦課徴収の権限の付与、財政法等による公債発行の権限の付与及び予算総則が定める公債発行の上限等を踏まえた、一会計年度における収入の見積りであり、これによって政府に賦課徴収等の権限を付与するものでもなく、また賦課徴収等の義務を課すものでもない。
七について
会計年度は四月から開始すること、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第二条において「常会は、毎年一月中に召集するのを常例とする」と規定されていること等を踏まえ、例年、年末から年始にかけて、予算及び税制改正の要綱を決定し、予算及び歳入予算に関連する法律案を通常国会に提出している。
政府としては、法律案及び予算については、いずれも成立を期して国会に提出しているところである。なお、予算が成立した場合において、歳入予算に関連する法律案があり、かつそれが成立しないときは、当該法律案に基づく新たな歳入としては、見込めないものと考えられる。
八について
三及び五についてで述べたとおり、予算は、日本国憲法第六十条の規定に従い、国会において審議され、成立し、一方で、法律案は、日本国憲法第五十九条の規定に従い、国会において審議され、成立するものであることから、御指摘のような「予算にかかる衆議院の優越は、歳入関連法案の成立によって歳入根拠が確立することが前提」や「歳入関連法案の不成立によって歳入根拠が大きく崩れる場合には、衆議院の優越にかかわらず予算は修正されなければ成立しない」ということはないと考えている。
九及び十について
国会における審議の在り方については、国会において御議論がなされるべき事柄であると考えるが、政府としては、法律案及び予算については、いずれも成立を期して国会に提出している。なお、予算が成立した場合において、歳入予算に関連する法律案があり、かつそれが成立しないときは、当該法律案に基づく新たな歳入としては、見込めないものと考えられる。
十一について
国税に関する法律については、国税の基本的な事項及び共通的な事項について国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)で、所得税等の各国税の課税標準や税率等について所得税法(昭和四十年法律第三十三号)等で、国税の滞納処分等の手続について国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)等で、これらの特例について租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)等で、国税の犯則事件に関する手続について国税犯則取締法(明治三十三年法律第六十七号)で、それぞれ定められている。
国税に関する法律も含め、二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合においては、一般に、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨・目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは、一つの改正法案として提案することができると考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。