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アイム・ジャパン及びものつくり大学開設における疑惑に関する質問主意書

衆議院 第150回 第71号承知していない ×6

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2000年12月1日
内閣転送 2000年12月1日
答弁書受領日
2001年1月12日
提出から42日
答弁の項目数
18
質問 3,311字/答弁 3,278字

質問本文

財団法人KSD中小企業経営者福祉事業団(KSD)において業務上横領容疑で逮捕された古関忠男氏が理事長を務めていた財団法人中小企業国際人材育成事業団(アイム・ジャパン)、同じく同氏が会長を務めていた財団法人国際技能振興財団(KGS)が事業のひとつとして二〇〇一年四月埼玉県行田市に開学予定としているものつくり大学、双方には単にKSD本体に止まらないさまざまな疑惑が政界、官界へも広がりをみせて取り沙汰されている。その疑惑解明のため次のとおり、質問する。国民の政界への不信を払拭するためにも、政府は本主意書の趣旨を真摯に受け止め、明確な答弁を求める。

一 アイム・ジャパンについて

(1) 公益法人が設立申請をする場合、一般的に許可までに要する期間は平均してどれほどか。労働省所管の公益法人の設立申請から許可に至るまで過去の最長期間と最短期間を合わせて答えられたい。

(2) 公益法人が設立申請をする場合、申請前に必要書類などについて事前相談を重ねて受けることで許可までに要する期間が三か月から一週間になるなど極めて短くなることはあるか。

(3) 公益法人の設立申請にあたって、国会議員の紹介や働きかけ、助言が与える影響によって許可が下りやすくなったり、設立許可の期間が短くなることはありえるか。またそうした事実は過去にあったか。

(4) 当方が入手したKSDの「(内部資料)」「(秘)」とある資料によると「�@村上正邦議員との関わり」として「(財)中小企業国際人材育成事業団(注、=アイム・ジャパン)の設立の経過を見れば、これまでの常識では、考えられない程のスピードで設立許可に漕ぎ着けており、これは豊明議連という強力なバックアップがあって初めて出来たことです」とある。アイム・ジャパンの設立許可にあたって、こうした事実はあったか。あった場合、またなかった場合、その事実はどのようにして把握したか。

(5) 所管官庁は(4)の事実関係について調査したか。

(6) アイム・ジャパンは一九九一年一一月二五日、労働省に設立申請をし、一週間後の一二月二日には財団法人として設立が許可されている。それに対して同省の日比徹職業能力開発局長は一一月二日、参議院法務委員会で「事前の相談期間がその前にあったということ」で「速やかに許可をするというのが行政手続きの一般的なやり方」だと述べている。また日比局長は同じ二日の答弁で「この財団(注、=アイム・ジャパン)の設立に向けてKSDなりその関係者の方々がやっておられたのは事実として確認しておりますし、その過程では恐らく当然のことながら財団設立に向けての(注、=KSDなりその関係者の)働きかけはあったろうと思います」と述べている。「KSDなりその関係者の方々」とは具体的にいかなる人物を指したものか。

(7) (6)の日比局長答弁にある「財団設立に向けての働きかけ」とは具体的にはいかなるものを指したものか。

(8) 政府許可の公益法人がある特定政党の党員獲得にあたった事実は過去にあるか。あった場合、所管省庁はどうように対応したか。また特定政治家支援のために党員獲得用署名用紙を供するなどの疑いがあった場合、所管省庁はどういったことが必要と考えるか。当該団体に対して調査を要すると考えないか。

(9) 当方が入手したKSDの資料には、自民党の党員名簿を集めるにあたっての細かい割り当てを示した文書もある。そこには「社労士会」15万人、地域別に割り振り「豊明会」全体で60万人、KSD商事やKSDツーリストなど「関連企業」全体で10万人、「豊政連」10万人の他、「アイム」20万人、とも合わせて記載されている。アイム・ジャパンが自民党党員名簿獲得にあたった事実はあるか。あった場合、なかった場合、そういった事実はどのように把握したか。

(10) 労働省内規によると公益法人への検査は三年に一度とある。同省によるアイム・ジャパンへの過去の検査をすべて挙げよ。また同検査で問題となった事項をすべて挙げよ。

(11) アイム・ジャパンが技能実習制度でインドネシアなどから受け入れた研修生のうち、およそ六〇〇人が失踪したとされている。アイム・ジャパンが受け入れた研修生で失踪した者の有無は確認しているか。失踪者があった場合、把握している事項を明らかにされたい。またそうした失踪者が出るに至って所管の労働省としてはなんらかの指導はしたか。したのであれば、その具体的指導について述べよ。しなかったのであればその理由を述べよ。

二 ものつくり大学について

(1) 三浦裕二・日本大学教授(当時)の発案に近藤元次・自民党衆議院議員(同)が共感を覚えて賛同した一九九二年ごろ、職人大学構想が持ち上がったことについて承知しているか。

(2) 建設・土木専門家や同業界関係者らが設立し組織したサイト・スペシャルズ・フォーラムの地域実験校スクーリングが一九九三年五月、新潟の佐渡で開かれ、(1)の旧新潟一区選出・近藤元次代議士が佐渡に入り、また三浦裕二教授が「自然や歴史的建造物に恵まれていて、大学に適している」と言うに及び、佐渡島内では大学誘致の機運がたいへん高まったという。こうした事実を承知しているか。

(3) 三浦裕二教授がKSD前理事長の古関忠男氏に資金援助を申し入れたことから古関氏とものつくり大学の接点が生まれたとされている。技能者育成のための大学・ものつくり大学の開学を推進するKGSの設立にあたってKSDはその資金の大半を負担したという。会費によって成り立っているKSDが、KGS財団設立資金の一部を負担することに問題はないと考えるか。

(4) 国際技能工芸大学設立推進議員連盟(KGS議連)がのちに発足し、自民党の村上正邦参議院議員会長が同議連会長となっている。ものつくり大学設立にあたって設立母体となる国際技能工芸大学設立準備財団(一九九九年九月にものつくり大学設立準備財団に改称)を設立するにあたって同議連による要請や働きかけはあったか。あった場合、それは具体的にどういったものであったか。

(5) KGSが労働省による公益法人としての許可を受けた経緯について述べられたい。

(6) 二〇〇〇年四月一日に開校を予定しているものつくり大学は当初、佐渡を予定地としていたが、急遽、埼玉の行田市に変更となったとされている。職人大学(=ものつくり大学)の推進母体となるKGSの設立決起集会が一九九六年四月六日に東京・日比谷公会堂で開かれ、KGS議連の会長となる村上正邦議員が「佐渡への一期校誘致は近藤(元次)先生の遺言」と発言したのにもかかわらず、KGS事務局長の高橋貢氏から三日後の四月九日「佐渡誘致は微妙。さらなる会員獲得が必要」という手紙が石塚英夫・赤泊村村長(=職人大学誘致促進協議会佐渡市町村会会長)のもとに届いたという。そうした経緯について承知しているか。

(7) KGSは設立後、維持会員を募集するが、KGSの会員募集の申込書にはKSDのパンフレットも同封されていたという。またKGS会員募集にあたってはKSDにも会員目標数を掲げていた。こうした事実は承知しているか。こうした事実はKGSとKSDが一体化していることを物語っていると思われるが、どう考えるか。

(8) ものつくり大学が埼玉県行田市に設立されることが正式に決まるにあたっての経緯および承知している事実があれば述べよ。

(9) 新たな私立大学・ものつくり大学開学に労働省(雇用保険会計)から八五億円もの補助金が支出されるという。大学設立資金約一八〇億円は当初、労働省と埼玉県、財界などから六〇億円ずつ出資することとなっていたが、景気低迷の影響などから財界からの寄付が思うように集まらず労働省から二〇億円余が増額されて八五億円もの補助金が支出されるに至ったとされている。以上のとおり労働省の補助金が当初の予定より増額されたのは事実か。事実であればその経緯を答えられたい。また八五億円の補助金の積算根拠を示せ。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(1)について

公益法人の設立申請から許可までに要する期間は、一般的には、おおむね二十日から三十日程度である。

なお、労働省における当該期間は、把握できる範囲では、最長は八百四十四日、最短は当日である。

一の(2)について

各省庁が、公益法人を設立しようとする者からの求めに応じて、設立申請の前に、当該公益法人の目的の適切性、目的と事業の整合性、設立申請に必要な書類等についてあらかじめ確認することなどにより、設立申請から許可までに要する期間が短くなることはあり得るものと考える。

一の(3)について

各省庁においては、公益法人の設立申請に対し、民法(明治二十九年法律第八十九号)、各府省令、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」(平成八年九月二十日閣議決定。以下「閣議決定」という。)等に基づき対処しているところであり、御指摘のようなことはあり得ないものと認識している。また、御指摘のような事実は承知していない。

一の(4)及び(5)について

厚生労働省において財団法人中小企業国際人材育成事業団(以下「アイム・ジャパン」という。)の設立許可関係書類及びその設立許可に携った当時の労働省関係者への聴き取りにより調査したところによると、アイム・ジャパンの設立に当たっては、遅くとも平成三年八月には事前相談があり、同年十一月二十五日に労働大臣あて設立許可申請が出され、同年十二月二日に設立を許可しており、「これまでの常識では、考えられない程のスピードで設立許可」を行ったとは考えていない。外国人研修生の受入れに関し中小企業経営問題議員連盟が活動を行っていた旨がKSD三十年史に記載されていることは承知しているが、アイム・ジャパンの設立に際しての同議員連盟の働きかけについては、当時の労働省関係者への聴き取りを行ったところ承知していないとのことであった。

一の(6)について

御指摘の「KSDなりその関係者の方々」とは、財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(以下「KSD」という。)の企画室長等を指して説明したものである。

一の(7)について

平成十二年十一月二日の参議院法務委員会での日比徹職業能力開発局長の説明にある「その過程では恐らく当然のことながら財団設立に向けての働きかけはあったろうと思います」とは、KSD企画室長等が寄附行為案、事業計画案等を労働省に持参して財団設立の事前相談を行う過程で、これらの者から財団の設立を是非お願いしたい旨の働きかけが当然あったものと推測されることを説明したものである。

一の(8)について

御指摘のような事実は、承知していない。仮に、御指摘のような疑いが生じた場合、各省庁は、状況に応じ、民法、閣議決定、当該公益法人の定款又は寄附行為で定める目的等に照らし、当該公益法人の活動が適切かどうかという観点から、調査を行うことが必要であると考える。

一の(9)について

アイム・ジャパンからの説明によれば、自由民主党員名簿獲得に当たったことはないとのことであった。

一の(10)について

労働省がアイム・ジャパンへの検査を行ったことはない。

一の(11)について

アイム・ジャパンが受け入れた研修生及び技能実習生のうち、研修及び技能実習の予定期間の満了前にその所在が不明となった者は、平成四年六月一日から平成十二年十二月五日までに六百四十七名であると聞いている。その年度別の内訳は、平成五年度四名、平成六年度十四名、平成七年度六十二名、平成八年度百十二名、平成九年度百四十九名、平成十年度六十三名、平成十一年度百十三名、平成十二年度百三十名であり、このうち平成十二年十二月五日までに帰国が確認されていない者は三百三十七名であると聞いている。

この件に関しては、法務省がアイム・ジャパンに対して、研修生及び技能実習生の受入機関として適切な監理を行うよう、入国管理の立場から指導しているところであるが、今後は、厚生労働省においても公益法人を所管する立場から、研修生及び技能実習生の受入れが適切に行われるよう、アイム・ジャパンに対して指導してまいりたい。

二の(1)について

三浦裕二氏が参加していた、民間の任意団体であるサイト・スペシャルズ・フォーラムが平成二年に結成され、この団体が職人大学構想を持っていたことは承知している。

二の(2)について

御指摘のような事実については承知していない。

二の(3)について

KSDの寄附行為第四条において、KSDの事業として「(9)中小企業における国際化に対応した人材の育成又は交流及び勤労青少年の健全な育成を目的とする事業に対する助成」が規定されており、この規定に基づいて、KSDから財団法人国際技能振興財団(以下「KGS」という。)へ出えんがされたと認識している。

二の(4)について

御指摘のような要請及び働きかけはなかったものと承知している。

二の(5)について

KGSは、建設業及び製造業における技能者の育成及び地位の向上のための事業を行うことによって、高度な技能の継承・発展を図ることを主たる目的として設立された公益法人である。

その設立に当たっては、平成七年七月に労働省に相談があり、平成八年二月二十八日に労働大臣あて設立許可申請が出され、同年三月七日に設立が許可されている。

二の(6)及び(8)について

ものつくり大学については、KGSにおいてサイト・スペシャルズ・フォーラムの職人大学構想を基に検討を行っていたものであり、その過程においては、佐渡地域は建設候補地の一つとされていたが、構想を国際技能工芸大学として具体化していく段階で、建設候補地の自治体の財政的な負担能力、交通の利便性、学生及び教員の確保の可能性等様々な条件を勘案して検討が行われた結果、埼玉県行田市に建設地を決定したものと承知している。

平成八年四月六日に日比谷公会堂において、KGSが「“職人に地位と保障を”訴える総決起大会」を開催したことは承知しているが、御指摘の村上正邦議員の発言については承知していない。

同大会後に、KGSの事務局長が、石塚英夫赤泊村長に対し手紙を出したということについても、承知していない。

二の(7)について

KGSからの説明によれば、一時期、佐渡地域において、KGSが会員を募集した際にKSDのパンフレットを配布したこと及びKGSの会員募集に当たりKGSの会員の加入目標数とともにKSDの会員の加入目標数を示したことはあったが、それ以外にKGSの会員募集に関しKSDに関連する活動は行っていないとのことであり、KGSとKSDが一体化しているとは考えていない。

二の(9)について

ものつくり大学の施設設備の整備に係る経費については、平成十年度から平成十二年度までの間に、校舎等の設計に要する経費として約一億四千万円、製造技能工芸学科棟、建設技能工芸学科棟、管理・図書館棟、学生会館、学生寮、体育館及び合宿研修所の建設並びに土地造成等に要する経費として約五十六億円、機械設備等に要する経費として約二十七億六千万円、総額約八十五億円を補助することとしている。年度別には、平成十年度には約一億四千万円を、平成十一年度には約十二億三千万円を補助したところであり、平成十二年度には約七十一億三千万円を補助することとしている。

ものつくり大学に対する補助は、平成十二年度予算の概算要求において、当初約五十億八千万円の要求を行ったが、その後、平成十一年十一月に、KGSから、全国から集まる学生にとって魅力ある大学にするために、大学の開学予定である平成十三年四月までに学生寮、体育館及び合宿研修所の施設を整備してほしい旨の要望があり、労働省においては、開学までに当該施設の整備が必要と判断し、かつ、民間からの寄付が少額にとどまったことを勘案して当該施設の整備に必要な経費として約二十億五千万円の追加要求を行い、平成十二年度予算に約七十一億三千万円を計上したものである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×6

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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