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航空法等の運用の実態に関する質問

参議院 第95回 第11号

提出者
参議院
提出日
1981年11月27日
内閣転送 1981年11月28日
答弁書受領日
1982年2月5日
提出から70日
答弁の項目数
4
質問 2,760字/答弁 2,177字

質問本文

航空法等の運用の実態に関する質問主意書

新東京国際空港公団(以下「公団」という。)は、公団法第二十一条の規定による基本計画を運輸大臣より指示された昭和四十一年十二月十二日以降、公団法及び航空法の定める手続きに従い成田空港建設を進めてきたはずである。

そこで、現在に至る公団法及び航空法の手続きにつき、以下、両法を所管する運輸大臣の御見解を承りたい。

一 公団法第二十一条の規定による基本計画の指示について

(1) 昭和四十一年十二月十二日に指示された基本計画が、同条の規定により、その後変更されていれば、変更の内容及び変更を指示した年月日を明らかにされたい。

(2) 基本計画で定めるべき事項を規定した公団法施行令第三条第四号は、工事完成予定期限を挙げている。

(イ) 工事完成予定期限を基本計画で定めるべき事項の一つとした理由は何か。

(ロ) 基本計画で定められた工事完成予定期限と航空法第五十五条の三第一項の規定による工事実施計画認可申請に係る工事完成予定期日とに、どの程度のずれがある場合、基本計画を変更することになるのか。十年ではどうか。また、その場合、当該工事実施計画認可申請は、不認可(却下)とならないのであれば、その理由は何か。

(3) そもそも、基本計画で定める事項の決定について、これを公団の裁量とはせず、運輸大臣の指示によるとした公団法第二十一条の立法の趣旨は何か。

二 公団法第二十四条の規定による業務方法書の認可について

(1) 業務方法書の作成及び認可申請は、公団法第二十一条の規定による基本計画の指示以前に本来行われるべきものなのか、理由を付して説明されたい。

(2) あるいは、航空法第五十五条の三第一項の規定による工事実施計画認可申請以前に本来行われるべきものなのか、理由を付して説明されたい。

(3) 右工事実施計画作成は、基本計画と業務方法書に基づいて本来行われるべきものではないのか、理由を付して説明されたい。とりわけ、工事実施計画と業務方法書との内容上の具体的な関係を明らかにされたい。

(4) 公団法第二十条第一項各号に規定する業務が、現実に開始された年月日を各号毎に業務開始に係る具体的な事実を明らかにされたい。

(5) そもそも、公団の業務開始の際、業務方法書の作成及び認可の手続きを法定した公団法第二十四条の立法の趣旨は何か。

(6) 公団法第二十四条第一項後段の規定によりその後、業務方法書の変更認可が行われたことがあれば、そのすべてにつき、変更認可申請及び同認可の各年月日並びに公団法施行規則第二条第二項に規定する変更の理由及び内容(概略)を明らかにされたい。

三 公団法第五条第二項及び同第三項の規定する政府による公団資本金の追加並びに同法第二十九条の規定する公団の長期借入金及び新東京国際空港債券(以下「長期負債」という。)との関連において、昭和四十一事業年度から昭和五十六事業年度に至る公団の投下資金、政府による公団資本金の追加(政府出資金)、長期負債の発生額、償還金、支払利息(債券発行差金及び債券取扱経費を含む。)及び欠損金につき、各事業年度毎の総額(但し、昭和五十六事業年度は予定額)、また、昭和四十一事業年度から昭和五十五事業年度に至る公団の累積投下資金、公団資本金、長期負債に係る債務残高、累積償還金、累積支払利息(債券発行差金及び債券取扱経費を含む。)及び累積欠損金につき、各事業年度末の総額、以上をふまえて答えられたい。

(1) 公団資本金の適正額はどれ程か、根拠を示して具体的に説明されたい。

(2) 公団法第五条第二項及び同第三項の規定による政府出資金の必要性の要件(基準)を具体的に示されたい。

(3) 昭和四十一事業年度から昭和五十五事業年度に至る各事業年度の政府出資金は、いかなる事情により出資額が定められたのか、各事業年度毎に具体的に説明されたい。

(4) 各事業年度の欠損金に相当する額を、翌事業年度の政府出資金の額としてはいけない理由があれば、そのすべてを具体的に説明されたい。

(5) 政府から公団への投資を、補助金(助成金)という形ではなく、政府出資金とした公団法第五条第二項の立法の趣旨は何か。

(6) それならば、たとえば毎年数千億円にのぼる国鉄への助成金は、いかなる理由により、国鉄の資本金追加として計上されないのか。

(7) 公団法第二十九条に規定する長期負債の限界は、どのようにして規定されているのか、根拠を付して具体的に説明されたい。

(8) 長期負債に係る債務残高と資本金との間に何か関係でも設けているのであれば、根拠を付して具体的に説明されたい。

四 航空法第五十五条の三第一項に規定する工事実施計画認可及び同変更認可について

(1) 新東京国際空港、航空保安無線施設及び航空燈火に係る各工事実施計画認可及び同変更認可の経緯については、そのうち昭和五十一年十一月二十五日認可に係るものに至る経緯につき、内閣答弁書(内閣衆質八〇第一号の三及び同第六号の三)に示されている。そこで、同認可以降、現在に至るまでの右手続きに関し、右内閣答弁書の例にならい明らかにされたい。

(2) 内閣答弁書(内閣衆質八〇第六号の三)によれば、昭和五十一年十一月二十五日変更認可に係る工事実施計画では、工事完成予定期日について、新東京国際空港につきA(1)、A(2)及びBと、航空保安無線施設につきA(1)、A(2)及びBと、また航空燈火につきA(1)、A(2)、A(3)及びBとに分けている。各々について、A(1)、A(2)及びA(3)の別の工事内容(概略)及びそのように分けた理由を説明されたい。

(3) 新東京国際空港に係る工事実施計画認可申請については、航空法施行規則第七十六条の二で準用される同第七十七条の規定により、実測図には飛行場の施設の位置もまた明示することになつている。

(イ) 昭和四十二年一月二十三日に認可された新東京国際空港工事実施計画に添付された実測図には、工事完成予定期日を昭和四十六年三月三十一日とするものとそれ以外のものとの間の境界は明示されていたか。

(ロ) 右において明示されていないのであれば、いつの工事実施計画の変更認可で明示されたのか、当該認可の年月日を明らかにされたい。

(ハ) 右において、明示された境界が、その後変更されていれば、変更に係る当該変更認可の年月日を明らかにされたい。

(ニ) そもそも、工事完成予定期日を昭和四十六年三月三十一日とするものとそれ以外のものとの間の境界を明示することは、工事実施計画認可または変更認可の対象ではないのか。とすれば、その理由は何か。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

(1) 昭和四十一年十二月十二日に指示された基本計画は、その後変更されていない。

(2)及び(3) 新東京国際空港は、新東京国際空港公団法(以下「公団法」という。)第二条の規定に基づき、同条各号に掲げる要件を備えるものとして設置されるものであるので、新東京国際空港公団(以下「公団」という。)の業務のうち特に基本的なものについては、政府の航空政策に沿つて実施される必要があり、このため、基本計画に定めるべき事項の一つとして空港及び航空保安施設の工事完成の予定期限を規定しているところである。

基本計画における工事完成の予定期限は、一定の期限までに空港等を完成させることを目標に工事を進めるべき旨の指示として公団に示されるものであり、その具体的計画である工事実施計画に定める工事の完成の予定期日がこれと異なることもあり得る。

二について

(1)から(3)まで 航空法第五十五条の三の規定により、公団は、基本計画に基づいて工事実施計画を作成しなければならないとされているが、基本計画及び工事実施計画と業務方法書との関係については、法律上このように定めた規定はない。

(4) 公団の業務は、公団成立の日である昭和四十一年七月三十日に開始された。

(5) 業務方法書は、公団の業務に関する基本的な規則であり、公団は、その業務の遂行に当たつては、これを遵守すべきものである。公団法第二十四条は、業務方法書のこのような性格にかんがみ、設けられた規定である。

(6) 公団法第二十四条第一項後段の規定に基づく業務方法書の変更認可の経緯は、次のとおりである。

図 表

三について

(1) 公団の資本金は、昭和五十五事業年度末で九百二十六億五千六百万円であるが、公団法第五条において、政府は、予算で定める金額の範囲内において追加して出資できること等と規定されており、今後政府が追加して出資できる金額については、毎年度の国の予算が決定された段階で定まることになる。

(2)から(5)まで 新東京国際空港の建設は、我が国を代表する国際空港の建設という国家プロジェクト、であり、緊急かつ極めて公共性の高い事業であること、新東京国際空港は、我が国最大の施設規模を有し、その建設資金は膨大であり、かつ、長期の回収期間を必要とすること等の理由により、その建設を円滑に遂行する必要があると考えて、政府は、毎事業年度追加して出資してきたものである。

以上のことから、公団の運営により生ずる各事業年度の欠損金に相当する金額を翌事業年度の出資金とすることも、また、出資金に代えて政府から公団への補助金とすることも適当でないと考えられる。

(6) 日本国有鉄道に対する助成措置は、極度に悪化している日本国有鉄道の経営状況にかんがみ、その経営負担の軽減を図るため行つているものであつて、資本の追加を目的としているものではない。

(7) 公団法第二十九条に規定する長期借入金及び新東京国際空港債券(以下「債券」という。)の額は、公団の事業の進捗状況、経営状況、資金状況等を踏まえて、毎事業年度の公団の予算において定められ、公団は、運輸大臣の認可を受けて借入れをし、又は債券を発行している。

(8) 長期負債と資本金との関係については、公団法及びこれに基づく命令上特に定めた規定はない。

四について

(1) 昭和五十一年十一月二十五日認可後の工事実施計画変更認可の経緯は、次のとおりである。

(一) 新東京国際空港工事実施計画変更認可の経緯

図 表 2/1

図 表 2/2

(二) 航空保安無線施設工事実施計画変更認可の経緯

図 表

(三) 航空灯火工事実施計画変更認可の経緯

図 表

(2) 新東京国際空港及び航空保安無線施設について、A(1)とは、それぞれA滑走路の当面の運用に必要な諸施設及び航空保安無線施設を、A(2)とは、それぞれA滑走路の長さ四千メートルでの運用に必要な諸施設及び航空保安無線施設をいい、このように分けた理由は、A滑走路南側の航空保安施設予定地について、空港建設の反対運動等により必要な用地の確保が遅れていることによるものである。

航空灯火について、A(1)とは、A滑走路の当面の運用に必要な航空灯火を、A(2)とは、A滑走路の長さ四千メートルでの運用に必要な航空灯火(A(3)に該当するものを除く。)を、A(3)とは、A滑走路の長さ四千メートルでの運用に必要な航空灯火であつてカテゴリー二精密進入方式に対応するものをいい、このように分けた理由は、A滑走路南側の航空保安施設予定地について、空港建設の反対運動等により必要な用地の確保が遅れていること等によるものである。

(3)(イ)から(ロ)まで 航空法施行規則第七十七条においては、実測図に予定する飛行場の施設の位置を明示することが規定されているが、工事の完成の予定期日が異なるものについて、その境界を明示することは規定されておらず、したがつて、実測図には御指摘のような境界は明示されていない。

(ニ) 工事実施計画の認可申請又はその変更認可申請に当たり、飛行場の施設については、その概要又は変更しようとする事項を示すこととされており、工事の完成の予定期日の異なるものの境界を明示することは規定されていない。

参議院の原文

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