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三宅島の米空母艦載機夜間離着陸訓練(NLP)基地化問題に関する質問主意書

衆議院 第107回 第30号

提出者
衆議院
提出日
1986年12月19日
内閣転送 1986年12月20日
答弁書受領日
1987年1月9日
提出から21日
答弁の項目数
5
質問 1,944字/答弁 423字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

三宅島の米空母艦載機夜間離着陸訓練(NLP)基地化問題に関する質問主意書

政府・防衛施設庁は、三宅島民の圧倒的多数の反対にもかかわらず、基地化構想を断念せず、いまもなお住民に宣伝文書を送付したり推進派との密議を重ねるなどさまざまな働きかけ・工作を行つている。これは、基地化絶対反対を訴え続ける圧倒的住民と村当局、村議会の意思をふみにじるばかりか、国内外に広がる三宅島の野鳥と自然を守れという反対の声を無視するものである。

もはや政府・防衛施設庁の働きかけは、四月の有権者の過半数を集めた第二回全島民大会の成功、推進派村議のリコールと村議会の補欠選挙における絶対反対三名の完全勝利で完全に否定されることは動かしがたい事実である。

こうした事態にあつては政府としてただちに三宅島にたいするNLP飛行場建設構想を断念すべきと思うので以下、質問する。

一 中曽根首相は昭和五十九年五月十八日の衆議院外務委員会において私の質問に「住民の皆さんの御協力がなければできない」と答弁し、また別の機会に「一方的に村民の御意思を無視してこれをじゆうりんする、そんなような考えは全くございません」との答弁も行つているが、これは政府の公約として不動の言明とうけとつていいか。

二 三宅村の寺沢村長はNLP基地化構想に絶対反対である。この態度表明は日本国憲法第八章に定められた地方自治の本旨に基づくものである。

したがつて政府は、三宅村長と村議会の意思を尊重しなければならないと思うがどうか。

三 防衛施設庁は、昭和六十二年度概算要求でNLP基地建設調査費として三億五千百万円を要求している。

1 内容は、「現地連絡所の事務経費」、「予定地の地質、地形、あるいは環境調査等に要する経費」と説明されているが、さらに各経費の概算もふくめて詳細に説明されたい。

2 とくに気象調査のためといわれている鉄塔三基の建設費がもりこまれているが、この鉄塔三基の建設場所、鉄塔の高さ、存続期間について具体的に説明されたい。

3 飛行場建設はもちろんのこと、事前の調査も、そのための鉄塔建設も、村長や住民は反対している。

政府が一方的に村民の意思を無視して強行することはないか。また、それを強行することは中曽根首相の国会答弁に違反すると考えるが、どうか。

4 NLP飛行場建設費ではないというが、建設を前提とした事前調査であることは間違いない。しかし建設そのものが拒否されている。建設がありえないのに事前調査費を計上することは国費の無駄遣いではないか。

四 自然と野鳥の宝庫をまもれと国内外の環境保護団体の三宅島のNLP基地化反対の声がつよまり広がつている。政府部内には、「鳥や自然の保護ということで断念することはない」との声もあるが、政府としてのとるべき態度ではないことはいうまでもない。政府は三宅島が世界でも稀有の自然と野鳥の宝庫だという事実をどう認識するか。また、これをまもれという内外の声を尊重するか、どうか。

五 最近、アメリカの有力な環境保護団体「環境防衛財団」が米国防省日本課長アウアー氏との交渉で、アウアー氏は厚木からNLP基地を移転させる理由の一つとして、厚木では午後十時までの時間制限があることをあげている。これはNLP基地が三宅島へ移つた場合には米側として時間制限なしでNLPをやるつもりであることを示すものである。政府は三宅島NLP基地化にあたつて、あたかも午後十時までの制限時間が定められているようにいうが、それは米側と協議の上の責任もてる答弁であるのか。

六 三宅島は二十年に一回の割合で火山噴火しており、万全の観測体制の整備が命綱となつているが、今回の伊豆大島大噴火をみても噴火予知の困難さをまざまざと明らかにしている。その三宅島でタッチ・アンド・ゴーを行えば、着地の衝撃などで観測に重大な障害がでると地震学者たちは指摘している。

決算委員会で、「その訓練の詳しい内容というものはまだ十分存じてないわけでございますが」とのべつつ、「適切な方策を講ずるならば現在の火山監視の水準を維持するということは可能」との答弁を行つているが、これはNLPの内容もわからないのに大丈夫だと表明した点できわめて無責任な答弁といわざるをえない。

1 大島噴火では完全な噴火予知ができず、全島民避難と産業・経済に重大な被害をもたらす結果となつた。強度の人工ノイズを伴う米軍機のタッチ・アンド・ゴーを許してどうして三宅島の火山観測を万全に行えるというのか、その論拠を示されたい。

2 米軍機のタッチ・アンド・ゴーのさいの地表や地中にたつする衝撃力について調査データがあれば示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

関係地方公共団体及び関係住民の理解を求めるという考えに変わりはない。

三について

1 昭和六十二年度予算案に、現地連絡所に係る経費及び用地取得等のために必要な調査に要する経費約五千万円、並びに地形測量、地質調査等の基本調査及び環境に係る現況把握のための環境予備調査に要する経費約二億七千万円、計約三億二千万円を計上する予定である。

2 気象調査のための観測柱の設置については、今後、現地の具体的状況に即して検討することとなる。

3及び4 この調査は、資料収集のため必要なものである。

四について

自然環境の保全については、今後とも十分に配慮することとしたい。

五について

艦載機の着陸訓練時間については、地元への影響を踏まえ、今後、米側と協議する。

六について

1 地震計の地下埋設、地震計による観測点の多点化等適切な方策を講ずることにより、現在の監視水準を維持できると考えている。

2 御指摘の調査データはない。

右答弁する。

衆議院の原文

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