ことばで探す › 衆議院 第122回
分譲マンションに関する質問主意書
衆議院 第122回 第3号お答えすることは困難 ×1
質問本文
今日、全国の分譲マンションは、二〇〇万戸と推定され、毎年一〇万戸規模で増えることが見込まれている。急増するマンション居住者からは、さまざまな要望と意見が寄せられている。
以下、次の質問をする。
一 電力会社の変圧室について
分譲マンションにある変圧室(変圧器の供給設備を設置している場所)は、無償で電力会社に貸与されている。ほとんどのマンションの変圧室は、底地も建設も区分 所有者(管理組合)の所有で、固定資産税や塗装などの修繕・維持費用も住民負担になっている。
これは、電気事業法による電力会社の供給規定「中高層住宅などでは変圧器などの供給設備を施設する場所を需要家から提供していただく」に基づき、マンション開発業者(分譲業者)が無償の使用賃貸契約を電力会社と結び、分譲時に売買契約書、及び管理組合規約に記載し、マンション購入者に無償契約を継承させている事の結果である。
この無償の使用賃貸契約は、電力会社及びマンション開発業者による「不特定多数の区分所有者の共有財産になる事が明確な不動産の『処分』」であり、区分所有者の権利を侵害するものである。
マンション居住者は、マンション内の空地は良い環境づくりのための緑地や、生活のための駐車場として効果的に活用しており、居住者より「変圧室のスペースを駐車場にすれば十台分になる」「外壁塗装など維持費から固定資産税まで負担しているが納得がいかない」と怒りの声が寄せられている。
この間、関西電力本社はマンション居住者との交渉で、「�@変圧室のメンテナンスに関する電球、換気扇などの交換と電気代は負担する�A鉄扉、鍵の取替え、金網フェンスの補修など危険防止上必要なものについて負担する」と回答している。しかし、変圧室の使用料、固定資産税の負担については拒否している。
電力会社は、この施設を活用して電力を供給するとともに、そこから利益を上げており、一般の商習慣からも固定資産税額を含む「使用料」の支払いは当然である。 この供給規定は、場所の提供はやむを得ないとしても「無料」としておらず、「有償契約」及び「修理費負担」としても何ら矛盾をもつものではない。
1 地価高騰時代の今日、土地所有者である区分所有者(管理組合)が、土地の有効利用を考えるのは当然であり、電力会社に対して、変圧室の使用料、外壁塗装を含む修理費の負担を指導すべきであると考えるがどうか。
2 マンション内の電柱の土地使用料が開発業者に支払われていたり、変圧室の電気料が管理組合の負担になっているところも残っている。正規に支払われているかどうか総点検を行うよう電力会社に指導すべきであると考えるがどうか。
3 変圧室は、六〇〇〇ボルトの高圧電流がはいっている。しかし内部の高圧箇所の周囲に安全フェンスがないところや、フェンスに鍵のないところがある。また、天井がフェンスになっており、そのフェンスが腐蝕している場合もあり、子供がフェンスにひっかかったボールを取りに上がるなど、危険な状況が生まれている。さらに、扉が腐蝕し長期間、鍵がかからないまま放置されていた状況も発見されている。変圧室の安全状況を定期的に点検するよう、電力会社に指導すべきだと考えるがどうか。
二 大規模修理について
1 日本建築学会の調査によると、マンションの耐久年数は四十七年と推定し、耐久年数いっぱいにもたせるためには、十年に一度の大規模修理が必要としている。そして、それに必要な維持保全費は建設時コストと同じ規模といわれている。さらに立て替えとなれば大変な資金準備が必要となる。
各マンションでは、管理組合としてこの大規模修理にどう対応していくかに苦労している。大規模修理が不十分であればスラム化は必至であり、住宅政策の一環として重視しなければならない課題となっている。
そこでまず大事な点は、開発業者(分譲業者)に対する指導の問題が考えられる。「修繕期をむかえるが修繕計画がない」「修繕期に来ているが積立金が不足している」などの切実な問題が寄せられているが、これは開発業者が購買者の買う気をさそうために「積立金を安くする」など、まったく無責任な商法が引き起こしたものである。
開発業者に対して、分譲に当たって「修繕計画」と適切な「修繕積立計画」を作成し、管理組合に引き継ぐよう指導すべきであると考えるがどうか。
2 大規模修理への融資の問題について、建築費用が高騰している実態にあわせて、「住宅金融公庫」のリフォーム融資の限度額を引き上げることが必要になっている。とりわけマンション管理センターの保証を利用する場合、一人当たりの融資額は管理組合が法人化している場合一〇〇万円、非法人は五〇万円となっている。現在急増している小規模マンションは、一世帯当たりの負担額が高く五〇万円ではとうてい間に合わない実態となっている。
マンション管理センターが保証する非法人格マンションへの融資限度額を引き上げるか、格差を是正すべきと考えるがどうか。
3 管理組合が住宅金融公庫から融資を受ける際、融資を希望する住戸の中に賃貸住戸がある場合、その賃貸状況について、「現行家賃報告・家賃変更計画書・家賃設定報告書」の提出が義務付けられている。一方マンション管理組合からは「共用部分の改修に関して管理組合として融資を申し込むのに、専用部分の居住者個人のプライバシーにも立ち入る調査が求められているが、納得いかない」「書類調査が完全にできるかどうか自信がない」などの意見が寄せられている。この際、住宅金融公庫の融資に当たっては、マンションの実情にあわせて現実的対応を行うよう公庫に指導すべきであると考えるがどうか。
4 年金生活者など高齢世帯にとって、修繕費の負担は大きいものとなっている。住宅金融公庫融資の利子の引き下げなど優遇措置を講ずるべきであると考えるがどうか。
三 マンション管理員の労働条件の改善について
「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理の善し悪しがマンションの取引き価格に影響するとさえ言われている。良い管理を行う条件として、�@管理組合が機能していること�A日常の管理体制が確立している(管理員の配置など管理業務に携わる人員の配置など)ことが上げられる。
この中で管理員の果たす役割は少なくありません。管理員の方からは、「管理組合の機能が働いていないため、すべて管理員まかせで責任がもてない」「良い管理をしたいと思っても管理会社は研修さえしていない」「管理人室とは名ばかりで水道、ガス、空調がない、中にはトイレさえないところもある、労働条件の改善を」などの声が寄せられている。
1 開発業者(分譲業者)に対して、建設時に管理業務をするにふさわしい規模の管理人室を設置するよう義務付けるべきであると考えるがどうか。
2 管理会社に対して、管理員の管理業務に必要な知識の習得をはじめとする研修制度を義務付けるべきであると考えるがどうか。
3 今日、急増するマンション居住者に対応できるよう、各地方自治体に対して「マンション問題相談窓口」の設置と、法律や建築技術の専門家を配置すべきであると考えるがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
通商産業大臣が電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第十九条に基づき認可している供給規程(以下「供給規程」という。)では、電気の供給に際し、原則として、一構内をなすものについては一構内を、一建物をなすものについては一建物を一需要場所とし、一引込みで電気を供給し、一契約とすることとしている。この措置は、引込線までを電力会社の財産とする前提の下で需要家間の公平を確保するために必要であるばかりでなく、経済面及び保安面からも適当であることから採用されたものである。
マンション等について、前述の原則に従えば、一建物、一契約となり、多くの場合、業務用電力契約が適用されることとなるが、この場合、オフィスビル等と同様、変圧器及びその設置場所は需要家の負担とされている。
一方、供給規程では、マンション等については、需要家の利便性等を勘案して、各戸が独立した住居と認められる場合には各戸ごとに契約することを認めており、契約種別は多くの場合、従量電灯等低圧配電による契約を適用することとなると承知している。この場合、他の需要家との公平性にかんがみて、低圧に降圧するための変圧器(以下「供給用変圧器」という。)等の設備は電力会社の負担で設置するものの、設置場所等を需要家に無償で提供してもらうこととし、供給規程において「変圧器等の供給設備を施設する場所をお客さまから提供していただきます」と規定されている。
他方、供給規程においては、「外壁塗装を含む修理費」、「変圧室の電気料」等の取扱いについては明示されておらず、需給両者の話合いによって決定されるものであると承知している。
マンション等の敷地内の電柱の土地使用料については、私契約上の問題であると承知している。
一の3について
マンション等において、一建物、一契約の原則により、業務用電力契約が適用される場合には、一般的には供給用変圧器は電気事業用以外の電気工作物であり、その保安義務は設置者側にあると承知している。
また、マンション等において、各戸ごとに契約した場合には、供給用変圧器は電気事業用電気工作物として、その保安義務は電気事業者にあり、そのため電気事業者が、変圧器室を定期的に巡視、点検しているところであると承知している。
二の1について
建設省においては、マンションの計画的な維持修繕を促進するため、昭和五十七年に修繕積立金の積立てを内容に含む「中高層共同住宅標準管理規約」を定め、マンション分譲業者に対し、これを指針として適切な管理規約の案を作成するように指導している。
なお、宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第三十五条第一項第五号の二及び宅地建物取引業法施行規則(昭和三十二年建設省令第十二号)第十六条の二第四号に基づき、修繕積立金に係る規約又はその案がある場合には、分譲業者はその内容を説明しなければならないこととされている。
二の2について
財団法人マンション管理センターの保証に係る御指摘の住宅金融公庫(以下「公庫」という。)のリフォーム融資の限度額については、マンションの大規模な修繕の円滑な推進を図る観点から、建築費用の動向等を踏まえ、適切な水準を確保していると承知している。
なお、管理組合法人は、非法人管理組合に比して、管理組合の債務についての区分所有者の責任等について、より明確であることから、債務保証の対象となる融資限度額に差を設けているものと承知している。
二の3について
公庫は、改良によって住宅の家賃、敷金等が値上げされる事例が多いことから、住宅金融公庫法施行規則(昭和二十九年大蔵省・建設省令第一号)第十一条の三の趣旨に沿って、公庫の融資を受ける住宅の家賃、敷金等についてその適正を期し、もって、当該住宅の入居者の保護を図るため、管理組合に対し必要最小限の調査を依頼しているものと承知している。
二の4について
御指摘の公庫のリフォーム融資については、当該融資に係る利率について、公庫の政府からの借入金に係る利率よりも低く設定することにより優遇措置を講じている。
三の1について
管理人の管理業務の内容については、管理組合からの委託の内容によって異なり、管理人の勤務形態も、それに応じ異なるものであるので、建設段階では、管理業務にふさわしい管理人室の規模を確定し、分譲業者にその設置を義務付けることは困難である。
三の2について
マンション管理業者については、現在、中高層分譲共同住宅管理業者登録規程(昭和六十年建設省告示第千百十五号)第十二条及び中高層分譲共同住宅管理業務処理準則(昭和六十二年建設省告示第千三十五号)第十条に基づき、その従業員に対し、管理業務の適切な処理を図るため必要な研修を受けさせるよう指導している。
三の3について
各都道府県等では、住宅相談窓口を設置しており、御指摘のマンション問題に係る相談についてもこれらの窓口で対応していると承知している。
また、建設省においては、御指摘のマンション問題における自治体の相談体制の充実を図るため、研修会の実施等により、相談担当者の専門的知識の向上を図っているところである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。