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国旗の損壊等の処罰に関する法律に関する質問主意書
参議院 第221回 第110号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×4個別の事案 ×4
質問本文
国旗の損壊等の処罰に関する法律(以下「本法」という。)は議員立法ではあるが、今後、政府は本法を運用する立場となることから、以下の質問に対して運用解釈等に係る答弁を留保することなく、誠実に対応されたい。
一 法律案提出者の説明において、本法の立法事実の一つとして、国旗を損壊等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要性が挙げられている。法益の侵害の発生を将来に向かって抑止するという立法事実について、政府の見解を示されたい。また、政府は、法益の侵害の発生を将来に向かって抑止するといういわゆる「予防的立法事実」に基づいて国会に法律案を提出したことはあるのか。提出したことがある場合、その法律案の名称を示されたい。
二 本法の立法事実の一つとされる国旗を損壊等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要性について政府はどのように評価するか。
三 日本国憲法第十九条の「思想及び良心の自由」の観点から、本法は合憲であると考えるか、政府の見解を示されたい。
四 日本国憲法第二十一条第一項の「表現の自由」の観点から、本法は合憲であると考えるか、政府の見解を示されたい。
五 法律案提出者は、「表現の自由」との関係を踏まえ、行為の外形から本法の適用を判断するとしているが、国旗を損壊した者がどのような考えを持っていたかを考慮しないことによって、無用に処罰範囲が広がり、逆に「表現の自由」を過度に制限することにつながるのではないか、政府の見解を示されたい。
六 国旗損壊行為はいわゆる象徴的表現行為であり、国旗を損壊する行為そのものが表現内容に当たると考えるが、政府の見解を示されたい。また、こうした象徴的表現行為を罰することは、法律案提出者の主張する本法は表現中立規制であるとの見解に相違して、表現内容規制となり得ると考えるが、政府の見解を示されたい。
七 令和八年七月八日に、法律案提出者から衆議院内閣委員会理事懇談会に提出された資料(以下「衆理事懇資料」という。)では、本法における構成要件該当性の判断例などが示されているが、政府は衆理事懇資料の内容を把握しているのか。
八 衆理事懇資料では、構成要件該当性判断の考え方・具体例について、「方法規制であって、表現やメッセージの内容に着目した内容規制ではない」として、「「日本がんばれ」あるいは「国旗損壊罪反対」という文言によって、構成要件該当性の判断が左右されることはない」とされていると承知しているが、政府は同様の認識をもって本法を運用するのか、政府の見解を示されたい。
九 衆理事懇資料では、本法で定める構成要件に基本的に該当すると考えられる事例・基本的に該当しないと考えられる事例について、基本的に構成要件に該当すると考えられる事例として「あえて、悪天候の日に公道上に国旗を置き、泥や雨でひどく汚す場合」などが挙げられている。また、基本的に構成要件に該当しないと考えられる事例のうち、「社会通念上、国旗国歌法に定める国旗とはおよそ認められないと考えられる事例」として「日の丸の大きさ、位置、彩色から、およそ日章旗とは認識できない旗を損壊等する場合」、「社会通念上、国旗の用に供しているものと認められないと考えられる事例」として「フェイスペイントした日の丸を消す等する場合」、「有体物でないと考えられる事例」として「国旗を全てアバター化して、それが損壊される状況を配信する場合」、「「損壊した」に該当しないと考えられる事例」として「国旗をくしゃくしゃにし、何ら物質的な破壊を伴わない場合」、「「除去した」に該当しないと考えられる事例」として「掲揚されている国旗を何らかの遮蔽物によって瞬間的に遮蔽する場合」、「「汚損した」に該当しないと考えられる事例」として「国旗を新品の靴で踏み、何ら不潔にすることがない場合」、「特定かつ少数の者が認識できるにすぎないと考えられる事例」として「密室の中で配偶者を前にして国旗を損壊等する場合」、「公然性が行為の時に存在しないと考えられる事例」として「非公然空間で撮影された国旗損壊シーンを実写映画の一部として放映する場合」、「「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当しないと考えられる事例」として「日の丸に文字を墨汁で書く場合」等が挙げられていると承知しているが、政府は同様の認識をもって本法を運用するのか、見解を示されたい。
十 衆理事懇資料では、違法性阻却事由の考え方・事例等について、「刑法三十五条に基づき、違法性阻却事由の有無が判断される」とした上で、違法性が阻却される可能性がある場合として「政治デモにおいて、国旗を損壊等する以外の手段では主義主張を伝えることができない状況で行われた行為である場合」、「舞台演劇の中で、国旗を損壊等する情景が欠かせない場面でその情景に相応しい態様で行われた行為である場合」、「映画の公開ロケ等で、撮影現場であることが明らかな状況において、国旗を損壊等するシーンを撮影する場合」が挙げられ、違法性が阻却されない可能性がある場合として「政治的表現や芸術的表現に名を借りて社会的に相当でない態様で行われた行為である場合」が挙げられていると承知しているが、政府は同様の認識をもって本法を運用するのか、見解を示されたい。
十一 本法第二条第二項の「その他の客観的な事情」とは、具体的にどのようなことを指すと政府は認識しているのか、見解を示されたい。
十二 本法の審議において、警察庁は、成立した場合、「通達や執務資料などによりまして第一線の警察官等への周知、徹底を図ることを検討」すると答弁し、七月二十一日の記者会見においては、あかま国家公安委員会委員長が「同法の施行に向けては、国会の御審議を踏まえ、法律の趣旨や内容のほか、適用の検討を組織的に行うことなど、運用上の留意事項について、第一線の警察官等への周知・徹底が図られるよう、警察を指導してまいりたいというふうに考えております。」と述べたと承知している。警察庁が第一線の警察官等への周知のために作成する通達等は、衆理事懇資料の内容を踏まえるという理解でよいか、政府の見解を示されたい。
十三 警察庁が第一線の警察官等への周知のために作成する通達等に示されることとなる、政府における本法の運用に係る解釈を整理した上で、網羅的に示されたい。
十四 政治的表現や芸術表現における国旗損壊行為については、本法の構成要件に該当し得るのか、政府の見解を示されたい。
十五 参議院内閣委員会の「国旗の損壊等の処罰に関する法律案に対する附帯決議」第三項では、「政治的意見表現や芸術表現など「表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利」として正当に保障される国旗への表現やメッセージの記載は第二条第一項の構成要件のうち「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」によるものに該当しないことを遵守して運用すること」とされており、衆議院内閣委員会でも同様の附帯決議が付されている。同項の内容を踏まえると、法律案提出者による「著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に当たるかどうかの判断というのは、あくまでも行為それ自体の客観的な態様やこれを取り巻く客観的な状況などを考慮して行うものでありまして、芸術活動や政治的デモの一環として行われたという場合であっても、行為の目的は構成要件、該当性を判断する際にこれは考慮されません」などとしてきた国会答弁や、表現の内容によって処罰対象を判断しない内容中立規制であるという国会答弁は矛盾していると考えるが、政府の見解を示されたい。また、政府は同項を踏まえて、本法をどのように運用していくのか、見解を示されたい。
十六 政治的意見の表明については、令和八年七月九日の参議院内閣委員会において、法律案提出者から、仮に本法第二条第一項の構成要件に該当したとしても刑法第三十五条の正当行為等の違法性阻却事由に該当する場合があり得る旨の答弁がされているところである。一般論として、「正当行為」とは具体的にどのようなものを指すのか、また、政治的意見の表明が「正当行為」に当たるのはどのような場合か、見解を示されたい。加えて、国旗損壊罪の適用除外の根拠が刑法第三十五条の正当行為であるとすることが法的な正当性を有するものであるかについて、政府の見解を示されたい。
十七 政治的意見の表明が違法性阻却事由に該当するか否かの判断基準について、令和八年七月九日の参議院内閣委員会において、法律案提出者から、社会通念上相当かどうか、つまり、社会一般に通用している常識や見解に照らして、個別具体的な事案ごとに行為の目的、態様、行われた状況、一連の経過等を踏まえて判断される旨の答弁がなされている。違法性阻却事由の有無を判断するに当たり、社会通念上相当かどうかを基準とするならば、本法第二条第一項の罰則が適用されるかどうかは不明確となり、政治的表現を行おうとする者に不当な萎縮効果を及ぼすのではないかと考えられるが、政府の見解を示されたい。
十八 これまでの質問に述べたように、本法第二条第一項の罰則は構成要件が曖昧であり、日本国憲法第三十一条等が求める罪刑法定主義に反するのではないか、見解を示されたい。
十九 国又は地方公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、国旗の損壊等の処罰に関する法律の運用において、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときには、国家賠償法の規定により、国又は地方公共団体が損害を賠償する責任があり、この公務員が故意又は重過失であったときは、国又は地方公共団体が公務員個人に対して求償権を有することになると思われるが、その理解でよいか、見解を示されたい。
二十 衆議院内閣委員会では、法律案提出者から「本法案の成立を契機に、国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことによりまして、国民の気持ちの上での結合、統合の役割を果たすという国旗の意義がますます向上し、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないか」との答弁があったが、政府は愛国心の醸成を目的として本法の周知、適用等をする考えはないという理解でよいか、見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
前段のお尋ねについては、国旗の損壊等の処罰に関する法律(令和八年法律第六十九号。以下「本法」という。)は、衆議院議員により発議され、国会の両院での審議を経て法律として成立したものであり、政府としては、お答えする立場にないが、令和八年七月九日の参議院内閣委員会において、法案提出者が「本法律案につきましては、・・・国旗の損壊事例が生じていることに加えまして、SNS等が加速度的に普及し、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊などする行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところとなり、様々な形で影響を与えることは否定できないことから、このような事情を踏まえつつ、国旗を損壊などする事案の発生を将来に向かって抑止する必要があるということを立法事実の一つであると考えております。その上で、刑罰法規は一般的に法益が害されることを予防するために立法するものでありますから、実際の発生件数の多寡にかかわらず、将来発生する事案の予防のための必要性を踏まえた上で立法されているものでございます。」と答弁したものと承知している。
後段のお尋ねについては、「予防的立法事実」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、将来発生する事案を予防する必要性を踏まえた上で立法されたものとしては、例えば、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(平成十二年法律第百四十六号)やヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律(令和八年法律第七十号)があるものと承知している。
二について
議員立法に対するお尋ねの「評価」については、政府としてお答えする立場にない。
三から五までについて
お尋ねについては、一についてで述べたとおり、本法は、衆議院議員により発議され、国会の両院での審議を経て法律として成立したものであり、本法を誠実に執行するのが政府に課せられた責務であることから、政府としては、お答えする立場にないが、令和八年七月十六日の参議院内閣委員会において、法案提出者が「本法案は、対象を有体物である国旗に限定した上で、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた行為態様に着目して構成要件を定め、その趣旨を明らかにするため、構成要件のうち、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当するか否かを判断するに当たっては、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案する旨の規定を置くとともに、さらに、このような本法案の罰則規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目して規制を加えたりするものではなくて、必要かつ合理的な規制として憲法上許されることを前提としつつ、なお入念的に、本法案の適用に当たって、国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのなきよう万全を期すために、三条において適用上の注意の規定を設けることとしたものであります。このように、本法案では表現の自由等の侵害につながらないように十分に配慮した上で、思想及び良心の自由や表現の自由といった憲法上の権利を不当に制約するものではなく、これらによる萎縮効果も生まないものと考えております。」と答弁したものと承知している。
六について
お尋ねについては、一についてで述べたとおり、本法は、衆議院議員により発議され、国会の両院での審議を経て法律として成立したものであり、本法を誠実に執行するのが政府に課せられた責務であることから、政府としては、お答えする立場にないが、令和八年七月十六日の参議院内閣委員会において、法案提出者が「確かに、国旗の損壊等のような象徴的表現行為は、現代社会における効果的な表現手段となり得るものではございます。しかしながら、だからといって、常に個人が最も効果的であると思う表現手段を選択するという利益が、そのような表現手段が取られた場合に侵害される他の利益に優先されるわけではないということは、最高裁の判例等においても示されているところでございます。そして、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊等する行為が何らかの政治的主張のための効果的な表現手段となり得る場合であっても、そのこと自体が国旗を大切に思う国民感情を保護する本法案の罰則を免責する十分な理由になるわけではないというふうに考えております。このことは、現行法におきましても、例えば、裸でデモ活動を行えば公然わいせつ罪、神社に政治的主張を落書きすれば礼拝所不敬罪に問われること、またその可能性があるということと同様でございます。こうした考え方に基づきまして、本法案は、必要かつ合理的な規制として表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないというふうに考えております。」及び「本法案において、その第三条の適用上の注意の規定を設けた理由につきましては、本法案二条の規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり表現の内容に着目して規制を加えたりするものではなくて、必要かつ合理的な規制として憲法上許されるものであることを前提としつつ、なお入念的に、本法の適用に当たって国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのないよう万全を期すために置いた規定でございます。したがいまして、本法案が内容規制につながる、あるいは内容規制そのものであるという御指摘は当たらないものと考えております。」と答弁したものと承知している。
七について
お尋ねの「衆理事懇資料の内容」は承知している。
八から十までについて
犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難であるが、捜査機関においては、御指摘の「衆理事懇資料」の内容を含む国会における審議の内容等も踏まえ、個別具体的な事案に応じて、法と証拠に基づき適切に対処していくものと考えている。
十一について
令和八年六月二十六日の衆議院内閣委員会において、法案提出者が「客観的な状況、一連の行為であるとか、また周囲の状況、それがどのような流れの中で行われたのか、どのような物体を用いて行われたのかといった態様、あるいはどのような場所で行われたのかといったシチュエーションなど、一連の行為、周囲の状況、そういう客観的な事情を総合的に勘案して行うということで、そのために二条二項を規定しているところであります。」と答弁したものと承知しているところ、お尋ねについては、本法第二条第二項の規定により、「行為の外形」、「周囲の状況」を含む「客観的な事情」を指すものと認識している。
十二及び十三について
お尋ねの「内容を踏まえる」及び「政府における本法の運用に係る解釈」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、警察庁においては、都道府県警察に対し、「国旗の損壊等の処罰に関する法律の公布について(通達)」(令和八年七月二十四日付け警察庁丙捜一発第七号・丙刑企発第二十五号警察庁刑事局長通達)において、本法の趣旨、要点等を示すとともに、「国旗の損壊等の処罰に関する法律の施行に伴う関係規定の適切な運用等について(通達)」(令和八年七月二十四日付け警察庁丁捜一発第百三十三号等警察庁刑事局捜査第一課長等通達)において、お尋ねの「衆理事懇資料」を示した上で、「法の運用上の留意事項等」として、「組織的かつ緻密な擬律判断の徹底」、「逮捕に関する適正な判断の確保」及び「通報への適切な対応等」について指示している。
十四について
御指摘の「政治的表現や芸術表現における国旗損壊行為」の態様については様々なものが想定されるため、一概にお答えすることは困難であるが、令和八年七月九日の参議院内閣委員会において、法案提出者が「今回の法案は、政治的意見そのものを処罰対象とするものではございません。・・・この構成要件としては、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊、除去又は汚損する外形的、客観的な行為態様のみを構成要件としております。そういった意味で、政治的な抗議としてなされたかどうかということにつきましては、直接その構成要件該当性の判断の枠組みとは別の要素ということになってまいります。その上で、仮に構成要件に該当したとしても、刑法三十五条の正当行為など、この違法性阻却に該当する場合というのはあり得るということでございまして、そのときの判断基準としては、社会通念上相当かどうか、つまり、社会一般に通用している常識や見解に照らして、個別具体的な事案ごとに行為の目的、態様、行われた状況、一連の経過など、こうしたものを踏まえて判断されるものと理解しております。」及び「本法案におきましては、芸術表現であれ、ほかの何らかの活動であれ、あくまでもその行為自体が人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法によって公然と行われたのであれば構成要件該当性を満たす可能性がございます。そして、そのことを前提として、個別具体の事情に応じてその行為が社会通念上相当性を有すると判断されれば違法性が阻却されることがあり得るということになります。」と答弁したものと承知している。
十五について
前段のお尋ねについては、御指摘の「附帯決議」の内容と議員立法に関する法案提出者による「国会答弁」の内容との間の関係について、政府としてお答えする立場にない。
後段のお尋ねについては、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難であるが、捜査機関においては、国会における審議の内容等も踏まえ、個別具体的な事案に応じて、法と証拠に基づき適切に対処していくものと考えている。
十六について
前段及び中段のお尋ねについては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十五条の正当行為とは、一般に、社会生活上正当なものとして許容される行為をいうとされており、どのような行為が正当行為に該当するかについては、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であるため、一概にお答えすることは困難である。
後段のお尋ねについては、「国旗損壊罪の適用除外の根拠が刑法第三十五条の正当行為であるとすることが法的な正当性を有するものであるか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、本法第二条第一項の罰則についても刑法第三十五条が適用され得るものと承知している。
十七について
お尋ねについては、一についてで述べたとおり、本法は、衆議院議員により発議され、国会の両院での審議を経て法律として成立したものであり、政府としては、お答えする立場にないが、令和八年七月九日の参議院内閣委員会において、法案提出者が「仮に構成要件に該当したとしても、刑法三十五条の正当行為など、この違法性阻却に該当する場合というのはあり得るということでございまして、そのときの判断基準としては、社会通念上相当かどうか、つまり、社会一般に通用している常識や見解に照らして、個別具体的な事案ごとに行為の目的、態様、行われた状況、一連の経過など、こうしたものを踏まえて判断されるものと理解しております。今、そうしたことについての判断基準、より具体化できないかというお話ありました。なかなかこの違法性阻却について類型化するというのは難しいところでございますが、一つの判断要素としては、例えばその方法以外による方法で政治的な意見表明ができないような、社会的に、状況にあったかどうか、こういった要素というものは挙げられるというふうに我々としては考えております。」と答弁したものと承知している。
十八について
お尋ねについては、一についてで述べたとおり、本法は、衆議院議員により発議され、国会の両院での審議を経て法律として成立したものであり、本法を誠実に執行するのが政府に課せられた責務であることから、政府としては、お答えする立場にないが、令和八年七月十六日の参議院内閣委員会において、法案提出者が「本法案二条一項の人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法と、その文言については、同条二項の規定が行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて判断する旨を定めていることも併せて考えますと、その文、文言から、通常の判断能力を有する一般人の理解において、その行為の態様や周囲の状況などから具体的場合に当該行為がその適用を受けるものなのかどうかの判断を可能ならしめるような基準が十分に読み取れると考えられることから、刑罰法規として十分な明確性を備えており、憲法三十一条にも違反するものではないというふうに考えております。」と答弁したものと承知している。
十九について
お尋ねの「国旗の損壊等の処罰に関する法律の運用」の具体的に意味するところが必ずしも明らかでなく、また、国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)第一条第一項又は第二項の規定が適用されるか否かについては、個別具体の事案に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体は、同条第一項に規定する賠償責任を負い、この場合において、当該公務員に故意又は重大な過失があったときは、当該国又は公共団体は、当該公務員に対して、同条第二項の規定に基づく求償権を有することとなる。
二十について
お尋ねの「愛国心の醸成を目的として本法の周知、適用等をする」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府として、国会における審議の内容等も踏まえ、本法の適切な運用がなされるよう、本法の趣旨及び内容を周知徹底してまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×4個別の事案 ×4
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。