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苫田ダム建設事業に関する質問主意書

衆議院 第140回 第16号承知していない ×1

提出者
衆議院
提出日
1997年4月18日
内閣転送 1997年4月21日
答弁書受領日
1997年5月30日
提出から42日
答弁の項目数
14
質問 2,312字/答弁 2,513字

質問本文

平成八年十二月十六日に提出した「質問第四号苫田ダム建設事業に関する質問主意書」に対し、政府から平成九年一月二十八日付で内閣衆質一三九第四号の答弁書(以下「答弁第四号」という)が寄せられ、その内容を精査したところ答弁内容に不明瞭な点があった。よって再度以下の質問をするので、政府の誠実な答弁を要求する。

一 議事内容の概要の公表について

議事内容の公表は今回の事業評価方策の試行の目的である事業評価の一層の透明性及び客観性の確保に関して極めて重要な要素である。しかし、「答弁第四号」にある、公表されている苫田ダム建設事業審議委員会の「議事要旨」を見たが、議事の実態は全く伺い知ることが出来ず、「議事要旨」の公表では、事業評価の透明性及び客観性の確保にはならない。また、審議委員会において、地域の意見を「的確に聴取」したか、対象事業の目的、内容等について「十分な審議」を行ったかを判断することも出来ない。苫田ダム建設事業審議委員会の詳細な議事録の内容と同委員会及び同委員会委員に配布した全資料の内容とを明らかにされたい。出来ないというのであれば、その理由を明らかにされたい。

二 「答弁第四号」では、苫田ダム建設事業審議委員会で扱った岡山大学の作成した見解(苫田ダム計画に関する科学技術的評価)について答弁が不十分であるので、再度質問する。

1 誰がいつ、誰に対して、どのような権限に基づいて、どのような形で依頼するに至ったのか、その経緯を明らかにされたい。

2 前記の科学技術的評価は、誰が、いつ、どのような資料に基づき、どのような調査をしたものなのか、具体的に明らかにされたい。なお、科学技術的評価の作成に用いた全資料の内容を明らかにされたい。

3 前記科学技術的評価の作成につき、建設省及び審議委員会からの支出はないとの回答であるが、かかる重要資料の作成につき、費用負担は、一般的にどうなっているのか、さらに岡山大学については、何故無償でなされたのか、調査の上、明らかにされたい。

三 岡山県による協力感謝金の交付について

協力感謝金の交付は、公共用地取得に伴う損失補償要綱に違反とならないか、再度質問する。違反しないというのであれば、その理由を明らかにされたい。

四 苫田ダム建設に伴う水没地権者のダム建設同意書の提出年月日とその時の提出者数を明らかにせよ。

五 「答弁第四号」では、苫田ダム建設事業関連費用についての答弁は不十分である。

1 苫田ダムが建設省所管になった以降の建設事業関連費の年度ごとの工事費の支出細目別支出額と工事諸費の支出細目別支出額を明らかにせよ。

2 平成二年の苫田ダム基本計画変更後の建設に要する費用の概算額約一三五〇億円と変更前の建設に要する費用の概算額約八八〇億円の積算根拠を費目別に明らかにせよ。

3 苫田ダム完成に至るまでの建設に要する費用の概算額とその積算根拠を費目別に示せ。

六 「答弁第四号」では、苫田ダムによる洪水調節効果がもたらす年間当たりの便益についての算出方法は示されたが、具体的数値を示せ。また、苫田ダム管理に要する費用について、現時点では未定と答えているが、管理費用は当然、算出されておくべきものと考えられるが、何故に未定のまま放置しておくのか。

七 苫田ダム建設事業審議委員会の答申は、II審議委員会の意見、1において、「現時点で苫田ダムの建設の是非にまで溯って議論を行うことは適切でないと考える」と記述している。

苫田ダム建設事業は、事業計画作成後、長期間が経過し、社会経済情勢の変化により事業評価が必要として、評価システムの試行対象とされ、当該審議委員会の審議時点における事業の目的、内容等の妥当性につき審議されるに至ったことは答弁により明らかになっているが、これと、前記の答申との間には大きな矛盾があるが、見解を明らかにされたい。

八 審議委員会委員の「学識経験のある者については、当該事業に関し、地域の意見を的確に反映させるのに適当な者であること」とあるが、

1 ダム等建設事業審議委員となる「学識経験者」とは、具体的に、何についての学識経験者なのか。

2 河川行政、河川管理、ダム等建設事業等につき全く、知識経験をもたなくとも、審議委員会の学識経験者委員になり得るのか。

3 学識経験者委員は、その地域の実情について熟知している必要はないのか。

4 もし前2項3項であってもよいというなら、その理由を明らかにせよ。

九 苫田ダム建設事業は、昭和三二年に計画が知られて以来、奥津町あげての反対運動が続き、ダム建設を強引に進める国、県の町への圧迫のもとに町政は極度に混乱し、度々マスコミにも取り上げられ、全国的に注目を集めたところである。町自体は圧迫に耐え兼ねダム容認に転じたとはいえ、ダム反対の運動はいささかも衰えを見せていない。

かかる苫田ダム事業の審議委員会の審議において、設置、運営要領7に示す「地域住民からの意見聴取等」が皆無であったことを建設省として「十分な審議」がされたと考えられるかどうか、「審議委員会の運営は、審議委員会の判断」として逃げるのでなしに、建設省の見解を示されたい。

十 「答弁第四号」では、「ダム等事業評価方策試行」の目的は、個々のダム等事業について、当該事業の目的、内容等を審議するダム等事業審議委員会を設置し、地域の意見を的確に聴取することを目的とするとあり、「的確に聴取」出来たか否かの判断は建設省においてすると答弁しているが、何に基づいて「的確に聴取」出来たか否かを判断するのか、具体的に明確にされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

ダム等事業審議委員会(以下「審議委員会」という。)の運営は、同委員会自らの判断において行うこととしており、その審議の議事録の取扱いについては、それぞれの審議委員会において判断すべきものと考えている。

また、苫田ダム建設事業審議委員会の委員に配布した資料は別表第一のとおりであり、その内容は、苫田ダムの計画に関する説明、同ダムの計画に対する評価、同委員会の審議に対する要望等である。

二の1について

「第二回苫田ダム建設事業審議委員会議事要旨」によれば、平成八年五月三十日に開催された第二回委員会において、「次回は、岡山大学環境理工学部に苫田ダム事業について第三者の立場で資料をとりまとめ説明するよう要請している」旨の委員長の発言を出席した各委員が了承したものである。

二の2について

平成八年三月に岡山大学環境理工学部が作成した「苫田ダム計画に関する科学技術的評価」によれば、同評価は「主として科学技術的な立場から検討し、各機関ならびに各団体から出されている計画書、意見書等を参考にしながら、その見解をここにまとめることとした」というものであり、その作成に当たっては、同学部内に河野伊一郎同学部長を代表者とする検討グループが設けられたものである。

また、御指摘の「全資料」については把握していないが、建設省から同学部長に提供した資料は別表第二のとおりであり、その内容は、吉井川の治水計画に関する説明、苫田ダムの計画に関する説明及び同ダムに関する環境影響調査に対する評価である。

二の3について

これまでに設置された十二の審議委員会のうち河川工学、環境分野等の専門家からなる調査専門委員会等を設置せずに学識経験者の見解を聴取したものにあっては、当該見解の作成に要した費用について、いずれも建設省及び審議委員会からの支出はない。

また、岡山大学環境理工学部長からは、その判断により無償で「苫田ダム計画に関する科学技術的評価」を作成したと聞いている。

三について

公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱(昭和三十七年六月二十九日閣議決定)は、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律により土地等を収用し、又は使用することができる事業を行う者が、当該事業に必要な土地の取得等に伴う損失を補償する場合における基準を定めたものである。

一方、御指摘の「協力感謝金」は、岡山県及び吉井川下流受益市町によって設立された財団法人吉井川水源地域対策基金が、苫田ダム建設に対する協力に報いるために独自に交付しているものであると聞いている。

四について

御指摘の「苫田ダム建設に伴う水没地権者のダム建設同意書」が提出されたという事実はないが、平成九年五月二十二日現在における苫田ダム建設事業のため必要な立入調査に対する同意書の提出年月日及び各提出年月日ごとの提出者の数は、別表第三のとおりである。

五の1について

昭和四十七年度から平成七年度までの各年度の決算における苫田ダム建設事業に係る費用の内訳は、別表第四のとおりである。なお、苫田ダム建設事業に係る工事諸費は、治水特別会計法(昭和三十五年法律第四十号)第三条に規定する治水勘定に繰り入れられ、治水特別会計において一括して経理されるものである。

五の2について

御指摘の「平成二年の苫田ダム基本計画変更後の建設に要する費用の概算額約一三五〇億円」及び「変更前の建設に要する費用の概算額約八八〇億円」の内訳は、それぞれ別表第五及び第六のとおりである。

五の3について

御指摘の「苫田ダム完成に至るまでの建設に要する費用の概算額」は約千三百五十億円であり、その内訳は別表第五のとおりである。

六について

昭和五十六年に算出した苫田ダムによる洪水調節効果によってもたらされる年間当たりの便益の額は、約百二十三億円である。

また、同ダムの管理に要する費用は、その完成後に必要とされる管理の内容に応じて明らかになるものである。

七について

平成八年六月十日に苫田ダム建設事業審議委員会から提出された「苫田ダム建設事業についての答申」によれば、同委員会は、「本審議委員会としては、責任ある答申を行う観点から、苫田ダム計画の内容について、市民団体からの意見書も踏まえて、改めて事業者からの説明、更に岡山大学環境理工学部の見解を聞いた」上で、治水計画、利水計画、ダムの安全性及び自然環境への影響について評価を行っており、御指摘のような問題はないと考えている。

八について

審議委員会の設置によるダム等事業に係る事業評価方策の試行の目的はダム等事業に対する地域の意見の的確な聴取にあることから、御指摘の「学識経験のある者」については、審議委員会の審議の対象となる事業(以下「審議対象事業」という。)の目的、内容等に対する地域の意見を理解し、これを審議委員会の意見に的確に反映させることができる者であることが必要と考えている。

九について

審議委員会は、その構成を審議対象事業に対する地域の意見が的確に反映されるものとするため、関係都道府県知事及びその推薦する者を委員としており、地域住民等からの意見聴取等を含む委員会の運営もそれぞれの審議委員会自らの判断において行うこととしていることから、審議委員会の意見は、審議対象事業の目的、内容等に対する地域の意見を的確に反映し得る十分な審議が行われた上で述べられるものと考えており、このことは苫田ダム建設事業審議委員会においても同様であると考えている。

十について

九についてにおいて述べた審議委員会の性格上、「ダム等事業に係る事業評価方策の試行について」(平成七年七月十四日建設省河開発第九十八号建設省河川局長通達)別紙「ダム等事業審議委員会設置・運営要領」等の趣旨に従った委員会の運営が行われた上で審議委員会の意見が述べられた場合には、基本的には、地域の意見が的確に聴取されているものと考えられる。

別表第一

別表第二

別表第三

別表第四

(注)単位は百万円である。

別表第五

(注)単位は百万円である。

別表第六

(注)単位は百万円である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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