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激動する世界の情勢に即応した国際貢献のあり方に関する質問主意書
衆議院 第120回 第16号検討してまいりたい ×1
質問本文
衆議院議長 櫻内義雄 殿
激動する世界の情勢に即応した国際貢献のあり方に関する質問主意書
経済的に大きな力をもつに至ったわが国が今日の激動する国際情勢に即応した適格な国際貢献をする方法について、昨年来政府のとりきたった政策が憲法原則に矛盾し、しかもやるべきことに対しては後手後手の姑息なものと判断される。
次の事項について質問する。
一 昨年の湾岸危機から本年の湾岸戦争に至る一連の政策の根拠を政府は憲法前文の「自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって…」の部分を利用して、これを合理づけようとしてきた。しかし憲法の精神は同じ前文に明らかなように「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」ということと一体となっているものである。
イラクのクウェート侵攻とその併合への制裁をおこなうとした湾岸戦争において、多くの非戦闘員が殺害された。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」の憲法前文に照らして、日本の積極的平和外交は展開されるべきではなかったか。
二 「九十億ドル」は国連中心外交を旗じるしとしてイラクをあくまでも武力によって制圧することが目的の多国籍軍への支出であり、資金を提供して他国をして「武力による威嚇または武力行使」をさせることとなる。わが国の憲法の理念を考えるとき、自国がやってならないことを、他国にやらせるというのは、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって…」の精神に違背する行為ではないのですか。
三 難民救済を名目に政令を改めて中東に自衛隊機を飛ばせようとしたことや、ペルシャ湾内の航行の安全ということで自衛隊の掃海艇派遣にふみきった。前者は遂に実行しえなかった。後者は数ヶ国の掃海艇が機雷の除去にあたり、現状では大半の機雷が除去されていると伝えられている。外見上のその場のがれの掃海艇派遣がかえって国際社会において顰蹙をかうのではないかとの危惧がある。湾岸戦争の最中もわが国のタンカーは航行しつづけてきたが、航行に危険を感じ航路の変更など特別のことがあったのか。
四 わが国の経済的実力などから、やらねばならぬことは山積しているように思われる。例えばクルド族の難民対策にどう貢献するか、中東紛争の長い間の課題であるイスラエルの占領地問題の打開策や、カンボジア和平への具体的とりくみなどである。さらにごく最近の問題としては自然災害により困っているバングラディッシュへの救援対策をどうするかという問題もある。このようなことに積極的にとりくんではじめて「国際社会において名誉ある地位を占め」ることになるし、「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」という憲法の精神を生かす道である。
以上の具体例に対して政府の今日的時点における具体的対応を質したい。
五 平和憲法に基づく積極的平和外交こそ、国際貢献の道であるし、すみやかな対応が必要である。「PKO」の組織を国民合意を基礎に、憲法精神に合致した形で実現し発足させることも現下の急務と言わねばならない。政府はこの「PKO」の法制化にいたずらに時間をかけ、ひたすら自衛隊を実動させることのみに腐心しているように見受けられる。もしそれが誤解だというなら、第百十九臨時国会の会期末以来、国民合意の形成になぜ六ヶ月もの日時を有効に活用しなかったのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
イラクによるクウェイトの不法な侵攻及び併合に対し、国際社会が累次の国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)の決議に従い連帯し、協力して対応した結果、国際の平和と安全の回復への道が開かれたことは高く評価すべきものであり、このような国際的努力に対し我が国として貢献を行ってきたことは、憲法の掲げる平和主義、国際協調主義の理念に合致するものと考えている。
二について
我が国による一兆千七百億円(一ドル百三十円換算で九十億ドル相当)の追加資金拠出は、湾岸地域における平和と安定の回復のため安保理の関連諸決議に従って活動している各国を支援する目的で、我が国が国際社会の責任ある一員として協力するため行われたものであり、憲法の掲げる平和主義、国際協調主義の理念に合致するものと考えている。
三について
湾岸地域における武力の行使に際して、全日本海員組合と外航労務協会・外航中小船主労務協会との合意を踏まえて、ペルシャ湾における我が国関係船舶の航行自主規制が行われたものと承知している。
平成三年三月一日をもって、これらの航行自主規制はすべて解除されたところではあるが、現在のところ、我が国関係船舶の航行先は、サウディ・アラビアのジュベイル及びラスタヌラ並びにイランのカーグ島までとなっている。
四について
(1) クルド避難民対策について、政府は、人道的観点に立って、関係国際機関からの支援要請に応じ、平成三年四月三十日までにこれら避難民の救援のための活動を実施するための資金として総額一億ドルを拠出し、また、イラン及びトルコ両国政府の要請に応じ、同年五月二十日現在合計四十九名の国際緊急援助隊医療チームを派遣したほか、両国に対する緊急援助物資の供与等種々の協力を行ってきている。
(2) イスラエルの占領地の取扱いを含む中東和平問題について、政府は、安保理決議二四二及び三三八を基礎とする公正、永続的かつ包括的な解決を目指し、関係当事者との政治対話等を通じ努力を行っている。
(3) カンボディア和平について、政府は、平成二年六月には「カンボディアに関する東京会議」を開催したほか、本年に入ってからも包括和平の早期達成に向けての国際的努力に積極的に関与し、「カンボディアに関するパリ国際会議」(平成元年開催)の共同議長の努力を側面支援し、安保理五箇国による和平案を補強する非公式な考え方をカンボディア人当事者に提示する等、粘り強く働きかけを行ってきている。政府としては、アジアの一員として今後ともカンボディアの早期和平達成に向けて引き続き建設的役割を果たしていく所存である。
(4) 平成三年四月二十九日から同月三十日にかけてバングラデシュの東南部を中心に襲ったサイクロン災害について、政府は同年五月二日、二百万ドルの緊急援助及び六千八百五十万円相当の緊急物資の供与を決定し、その後被災状況がより明らかになったことを受けて、同月十日、七百五十万ドルの追加の緊急援助を決定するとともに、十五億円の食糧援助を早急に供与すべく検討中である旨表明したところである。さらに、同月十五日よりヘリコプター二機及び要員五十名程度で構成される国際緊急援助隊を派遣している。
五について
先般の第百十九回国会における国際連合平和協力法案の審議以来の国会における審議や各界各層における議論を通じ、我が国が平和のために資金・物資面のみならず、人的側面においても貢献すべきであるという点については、国民の間に共通の理解が確認されたと認識している。
政府としては、国連の平和維持活動(PKO)に対する協力を推進すべく、国会での御論議等を踏まえ、我が国として十分な国際貢献を行い得るよう、今後も鋭意検討を進め、できる限り早く成案を得たいと考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。