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児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍・無国籍の児童に関する質問主意書

衆議院 第146回 第4号

提出者
衆議院
提出日
1999年11月11日
内閣転送 1999年11月15日
答弁書受領日
1999年12月14日
提出から33日
答弁の項目数
5
質問 1,104字/答弁 1,502字

質問本文

児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍・無国籍の児童に関する質問主意書

一九八〇年代後半以降、円高傾向が定着した背景もあってか、来日外国人が急増している。

八十七年末現在の全国の外国人登録者総数が約八十八万人(総人口比〇・七二%)に対し、九十八年には百五十一万二千百十六人(総人口比一・二〇%)まで達している。

その一方、不法滞在を続ける外国人も増加している。日本に滞在している外国人の間または日本人との間に出生した児童が、国籍を取得できずいわゆる無国籍状態となる例も数多くある。ここ数年前から、父母の養育放棄や行方不明等により、日本国籍を有しない外国籍あるいは無国籍状態にある子供が、児童養護施設に入園する事態が生じ始めており、例えば、茨城県内では、九十九年十月一日現在で児童養護施設に入園している児童数五百五十一名に対し、外国籍児童二名、無国籍児童二十三名に及んでいる。

これらの子供達が入園している施設関係者からは、子供達の将来に関して懸念の声が寄せられており、児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍あるいは無国籍状態にある児童が将来にわたり日本国籍の児童と等しく安心して生活をし、且つ、教育を受けられる環境の整備が求められる。

従って、次の事項について質問する。

一 日本国籍を有していない外国籍あるいは無国籍状態にある児童で、父母の養育放棄や行方不明等により、児童の福祉上保護が必要となった場合には、児童福祉法上どのような対応を行っているのか。

二 児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍あるいは無国籍状態にある児童が、義務教育を修了し、且つ、本人が進学を希望する場合において、同じく児童養護施設に入園をする日本国籍の児童と等しく、高等学校あるいは各種専門学校卒業までの期間、安心して就学できる経済的環境整備が確立されているのか。

三 児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍あるいは無国籍状態にある児童が、義務教育を修了し、且つ、本人が進学を希望する場合において、受け入れ側である高等学校あるいは各種専門学校における入学資格はどのようになっているのか。

四 児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍あるいは無国籍状態にある児童の法的地位はどうなっているのか。又、その児童が卒園後も引き続き日本での生活を望む場合の法的地位はどのようになるのか。

五 児童養護施設に入園している日本国籍を有しない外国籍あるいは無国籍状態にある児童が卒園後も引き続き日本での生活を望み、且つ、日本国籍の取得を希求する場合にどのような方法があるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)においては、保護者のない児童等については、その国籍のいかんにかかわらず、児童相談所における相談又は同法第二十五条の規定に基づく児童相談所に対する通告等を経て、都道府県等が、同法第二十七条第一項の規定に基づき、これを乳児院、児童養護施設等に入所させるなどの措置を採ることとなっており、これらの施設に入所した児童は、同施設において保護されることとなる。

二について

児童養護施設に入所している児童に関しては、国籍のいかんにかかわらず、入所措置を採った都道府県等が、児童福祉法第五十条第七号の規定に基づき、児童の入所後の保護に要する費用の支弁を行っており、当該費用には、児童が、義務教育終了後、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する高等学校、高等専門学校、専修学校の高等課程又は各種学校等に入学した場合において卒業までの間(ただし、高等専門学校に入学した場合においては、入学時から三年間)に必要な授業料、学用品の購入費等が含まれているところである。

三について

高等学校の入学資格については、学校教育法第四十七条に、「中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者若しくは中等教育学校の前期課程を修了した者又は監督庁の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者」と定められており、この要件を満たせば、日本国籍を有しない者でも、高等学校の入学資格を有する。

また、高等専門学校の入学資格については同法第七十条の五に、専修学校の高等課程の入学資格については同法第八十二条の三第二項に、それぞれ高等学校の入学資格と同様の定めがなされている。

なお、各種学校の入学資格については、各種学校規程(昭和三十一年文部省令第三十一号)第六条により、各学校が、課程に応じ、一定の入学資格を定めなければならないこととされている。

四について

児童養護施設に入所している日本国籍を有しない児童には、当該児童に対する上陸許可若しくは当該児童の取得に係る在留資格又はそれらの変更に係る在留資格をもって在留する者(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条の二)と、これらの在留資格を有していない者とが考えられる。

また、当該児童が退所後も引き続き日本での生活を望む場合であっても、退所によりこのような法的地位が変更されることはないが、在留資格を有していない児童が在留資格をもって在留する者となるためには、在留資格を取得(同法第二十二条の二)し、又は在留特別許可(同法第五十条及び第六十一条の二の八)を受けることが必要である。

五について

児童養護施設に入所している日本国籍を有しない児童が退所後日本国籍の取得を希求する場合には、一般的には帰化の方法によることとなる。

日本国への帰化に関しては、国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第五条に、引き続き五年以上日本に住所を有すること、二十歳以上で本国法によって能力を有すること等、その一般的な条件が定められている。特に、無国籍の児童の日本国への帰化に関しては、日本で生まれ、かつ、出生の時から引き続き三年以上日本に住所を有するものについて、右条件のうち、能力条件(同条第一項第二号)及び生計条件(同項第四号)を要しないこととし、かつ、住所条件(同項第一号)も緩和されている(同法第八条第四号)。

なお、父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した二十歳未満の子で、その父又は母が日本国民であること等同法第三条に定める要件を備えるものは、届出により日本の国籍を取得することができる。

衆議院の原文

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