ことばで探す › 衆議院 第145回
ダム事業に伴う生活再建関連事業に関する再質問主意書
衆議院 第145回 第26号
質問本文
平成十一年二月二十二日に提出した「質問第一一号ダム事業に伴う生活再建関連事業に関する質問主意書」(以下「質問第一一号」という)に対し、政府から平成十一年三月九日付けで内閣衆質一四五第一一号の答弁書(以下「答弁第一一号」という)が寄せられた。その内容を精査したところ、答弁内容に不明瞭なところがあった。よって、再度以下の質問をするので、誠実な答弁を求める。
一 「質問第一一号」では、ダム事業等に関する総点検、及び公共事業再評価システムによるダム建設事業等の再評価において、ダム事業が中止又は休止になった場合、中止又は休止の措置後も、「代替地の造成計画に基づいて造成工事を進めること」、「水没予定地の人々との移転同意の協定に基づいて補償を行うこと」、「水源地域対策特別措置法によるダム指定に基づいて水源地域事業を進めること」、「提示した生活再建計画に基づいて生活再建事業を進めること」などの可能性を検討したことがあるか否かを質問した。それに対して、「答弁第一一号」では、今まで中止又は休止の措置をとったダム事業では、そのようなことが問題になるところまで事業が進捗している事例がないので、「現時点では検討していない」という答弁であった。逆に言えば、総点検及び再評価において中止又は休止の決定を行うダム事業は、「代替地の造成計画が定められていない事業」、「水没予定地と移転同意の協定が結ばれていない事業」、「水源地域対策特別措置法によるダム指定が行われていない事業」、「生活再建計画を提示していない事業」など、事業の進捗が入口段階にあるダム事業だけにとどまったという結果を示している。
今まで実施した総点検及び再評価で各ダム事業の中止又は休止の措置を決めるに当たり、「代替地の造成計画の有無」、「水没予定地の人々との移転同意協定の有無」、「水源地域対策特別措置法によるダム指定の有無」、「生活再建計画の提示の有無」などの事業の進捗状況は、中止又は休止の措置を決めるに当たっての判断材料になっているか。なっているものがあれば、中止又は休止の措置を決めるに当たってどの程度の判断材料になっているのかを明らかにされたい。なっていないとするなら、事業の進捗状況と中止、休止の判断は無関係であると断言できるか。
二 ダム事業の総点検及び再評価では、治水・利水の両面において事業継続の必要性や費用対効果という点から中止又は休止の判断を行うべきであり、事業が進捗しているという理由で事業が継続されることは問題があると考えるが、政府の見解を明快に示されたい。
三 「答弁第一一号」では、今までの総点検及び再評価の結果では、該当する事例がないことから、「提示した生活再建計画に基づいて生活再建事業を進めること」などの可能性を「現時点では検討していない。」という答弁であった。水没予定地住民にとり、移転など生活の再建は、基本的人権に通じる重要な問題であるだけに、該当する事例が出てから検討を行うのでは、甚だ場当たり的で問題がある。基本的人権という観点から、この点に関し、政府の見解を伺いたい。
四 「答弁第一一号」の四によれば、中止又は休止ダム等事業において、付替道路を道路事業として継続する旨の判断が行われたとある。
1 この事例のダム事業名、付替道路の規模、事業費、進捗状況、また道路事業として継続するに当たっての予算措置の方法を明らかにされたい。
2 以下のような進捗状況で事業が中止又は休止となった場合は、どのように対応するか、検討の上、明確に示されたい。
ア 代替地の造成計画が策定されている場合
イ 水没予定地の人々との移転同意の協定が結ばれており、その協定に基づいて補償が行われることになっている場合
ウ 水源地域対策特別措置法によるダム指定が行われており、それに基づいて水源地域整備事業を進めることになっている場合
五 総点検及び再評価を進める際、ダム事業に伴う生活再建関連事業への対応が事前に明らかである場合と、不明である場合とで、関係住民のダム事業に対する考え方は影響を受けると思うが政府の見解を明らかにされたい。
六 「答弁第一一号」の八において「中止又は休止のダム事業において生活再建に係る措置を提示している事例はない」と答弁しているが、平成九年度に休止の決定がされた宮城県の新月ダムの場合は、宮城県及び気仙沼市が昭和五十九年に「ダム周辺地域整備計画」を発表している。このダム周辺地域整備計画は生活再建計画そのものである。この新月ダムにおいて、休止決定後にこの計画をどのように扱うかを宮城県とともに検討したことはあるか。検討済みであればその結果を示されたい。検討したことがなければ、いつ検討するか。住民の意向をどのようにくみ上げるかを示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
建設省所管のダム等事業に係る御指摘の「総点検」(以下「総点検」という。)及び「再評価」(以下「再評価」という。)においては、その対象となる個々のダム等事業について、事業の必要性及び緊急性、事業をめぐる社会情勢、事業に係る費用対効果、事業の進ちょく状況等の視点から、御指摘の「事業の中止又は休止の措置」を含めた今後の事業の進め方を総合的に判断しているところであり、御指摘の「事業が進捗しているという理由」だけで事業継続の判断がされることはないと考えている。
三について
総点検又は再評価に基づいて事業の中止又は休止の措置が採られたダム等事業において、事業の継続を前提として予定されていた御指摘の「生活再建事業」等をどのように取り扱うかについては、個別のダム等事業ごとに多様な状況が存することから、当該ダム等事業に係る具体的な状況を勘案して判断することを要するものと考えている。
四の1について
御指摘の「ダム事業名」は新月ダム建設事業であり、御指摘の「付替道路の規模」は延長約二・四キロメートルとなっている。また、当該道路の整備に係る事業費は約八十億円であり、既にその約四分の三が執行されているところである。さらに、当該道路の整備については、平成十年度以降は、道路整備特別会計からの予算措置によりこれを継続している。
四の2について
御指摘の「事業が中止又は休止となった場合」において、既に計画されていた付替道路に関しどのような対応を行うかについては、個別に検討すべきものであると考えている。
五について
個別のダム等事業ごとに多様な状況が存することから、御指摘の「影響」について一概に申し述べることはできないと考えている。
六について
御指摘の「「ダム周辺地域整備計画」」は、宮城県及び気仙沼市が新月ダム周辺地域整備の構想の素案として作成したものであると聞いており、国としてその扱いについて検討すべき性格のものではないと考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。