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米軍横田、所沢、大和田基地に関する質問主意書

衆議院 第100回 第27号

提出者
衆議院
提出日
1983年11月17日
内閣転送 1983年11月19日
答弁書受領日
1983年11月25日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 3,357字/答弁 1,237字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

米軍横田、所沢、大和田基地に関する質問主意書

米レーガン政権は現在、核戦力増強計画の優先課題の一つとして、スコープ・シグナルIIIと称する戦略空軍(SAC)の指揮統制通信機能の改善計画を実行している。

このスコープ・シグナルIIIと称する計画が首都圏の横田基地を中心(所沢、大和田の送受信基地を含め)に実施に移されつつあることは、一九八二年七月五日、参議院決算委員会での日本共産党安武洋子議員の質問等、国会審議の中でも確認されてきたところである。

この計画の実行によつて、人口千百万人を抱える首都東京、五百七十万人を抱える埼玉県に存在している横田、所沢、大和田を結ぶ送受信基地は、ジャイアント・トーク・ステーションとして、米戦略空軍の核積載戦略爆撃機B52への指令基地に変貌しようとしている。また、最近自衛隊機が米戦略爆撃機B52の護衛訓練を強化していることにみられるように、相手国に攻撃を仕掛ける危険性も増大している。

このため今国民の中には、日本が、そして横田、所沢、大和田が新しい核戦争の発火点になるのではないかとの不安、懸念が急速に広がつている。

よつて、以下の質問をする。

一 一九八三年四月十八日の参議院決算委員会において、安武洋子議員と政府委員との間で次のような質疑が交わされている。

「○安武洋子君………これは米戦略空軍の一九八四年完成をめどにいたしておりますけれども、いま全世界的に改修工事が始まつております。これは爆撃機、B52ですね、これに対して最終的な核攻撃命令を指令していく通信基地であるというふうな非常に重大な基地であるということも申し上げ、それをお認めになつたと、そういうことでございましよう。それが周辺の住民に影響も与えないと、米軍基地の中で単にやられるから住民に通知をする必要もないというふうな御認識でございますか。

○政府委員(北村汎君) ただいま安武委員の御指摘になりました問題は、これはスコープ・シグナルIIIの中の一つのジャイアント・トーク・ステーションと申すこのステーションについての問題であります。………」

右の答弁は、政府がスコープ・シグナルIII及びジャイアント・トーク・ステーションという米空軍の計画、さらにその計画に基づく通信施設についてその内容を承知していることを示している。

スコープ・シグナルIIIとはいかなるものなのか、ジャイアント・トーク・ステーションとは何か、前二者はどういう関係になつているのか、具体的に明らかにされたい。

また、北村政府委員は答弁で、ジャイアント・トーク・ステーションはB52に核攻撃命令を指令する通信施設あるいはそうした機能を有する通信施設のことだとしているが、そう解してよいか、明らかにされたい。

二 我々の調査では、ジャイアント・トーク・ステーションは日本国内では横田基地内と嘉手納基地内に設置されているが、明確に確認を求めたい。

三 埼玉県の所沢通信基地では、現在スコープ・シグナルIIIの一環としての工事が行われているが、次の点について明らかにされたい。

1 工事期間はいつからいつまでなのか。

2 工事内容は何か、また工事の中にはアンテナの新設または更新もあるのかないのか。

四 埼玉県の大和田通信基地でも工事が行われているが、次の点について明らかにされたい。

1 工事期間はいつからいつまでなのか、工事内容はいかなるものなのか、工事の中にはアンテナの新設または更新もあるのかないのか。

2 この工事はスコープ・シグナルIIIとの関係は一切ないのか。

五 外務省の北村政府委員は、本年三月八日の衆議院予算委員会で中路雅弘議員の質問に対し、「この大和田の通信施設、区域というものにつきましては、これは米側が通信所の円滑な機能の維持という施設、区域の提供目的というものと、それから従来からそこの施設、区域の一部に住んできた日本人の地元住民の生活上の必要というこの二つの要請というものを調和してできたいろいろアレンジメントがあるわけでございまして」と答弁しているが、ここにいうアレンジメントとはどういう種類のどういう名称の取決めなのか、具体的に明らかにされたい。

また、同基地における警察権の行使に関する取決め(申合わせ)があるのかどうか、現在は日本国民が立入り可能となつている区域を有事(戦時)の際に立入り禁止区域としたり、あるいは交通制限等を可能とするような取決めはあるのかどうか、明らかにされたい。

六 一九八三年二月大和田基地内で、通常日本国民が自由に立ち入ることを許されている区域(日米安全保障条約六条に基づく地位協定二条一項(a)の提供施設であつても、立入り禁止が明示されているフェンス内ではない区域)に、日本語と英語の両方で日本国民を対象に、「当施設司令官の許可なくこの区域に立入ることは違法である」として、アメリカの国内安全保障法七百九十七号に基づき、「何人も当施設に居る間は身体及び所持品の捜索を受ける場合もある」と明記された大きな警告板が出され、住民を仰天させた。同年三月八日衆議院予算委員会で中路議員がこの問題について質問したあと、この警告板は米軍の手で撤去された。

この警告板問題は住民に大きな不安を与えているが、何故かかる違法の掲示がなされたのか、経緯を明らかにされたい。

また、北村政府委員は、同年三月二十五日の衆議院外務委員会での中路議員の質問に対し、「(三月)八日に米軍のスポークスマンがプレスリリースでもう公表しております。その中でまことに遺憾であつたと………」と答え、さらに外務省にも米軍から同趣旨の遺憾表明があつたと答弁しているが、この米軍の遺憾表明は在日米軍のどのレベルの指揮官の名によるものか。在日米軍司令官ドネリー中将名か、あるいは米空軍一九五六通信群司令名か、それとも責任指揮官名のない単なるスポークスマン声明なのか、遺憾表明のプレスリリース(記者会見発表)及び外務省に対する遺憾表明の内容も併せて明らかにされたい。

さらにまた、本問題が住民に与えた強い不安からみて、米軍の遺憾表明を住民に広く知らせ住民の不安を少しでも取り除く措置をとるべきだと思うがどうか、見解を明らかにされたい。

七 大和田基地の提供面積は、外務省から地元市当局への説明によると、イクスクルーシブエリアとジョイントユースエリアから成るとされている。イクスクルーシブエリアはフェンスで囲まれた立入り禁止区域の外にかなり広く、何カ所も設置されているようだが、イクスクルーシブエリアとジョイントユースエリアの相異点を明らかにされたい。

また、フェンスで囲まれた地域はイクスクルーシブエリアに含まれるのか、イクスクルーシブエリアはジョイントユースエリアと比して国内法の適用において差異はないのか明らかにされたい。

さらにまた、イクスクルーシブエリアとジョイントユースエリアの境界及びそれぞれの分布状況を具体的に明らかにされたい。

八 自衛隊と米戦略爆撃機B52との合同訓練が最近頻繁に行われてきているが、次の点について明らかにされたい。

1 合同訓練はこれまでに何回行われているのか。

2 訓練内容は如何なるものなのか。

3 自衛隊は核積載をしたB52に対する護衛訓練を現在及び将来も一切やらないと断言できるのか。

九 レーガン米大統領自ら一昨年十月、限定核戦争があり得ることを公言し、核戦争の危険が現実に強まりつつある。

もし有事の際、横田、所沢、大和田などの送受信基地が核積載米戦略爆撃機B52への最終指令基地になれば、日本が核戦争に巻き込まれる最悪の事態が生ずることは明白である。その際、最初に反撃を受ける可能性があるのが横田、所沢、大和田などの通信基地であることも明白である。

このような危険を未然に防止し、日本の平和と国民の安全を守るためには、�@スコープ・シグナルIIIに基づく通信基地改築計画の中止と横田、所沢、大和田など米軍基地の撤去、�A自衛隊と米戦略爆撃機B52による合同訓練の中止、を政府は直ちに行うべきであると思うがどうか、見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一、二及び九の�@について

ジャイアント・トーク・ステーションとは、米空軍によつて運用される一般的な指揮統制等の通信を行うための高周波通信施設であり、我が国では横田及び嘉手納飛行場内に設置されていると承知している。また、スコープ・シグナルIIIとは、ジャイアント・トーク・ステーションを含む高周波通信システムの改修計画であると承知している。我が国は、我が国及び極東の平和と安全のために米軍の我が国における駐留を認めているが、米軍が我が国においても有効かつ効率的な通信施設を保持することは、日米安全保障体制の信頼性の確保との観点から、不可欠かつ当然のことと考えている。

三及び四について

所沢通信施設においては、昭和五十八年二月からスコープ・シグナルIII計画の一環として、発電機の取付け等の工事が行われており、大和田通信所においては、現在のところ、スコープ・シグナルIII計画との関係の工事は行われていない。

五及び七について

大和田通信所は、日米地位協定第二条第一項に基づき通信施設として米軍に提供している施設・区域であるが、その一部の地域については、米軍の通信活動に支障を及ぼさない範囲で、土地所有者等が土地を利用することが認められている。この施設・区域の提供自体に係る合意以外に日米両政府間に特別の取極等は存在しない。また、我が国の国内法令は、一般的に、日米地位協定第二条第一項の施設・区域に適用される。

なお、大和田通信所の面積は約百十九万平方メートルであり、そのうち、土地所有者等が土地を利用することが認められている部分は約百十一万平方メートルであつて、このような利用が認められていない部分との境界は、さく、くい等により表示されている。

六について

米軍は、通常米国国内の米軍で使用されるべき警告表示を誤つて大和田通信所に掲示したが、その後、この誤りに気付き、このような警告表示をすべて撤去したものと承知している。

この問題については、昭和五十八年三月八日の横田飛行場の米空軍スポークスマンによる声明においてその旨の説明と遺憾の意の表明等が行われ、また、外務省に対しても、米側日米合同委員会事務局から同様の遺憾の意の表明が行われている。

なお、このような経緯については、地元市当局に説明しているところである。

八及び九の�Aについて

米空軍のB ― 52を目標機とする航空自衛隊の訓練は、二十四回実施されてきている。この訓練は、航空自衛隊の戦闘機が電子妨害の状況下での要撃行動を演練するために行うものであり、高度の電子戦能力を有するB ― 52が我が国近辺に飛来する際に、いわゆるターゲット・サービスを受けて行うものである。

政府としては、この訓練は、航空自衛隊の電子戦に関する戦術技量の向上を図るため必要と考えられるので、今後とも機会をとらえて積極的に実施していきたいと考えているが、このような電子戦訓練以外の訓練を実施する計画は現在のところない。

右答弁する。

衆議院の原文

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