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三宅飛行場における米軍機のタッチ・アンド・ゴー飛行に関する質問主意書
衆議院 第102回 第7号検討してまいりたい ×1
質問本文
衆議院議長 ※(注)永健司 殿
三宅飛行場における米軍機のタッチ・アンド・ゴー飛行に関する質問主意書
本年十一月二十九日午前、米軍機C ― 12ビーチクラフト機一機が、三宅飛行場においてタッチ・アンド・ゴー飛行を強行した。この米軍機の行動は、米軍艦載機の夜間離発着訓練(NLP)基地化に絶対反対を貫く大多数の三宅村村民の感情を逆なでするものであつた。また、米軍地位協定や東京都条例からみても、発表されているような「パイロットの個人的ミス」では済まされない重大問題である。
かかる米軍の強圧的行動を二度と起こさせないためには、その事実関係を全面的に究明し、米軍の責任をただすことが緊要である。このことは三宅島と伊豆七島、ひいては日本の平和と安全のためにも重要であると考える。
従つて、以下具体的に質問する。
一 事実問題について
1 当該C ― 12の所属部隊名と定員及び当日の乗員数並びにそれぞれの任務配置について明確にされたい。
2 当該C ― 12は、厚木から直接三宅島を目指したと考えざるをえないが、事実はどうであつたのか。また、タッチ・アンド・ゴーの後は厚木に直接帰投したのか。
3 三宅周辺への訓練飛行は初めてのことか、それとも恒常化しているのか。だとすれば、いつから三宅上空及び周辺を訓練飛行コースに含めたのか、明確にされたい。
4 三宅飛行場では管制官がC ― 12に対して滑走路付近の障害物除去の間の待機を指示し、当該障害物の除去の後で、同機に対して飛行場の使用目的等をただしたが、同機はこれに応答しないままタッチ・アンド・ゴーを強行した。米軍パイロットは、この事実を認め報告をあげているのかどうか。また、米側はこの事実を確認しているのかどうか。
5 この事件は、「パイロットの個人的ミス」ではなく、もともと上級組織が当該C ― 12に対して三宅島への飛行を命令したのではないのか。
更に、タッチ・アンド・ゴーについても、それを指示したからC ― 12が強行したのではないか。「パイロットの個人的ミス」というなら、どういう命令に対する「ミス」なのか、併せて明確にされたい。
6 いずれにしても、パイロット及び同乗者への厳格な処分は当然である。
関係者はいかなる処分に付されたか、あるいは不問にされようとしているのか、明確にされたい。
二 米軍地位協定並びに都条例違反について
1 三宅飛行場は民間飛行場(第二種)であり、米軍の軍事行動のために使用することは地位協定上も認められていない。今回のタッチ・アンド・ゴーは明白な地位協定違反ではないか。
2 東京都営空港条例は、空港の運用時間外の使用について「知事の許可を受けなければならない」(第四条第二項)と規定している。その際、緊急の場合には電話、電信による手続も可能とされている(同条例施行規則第二条)。にもかかわらず、C ― 12はこれらの手続を全く無視し、かつ、管制官の使用目的等に関する問い掛けにも一切応答しなかつた。
これは都条例違反の行為だが、米側はこのことを承知しているのか。また、日本政府の見解はどうか。
3 このように地位協定にも都条例にも明らかに違反したパイロットの行為は、当然、米軍の軍規違反だと思うが、米側並びに政府の見解はどうなのか。
4 政府は、今回の事件を重視して、米軍の責任の明確化、三宅村への陳謝並びに再発防止措置、関係者の厳重な処分を厳しく米側に要求すべきと思うがどうか。
三 事件の背景について
1 米軍が見間違うはずのない三宅飛行場において、タッチ・アンド・ゴーを強行した理由の一つとして、日本政府が三宅島をNLP基地の最有力候補とみなし、行政的にも働きかけを行つているために、NLP基地化決定と思い込んだか、あるいはそれを促進させるねらいがあつたのではないかと大いに疑問視される。
政府は、再びこうしたことが繰り返されないためにも、また、NLP基地化絶対反対の村長を選んだ村民の意思を尊重するうえでも、この際、三宅島のNLP基地化構想を断念すべきである。見解を問う。
2 政府は、これまで住民の意思は尊重すると言明してきたが、絶対反対を住民の大多数が明確に主張し続けている現状で、その切り崩しも含めて、NLP基地化のための政治工作は絶対にやらないと約束できるかどうか、明確にされたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
(一) 米軍機による三宅島空港の使用時の状況に関し、政府としては、次のとおり承知している。
(1) 十一月二十九日午前十時六分頃、厚木発厚木着の通常の訓練飛行中の厚木海軍飛行場所属C ― 12一機(乗組員三名)がタッチ・アンド・ゴーを行いたいとして三宅島空港の航空管制通信官に連絡設定を行つた。
(2) 航空管制通信官は、空港の気象情報を提供するとともに、たまたま工事のために滑走路上に車両が立ち入つていたので、滑走路上に車両がいる旨米軍機に伝えた。
(3) 航空管制通信官は、車両が滑走路から離れたことを確認した後、再度気象情報及び滑走路上に障害物が無くなつた旨の情報を米軍機に伝えた。その間、米軍機は空中待機していた。
(4) 米軍機は、同日午前十時十四分頃、滑走路02側よりタッチ・アンド・ゴーを一回実施し、その後、北へ向かつて飛行した。
(二) 米軍に提供された施設・区域外で米軍がタッチ・アンド・ゴーの訓練を行うことは、日米地位協定上予想されていないところであり、政府としては、本件三宅島空港の使用につき米側に遺憾の意を表明するとともに、本件事例の再発防止につき強く申し入れたところである。
これに対し米側は、本件はパイロットの個人的なミスによるものであり、米側として陳謝する旨回答するとともに、今後、いかなる民間空港においても、日本政府の事前の同意なくしてこの種の訓練が行われることはない旨明らかにしている。
また、米側は、本件関係者についてはしかるべき措置をとつたが、具体的な措置については米軍内部の問題であり、述べることは差し控えたい旨も併せ明らかにしている。
なお、政府としては、都条例の御指摘の規定に対する違反があつたとは考えていない。
三について
三宅島は、艦載機着陸訓練場の候補地の一つであるが、同島に当該訓練場を設置することを政府が決定したというものではない。三宅島は、厚木海軍飛行場から近く、島嶼でもあり、比較的平坦な海岸地区に滑走路を建設し、旋回コースを海上に設定することにより騒音の影響を最小限に抑えられる等、立地条件が適しているので、同島に当該訓練場を設置する問題については、今後とも、関係地方公共団体及び関係住民の御理解を得つつ慎重に検討してまいりたい。
右答弁する。
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