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日本製不良留め金具の米下院調査委員会報告書に関する質問主意書

衆議院 第113回 第7号

提出者
衆議院
提出日
1988年8月1日
内閣転送 1988年8月3日
答弁書受領日
1988年8月23日
提出から22日
答弁の項目数
4
質問 1,149字/答弁 940字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

日本製不良留め金具の米下院調査員会報告書に関する質問主意書

新潟日報昭和六十三年八月一日付朝刊の報ずるところによれば、「〔ワシントン三十日共同〕日本などから流入した規格以下の不良留め金具のために、米国の原発や橋から戦車、スペースシャトルに至るまで危険にさらされている ― ― 米下院エネルギー・商業委の調査小委員会(ディンゲル小委員長)は三十日、二年間にわたる不良ボルト、ナット、ねじ類の調査結果の報告書を公表した。小委員会が焦点をあてたのは高炭素鋼で作られた「八・〇規格」と呼ばれる高張力のボルトなど。これらの高級留め金具は建築物、機械、武器、航空機の重要な部分に使用されているが、見かけはそつくりで安い偽物が出回り、報告は「不良部品のためこの三年間で六十一件の飛行機事故が発生、死者も出た」と断定。スペースシャトルにも不良金具が発見されたという。また国防総省では、陸軍のM60戦車千二百台の砲座に不良金具が使用されているのを発見したほか、海軍工場で原潜や空母用の留め金具のストックの五八%が不良と判明するなど、軍事関係で続々と不良品が見つかつた。米原子力規制委(NRC)も「原発に不良な留め金具が使用されていることは長年、承知している」と報告は指摘した。報告によると、問題の不良品のボルト類はほとんどが一九七四年から八五年にかけ日本から輸入されたもので、最近は日本に代わつて台湾、韓国、メキシコ、ポーランドなどから米国に流入しているという。報告は特に「日本は多量の不良金具を生産、輸出しながら、国内では偽物を販売していない」と非難している。ディンゲル小委員長は「何十億個という規格以下の留め金具が米軍や重要な建物に使われていると考えると、大事故が起きなかつたのが不思議だ」と強調。報告でも「留め金具の質向上の努力をしなければ、悲劇が起きるのは時間の問題」と早急な対応を求めている。」と報道されている。

米下院による調査報告であるので、事実であると思われるが、日本製品に対する信用棄損、対日不信が著しく拡大されるのではないかと懸念される。これに対する調査と対応が緊急の課題であると思料される。

よつて、次の諸点について質問をする。

一 米下院エネルギー・商業委の調査小委員会(ディンゲル小委員長)の右に関する調査報告書の概要と日本として留意すべき問題点について明らかにされたい。

二 日本製不良留め金具の生産・輸出の実態について明らかにされたい。

三 右に対する日本政府の対応・対策はどうするのか。

四 日本においても、かかる不良留め金具が建築物、機械、武器、航空機、原子力発電所に使用されておらないか、これらに対する詳細な調査・点検の必要性はないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

1 米下院エネルギー・商業委員会の調査小委員会による報告書(以下「報告書」という。)は、同小委員会の調査結果として、米国内の軍関係の施設等に対して、規格に係る表示に偽りのある留め金具(以下「偽表示の留め金具」という。)が供給されていたこと、米国企業数社が偽表示の留め金具を販売していたこと、「グレード八・〇」の規格の表示のある偽表示の留め金具が日本を含む外国から輸入されていたこと等を明らかにし、これを踏まえ、議会等に対し法律制定を含めた品質管理体制の整備等を提言したものである。

2 報告書において指摘されている「グレード八・O」等の規格は、米国の業界団体が自主的に設定したものであり、日本国内においては用いられていない。

仮に報告書にあるような偽表示の留め金具が我が国から輸出されていたという事実があれば、今後、そのような事態が生じないよう注意していく必要があると考えられる。

二について

日本製留め金具の昭和六十二年の生産量は約二百六十万トンであり、このうち約二十一万トンが輸出されている。

報告書で指摘されているような偽表示の留め金具の生産及び輸出の実態については、製造業者等約七十社から聞き取り調査を行つているところであるが、現時点では、正確な実態の把握は困難な状況にある。

三について

米国向け留め金具の偽表示の問題については、政府として、同小委員会が本件調査を行つているとの動きを踏まえ、本年二月にも、社団法人日本ねじ工業協会を通じ、我が国の留め金具の製造業者に対し、偽表示の留め金具の製造及び輸出が行われることのないよう注意喚起を行つたところであるが、今後ともかかる問題が発生しないよう関係業界に対し十分指導を行つてまいりたい。

四について

我が国においては、製造業者及びユーザー双方が、留め金具が使用される施設等に係る安全性の重要さを踏まえ必要な品質管理を厳重に行つており、これまで我が国において日本製の不良留め金具の問題が起こつたとは聞いていない。したがつて、政府として、右報告書が出たことを契機として、御指摘のような調査・点検を行うことは考えていないが、今後とも、留め金具の製造業者に対して、必要な品質管理を厳重に行うよう十分指導してまいりたい。

衆議院の原文

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