ことばで探す › 衆議院 第145回
「日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ35)」および陸上自衛隊朝霞駐屯地施設・区域の米軍使用に関する質問主意書
衆議院 第145回 第2号
質問本文
「日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ35)」および陸上自衛隊朝霞駐屯地施設・区域の米軍使用に関する質問主意書
防衛庁・陸上自衛隊と東京防衛施設局は、一九九八年十一月五日、東京都と練馬区に対し、一九九九年一月二十一日から同月三十日にかけて、陸上自衛隊朝霞駐屯地等で「日米共同方面隊指揮所演習(日本)」が行われることと、朝霞駐屯地施設の一部を米軍が使用するために、日米地位協定に基づく手続きを進めることを通知した。しかし上記の件に関し、事態が詳細に東京都民、同練馬区民、埼玉県民に報告されているとは認められず、朝霞駐屯地周辺住民を中心に不安が広がりつつある。
こうした事態を受け、一九九九年一月十二日、東京都練馬区の市民グループ「練馬での日米共同演習の中止を求める緊急アピール」運動による、防衛庁と外務省への署名簿提出及び交渉に同行した事実をふまえて、以下に質問を列挙する。
(1) 「日米共同方面指揮演習」(「ヤマサクラ35」。以下「YS35」とする)の目的は何か。
(2) 一九九九年一月十二日、すでにのべたように、練馬区民たちの防衛庁訪問に同行した際、対応した係官は「演習は『日本有事に備えるもの』」とのべたが、「日本有事」とはなにか。政府の想定する事態を列挙し説明されたい。
(3) 一九九五年十月二十九日付『朝日新聞』によれば、同年一月、陸上自衛隊北熊本駐屯地を中心に実施された「ヤマサクラ27」は、朝鮮半島から対馬、壱岐を経て侵攻してきた「茶色軍」が博多湾に上陸し、北部九州を占領したという想定の下に行われたという。記事の中で自衛隊幹部は、「茶色軍」とは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の軍隊であったことを明らかにしている。
今回の「YS35」は、どのような想定に基づいて実施されるのか、政府は明確に答えられたい。また、今回の仮想敵国は、どの国の軍隊であり、どのような動きに対処することを想定しているのか、詳細に説明されたい。
(4) 一九九八年十一月十九日付『朝雲』によれば、「YS35」には、陸上自衛隊側は「東部方面隊など約二千人」「米軍は約千百人」が参加するとあるが、東部方面隊のあるいは東部方面隊以外の、どの部隊が、どのような演練目的で、それぞれ何人参加するのか。
また、米軍の参加部隊は、在日米軍あるいは在日米軍以外のどの部隊で、それぞれどのように、何人参加するのか、詳述されたい。
(5) これまでの「ヤマサクラ」演習と日米共同の実動演習のすべて、および「日米共同統合演習(キーンエッジ)」の指揮所演習と実動演習のすべてについて、実施の年月日、場所、想定された相手国と想定そのものを含む演練の内容を詳細に示されたい。
(6) 平成十年十二月十八日付『官報』二五三一号によれば、防衛施設庁長官は同年十二月十七日、朝霞駐屯地施設の一部の、合衆国軍隊への「新規提供」を決定したとあるが、それは同駐屯地の、どの施設およびどの区域か、防衛施設庁は明確にされたい。それについては、上記『官報』に言う、「土地・約千七百平方メートル」とはどの部分か、「建物・約一万四千平方メートル」とはどの建物か、また「工作物・水道等」の「工作物」および「等」に当たるものを明示されたい。
(7) (6)に触れた米軍への施設の「新規提供」の目的を、政府は明らかにされたい。冒頭にのべた外務省訪問の際、対応した係官は、「新規提供」は、「YS35」のためであるが、今後実施される日米共同演習においても、米軍が同様に使用するためである旨のべたが、これは政府の正式見解か。
また『官報』の記述は、きわめて曖昧で、いかようにも拡張解釈できる文言であるが、米軍の使用目的、使用期間や頻度を明記しないのはなぜか。
(8) 政府は、「新規提供」に当たり、東京都、練馬区、朝霞市、和光市、新座市の関連各自治体に何時、どのように同意を取り付けたのか。政府が各自治体に申入れたのは何時で、各自治体側から回答を受けたのは何時か。また、どのように交渉を進めたか。経過と内容の詳細について明らかにされたい。
(9) 一九九八年十一月五日、東京都と同練馬区に通知された、朝霞駐屯地内施設・「約24平方メートルの部屋の提供」について、「手続きが未了である」とする外務省に対し、防衛施設庁は「すでに手続きを終えている」と説明し、矛盾している。防衛施設庁と外務省は、それぞれ「部屋の提供」の目的を明らかにされたい。
(10) (6)に触れた防衛施設庁の決定は、(9)に触れた「部屋の提供」といかなる関係を有するのか、「部屋の提供」は、上記『官報』に言う「新規提供」に含まれるのか否か、防衛施設庁と外務省は、それぞれ明らかにされたい。
(11) 東京都および練馬区からは「新規提供」について反対の声が上がっている。当該地方自治体から、「新規提供」について同意できない旨の回答があった場合、政府はどう対処するつもりか。地元の同意がなくても「新規提供」は強行するのか。「はい」「いいえ」で答えられたい。
(12) 「はい」と回答した場合、政府は、「地元自治体や住民の同意は必要ない」と考えていると見なさざるを得ない。これに相違ないか。
(13) 地元住民は朝霞駐屯地の再米軍基地化に重大な懸念を有していると聞いている。「新規提供」を突破口に、今後、朝霞駐屯地が再び恒常的な米軍基地と化すことはないのか。「はい」「いいえ」で回答されたい。
(14) 昨今の米兵による相次ぐ不祥事を受け、地元住民のあいだでは朝霞駐屯地周辺における米兵の犯罪行為が非常に危惧されているという。政府は「YS35」の共同開催者としてこうした住民の不安を解消するためにどのような方策を採ったか。詳述されたい。
右質問する。
政府答弁書
(1)及び(4)について
御指摘の平成十一年一月の日米共同方面隊指揮所演習(以下「指揮所演習」という。)の目的は、陸上自衛隊の東部方面隊(以下「東部方面隊」という。)及びアメリカ合衆国陸軍(以下「米陸軍」という。)が、作戦を共同して実施する場合の日米間の調整の要領に係る訓練を行うことである。
指揮所演習に参加する自衛隊の部隊等の名称及び人数は、別表第一に示すとおりである。また、アメリカ合衆国軍隊の部隊の名称及び人数は、別表第二に示すとおりと承知している。
(2)及び(3)について
指揮所演習は、日本に対する武力攻撃に際して東部方面隊と米陸軍が作戦を共同して実施する場合の日米間の調整の要領等に係る訓練であるが、特定の国を仮想敵としたものではなく、また、訓練において作成した具体的な訓練想定の内容については、日米両国の戦術、戦法等が明らかになることから、答弁は差し控えたい。なお、御指摘の「日本有事」については、指揮所演習に関して、これらの内容を説明する際に一般的に用いたものである。
(5)について
これまでに実施した日米共同方面隊指揮所演習、日米共同の実動演習及び日米共同統合演習の演習名、期間、場所及び演練の内容は、別表第三に示すとおりである。
また、これらの演習は特定の国を仮想敵としたものではなく、これらの演習において作成した具体的な訓練想定の内容については、日米両国の戦術、戦法等が明らかになることから、答弁は差し控えたい。
(6)について
お尋ねの新規提供を決定した土地及び建物の陸上自衛隊の朝霞駐屯地(以下「朝霞駐屯地」という。)内における位置は、別添資料に示すとおりである。また、「工作物」は、水道、照明装置、冷暖房装置その他建物に付随する現存の設備、備品及び定着物であり、「等」は、これらのうち水道を除くものである。
(7)について
御指摘の朝霞駐屯地の施設の一部を、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「地位協定」という。)第二条第四項(b)の規定の適用のある施設及び区域として新規に提供した目的は、同駐屯地において日米共同訓練を実施するためである。今回の提供の結果、現在のところ具体的な計画はないが、今後、アメリカ合衆国軍隊が同駐屯地において日米共同訓練を実施する場合には、一定の期間に限り、同駐屯地内の当該施設及び区域を使用することができるものである。
また、御指摘の官報の告示(平成十年十二月十八日防衛施設庁告示第十一号。以下「十一号告示」という。)は、地位協定に基づいて一定の土地等が施設及び区域としてアメリカ合衆国軍隊に提供されることが国民の権利義務に関係することから、その提供又は返還についてその事実を周知するために必要な事項を記載したものである。
(8)について
東京防衛施設局の職員が、平成十年十一月上旬及び十二月中旬に埼玉県、朝霞市、和光市、新座市、東京都及び練馬区の各地方公共団体に赴き、指揮所演習の時期、目的、訓練概要、参加部隊並びに施設及び区域として提供する土地、建物等について説明し、施設及び区域の新規提供についての理解を得るよう努めたところである。
なお、地位協定に基づいてアメリカ合衆国軍隊に施設及び区域を提供するに当たり、関係する地方公共団体の同意を得ることは要件とされているものではない。
(9)について
御指摘の部屋の提供は、連絡調整業務を行うための事務室として用いるためのものであり、このことについて防衛施設庁と外務省との間で認識が異なるものではない。
なお、御指摘の本年一月十二日の東京都練馬区の市民グループによる防衛庁及び外務省に対する署名簿提出及び交渉に際し、外務省は当該部屋は提供していない旨回答したところであり、防衛施設庁が御指摘のような「すでに手続きを終えている」旨説明した事実はない。
(10)について
十一号告示で公示した新規提供には、御指摘の部屋の提供は含まれていない。
(11)及び(12)について
地位協定に基づいてアメリカ合衆国軍隊に施設及び区域を提供するに当たり、関係する地方公共団体の同意を得ることは要件とされているものではないが、防衛庁は、従来から、関係する地方公共団体の理解を得るよう努めているところである。
指揮所演習に係る土地、建物等の提供については、(8)についてで述べたとおり、平成十年十一月及び十二月に防衛庁において各地方公共団体の理解を得るよう努めたところである。また、連絡調整業務のための事務室については、(10)についてで述べたとおり、提供はしていないところであるが、今後も、関係する地方公共団体の理解を得るよう努めていきたいと考えている。
(13)について
現在のところ、朝霞駐屯地について、御指摘のような基地とするため、アメリカ合衆国軍隊に新たに施設及び区域を提供する予定はない。
(14)について
在日アメリカ合衆国軍隊は、従来から地元住民との「良き隣人」関係の推進に努めていると承知しているが、指揮所演習の実施に際し、陸上幕僚監部及び東部方面総監部から在日米陸軍司令部に対し、演習に参加する米陸軍人の規律の維持に努めるよう要請したところである。
別表第一
別表第二
別表第三
別添資料
新規提供した土地及び建物の朝霞駐屯地内の位置
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。