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「働き方改革法案」の適用除外及び高度プロフェッショナル制度に関する質問主意書

衆議院 第196回 第387号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

提出者
国民民主党・無所属クラブ
提出日
2018年6月14日
内閣転送 2018年6月18日
答弁書受領日
2018年6月22日
提出から8日
答弁の項目数
10
質問 2,460字/答弁 2,193字

質問本文

わが国の労働者の働き方の改革において、長時間労働や過労死の対策が重要であることは論を俟たない。この長時間労働と過労死の問題は職種に関係なく改善を図る必要があるが、今国会提出の「働き方改革法案」(以下、「本法案」という。)では適用除外がある。また、裁量労働制が本法案から削除されたが、労働時間・休憩・休日の規制が全く適用されず、残業代も一切ないため裁量労働制よりさらに労働者にとって不利な制度である「高度プロフェッショナル制度」は本法案から削除されていない。この結果、長時間労働や過労死がむしろ助長されるおそれがある。

以上の問題意識に立って以下質問する。

一 本法案では民間企業等の労働者が対象となっているが、公務員は対象外である。公務員の中でも公立学校の教職員の待遇について尋ねる。

1 公立学校の教職員の長時間労働

全国各地の公立学校の教員の長時間労働は看過できない。二〇一六年六月の岡山県教育委員会の教職員勤務実態調査によると、月あたりの超過勤務時間の平均が小学校で約六十四時間、中学校で約八十七時間という結果である。長時間労働による心身両面への悪影響は児童生徒に対する教育の質の低下につながるものであるため、速やかに教員数の増員を図るべきと考えるが政府の見解如何。

2 臨時・非常勤教職員の待遇改善

教育現場では臨時・非常勤教職員が増えており、それぞれ活躍しているが給与が低く、昇給もなく「同一価値労働同一賃金」とかけ離れている。臨時・非常勤教職員の待遇改善が働き方改革につながると考えるが、見解如何。

二 適用除外となっている自動車の運転業務等について

1 過労死ゼロに向けた対策

現行の「限度基準告示」(労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準)では、自動車の運転業務等が適用除外とされている。この点、本法案において、自動車の運転業務については、罰則付きの時間外労働の上限規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の五年後に、年九百六十時間以内の規制を適用することとし、将来的に一般則の適用を目指すとされている。しかし、自動車の運転業務に関しては、例えば、道路貨物運送業が過労死等で長年ワーストワンになっている現状もあり、長時間労働是正は待ったなしの状況である。五年間の猶予期間であっても、一般則と同じく、「休日労働を含み、一か月あたり百時間未満」、「休日労働を含み、二か月ないし六か月平均で八十時間」という条件は適用すべきと考える。政府は、本法案の内容で、過労死等防止対策の観点から十分だと考えているのか。政府の見解如何。

2 改善基準告示の見直し

自動車の運転業務に関しては、「改善基準告示」(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)があり、拘束時間や休息時間等について基準を定めている。改善基準告示は、バス、タクシー、トラック業界の労使代表と厚生労働省との合意の上、一九八七年に制定したもので、告示に法的拘束力はないが、休息時間等は、交通安全を確保するための基準として、その役割を果たしている。「働き方改革」を進めるのであれば、この改善基準告示も、ワーク・ライフバランスに資するものに見直すことが必要だと考えるが、改善基準告示の見直しについて政府の見解如何。

三 中小企業の実態への配慮

1 二〇一七年九月労働政策審議会の諮問・答申後に追加された項目として、「行政官庁は、当分の間、中小事業主に対し第一の二(=時間外労働の上限規制)の9の助言及び指導を行うに当たっては、中小企業における労働時間の動向、人材の確保の状況、取引の実態その他の事情を踏まえて行うよう配慮するものとすること」と附則に記載された。時間外労働の上限規制が法律で規制されれば、大企業であれ中小企業であれ、違反した場合には一律に適用されることになるが、「配慮」とは具体的にどのようなことを想定しているのか。「配慮」してどのように助言・指導を行うのか。

2 法律の施行期日は、中小企業については施行が一年延期とされている。働く企業の規模によって、時間外労働の上限規制など、適用される時期が異なっても良いのか。二〇一七年九月に「働き方改革関連法案」が労働政策審議会で諮問・答申されてから、すでに半年以上が経過しており、この間準備時間がなかったわけではない。企業規模にかかわらず、法律の着実な施行が求められると考えられるが、この点につき、政府の見解を伺いたい。

四 本法案の「高度プロフェッショナル制度」について

1 対象業務は、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」とあるが、具体的にはどのような業務が定められるのか。

2 省令を定める場合や一度制定された省令を改正する場合には、労働政策審議会で議論が行われるのか。

3 二〇一五年二月十三日付の「今後の労働時間法制等の在り方について」の中で、高度プロフェッショナル制度の対象業務について、具体的なイメージとして、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務が挙げられているが、こうした業務の一部では裁量労働制が適用されており、新たに高度プロフェッショナル制度を創設する必要性はないと考えるが政府の見解如何。

4 高度プロフェッショナル制度について、安倍総理は二〇一八年三月一日の参議院予算委員会で「千七十五万円以上の方ということで限定させていただいているわけでありまして、交渉力の高い方々であり、そういう方々でありますから基本的には交渉能力の高い方であります」と答弁しているが、年収が千七十五万円以上だと、なぜ交渉能力が高いと断定できるのか。その理由につき、政府の見解を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねの「公立学校の教職員」の範囲が必ずしも明らかではないが、公立義務教育諸学校の教員定数については、平成二十九年の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)の改正により導入された、障害に応じた特別の指導が行われている児童生徒の数に応じた教員の数の算定等を通じた公立の義務教育諸学校の体制の充実等に取り組んでいるところであり、引き続き、学校の指導・事務体制の効果的な強化・充実に向け、必要な施策を推進していく考えである。

一の2について

お尋ねの「臨時・非常勤教職員の待遇改善が働き方改革につながる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、臨時・非常勤職員を含む公立学校における教職員の給与その他の勤務条件等については、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)をはじめ諸法令の定めるところにのっとり、その職務と責任等に応じ、各地方公共団体において適切に定められるべきものと考えている。

二の1について

お尋ねについては、平成三十年六月四日の参議院本会議において、加藤厚生労働大臣が、自動車の運転の業務については、現在、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)第三条及び第四条の規定は適用除外となっているところ、今国会に提出している働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(以下「法案」という。)において、自動車の運転の業務についても時間外労働の上限規制を適用することは大きな前進である旨答弁しているとおりである。

二の2について

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第七号)については、平成三十年五月二十五日の衆議院厚生労働委員会の附帯決議において、「自動車運転業務については、長時間労働の実態があることに留意し、改正法施行後五年後の特例適用までの間、過労死の発生を防止する観点から改善基準告示の見直しを行うなど必要な施策の検討を進めること」とされたところであり、政府としては、この附帯決議の趣旨を踏まえ、検討を行ってまいりたい。

三の1について

お尋ねについては、平成三十年六月五日の参議院厚生労働委員会において、山越厚生労働省労働基準局長が、法案による改正後の労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十六条第七項に基づく指針に関して行政官庁が中小企業に対して助言及び指導を行うときには、中小企業が抱える、労務管理体制が弱い、人材確保が困難である、取引関係において弱い立場になりやすいといった事情を踏まえて、時間外労働を可能な限り短くするための具体的な改善方法を提示して丁寧に助言及び指導を行うことを示したものである旨答弁しているとおりである。

三の2について

時間外労働の上限規制の施行期日については、働き方改革実行計画(平成二十九年三月二十八日働き方改革実現会議決定)において、「中小企業を含め、急激な変化による弊害を避けるため、十分な法施行までの準備時間を確保する」こととされたこと等を踏まえ、大企業については、平成三十一年四月一日、また、中小企業については、平成三十二年四月一日としたところである。

四の1について

いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象業務については、平成二十七年二月に労働政策審議会において取りまとめられた今後の労働時間法制等の在り方について(建議)において、「具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等を念頭に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当」とされているところであり、これを踏まえて労働政策審議会において議論していただき、厚生労働省令で定めることとしている。

四の2について

お尋ねの「省令」が、いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象業務について定める省令を指すとすれば、四の1についてでお答えしたとおりである。

四の3について

お尋ねについては、平成三十年六月四日の参議院本会議において、安倍内閣総理大臣が、活力ある日本を維持していくためには、高い付加価値を生み出す経済を追求していかなければならず、研究、開発等創造的に付加価値を生み出していく仕事に、より力を注がなければならない状況において、いわゆる高度プロフェッショナル制度の導入は待ったなしの課題になっている旨答弁しているとおりである。

四の4について

お尋ねについては、第百二十二回の労働政策審議会労働条件分科会において、厚生労働省より、「平成十五年(中略)当時の技術系の一定の管理職層の方々、具体的には課長級の方々の確実に支払われる給与の額で見た年収として、上から四分の一をとって千七十五万円ということであれば相当程度の交渉力が認められるのではないかという意見で審議会がまとまり・・・その後、かなり年数も経つ中で、制度の成熟を見て、こうした数字が労働基準法の体系の中で、交渉力のある方々にとっての年収要件ということで定着してきている」と説明しているところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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