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高度プロフェッショナル制度が適切に運用されることへの強い疑問等に関する質問主意書

衆議院 第196回 第274号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

提出者
希望の党・無所属クラブ
提出日
2018年5月7日
内閣転送 2018年5月9日
答弁書受領日
2018年5月15日
提出から8日
答弁の項目数
13
質問 1,798字/答弁 2,132字

質問本文

高度プロフェッショナル制度を含む「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が平成三十年四月六日に国会に提出されました。

そこで、以下の通り質問します。

一 裁量労働制が適用されている労働者で過労死が発生した件数については、毎年、「過労死等の労災補償状況」の中で集計され公表されています。高度プロフェッショナル制度については、裁量労働制と同等、もしくはそれ以上に過労死のリスクが高いとの指摘もあります。そこで、高度プロフェッショナル制度が適用された労働者について過労死が発生した場合、その事実は公表されますか。また、高度プロフェッショナル制度で発生した過労死の件数については、集計され、毎年公表されますか。

二 現在、所定内賃金が月額三十万円程度で、月百時間を超える残業を行い、結果として年収千七十五万円を超える労働者は、高度プロフェショナル制度の対象になり得ますか。

三 月百時間残業で年収千万円の労働者の基本給は月給いくら程度ですか。月二百時間残業で年収千万円の労働者の基本給は月給いくら程度ですか。

四 来年の通常国会で、高度プロフェッショナル制度の適用対象となる労働者の年収要件について、「平均年収の三倍を」という部分を、「平均年収の二倍を」と一字だけ変える法改正を、野党が大反対しても、与党が強行採決すれば、再来年から、年収が平均年収の二倍を相当程度超える労働者へ適用拡大することもあり得ますか。すなわち、もし強行採決をすれば、二年後から、年収六百万円台の労働者に、高度プロフェッショナル制度を適用可能とすることができますか。

五 高度プロフェッショナル制度の対象となり得る労働者は、全労働者の何パーセント、何人程度ですか。

六 高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者に、個別の営業活動(平成十五年十月二十二日厚生労働省告示第三百五十三号中の用例と同義。以下同様。)を業務とする労働者やシステムエンジニアは対象者に含まれる可能性はありますか。

七 高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者に、二十歳代の労働者も含まれる可能性はありますか。

八 高度プロフェッショナル制度が適用されている労働者が過労死したら、過労死認定で考慮される労働時間はどのように認定されますか。

九 裁量労働制が適用されていた労働者で、労災申請をしたが、過労死認定が受けられなかった事例は、過去五年で何件ですか。一年ごとに示して下さい。

十 過去十年間で、年収千万円以上で過労死された労働者は、何人ですか。一年ごとに示して下さい。

十一 過労死認定された件数のうち、裁量労働制が適用されていた方の、平成二十九年度の件数は、今年はいつ発表になりますか。

十二 過労死が認定された件数のうち、実際には裁量労働制が適用されていたものの、その適用が違法であった労働者については、裁量労働制による過労死として集計され、発表されますか。それとも、裁量労働制による過労死の件数としては集計されず、公表されませんか。

十三 高度プロフェッショナル制度の労働者に対して、その上司が、三日間、二十四時間、すなわち七十二時間連続して働き続けなければこなせないような量の業務の遂行を指示することは合法ですか、違法ですか。

十四 高度プロフェッショナル制度が適用される労働者に、月百時間以上の残業が必要な業務量を上司が指示することは合法ですか。

十五 高度プロフェッショナル制度が適用される労働者に、月二百時間以上の残業が必要な業務量を上司が指示することは合法ですか。もし合法であるなら、一方で、月百時間以上の残業を規制しながら、同時に月二百時間以上の残業や青天井の残業を合法化する規制緩和をするのは、矛盾しませんか。

十六 高度プロフェッショナル制度の対象者が、過労死した場合は、その事実や企業名は公表されますか。

十七 高度プロフェッショナル制度の労働者が過労死しても、労働時間が把握されていないから、労災認定を受けられない、過労死に認定されないということになりませんか。

十八 高度プロフェッショナル制度の労働者が過労死した場合、労働時間はどのように把握されますか。

十九 年収が平均年収の三倍を相当程度超える労働者は交渉力が強い、という根拠は何ですか。根拠となるデータや調査結果をお示し下さい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び十六について

個別の過労死等事案における支給決定の事実や企業名は個人情報保護の観点から公表しないこととしている。また、お尋ねの過労死の件数の集計及び公表については、今後、検討していく考えである。

二について

いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象労働者の年収要件は、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること」としている。このため、同制度が適用される以前の賃金額は、年収要件にはなっていない。また、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金」については、労働の状況等に応じて支払われることとなる賃金は含まれず、労働契約において当該要件を満たさない場合には、同制度の対象労働者にはならない。

三について

お尋ねについては、多様な賃金体系が可能であること等から、一概にお答えすることは困難である。

四について

お尋ねについては、国会の運営に関することを含むものであり、お答えすることは差し控えたい。

五について

いわゆる高度プロフェッショナル制度においては、対象業務及び対象労働者の年収については厚生労働省令で定めることとしており、お答えすることは困難である。

六について

いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象業務については、平成二十七年二月に労働政策審議会において取りまとめられた今後の労働時間法制等の在り方について(建議)において、「具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等を念頭に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当」とされているところであり、これを踏まえて労働政策審議会において議論していただき、厚生労働省令で定めることとしている。

七について

いわゆる高度プロフェッショナル制度の適用要件は、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」に従事し、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」こと等としており、これらの要件に該当する場合に限り同制度を適用することができる。

八、十七及び十八について

労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づき業務上の災害として認定するか否かについては、労働基準監督署長により、脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について(平成十三年十二月十二日付け基発第一〇六三号厚生労働省労働基準局長通達)、心理的負荷による精神障害の認定基準について(平成二十三年十二月二十六日付け基発一二二六第一号厚生労働省労働基準局長通達)等に従って、個別の事例に応じて関係者への聴き取りなどの調査を実施し労働時間数を把握した上で、判断されるものである。

九について

お尋ねについては、平成二十五年度から平成二十八年度までの件数について把握している。労働者災害補償保険法に基づき、脳・心臓疾患に起因する死亡として認定されなかった件数は、平成二十五年度は三件、平成二十六年度は一件、平成二十七年度は二件、平成二十八年度は一件であり、精神障害に起因する自殺(未遂を含む。)として認定されなかった件数は、平成二十五年度及び平成二十六年度は零件、平成二十七年度は一件、平成二十八年度は零件である。

十について

お尋ねについては、労働者災害補償保険法による保険給付の支給の決定に当たり、被災労働者の年収を確認していないため、把握していない。

十一及び十二について

お尋ねについては、現時点では未定である。

十三から十五までについて

いわゆる高度プロフェッショナル制度においては、対象業務について、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」であることを要件としていること、また、当該制度の適用に当たって労働者の同意を必要としていること等から、御指摘のような場合は通常想定されない。

十九について

お尋ねについては、第百二十二回の労働政策審議会労働条件分科会において、厚生労働省より、「平成十五年(中略)当時の技術系の一定の管理職層の方々、具体的には課長級の方々の確実に支払われる給与の額で見た年収として、上から四分の一をとって千七十五万円ということであれば相当程度の交渉力が認められるのではないかという意見で審議会がまとまり・・・その後、かなり年数も経つ中で、制度の成熟を見て、こうした数字が労働基準法の体系の中で、交渉力のある方々にとっての年収要件ということで定着してきている」と説明しているところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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