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「国旗・日の丸、国歌・君が代」法制化等に関する質問主意書
衆議院 第145回 第31号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1
質問本文
政府は、「国旗・日の丸、国歌・君が代」の法制化を検討しているが、わが国には現に「国旗・日の丸」は現行法として存在している(国歌・君が代は、明確な法的根拠はない)。にもかかわらず、なぜ政府は「国旗・日の丸、国歌・君が代」を同列の慣習法というのか。
また「国旗・日の丸」は、現に法制化されているのになぜ「国歌・君が代」と一本化した新規立法を必要とするのか疑問である。政府は、一本化の新規立法が必要であるならば、現行法の何が欠けるのか、また「国歌・君が代」の慣習法ではなぜいけないのか、その理由を国民に明らかにする必要がある。この課題は、国民の国家規範に関する重要な課題であり、その対策は、緊急を要すると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 国旗に関する質問事項
1 「国旗・日の丸」の寸法及びデザインを定めた「郵船商船規則」(明治三年一月二七日、太政官布告五七号)は現在、有効か無効か、その見解を問う。
2 有効とすれば「国旗・日の丸」は、慣習法であるとは言いがたい。よって「国旗・日の丸」の新たなる法制化の必要性はないと解する。その見解を問う。
3 船舶法二条(日本国旗掲揚権)、七条(掲示義務)は、国旗掲揚権及び国旗の掲示を義務づけている。義務づけている以上、法律であると解する。その義務づけている国旗は何かといえば、それは「太政官布告五七号」に定めている「日の丸」である。
また自衛隊法第百二条(自衛艦旗等)では「自衛艦その他の自衛隊の使用する船舶は、長官の定めるところにより、国旗及び・・・を掲げなければならない」と規定されている。ここで掲げる国旗とは何かといえば、それは「太政官布告五七号」に定めている「日の丸」が根拠法である。両法ともに「日の丸」を指示している。
また航空自衛隊の使用する航空機は、旗ではなく標識として自衛隊法百二条第四項に基づき「赤色の日の丸に白色の輪郭」と表示している。更に海上保安庁の使用する航空機の標識は、最近の官報告示(平成十一年三月二四日)でも「日の丸章は紺青色で囲み、白色地に赤丸のものとする」とある。このように航空機の標識とは何かといえば、それは「日の丸」を指示している。
これほど明確な法的根拠があるにもかかわらず、なぜ新たに法制化する必要性があるのか。現行法の「国旗・日の丸」に何か欠ける点があるのか。あるとすればその課題と理由を明らかにされたい。
4 太政官布告五七号(御国旗、中旗)に規定されている「国旗・日の丸」は、寸法、デザインともに唯一、統一規格されたものであると解する。しかし、その後、時代の変転により太政官布告第六五一号の海軍御国旗、大日本帝国国旗法案、長野オリンピックに掲揚された国旗など、数種類に及ぶ。
また「日の丸」の色彩も紅色と赤色など表現がまちまちであり「国旗・日の丸」は、寸法、デザイン、色彩など統一する必要性があるのではないか、その見解を問う。
5 例えば、フランス国は、憲法二条で国家の象徴である三色旗は「自由、平等、博愛」を意味している。わが国の国旗デザインの「白地と赤丸」は、何を意味しているのか、その見解を問う。
また戦前の文部省尋常小学校国語読本に記述されている国旗の意味内容について明らかにされたい。
6 政府は、新たに法制化を検討しているというが、どういうデザインの国旗を認めようとするのか、その形態を明らかにされたい。
7 「国旗・日の丸」は、法的根拠を有している。また国際間では、現在「国旗掲揚義務に関する条約」はないが、自国船に国旗を掲揚することは世界の海洋慣習となっている。従って日本の「国旗・日の丸」は国際社会に容認されているものである。にもかかわらず、政府は、なぜ「国旗・日の丸」(法的根拠はある)を「国歌・君が代」(法的根拠はない)と同列の慣習法というのか、その見解を問う。
8 政府の新たなる国旗の法制化において国旗を誰が、いつ、どこで、何のために掲揚せよとするのか。また何を義務化させ、何を尊重し、何を自由意思とするのか、その見解を問う。
ア 憲法七条の国事行為を行う場において国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
イ 国民の慶弔行事(祝日、祭日、国葬式、戦没者追悼式、国技等)のうちどの行事に際して、国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
ウ 国内・外スポーツ競技の儀式及び表彰、各社放送局の映像放映及び録音放送、またインターネット通信による映像・録音通信は、国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
エ 靖国神社等、宗教的儀式のいかなる場において国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
オ 自衛隊、PKO、PKF、海上保安庁、警察行事等のどの行事に際して、国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
カ 都道府県及び市町村行政に関する諸行事のどの行事に際して、国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
キ 国際機関の諸行事及び国際儀礼のどの行事に際して、国旗掲揚の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
9 政府は、日の丸を国旗とする根拠は何か。なぜシンボルマークではいけないのか。
10 諸外国では、一般的に国旗とは、国民統合の象徴としているが、わが国も国旗は、国民統合の象徴と理解してよいのか、その見解を問う。
11 「日の丸」の由来と歴史的経過について明らかにされたい。
12 「日の丸」の解釈は、「日出ずる国」「日の出ずる天子」「朝日の昇る国」など多様である。政府の統一見解を問う。
13 「日の丸」は、特にアジア諸国の侵略のシンボルであるとして法制化に反対する声が一部にある、反省も含めその見解を問う。
14 一時戦前の教育には「国旗・日の丸」の掲揚と「国歌・君が代」を斉唱するに毎朝、東方を向き宮中に礼拝するという命令行為は、さながら天皇を崇拝する教育であったと解するが、戦前と戦後の国旗掲揚と君が代の斉唱とには、どのような相違点があるのか、比較して明らかにされたい。
15 刑法九二条(外国国章損壊罪)は、外国の国旗を損壊等すれば刑罰の対象となるが、日本の国旗を損壊等しても刑罰対象にならないのは、そもそも「国旗・日の丸」は、法的根拠がないとの認識からか。それとも刑罰に値しない軽犯であるとの認識か。また刑法制定時になぜこの規定を導入しなかったのか、また政府の新規立法案では、刑罰の対象とするのか否か、四点について見解を問う。
16 自衛隊旗には、自衛隊法施行令一条の二に規定されている陸上の自衛隊旗(旧連隊旗)と海上自衛艦隊旗(旧軍艦旗)の二種類(航空自衛隊旗はない)がある。いわゆる旭日旗である。この旭日旗と日の丸とはどのように違うのか,また旭日旗の意義、デザインは何を表しているのか明らかにされたい。
17 航空自衛隊の部隊旗は、鷲の金モールであり、航空機は日の丸の標識である。自衛隊旗は、このように三軍ともにばらばらの旗である。この際、自衛隊法を改正し「国旗・日の丸」に統一する必要性はないのか、その見解を問う。
18 「自衛隊法の旗に関する訓令」には約三十種類の旗がある。例えば、内閣総理大臣旗、防衛庁長官旗、統合幕僚会議議長旗等である。部内といえどもまぎらわしく国民には分かりにくいことから「国旗・日の丸」に統一する、または簡素化・整理することを念頭に検討すべきではないか、その見解を問う。
19 商標法四条では、「国旗と同一又は類似の商標」は使用禁止されている。しかし、すでに商業的には「日の丸タクシー」「銘酒日の丸」「君が代うどん」「君が代そうめん」などは権利としている。こうした権利の実態把握と特許並びに商標登録など関係法令との整合性をどのように図るのか、その見解を問う。
20 昭和六年二月、第五九回帝国議会、衆議院に十一条からなる「大日本帝国国旗法案」が、衆議院議員石原善三郎氏によって提案された。衆議院は、満場一致で通過したが、貴族院では審議未了となり廃案となった経過がある。その廃案となった理由及び当時の社会的背景について政府として認識しているところを明らかにされたい。
21 政府は、過去の国会答弁において「国旗・日の丸」は、太政官布告五七号「郵船商船規則」に制定された実行法であると容認した答弁内容があるのかないのか、あればその主な内容を年代別に明らかにされたい。
22 文部省所管の法律には、船舶法や自衛隊法のように「国旗・日の丸」を掲揚させる現行法があるのかないのか問う。あるとすればその法律名を明らかにされたい。
23 国旗の掲揚義務は、船舶、自衛艦、航空自衛隊及び海上保安庁の使用する航空機についての規定で国旗一般について掲揚する規定はない。故に文部省の国旗・掲揚、国歌・斉唱の行政指導は、各法なき国旗一般に類する対象である故に慣習法というのか、その見解を問う。
24 文部省は、本来ならば学校教育(大学を除く)諸行事のなかで、特に入学式、卒業式には国旗の掲揚義務を課する各法の制定が必要でなかったのか。各法の制定がないため行政指導とせざるを得なかったのではないか。なぜ掲揚に関する法制定がこれまでできなかったのか、その歴史的経過と理由を明らかにされたい。
25 現行の法体系から考えれば「国旗・日の丸」を掲げるためには、運輸省は船舶法で防衛庁は自衛隊法で海上保安庁は海上保安庁法で国旗の標識を課しているように文部省は文部省の各法をもって掲揚義務を課するものでなければ、何人にも掲揚義務を課すことは出来ないのではないか、その見解を問う。
26 国旗掲揚を義務づける法律がないから行政指導をもって執行する行政の目的は理解できる。その行政指導の執行には義務も含まれるのか、含まれるとすれば行政指導の義務と法律義務との区別、相違点を明らかにされたい。
27 行政指導は、相手方の協力を得て行うものであり、国民の権利を制限したり、また国民に義務を課する法律上の強制力はない。従って法律に制定されていない権利や義務を学習指導要領をもって法律と同等もしくはこれを超えて権利や義務を課することはできないと解するが、なぜ学習指導要領で義務を課することができるのか、その見解を明らかにされたい。
二 国歌に関する質問事項
1 「君が代」は、法的に国歌として制定した歴史的事実はあるのかないのか、その見解を問う。
2 資料によれば「君が代」を国歌扱いにしたのは、大日本帝国憲法発布(一八八九年)教育勅語発布(一八九〇年)というが、この史実に相違はないか、その見解と内容を明らかにされたい。
3 明治政府以来、大正、昭和の戦前、戦後に「君が代」を国歌として教科書に明記した事実があるのか。あればその年代、教科書名及びその内容を明らかにされたい。
4 「君が代」を学習指導要領として決定する際、文部省はいかなる審議会でどのように審議されたのか。その審議内容及び「日の丸・君が代」の閣議決定の期日並びに内容について明らかにされたい。
5 明治政府は、一八八八年(明治二一年)に大日本礼式を発布し、諸官庁及び外国に「君が代」の演奏を楽譜として公式に通知している。これは現在も有効か、無効かを問う。また一八九三年(明治二六年三月十二日)文部省第三号告示で「小学校儀式唱歌詞並楽譜」を発布しているが、これは現在も国歌として確定する根拠となるのか否か、その見解を問う。
6 政府の新たなる国歌斉唱の法制化は、誰が、いつ、どこで、何のために斉唱するのか。また何を義務化させ、何を尊重し、何を自由意思とするのか、その見解を問う。
ア 憲法七条の国事行為を行う場において「君が代」斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
イ 国民の慶弔行事(祝日、祭日、国葬式、戦没者追悼式、国技等)のうちどの行事に際して、国歌斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
ウ 国内・外スポーツ競技の表彰、各社放送局の映像・録音放送、またインターネット通信による映像・録音通信は、国歌斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
エ 靖国神社等、宗教的儀式の如何なる場合において国歌斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
オ 自衛隊、PKO、PKF、海上保安庁、警察行事等のうちどの行事に際して、国歌斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
カ 都道府県及び市町村行政に関する諸行事のうちどの行事に際して、国歌斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
キ 国際機関の諸行事及び国際儀礼のうちどの行事に際して、国歌斉唱の義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか。
7 「君が代」の作曲、演奏の由来と歴史的経過について明らかにされたい。
8 「君が代」の「君」とは、元来、君主ではなく恋人を意味しているという説。また「君」とは、普通の二人称単数であなたの類とされ天皇に限られたものでないとする説。さらに「君」とは、天皇を示
し、万世一系の天皇を賛嘆する意味と解する説など、多様である。「君」とは、何を意味するのか、政府の統一見解を問う。
9 「君が代」(五・七・五・七・七)歌詞全体の意味について明らかにされたい。
10 中でも「・・・さざれ石の巌となりて」の解釈を問う。さざれ石とは小石のことで小石が次第に大きくなり巌となるのは自然理に反する教えではないか。巌が砕けて自然に小石になるというのが自然的な意味ではないか。義務教育ではどのように教えているのか、その見解を問う。
11 「君が代」の歌詞について、旧憲法下、特に戦前における「君」の解釈と戦後の「君」の解釈とに相違があるのかないのか、相違があればその内容を明らかにされたい。
12 「君が代」は、詠み人知らずの古い歌として愛唱されているが、楽譜には六種類ある。また平成九年四月現在、日本音楽著作権協会に三曲の「君が代」編曲作品が個人名で著作権登録されている、というように多種多様な楽譜がある。現在、公式に使用されている「君が代」の作曲著作権は誰に帰属しているのか。また「君が代」の作曲著作権は現行法で保護されているのか、また法の適用対象外なのか、明らかにされたい。
13 スポーツ国際大会や大相撲などに演奏される「君が代」の楽譜が統一されていない理由はなぜか、その見解を問う。また六種類の演奏楽譜に加え、三編曲の作品があるが、それぞれどこに相違があるのか、楽譜を比較して明らかにされたい。
14 「君が代」の楽譜は別として歌詞が国民的に理解を得られなければ、アラブ首長国連邦国家のように「楽譜はあっても歌詞のない」国歌もある。このように儀式用の演奏曲のみであってもよいのではないかという考え方が一部にある、その見解を問う。
15 政府は、なぜ「君が代」を国歌とするのか。この際、新国歌を考えてもよいのではないかという考え方が一部にある、その見解を問う。
16 「国旗・日の丸」は、現に法制化されているので「国歌・君が代」のみ法制化すればよいのではないか、という意見に対する見解を問う。
三 国旗・国歌に関する共通の質問事項
1 国旗・国歌とは何か、その見解を問う。
2 政府が「国旗・日の丸、国歌・君が代」を法制化する目的と背景は何か、その見解を問う。
3 「国旗掲揚、国歌斉唱」の義務は、憲法十一条(基本的人権)及び十九条(思想・良心の自由)との関係性について法的見解を問う。
4 子どもの権利条約の十四条(思想・良心・宗教の自由)の規定と「国旗・日の丸、国歌・君が代」斉唱との関係において、学校側が生徒等に対し、「一同起立、国歌斉唱」と指導・命令することは、条約の趣旨に反するのかしないのか、その見解を問う。
5 国旗、国歌を同時に新規立法とするならば、この際、新国旗・新国歌を新たに考え直すこともあってよいのではないかという意見が一部にある、その見解を問う。
6 「国旗・日の丸、国歌・君が代」を国家規範の重要課題として、内閣に「国旗、国歌の法制化に関する審議会」を早急に設置し、国民の合意形成に努めるべきであると考える、その見解を問う。また「国旗、国歌」の選定に当たっては、国民投票に委ねることも一つの選択と考える、その見解を問う。
7 諸外国別に国旗の諸事例(制定形式、掲揚義務及び尊重義務、掲揚の状況、学校における取扱い、一般国民の行事等の取扱い)及び国歌の諸事例(制定形式、歌詞の内容、演奏の状況、学校における取扱い、一般国民の行事等の取扱い)について明らかにされたい。
8 政府は、新規立法に当たって、教育現場での「国旗・掲揚、君が代・斉唱」は、義務を課するのか、尊重とするのか、自由とするのか、その見解を問う。
9 「国旗・日の丸、国歌・君が代」の学習指導要領の改正内容を年代別に明らかにされたい。
10 現行の「国旗・掲揚、国歌・斉唱」は、なぜ学校教育(大学は除く)にのみ指導し、一般国民の個人及び諸団体等に対し、掲揚及び斉唱の指導をしなかったのか、その見解を問う。
11 総理府は、昭和五三年三月に「国旗・国歌」に関する世論調査を発表しているが、その後調査は行われていないと聞く。今日かかる国民世論の関心事から、政府は、直ちに世論調査を実施し、その実態を公表すべきであると解する。近時その計画が予定されているのかいないのか、その見解を問う。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)のうち、国旗の様式に関する規定は現在も有効である。
一の2及び7について
商船規則は、船舶に掲げるべき国旗の様式を定めたものであり、国旗一般について定めたものではない。
一の3について
商船規則は、船舶に掲げるべき国旗の様式を定めたものであり、国旗一般について定めた法律はない。しかしながら、長年の慣行により日の丸が我が国の国旗であるとの認識が確立し、広く国民の間にも定着していると考えられ、その意味で、現在、日の丸が我が国の国旗であるという法的確信が成立しているとみることができる。
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百二条第一項等に規定する「国旗」も、日の丸が慣習法上国旗の制式となっていることを当然の前提としているものと考える。
このような現状を踏まえ、日の丸が我が国の国旗であるということについて、成文法としてその根拠を明確に規定することが必要であるとの認識の下に、法制化を行うものである。
一の4について
政府としては、法制化に当たっては、御指摘の点を踏まえ、国旗の制式(寸法の割合及び彩色)を明確に定めることとしている。
一の5について
日の丸の意味について一義的に特定することは困難であるが、日の丸は太陽を表すとするのが一般的であると承知している。白地については、不詳である。文部省において編さんした「尋常小學國語讀本卷十二」(大正十二年発行)第十三課「國旗」においては、我が国及び主たる諸外国の国旗について述べられているが、その中で、「各國の國旗は、或は其の建國の歴史を暗示し、或は其の國民の理想・信仰を表すものなれば、國民の之に對する尊敬は、即ち其の國家に對する忠愛の情の發露なり。」と記述されている。
一の6について
国旗の制式については、日の丸が長年の慣行により国民の間に広く定着していることを踏まえるとともに、国内外における国旗の使用実態、国際的な動向等を考慮しながら、寸法の割合及び日章の位置並びに彩色について定めることとしたものである。
一の8について
政府としては、法制化に当たり、国旗の掲揚等に関し義務付けを行うようなことは、考えていない。したがって、現行の運用に変更が生ずることとはならないと考えている。
一の9について
日の丸が我が国の国旗であるとの認識は、国民の間に広く定着していると考えている。
一の10について
一般的には、国旗は国家を象徴する標識であると認識されているものと理解している。
一の11について
日の丸の由来については、つまびらかではないが、歴史的に見ると、江戸時代以前にも使用されていたという記録が残っているものと承知している。江戸時代に至って、日の丸は、寛永十一年(千六百三十四年)に幕府官章として定められ、その後、日の丸は、安政元年(千八百五十四年)日本総船印に、また、安政六年(千八百五十九年)には御国総標とされたものと承知している。明治時代に入り、明治三年に布告された商船規則で、船舶に掲げるべき国旗として日の丸の様式が定められたところである。
一の12について
日の丸の意味について一義的に特定することは困難であるが、日の丸は太陽を表すとするのが一般的であると承知している。
一の13について
国旗及び国歌の法制化は、長年の慣行により、日の丸及び君が代がそれぞれ国旗及び国歌として国民の間に広く定着していることを踏まえて行うものである。なお、御質問との関係であえて申し上げれば、政府の過去の歴史に関する考え方は、村山内閣における平成七年八月十五日の内閣総理大臣談話を基本としており、我が国が過去の一時期に植民地支配と侵略により、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受け止め、これらに対する深い反省とお詫びの気持ちに立って、世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくというものである。
一の14について
一般的には、国旗は国家を象徴する標識として、また、国歌は国家を代表する歌として認識されており、国旗及び国歌を通じて国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことにより、国民の気持ちの上での統合の役割を果たしているものと考えている。
一の15について
刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十二条第一項は、外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する旨規定しているが、同条は、刑法第二編第四章の「国交に関する罪」の中に置かれているとおり、我が国の外交作用の円滑、安全等を考慮して、かかる行為を処罰することとしたものと考えられる。
これに対し、我が国の国旗等に対する同様の行為については、これを処罰する規定がなく、刑法制定当時における具体的な論議は必ずしも明らかではないが、これは、国家の威信の保護の在り方として刑罰をもって強制することが適当かという根本的な問題があることのほか、他人の所有する国旗等の損壊等については刑法第二百六十一条(器物損壊罪)が適用されることなども考慮されているものと考えられ、御指摘のような認識によるものではないと考えられる。
また、政府としては法制化に当たり、国旗の損壊等を新たに刑罰の対象とすることは考えていない。
一の16について
自衛隊法施行令(昭和二十九年政令第百七十九号)第一条の二に規定されている自衛隊旗は、部隊の所在を示すとともに、組織の団結の強化、士気の向上に資するとの観点から、また、同条に規定されている自衛艦旗は、自衛艦の所在を示すとともに、組織の団結の強化、士気の向上に資するとの観点から、それぞれ定められており、それぞれ日章及び光線により構成される意匠の旗としている。
一の17及び18について
自衛隊において使用されている旗の意匠は、既にそれぞれ自衛隊において定着していることから、これらを「統一」又は「簡素化・整理」することは考えていない。
一の19について
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第四条第一項第一号に規定する「国旗」とは、「日の丸の旗」を指すものであり、同法第二条第一項に規定しているところの図形たる商標に関するものである。また、「国歌」については、商標法上、不登録事由とする規定がないところである。したがって、「日の丸」及び「君が代」の文字商標については登録の対象となり得、事実、これらに係る商標について登録されている事例は存在しているところである。なお、今回の法制化により、商標法における取扱いを変更するようなことは考えていない。
一の20について
大日本帝国国旗法案は、昭和六年二月十九日、石原善三郎議員により第五十九回帝国議会に提出され、衆議院において審議の上同年三月二十六日に可決され貴族院に送付されたが、同月二十八日が同議会の会期の最終日であったことから、貴族院では審議が行われず廃案になったものと承知している。
一の21について
昭和六十三年三月十五日の参議院予算委員会において、内閣法制局長官は、商船規則は船舶に掲げるべき国旗の様式を定めたものであり国旗一般についての規定はない旨の答弁を行っている。
一の22について
文部省が所管する法律において、「国旗・日の丸」の掲揚について規定するものはない。
一の23から27までについて
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)において、教科に関する事項は文部大臣が定めることとされ(同法第二十条、第三十八条、第四十三条及び第百六条)、同法の委任を受けて定められた学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)において、教育課程については、教育課程の基準として文部大臣が公示する学習指導要領によるものとしている(同規則第二十五条、第五十四条の二及び第五十七条の二)ことから、小学校、中学校及び高等学校の学習指導要領は、これらの規定に基づき文部大臣が定め、告示しているものである。
日の丸が国旗、君が代が国歌であることについては、一般的な法令の規定はないが、長年の慣行により、国民の間に広く定着していると認められ、政府においても、国会においてその旨答弁しているところである。これを踏まえ、学校教育における国旗及び国歌の指導については、学習指導要領において、日の丸を国旗、君が代を国歌として取り扱い、「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」としているところである。
なお、学習指導要領は、学校教育法及び同法施行規則の規定の委任に基づいて、文部大臣が告示として定めるものであり、法規としての性質を有している。このことは、伝習館高校事件最高裁判決(平成二年一月十六日)においても明確にされているところである。
二の1について
君が代は、長年の慣行により、国歌として国民の間に広く定着しているものと考えている。
二の2について
大日本帝国憲法は明治二十二年二月に公布され、教育勅語は明治二十三年十月に発せられたものであるが、君が代についての記述は特に見られないところである。
二の3について
昭和二十年以前に文部省において編さんした教科書中、「尋常小學修身書巻四」(昭和十二年発行)には、「『君が代』は、日本の國歌です。」と記載されている。
なお、昭和五十五年度以降に使用されている小学校音楽科教科書及び昭和五十六年度以降に使用されている中学校音楽科教科書並びに平成四年度以降に使用されている小学校社会科教科書においては、「君が代」が「国歌」であると記載されているところである。
二の4について
学習指導要領は教育課程の基準として文部大臣が告示するものであるが、その内容については、文部大臣の諮問に応じて教育課程に関する事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める事項を文部大臣に建議するために設置されている教育課程審議会における審議、答申を踏まえて決定している。
平成元年に告示した現行の学習指導要領については、昭和六十二年十二月の教育課程審議会の「入学式や卒業式などの儀式等においては、日本人としての自覚を養い国を愛する心を育てるとともにすべての国の国旗及び国歌に対し等しく敬意を表する態度を育てる観点から、国旗を掲揚し国歌を斉唱することを明確にする。」との答申を踏まえている。なお、学習指導要領の告示に当たって閣議決定は行われていない。
二の5について
御指摘の明治政府が明治二十一年に大日本礼式を発布し、諸官庁及び外国に君が代の楽譜を公式に通知したということについては、現時点において、そのような事実の有無について確認できないところである。
また、明治二十六年八月十二日の文部省告示第三号では、「小學校ニ於テ祝日大祭日ノ儀式ヲ行フノ際唱歌用ニ供スル歌詞竝樂譜別冊ノ通撰定ス」として、「君が代」の歌詞及び楽曲が告示されているが、これは、祝日及び大祭日における学校儀式用の唱歌を定めたものである。
二の6について
政府としては、法制化に当たり、国歌の斉唱等に関し義務付けを行うようなことは考えていない。したがって、現行の運用に変更が生ずるようなこととはならないと考えている。
二の7について
君が代の現在の旋律は、明治十三年十月に宮内省一等伶人の林広守によって付けられたものと承知している。また、君が代は、明治十三年十一月三日の天長節に際し、宮中で演奏されたものと承知している。
二の8及び11について
君が代の「君」とは、大日本帝国憲法下では主権者である天皇を指していたと言われているが、日本国憲法の下では、日本国及び日本国民統合の象徴である天皇と解釈するのが適当であると考える。
二の9について
日本国憲法の下では、天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする我が国の末永い繁栄と平和を祈念したものと理解することが適当であると考える。
二の10について
学習指導要領を解説した小学校指導書社会編(平成元年)においては、国歌「君が代」は、我が国が繁栄するようにとの願いを込めた歌であることを理解させるよう配慮する必要があるとしており、これを踏まえて、各学校において児童生徒の発達段階に即した指導が行われているところである。
二の12について
明治二十六年八月十二日の文部省告示第三号において、「君が代」は、林広守が作曲したものとして公衆に提供又は提示されてきたことから、著作者は林広守であると考えられる。しかし、林広守は明治二十九年に死亡しており、現在、同人の「君が代」に係る著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)に基づく著作者人格権及び著作権は消滅しているものと考えられる。ただし、同法第六十条には、著作者が存しなくなった後における人格的利益の保護が規定されており、この規定により、現在においても、著作者が存しているとしたならば著作者人格権の侵害となるべき行為をすることは禁じられている。
二の13について
君が代の楽譜は、長い歴史の中で、様々な演奏形式等のものが用いられてきたと推測される。長野オリンピック冬季競技大会等の国際的なスポーツ大会や大相撲においても、その大会等を運営する団体の判断により、様々な演奏形式等の楽譜が使用されているところである。
二の14について
君が代の歌詞及び楽曲は、長年の慣行により、国民の間に広く定着しているものと考えている。
二の15について
君が代は、長年の慣行により、国歌として国民の間に広く定着しているものと考えている。
二の16について
国旗一般について規定した法律はないことから、国旗についても、長年の慣行により、日の丸が国旗として国民の間に広く定着していることを踏まえてその法制化を行うものである。
三の1について
一般的には、国旗は国家を象徴する標識として、また、国歌は国家を代表する歌として認識されているものと承知している。
三の2について
日の丸及び君が代が、長年の慣行により、それぞれ国旗及び国歌として国民の間に広く定着していることを踏まえ、二十一世紀を迎えることを一つの契機として、成文法にその根拠を明確に規定することが必要であるとの認識の下に、法制化を行うものである。
三の3及び8について
政府としては、法制化に当たり、国旗の掲揚等に関し義務付けを行うようなことは、考えていない。したがって、現行の運用に変更が生ずることとはならないと考えている。
三の4について
児童の権利に関する条約(平成六年条約第二号)第十四条の思想、良心の自由とは、一般に内心(すなわちものの考え方ないし見方)について、国家はそれを制限したり、禁止したりすることは許されないという意味であると解される。学校における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導は、日の丸及び君が代が、長年の慣行により、それぞれ国旗及び国歌として国民の間に広く定着していることを踏まえ、児童生徒が国旗及び国歌の意義を理解し、それを尊重する心情と態度を育てるとともに、すべての国の国旗及び国歌に対して等しく敬意を表する態度を育てるために行うこととしているものである。このような指導は、児童生徒が将来広い視野に立って物事を考えられるようにとの観点から、国民として必要な基礎的、基本的な内容を身につけることを目的として行われているもので、児童生徒の思想、良心を制約しようというものではなく、同条には反しないと考えられる。
三の5及び6について
長年の慣行により、日の丸及び君が代がそれぞれ国旗及び国歌として国民の間に広く定着していることを踏まえて、国旗及び国歌の法制化を行うものである。
三の7について
主要国における国旗及び国歌の法制化や取扱いの状況について、現時点で承知しているものは別表一のとおりである。
三の9について
学習指導要領における、国旗及び国歌に係る改訂の内容については、別表二のとおりである。
三の10について
国旗については、昭和六十年九月の政務次官会議において、各省庁とも毎日自主的に国旗を掲揚することが申し合わされた昭和三十七年の政務次官会議の趣旨の徹底を図るとともに、地方公共団体及び国所管の団体等に対して祝日に国旗を掲揚することの協力方をお願いしてきたところである。
三の11について
国旗及び国歌に関する世論調査は、昭和四十九年十二月に実施した「年号制度・国旗・国歌に関する世論調査」(昭和五十年三月公表)以降、実施していない。政府としては、長年の慣行により、日の丸及び君が代がそれぞれ国旗及び国歌として、国民の間に広く定着しているものと考えており、現在、国旗及び国歌に関する世論調査を改めて実施する予定はない。
別表一
諸外国の国旗について
諸外国の国歌について
別表二
小学校学習指導要領における国旗及び国歌に関する取扱いの経緯
なお、昭和三十三年における「特別活動」は、「特別教育活動および学校行事等」であった。
中学校学習指導要領における国旗及び国歌に関する取扱いの経緯
なお、昭和二十三年における「特別活動」は、「特別教育活動および学校行事等」であった。
高等学校学習指導要領における国旗及び国歌に関する取扱いの経緯
なお、昭和三十五年における「特別活動」は、「特別教育活動および学校行事等」であり、昭和四十五年における「特別活動」は、「各教科以外の教育活動」であった。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。