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消費税の使途等に関する質問主意書
衆議院 第207回 第35号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1
質問本文
「社会保障と税の一体改革」によって、消費税の増税にかかるいわゆる三党合意が行われ、いわゆる「社会保障と税の一体改革関連法案」が成立してから、来年で十年となる。しかし二度にわたる増税とコロナ禍を経て、消費税のあり方は、先の総選挙においても国民的な議論の対象となった。とりわけ消費税の使途について正確な情報を提供し、国民の理解を得ることは極めて重要である。
従って、次の事項について質問する。
一 消費税収の使途について
1 消費税については、「社会保障と税の一体改革」において社会保障目的税化するものとされ、財務省の示す「消費税収の国・地方の配分と使途」などの資料においても国分の「社会保障目的税化」が明記されているが、「社会保障目的税化」とは何か、その定義を示されたい。
2 消費税法第一条第二項においても、消費税の収入(国分)は社会保障四経費(年金、医療、介護、少子化)に充てる旨が定められているが、平成二十六年度以降、消費税収(国分)はその全額が社会保障四経費に充てられ、それ以外の使途には全く充てられていないか、確認したい。
3 令和三年度における消費税収の使途としては、例えば内閣官房より「令和三年度の消費税増収分の使途について」などの資料が示され、政府からは「基礎年金国庫負担割合二分の一」「社会保障の充実」「消費税率引上げに伴う社会保障四経費の増」「後代への負担のつけ回しの軽減」の四項目が挙げられているところだが、この四項目以下の細目も含め、消費税収のより詳細な使途を明らかにされたい。
4 前項に関しお示しいただく使途の各項目のうち、その財源に他の税収や公債金が充てられず、国負担分の財源が、全て消費税によって充足されている項目があれば示されたい。
5 使途を社会保障へ限定することは、消費増税への国民の信頼に直結する約束事である。しかし充当項目を列挙して説明されているとはいえ、消費税は一般財源であり、国庫に入った後の実際の使途の検証は困難である。「目的税化」が明言され、消費税法、地方税法において明確に使途が法定されているにもかかわらず、なぜ政府は、消費税と社会保障四経費について区分経理を行わないのか。
二 社会保障の財源と消費税の関係について
1 社会保障四経費と消費税収の差額について、財務省の公開している「『福祉目的化』及び『社会保障・税一体改革による社会保障の安定財源確保』の推移」などの資料において「スキマ」と呼称され、「後代への負担のつけ回し」であるとして、公債金によって「スキマ」の全額が賄われているかの前提に立つ説明が散見されるが、消費税以外の税収は、社会保障四経費に投入されていないのか。「スキマ」の財源の内訳を示されたい。
2 仮に、消費税以外の税収が社会保障四経費に充てられている場合、その金額等によっては消費税収の投入により「後代へのつけ回しの軽減」が図られるとの説明に疑義が生じるところ、平成二十四年度から二十五年度の高齢者三経費(年金、医療、介護)、平成二十六年度以降の社会保障四経費に充てた税収の内訳について、年度ごとに示されたい。
3 「社会保障と税の一体改革」以降の社会保障給付費の財源について、各年度の内訳を示されたい。特に保険料以外の公費負担部分について、財務省は、「税金と借金」であって「その多くが借金」であると説明しているところ、税金と借金の内訳についても示されたい。
4 政府は社会保障財源に公債金を用いることについて、「後代へのつけ回し」であると強調する。しかし一般会計全体の歳入の四割は公債金であるところ、これは社会保障四経費について、他の費目と異なって、特段、公債ではなく税による国民負担を図るべきと考えているということか。理由と併せて示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
お尋ねの消費税の「社会保障目的税化」については、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第一条第二項において、「消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てる」こととされており、消費税の収入は、これらの経費に充てられている。
一の3及び4について
お尋ねの「令和三年度」における「消費税収のより詳細な使途」については、消費税の収入が充てられる経費(地方交付税交付金を除く。)の範囲が、令和三年度一般会計予算の予算総則において明示されているが、お尋ねの「全て消費税によって充足されている項目」については、消費税の収入が施策ごとにいくら充てられるかは定められておらず、お答えすることは困難である。
なお、御指摘の「四項目」の詳細な内容については、「令和三年度の社会保障の充実・安定化等について」(令和二年十二月二十一日社会保障制度改革推進本部資料)において示されているところである。
一の5について
消費税の収入が充てられる経費(地方交付税交付金を除く。)については、消費税法第一条第二項の規定にのっとり、一般会計予算の予算総則において、その範囲を具体的に明示している。その上で、御指摘の「区分経理」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、特別会計の設置については、特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)第一条の二に規定する基本理念に基づき、その必要性等について慎重に検討していく必要がある。
二の1から3までについて
御指摘の「平成二十四年度から二十五年度の高齢者三経費(年金、医療、介護)、平成二十六年度以降の社会保障四経費」及び「社会保障給付費」については、消費税の収入のほか、消費税以外の税収、税外収入、特例公債の公債金収入等が充てられているが、充てられた収入は区分して経理されるものではないため、その内訳に係るお尋ねにお答えすることは困難である。
なお、国立社会保障・人口問題研究所が令和三年八月に公表した「令和元年度社会保障費用統計」によれば、社会保障制度改革推進法(平成二十四年法律第六十四号)が成立した平成二十四年度以降の各年度の社会保障給付費の財源の�@合計、そのうち�A社会保険料、�B公費負担、�C資産収入、�Dその他の額をお示しすると、それぞれ以下のとおりである。
平成二十四年度 �@百二十七兆二千百七十八億円 �A六十一兆四千四百六十六億円 �B四十二兆六千六百八十五億円 �C十五兆九千九百六十八億円 �D七兆千五十九億円
平成二十五年度 �@百二十七兆四千六百七十八億円 �A六十三兆十億円 �B四十三兆四千二百八十九億円 �C十五兆八千四十五億円 �D五兆二千三百三十四億円
平成二十六年度 �@百三十七兆二千六百七十八億円 �A六十五兆千五百九十八億円 �B四十五兆二百五十九億円 �C二十一兆七千百九十五億円 �D五兆三千六百二十六億円
平成二十七年度 �@百二十五兆三千五百七十七億円 �A六十六兆九千三百二十二億円 �B四十八兆二千五百五十二億円 �C二兆五百七十一億円 �D八兆千百三十二億円
平成二十八年度 �@百三十六兆四千九百九十五億円 �A六十八兆八千九百五十九億円 �B四十九兆三千二百十四億円 �C十兆三千二百二十四億円 �D七兆九千五百九十七億円
平成二十九年度 �@百四十一兆二千八百九億円 �A七十兆八千十三億円 �B四十九兆八千八百七十二億円 �C十四兆千百二十六億円 �D六兆四千七百九十九億円
平成三十年度 �@百三十二兆六千四十三億円 �A七十二兆五千九百二十六億円 �B五十兆三千九百十三億円 �C四兆四千二百八十六億円 �D五兆千九百十九億円
令和元年度 �@百三十二兆三千七百四十六億円 �A七十四兆八十二億円 �B五十一兆九千百三十七億円 �C一兆五千九百四十四億円 �D四兆八千五百八十二億円
二の4について
社会保障四経費(制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用)に限らず、財政全体として、公債は国の借金であることに変わりはなく、将来世代へ負担を先送りすることがないよう、財政規律の観点から公債発行額を抑制する必要があると考えている。
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