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予防接種健康被害者の救済に関する質問主意書
衆議院 第143回 第23号検討してまいりたい ×2
質問本文
平成六年に改正された予防接種法の附則第二条には、施行後五年を目途とする規定見直し条項が定められている。この規定に従って、現在政府では公衆衛生審議会伝染病予防部会のもとに予防接種問題検討小委員会を設置して、予防接種をとりまく総合的な状況分析とともに健康被害救済制度を含めた予防接種の在り方など我が国の予防接種行政全般にわたる検討を行っている。
法に基づく予防接種は、伝染の恐れのある疾病の発生及び蔓延から国民を守る集団防衛・社会防衛という公益の実現のために行われてきた。しかしながら、実施に当たって医師等に特段の過失がない場合でも、予防接種によって重篤な副反応が起こり、疾病、障害、死亡等の極めて重大な健康被害が生じることがあり、こうした予防接種健康被害に対しては、国家補償の観点から予防接種法に給付等の救済措置が定められている。平成九年末現在の給付認定者は、医療費医療手当に係る疾病認定者が一六六九名、障害児養育年金又は障害年金に係る障害認定者が四四二名、死亡一時金・葬祭料に係る死亡認定者が八〇名となっている。
さて、後遺障害を伴う予防接種健康被害者の介護者(家族)への援護が緊急の課題となっている。これまで在宅患者の介護は、家族特に母親の献身的な努力と多大の犠牲の上に成り立っていた。近年、医療の発達により予防接種健康被害者の余命の延長がはかられている。それに伴って介護者(家族)の高齢化が進み、家庭内だけでは十分な介護が困難な状態に至っている。平成六年度改正によって障害児養育年金・障害年金の額の引き上げとともに介護加算が認められたが、介護加算の額はスモン患者の介護費用及び健康管理手当の額の二分の一程度で、一級障害児(者)で月額七一、四〇〇円、二級で月額四七、六〇〇円という低額にとどまっている。そのため介護者が病気やけがで健康を害した際、その経済的制約のため適切な民間介護サービス等が受けられない状況も現出している。また介護給付の位置付けも法には明文化されず、障害児養育年金・障害年金の一部として加算されるという曖昧な形となっており、同じ国家補償の観点から法制化された「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」における介護手当の支給規定との法制上のバランスを欠いている。
予防接種健康被害者は、公共目的達成のために国家が行った施策の無過失の被害者であり、多数(国民)のための犠牲者である。よって政府は国家補償の精神に基づき、患者とその家族に対して適切十分な措置を講ずるのが当然である。予防接種法の見直しに際し、予防接種健康被害者とその介護者の実態を十分に把握した上で、被害者家族の要請に応えて救済措置の拡充を図ることは国家として当然の責務と考える。
従って、次の事項について質問する。
一 財団法人予防接種リサーチセンターを中心に、本年度中に予防接種被害者の実態調査が行われることになっている。調査に当たっては、書面によるアンケート調査にとどまらず、患者家族の聞き取り調査など質的調査も行うことが重要である。また調査結果については、現在行われている予防接種問題検討小委員会の検討及び議論に十分反映されなければならないと考えるが、政府の方針と見解を伺いたい。
二 間断なき介護、社会的偏見、将来への不安等々、被害者の家族は精神的にも肉体的にもそして経済的にも多大な負担が強いられている。被害者とともにその家族に対しても適切十分な支援を行うことは、国家補償精神に基づく国の当然の責務であり、よって最低限介護にかかる給付については、法の上でも明文化されるべきものであると考える。政府の見解を伺いたい。
三 現在の被害者家族の大きな負担を考える時、介護に関する給付は、他の薬害健康被害者に比しても十分な額とすることが必要である。また介護者(家族)の高齢化が、予防接種被害者家族にとって極めて深刻な問題となっていることに鑑み、先の実態調査をふまえた上で、国家補償の名にふさわしい介護者(家族)に対する支援策を講ずるべきだと考える。政府の見解を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の実態調査は、厚生科学研究費補助金により御指摘の財団法人予防接種リサーチセンターの役員等による研究班を設置して実施する予定のものであり、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号。以下「法」という。)第十二条第二号又は第三号に規定する障害児養育年金又は障害年金(以下「障害児養育年金等」という。)の受給者(以下「障害児養育年金等受給者」という。)を対象とし、原則として調査用紙を郵送して回収する方式で実施するが、その調査項目については障害児養育年金等受給者の実態を的確に把握し得る工夫がなされるものと承知している。
また、本実態調査の結果については、公衆衛生審議会伝染病予防部会の下に設けられた予防接種問題検討小委員会(以下「小委員会」という。)における検討及び議論に十分反映されるよう所要の措置を講じてまいりたい。なお、小委員会においては、本年九月十八日に関係団体等からの意見聴取を行い、その場においても予防接種健康被害者(法第十一条の規定により厚生大臣の認定を受けた者をいう。以下同じ。)の実態の把握に努めたところである。
二について
御指摘の予防接種健康被害者の介護に係る支援については、平成六年十月から、予防接種法施行令(昭和二十三年政令第百九十七号)第六条第三項及び第七条第三項に基づいて、重症心身障害児施設等の施設に収容されている者を除き、介護加算額を加算した額を障害児養育年金等として支給すること(以下「介護加算制度」という。)としているところである。
御指摘のように法において介護に係る給付に関する規定を設けることについては、小委員会における予防接種健康被害者の救済の在り方についての議論等を踏まえ、その必要性について検討してまいりたい。
三について
予防接種健康被害者の救済に当たっては、それらの者は、多くの場合精神発達障害等重度の障害者であることや、親の高齢化に伴い介護負担が増大しているという実態を踏まえていくことが重要であると認識している。
このような認識の下、予防接種健康被害者の救済に係る給付については、平成六年十月に、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号)第二十八条に規定する救済給付の額の水準を勘案しつつ、対象者が予防接種を受けるよう努めなければならない等とする法第八条の規定の下で行われていること等の予防接種制度の特性にも配慮した給付内容とする観点から、法第十一条に規定する給付の額の引上げを行ったほか、介護加算制度を設けたところであり、現在の給付内容は、予防接種による健康被害の救済として適切なものと考えている。
また、御指摘のような支援策については、介護加算制度や法第十八条に規定する保健福祉相談事業により対応してきたところであり、今後ともこれらの施策を着実に推進することとしているが、家族等に対する支援策については、小委員会における検討及び議論や一についてで述べた実態調査の結果等を踏まえ、検討してまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。