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「薬害エイズ問題」に関する質問主意書
衆議院 第142回 第70号承知していない ×1
質問本文
薬害エイズ訴訟和解から2年以上が経過した。反省、謝罪し、こうした問題を二度と起こさないことを誓ったはずの厚生省であるが、原告と約束した碑の建立を巡る交渉での姿勢、今までないとされてきたテープなどの新証拠の出現、引き続き行われる製薬業界への天下りなど最近の様々な動向を見ると、その誓いを疑わざるを得ない。悲しみの中にある遺族や現在も被害に苦しむ患者・感染者がいる中、問題の風化は許されない。何よりも、こうした姿勢をとり続ける限り、またもや悲惨な薬害を繰り返しかねない。
したがって、次の事項について質問する。
一 「薬害根絶誓いの碑」建立について
薬害エイズの重大な被害を後世に伝え、薬害根絶への厚生省の誓いを世に広く示すための「薬害根絶の碑」の建立に関し、一九九七年八月五日、東京・大阪両HIV訴訟原告団は、小泉厚生大臣出席のもとで協議を行い、十月九日付けで同協議の「議事確認書」をとりかわした。
ところが、その後の協議において、厚生官僚は、薬害「根絶」の文字を碑に刻まないなど確認事項から大きく後退した提案を繰り返している。
こうした現状を、内閣として正確に把握し、指導していくべきと考える。特に、合意に携わった小泉厚生大臣の監督責任は重大である。よって、以下質問する。
(一) 一九九七年八月五日の協議内容を受けた、十月九日付け議事確認書の合意は現在も当然有効であると考えるが、どうか。
(二) 同議事確認書において、「両原告団が要求している『薬害根絶誓いの碑』について碑を建立する意義を認め、その実現を図る。この具体化のため、その実現を図る。」とある。確認書には「薬害根絶誓いの碑」との明確な文言があり、その修飾語として「両原告団が要求している」とある。それにもかかわらず、原告の思いの根幹である「薬害根絶誓いの碑」「薬害根絶」等の碑名、文言を碑に書き込みたくないとする理由は何か。
(三) 厚生省側にいかなる理由があるにせよ、確認書を誠実に読めば、当然「薬害根絶誓いの碑」「薬害根絶」等の碑名、文言を碑に書き込む方向で、再検討すべきと考えるが、厚生大臣はどう考えるか。
(四) 設置場所についても、厚生省本省の敷地内に建立することは認めたものの、多くの人々の目にふれる場所とは言えず、「薬害根絶を多くの人々に対し誓う」という碑の趣旨から考えると不適切と考えるが、どうか。
(五) 同議事確認書に沿って、厚生省は、原告と碑名・碑文、設置場所を巡る協議を続行すべきと考えるが、厚生大臣はどう考えるか。
二 「薬害エイズ公判」における新証拠について
六月一七日に開かれた松村元生物製剤課長の公判において、真相究明の重大な手がかりとなる厚生省エイズ研究班の録音テープの存在が明らかになった。国会の調査、厚生省の一連の内部調査ではその存在すら明らかにされなかったものであり、資料を隠していたのではないか、さらに隠しているのではないかとの重大な疑いが生じる。よって、以下質問する。
(一) 検察庁は、このテープをどこからどのように押収したのか。
(二) 厚生省は、このテープの存在を認識していたか。認識していたとすれば、公開しなかったのはなぜか。認識していなかったとすれば、一連の国会での追及、内部調査にかかわらずこのテープの存在を把握できなかったのはなぜか。
(三) 検察庁は、このテープの他に、エイズ研究班でのやりとりに関するテープ、議事録、厚生省内部調査で明らかになった以外の内部文書等を押収した事実はあるか。あるとすれば、どのようなものか。具体的に答えよ。
三 厚生省薬務官僚の製薬企業、業界団体等への天下りについて
元厚生省薬務局安全課課長が、本年四月、製薬企業の団体である大阪医薬品協会の理事長に就任していたことが明らかになった。強い批判を浴び、総理大臣もかつて懸念を表明した薬務官僚の製薬業界への天下りが相変わらず行われている。よって、以下質問する。
(一) 事務次官、官房長、薬務(現医薬安全)局長、薬務担当審議官、薬務(現医薬安全)局の課長、課長補佐以上の各役職を歴任したものが、九六年以降製薬企業及び業界団体、及び薬品の製造や安全性に関連のある特殊法人、公益法人に再就職した事例を、該当役職、厚生省での最終役職、退任日、再就職日、再就職企業・団体名、役職についてすべて答えよ。
(二) 上記のような天下りについて、厚生省は適切と考えるか。その理由は何か。
(三) 九六年九月に発表した自粛措置は、現在も継続中か。継続中であれば、遵守されていると考えるか。継続していないとすると、措置をやめた理由は何か。
(四) 橋本内閣総理大臣もかつてこうした天下りに懸念を表明したとの報道は事実か。
(五) 事実とすれば、現在も同様の認識と考えてよいか。今後、何らかの措置を講ずるべきと考えるがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一の(一)について
厚生省においては、昨年八月に行われた厚生大臣と東京HIV訴訟原告団及び大阪HIV訴訟原告団(以下「両原告団」という。)との協議内容や御指摘の議事確認書を踏まえ、昨年十月以来、両原告団との協議を十回以上にわたり行ってきているところであり、議事確認書は有効であると考えている。
一の(二)及び(三)について
厚生省においては、サリドマイド、スモン、HIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう医薬品の安全性及び有効性の確保に最善の努力を重ねていく所存であり、その旨を碑文にも明示したいと考えている。
しかしながら、医薬品による健康被害は、いかに薬事行政が適正に実施されたとしても、医薬品本来の性質等から不可避的に生じ得るものであり、また、医薬品製造業者や医療機関等の過失等によっても生じ得るものである。したがって、碑に「薬害根絶」の文言を使用することは適当ではないと考えている。
一の(四)について
碑の設置場所については、厚生省においては、両原告団の「厚生大臣に対する統一要望書(平成九年六月六日)」に「制度を運用する担当者が常に反省と自覚を持つことが不可欠である。碑はそのために建立するものである。」とあるように、何よりも薬事行政に従事する職員の自戒に資するものでなければならないと受け止めており、本年四月十日付けで「碑文の内容等について厚生省の提案に御理解を得られるのであれば、合同庁舎五号館正面玄関周辺の適地とすべく関係方面と調整したい」旨を両原告団に回答し、併せて具体的候補地点も図面で明示しているところである。
一の(五)について
厚生省においては、本年四月十日付けの厚生省の提案について両原告団の御了解が頂けることを期待しているが、両原告団から更なる協議の申出があれば、担当部局において誠実に対応してまいりたい。
二の(一)について
御質問の事項については、御指摘の刑事事件の公判において明らかにされるべき事柄であると考えられるので、答弁を差し控えたい。
二の(二)について
厚生省においては、平成八年に後天性免疫不全症候群AIDSの実態把握に関する研究班(以下「エイズ研究班」という。)等に関する省内調査を行ったところであるが、この調査においては御指摘のエイズ研究班の議事を録音したテープの存在を確認していない。このため、厚生省において現在、当該テープその他エイズ研究班の議事の記録等に関する事項について改めて関係職員に対して必要な調査を行っているところである。
二の(三)について
個別の証拠物の押収の有無やその内容等については、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第四十七条において、現在及び将来における捜査、公判に対する不当な影響を防止し、関係者の名誉等を保護する上で問題があるとの観点から、公判の開廷前には訴訟関係書類を公にしてはならないことが原則とされているところであり、同条の趣旨に照らして、答弁することは適当でないと考えられるので、答弁は差し控えたい。
三の(一)について
厚生省においては、御指摘の事務次官、官房長、薬務局長及び医薬安全局長、薬務担当審議官並びに薬務局及び医薬安全局所属の課長及び課長補佐以上の各役職を歴任した者(以下「事務次官経験者等」という。)が、御指摘の平成八年以降、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百三条第三項の承認を得て製薬企業に再就職した事例は承知していない。
また、厚生省において把握した限りにおいて、事務次官経験者等が、御指摘の期間に、国家公務員法第百三条第三項の承認を得る必要なく製薬企業に再就職した事例はなく、業界団体並びに医薬品の製造や安全性に関連のある特殊法人(認可法人を含む。)及び公益法人に再就職した事例は、表のとおりである。
三の(二)について
厚生省においては、これらの再就職は国家公務員法第百三条の規定又は平成八年五月三十一日に厚生省が発表した製薬企業への再就職の自粛の措置(以下「厚生省の自粛措置」という。)に反していないものと考える。
三の(三)について
厚生省の自粛措置は、現在も継続中であり、遵守されていると考える。
三の(四)について
御指摘のような報道がされたことは承知している。
三の(五)について
厚生省においては、御指摘の再就職については三の(二)についてで述べたとおり、国家公務員法第百三条の規定又は厚生省の自粛措置に反しているとは考えないが、国家公務員の退職及び再就職の在り方については、公務員の採用から退職後までの生涯設計全般を視野に入れて検討すべき課題であることから、現在、政府として、公務員制度全般の見直しの一環として検討を行っているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。