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トマホーク実戦配備と非核三原則に関する質問主意書

衆議院 第101回 第23号

提出者
衆議院
提出日
1984年6月19日
内閣転送 1984年6月23日
答弁書受領日
1984年7月20日
提出から31日
答弁の項目数
6
質問 873字/答弁 1,605字

質問本文

衆議院議長 ※(注)永健司 殿

トマホーク実戦配備と非核三原則に関する質問主意書

一 非核三原則を法律にしない理由は何か。

二 法律にしたとき運用の弾力性を失う等、国際政治の上で我が国に不利になることが考えられるか。

三 非核三原則中、「持たず」、「作らず」と「持ち込まさず」との間には質的・量的にウェートの差があるのではないか。

即ち、「持ち込まさず」はその影響力において、前二者に比し軽いものではないか。

四 本年三月米海軍省のホステットラー巡航ミサイル計画部長は、米下院の軍事委員会で「ことし六月以降に核のトマホークの配備を開始」すると発言したことがあるのか。あるとすればその詳細な内容を明らかにされたい。

また、八五会計年度「米国防報告」、「軍事情勢報告」との記載における関連性はどうか。

五 米から事前協議があれば、これを拒否するとの一貫した日本の態度が米に伝えられている以上、日米安保の効果的運用の面からいつても米が事前協議を申し入れていること自体、核を積んでいることを認めたことになり、このことを世界に明らかにすることであるから、結局事前協議は無いということに論理上なるのではないか。

右を否定し、事前協議があり得るというならいかなる場合に米からこれが提示されるのか。

六 昨年中日本に寄港した米原潜の延べ隻数はどれだけか。

特に、核トマホークが配備された可能性のあるロサンゼルス級核攻撃型原潜、スタージョン級の数及び内容を明らかにされたい。

七 昨年三月エンタープライズが佐世保に寄港した際、外相は駐日大使を呼び、非核三原則について念を押したと答弁しているが、具体的にいかなることをしたのか。

また、先方が核を積んでおりませんと答えたとき、それに対処するにはいかなる種類の対応の仕方があるのか。

八 核持ち込みは非核三原則に違反する点を除けば、日本にとつていかなる問題点があるのか。

九 トラテロルコ条約のごとき核不使用条約について、日本としてこの種条約締結を主張する考えはないか。ないとすればその理由、根拠は何か。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から三まで及び八について

非核三原則にいう「持たず」、「造らず」、「持ち込ませず」は、それぞれ重要な原則であり、非核三原則を堅持することは政府の一貫した政策である。政府としては、今後とも非核三原則を堅持する所存である。我が国のこの政策については、既に内外に周知徹底されているところであり、政府としてはこれを改めて法制化する必要はないと考えている。

四について

昭和五十九年二月に公表された米国防報告及び米軍事態勢報告においても通常弾頭搭載のものを含む艦艇配備トマホーク巡航ミサイルの配備計画等についての記述があるが、本年三月、米国防省ホステットラー海軍少将は、米下院軍事委員会の分科委員会において、トマホーク巡航ミサイル計画について全体としてより詳細に言及している。同海軍少将は、配備時期との関連では、核弾頭搭載対地攻撃用のトマホークについては、従来から米国政府が予定として明らかにしていたとおり本年六月から一部の艦艇に運用能力を付与する計画である旨説明したと承知している。

五について

核兵器の我が国への持込みについて米国が事前協議を行うことは、安保条約及びその関連取極に基づく条約上の義務である。

米国政府は、累次にわたり、米国政府としては、安保条約及びその関連取極に基づく日本に対する義務を誠実に履行してきており、今後とも引き続き履行する旨確認している。

六について

昭和五十八年一年間における米原子力潜水艦の本邦寄港回数は計二十五回である。

そのうち、トマホーク運用能力の付与が計画されているスタージョン級及びロスアンジェルス級に属する原子力潜水艦の寄港回数はそれぞれ十二回及び五回である。その具体的な艦名及びそれぞれの寄港回数は次のとおりである。

(一) スタージョン級

パファー

一回

ドラム

一回

タニー

三回

アスプロ

二回

ホークビル

二回

クイーンフィッシュ

一回

ガーナード

二回

(二) ロスアンジェルス級

オマハ

一回

サンフランシスコ

二回

ロスアンジェルス

一回

インディアナポリス

一回

七について

昭和五十八年には、F ― 16の三沢配備、エンタープライズの寄港等北西太平洋地域において予定される米軍の活動との関連で核持込みへの懸念が国会等で表明されていたことにかんがみ、同年三月十七日、安倍外務大臣は、日本政府としてこのような懸念を将来に向かつて一掃するため、マンスフィールド駐日米大使を招致して核持込みについての事前協議制度の確認を行つている。

その際、外務大臣は、政府としては非核三原則を引き続き堅持する旨述べ、政府が国会における答弁を含め多くの場において、米国政府が事前協議の枠組の中で核兵器の持込みにつき許可を求めてきた場合には、政府としては非核三原則に従つて対処することを明確にしてきた旨を明らかにした。

これに対し、マンスフィールド大使は、米国政府は核兵器に反対する日本国民の特別の感情を十分理解している旨答えた。また、同大使は外務大臣に対し、核の存否につき肯定も否定もしないというのが米国の一貫した政策であることを指摘すると同時に、累次にわたつて明らかにされた米国政府の見解に言及しつつ、米国政府としては、安保条約及びその関連取極に基づく日本に対する義務を誠実に履行してきており、今後とも引き続き履行する旨保証した。

九について

核の惨禍が二度と繰り返されるようなことがあつてはならず、政府としては、この目的に資するためにあらゆる実効ある措置が講ぜられるべきであると考えているが、単に核兵器を使用しないとの約束については、核兵器の削減といつた具体的軍縮措置のない限り、実効性を確保し得ず、このような実効性を欠いた約束をすることは国際的な安全保障上問題があるとの基本的立場をとつてきており、このような実効性を欠いた条約の締結を主張する考えはない。

右答弁する。

衆議院の原文

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