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超低公害新自動車燃料「ガイアックス」に関する質問主意書
衆議院 第149回 第5号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
一 政府・自民党は、排ガスに含まれる黒煙やススなどの粒子状物質(PM)に対する規制も盛り込んだ「自動車NOX削減法」の抜本的改正案を来年の次期通常国会に提出する方針と聞くが、それは間違いないか。
もし事実なら、抜本的改正案の内容はいかなるものか、概要を説明されたい。また、政府・自民党のその方針に対し、日本自動車工業界や石油連盟の対応はどうなのか、それを評価し、積極的に取り組む姿勢なのか。
二 石油業界は、PMを取り除く浄化装置(DPF)の効果を十分にあげるため、政府や自動車業界から、PM発生の原因である軽油中に含まれる硫黄分を現在の十分の一まで減らすことが求められている筈である。しかし、硫黄分の削減には業界全体で最低でも三千億円規模の設備投資が必要と見られ、石油会社の経営を圧迫する恐れがあり何らかの業界支援策が浮上してくる可能性もある。
それほど軽油を燃料とする「ディーゼル車」の環境汚染問題について、配慮を示す政府・自民党が、いま課税問題がおこっている「メタノールを全く含まない新しい高分子系アルコール燃料」の「ガイアックス」を今度はなぜ結果的につぶそうという挙に出てきたのか。
この超低公害燃料「ガイアックス」に対し、いま税務当局は軽油引取税(一リットル当たり三十二円十銭)の課税に向けた動きを強めているが、自治省の指導にもかかわらず、各都道府県の対応はバラバラである。「ガイアックス」の原料の種類は石油製品ではなく天然ガスであること、また、燃料の種類はガソリンの揮発油燃料ではなく、アルコール燃料である。
こうした「ガイアックス」に対する課税の面から、実用化に際し、自動車用化学合成燃料において、製法上、石油税の課税対象にもっとも近似性があるのは、石油税法に想定されている「みなし揮発油税」ということになる。しかし、この「みなし揮発油税」を課税しようとしても、炭化水素を主成分としないもの、即ち炭化水素以外のものが全重量の約50%以上であるものは、比重90%留出温度および初留点の規格に適合していても、みなし揮発油に該当しないということで、課税には無理があることは明白であるにもかかわらず、軽油引取税を適用しようとしているが、「ガイアックス」はガソリンに比較して有害物質を90%から95%削減した環境に優しい超低公害性であるほか、種々の面で高い評価を得ていると同時に、小売り価格もガソリンの一リットル当たり百円台に対し「ガイアックス」は八十円台という低価格での販売が可能で、ガソリンは価格面でも15%から20%という大きなハンディを背負っていることになる。いずれにしてもクリーンな燃料に近い超低公害燃料として開発された「ガイアックス」は、地球環境を守り、自動車ユーザーの利益確保という面からもその灯を消してはならないのではないか。
三 大気汚染の原因はその大半が自動車の排気ガスにあるといわれている。
環境保全が地球全体の課題とされる今日にあって、自動車メーカーも、エンジン開発を中心にさまざまな対策を練ってきている。
ところが燃料の方はこれまで自動車の燃料を変えるためには、エンジンの機構自体を設計し直さなければならないと考えられてきた。
しかし、その様な常識を覆し、通常のガソリン車で使用できる超低公害燃料として開発されたのが、ガソリン代替燃料であるアルコール系燃料ガイアックスといわれている。排気ガスで発生する有害物質を大幅に低減し、それでいて、性能はガソリンとほぼ同等で、ガソリンと同じようにスタンドで給油でき、エンジンに対して全く障害を起こさない新しい自動車燃料がガイアックスであり、テレビ東京などメディアでもこのガイアックスの超低公害性が改めて検証され超低公害新燃料として報道されているほどである。
輸入・製造・販売元のガイアエナジー株式会社では一九九九年九月十六日、カナダのクレチェン首相率いる通商拡大使節団のもと「GAIAX―ガイアックス」の製造・販売に関してカナダ企業と正式契約調印を行っている。つまり世界で認められた性能をもつ「ガイアックス」である。
当然、環境庁もこの商品については、調査済みかと思われるが環境庁が推奨されているM85(メタノール燃料)、これはたしか設備に関する助成金がついていると聞いているが、ガイアックスに対しては補助金や助成金がついておらずその違いを説明願いたい。また、今後、環境問題に配慮した商品が販売されると思われるが助成金や補助金を得るために基準があれば説明願いたい。
四 アルコール系燃料(ガイアックス)は、地方税の軽油引取税として課税の対象になっておりM85は課税の対象になっていない。
同じガソリンの代替燃料でありながら、課税対象と対象外とに分けておられる理由を説明願いたい。また、神奈川県では自動車税の内、乗用車やトラックに対する税率を来年度から五年間、20%引き上げる方針を決めたが、一方では、環境に配慮するため電気自動車や天然ガス自動車など低公害車は半額にするという画期的な独自案を発表した。
これは、環境に悪影響を与える商品と環境に優しい商品とを区別した考えである。これを燃料にも適用してはどうか。
五 勿論このガイアックスは既存の法が予測しなかった製品であり、事態である。
したがって、仮に課税がさけられないとしても、円滑な課税が行われるようガイア社と環境庁及び自治省担当者との間で協議を重ねさせ、その妥協点を探るべきではないか。例えば環境によいという点で課税額を考慮し、「ガイアックス税(仮)」というようなものを作ってもよいのではないか。
環境庁を中心とする政府の見解を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成十二年四月二十一日、環境庁長官から中央環境審議会に対して自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成四年法律第七十号。以下「特別措置法」という。)の改正も含めた今後の自動車排出ガス総合対策の在り方について諮問を行い、現在、同審議会において本年内の取りまとめを目指して審議が行われているところであり、政府としてはその結論を踏まえ対処したい。
自由民主党においては、平成十二年四月二十七日、政務調査会の交通部会、環境部会、商工部会及び建設部会の四部会の代表で構成されたディーゼル車の排気ガス対策プロジェクトチームにおいて、ディーゼル自動車に起因する窒素酸化物排出量の低減対策を強化するとともに、新たに粒子状物質の排出対策を実施するため、来年の通常国会において特別措置法について所要の見直しを行うことが取りまとめられたところである。
また、本年六月の中央環境審議会において、日本自動車工業会等の関係団体の意見を聴取したところ、日本自動車工業会は「大気環境の抜本的な改善には単体対策に加え、環状道路整備、物流効率化、整備不良車の取締強化、違法駐車の排除等の総合的・長期的な対策が必要ではあるが、早期の改善を目的とした法改正は緊急避難措置としてやむを得ない。自動車メーカーは、粒子状物質低減車の自主供給計画の策定等、大気環境改善に積極的に努力する。」との考え方を、また、石油連盟は「日本自動車工業会と、ディーゼル自動車の排出ガス低減対策の緊急性及び社会的要請に応えるため、両業界が密接な連携をとることでより効果的な対策が可能となるよう、現状において最大限の努力を傾注することとする。」との考え方を表明している。
二について
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定により、燃料炭化水素油については、特約業者、元売業者又は石油製品販売業者が自動車の内燃機関の燃料として販売した場合には、その販売量を課税標準として軽油引取税がこれらの者に課されることとされている。
また、自動車の保有者が燃料炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として消費した場合においては、当該燃料炭化水素油に販売の段階で軽油引取税が課されている場合を除き、当該燃料炭化水素油の消費に対し、その消費量を課税標準として、軽油引取税が自動車の保有者に課されることとされている。
この場合の燃料炭化水素油とは、炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で、一気圧において温度十五度で液状であるものを含む。)で軽油又は揮発油(揮発油税法(昭和三十二年法律第五十五号)及び租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)において揮発油とみなされるものを含む。)以外のものであり、炭化水素を主成分としないものも含まれる。
御指摘の「ガイアックス」についても、燃料炭化水素油に該当し、自動車の内燃機関の燃料として販売又は消費した場合には、軽油引取税が課されることとなる。
なお、アルコール系燃料とされる「ガイアックス」については、ガソリンに代えて自動車の内燃機関の燃料として使用した場合に自動車排出ガス中の一酸化炭素及び炭化水素をある程度低減させるとの情報が存在するが、窒素酸化物その他の有害物質の排出状況については明らかでなく、また、「ガイアックス」の自動車部品の耐久性に及ぼす影響も明らかでない。
このように「ガイアックス」については、環境保全上の効果及び自動車の安全性への影響が必ずしも明らかではないことから、政府としては、今後必要な情報収集等を行っていきたいと考えている。
三について
政府においては、環境負荷の少ない自動車いわゆる低公害車の普及を推進するため、低公害車の一つであるメタノール自動車の導入及びメタノールの供給設備の設置に対して補助を行っているが、二についてで述べたとおり、「ガイアックス」については、環境保全上の効果及び自動車の安全性への影響が必ずしも明らかではないことから、政府としてはまずは必要な情報収集等を行っていきたいと考えている。
また、今後、環境に配慮した商品のうちどのようなものに補助又は助成を行うかについては、環境保全上の効果や普及の必要性等に応じて個別に判断すべきものと考えている。
四について
御指摘の「M85」はアルコール系燃料であるが、揮発油の製造場において揮発油にアルコールを混和して製造されていることから、揮発油税法第六条の規定により揮発油とみなされるものである。しかしながら、「M85」については現在、自動車燃料用メタノールの開発のための試験研究の用のみに供されていること等にかんがみ、揮発油税を課税しないものとして取り扱っているところである。
大気汚染に関する自動車排出ガス対策のように、排出源が多数存在しており、排出削減に向けた継続的なインセンティブが必要な問題に対して、税制上の措置を検討するに当たっては、国及び地方の環境政策全体の中での税制の具体的な位置付けを踏まえながら、我が国の経済活動に対する影響や国内外における議論の進展を注視しつつ、環境負荷の原因者に対して負担を求めるべきという環境政策における原則を基本として、幅広い観点から検討を行うべきものと考えている。
五について
一般的に環境への負荷の少ない商品の普及を図ることは、環境保全上重要であり、燃料についても例外ではないが、二についてで述べたとおり、「ガイアックス」については、環境保全上の効果及び自動車の安全性への影響が必ずしも明らかでないことから、政府としてはまずは必要な情報収集等を行っていきたいと考えており、御指摘のような特例的な課税は現段階では考えていない。
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