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国営母畑地区総合農地開発事業に関する質問主意書

衆議院 第125回 第6号

提出者
衆議院
提出日
1992年11月25日
内閣転送 1992年11月30日
答弁書受領日
1992年12月15日
提出から20日
答弁の項目数
6
質問 1,629字/答弁 1,433字

質問本文

国営母畑地区総合農地開発事業に関して次の諸点につき質問する。

一 本事業の受益面積は、昭和五十一年度の第一回計画変更による大幅な変更に加え、第二回の計画変更においても大幅な変更が行われている。

第一回の計画変更は、国の米の需給見通しの誤りによる開田抑制に起因するものであり、第二回の計画変更は、工期の大幅な遅れが受益農家の事業参加意欲の減退をもたらしたこと等によるものである。このような受益面積とこれに関連する作付対象作物に係る事業計画の変更は、その大部分が国の責任に帰するものであり、これが事業参加農家の営農設計に大幅な影響を与えたことは重大な問題である。事業の実施主体である国の責任を明確にされたい。

二 昭和五十一年度の計画変更時における総事業費は一五四億円となっていたが、今回の計画変更においては受益面積が大幅に減少したにもかかわらず、五四七億円へと大幅に増額されている。事業費増加の要因を具体的に説明されたい。

事業費に係る事業計画の変更については、土地改良事業計画の変更手続きについて定めた通達により、事業費の増減が労賃、物価の変動によるものを除き、一〇%以上に及ぶ場合は、これをしなければならないとされているが、平成三年に至るまで事業計画の変更に着手しなかった理由は何か。

また、受益面積については五%以上の増減のある場合、事業計画の変更をしなければならないが、昭和五十一年度の計画変更の後、数年を経過した頃から受益面積の減少が見込まれ、またこれに関連し、昭和五十年三月に完成した千五沢ダムに余剰水が発生することも当然に予想されていたところであるが、この点からみても長きにわたり事業計画の変更に着手しなかった国の責任が問われなければならない。以上の点に対する国の見解を明確にされたい。

三 今回の計画変更においては、受益農家の一〇アール当たり年償還金の額を二万一千円と設定している。この償還金の額は、各種の緩和措置を講ずることにより五万四千円から引き下げられたと説明されているが、受益農家からは償還金の水準とともに償還期間が当初の十七年から三十五年に延長されたことに対し、強い不満が出ている。

そもそも、土地改良事業については、その採択要件の一つとして受益農家の負担が事業によりもたらされる年間所得増加額の四割以内であることを目途としているとされるが(この要件は計画変更にも当然当てはまるものと思う)、当地区における一〇アール当たり年償還金二万一千円は、この要件に照らして妥当な額であるかどうか、具体的数値を示して、説明されたい。

四 本事業により、昭和五十三年三月に千五沢ダムが完成したが、ダム新築工事に係る河川管理者の完成検査はいつの時点で行われるのか。

千五沢ダムは、有効貯水量が一、一六〇万立方メートルとされるが、前記二の後段で述べたごとく、余剰水の発生は相当以前から見込まれていたところであり、今日に至るまで、河川管理者である建設省を含め、余剰水の他用途利用についての具体的協議が行われなかったことは、国費の有効活用を図る面からみても非難されるべきものである。早急にダム新築工事に係る河川管理者の完成検査を実施し、他用途利用に係る協議を行うべきであると思うが、これに対する見解を明らかにされたい。

また、受益農家からは、他用途利用によりもたらされる財源を償還条件の緩和につなげるよう適切な措置を講ぜられたいとする強い要望が出ているが、この点についてどのような方針で対処するのか。

五 事業に伴い発掘された古墳等遺跡の調査と保護に要する経費は、どの程度かかっているのか。こうした費用は工事費から充当するのではなく、公的負担として別途計上すべきと思われるが、見解を明らかにされたい。

六 受益農家の負担軽減のため、関係市町村において受益者負担金助成が行われているところであるが、今後国としてどのような財源措置を講ずる考えか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

国営母畑土地改良事業(以下「本事業」という。)は、農用地の造成、農業用用排水施設の整備及び区画整理の各事業を一体的に実施することにより、生産性の高い農地の創出と農業経営の規模拡大を行うことを目的とし、昭和四十二年度に着工したものである。

着工後は、事業の推進に努めてきたところであるが、その後の農業を取り巻く情勢の変化等を踏まえ適切に事業を実施するため、昭和五十一年に本事業に係る土地改良事業計画の変更(以下「計画変更」という。)を行い、また、現在二回目の計画変更を行うために必要な手続を進めているところである。

昭和五十一年の計画変更は、福島県知事との協議、受益農家の同意の徴集等土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)に基づく手続を経て、適切に実施されたものである。今回の計画変更については、受益農家等の意向を踏まえて案を作成し、現在、土地改良法に基づく福島県知事等との協議を終了して受益農家の同意の徴集手続を開始したところであり、今後とも所要の手続を適切に進めてまいりたい。

二について

昭和五十一年の計画変更後の事業費は百五十四億円(昭和四十七年度価格)であり、今回の計画変更における変更後の事業費は五百四十七億円(平成二年度価格)を予定している。

事業費が増加した要因は、�@労賃及び物価の上昇、�A土地改良区等の要請に基づく工事内容の変更、�B昭和五十一年の計画変更時に予測できなかった自然的要因に基づく工事内容の変更等である。

国営土地改良事業は、広範囲の地域に及ぶ大規模な工事を行うものであるため、その施行に係る地域、事業費等に変動が生じることは避けられないところであるが、国営土地改良事業に係る計画変更に関しては、十分な調査を経、受益農家等の意向を踏まえて案を作成した上で行う必要があり、これらの事前手続が完了するまでには長期間を要するのが実態である。本事業については、今後早急に、受益農家の理解の下に計画変更についての同意を得てまいりたい。

三について

受益農家の負担に関しては、土地改良法施行令(昭和二十四年政令第二百九十五号)第二条第四号において、受益農家が当該土地改良事業に要する費用について負担することとなる金額は農業経営の状況からみて相当と認められる負担能力の限度を超えることとならないことと規定されている。今回の計画変更については、当該要件への適合を含め法令に定めるところに従い、適切に進めているところである。

四について

千五沢ダムの完成検査については、今回の計画変更の完了を待って行うこととしている。

また、当該ダムの利用については、計画変更と関連する事項であり、計画変更が完了し、かんがいに必要な用水量が確定される必要があることから、今後早急に、計画変更の手続を進めてまいりたい。

五について

本事業の実施に伴う埋蔵文化財調査については、平成三年度までに約五億六千万円の経費を要している。当該経費については、すべて国及び地方公共団体が負担している。

六について

農業を取り巻く情勢の変化の中で、土地改良事業の円滑な実施を図る観点から、農家負担の軽減を図るため、負担金の支払期間の延長、負担金の支払の財源に充てるための土地改良区等の借入金に対する利子補給等の措置が設けられているところである。関係地方公共団体及び土地改良区とも調整の上、これらの措置が本事業に適用され、受益農家の負担が軽減されるよう努めてまいりたい。

衆議院の原文

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