Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第150回

広島大学歯学部第一口腔外科教授選および資質に関する質問主意書

衆議院 第150回 第73号承知していない ×1

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2000年12月1日
内閣転送 2000年12月1日
答弁書受領日
2001年1月26日
提出から56日
答弁の項目数
11
質問 2,858字/答弁 3,160字

質問本文

今年六月二日森喜朗内閣総理大臣より、「一九九六年五月二十三日、広島大学歯学部口腔外科第一講座教授に選出された人物の資質について疑問がある。地元医療関係者の指摘では教授就任後、地域住民や開業医の期待している悪性腫瘍を含む難手術をほとんど執刀できず、臨床講座の主任教授としての責めを果たしていないのが現状である」と指摘した広島大学歯学部第一口腔外科教授選および関連諸問題に関する質問に対する答弁書を受領した。答弁書には調査中の案件または事実に相違している部分が多数あり、「虚偽の報告」をする大学側の姿勢が随所に見受けられる。

大学の医・歯学部には「臨床(治療)」「教育」「研究」があると思うが、中でも臨床系の教授が、治療行為が可能な資質を備えていなければ、その地域に住む患者にとっては不安ではないだろうか。特に中国地方にはがんセンターもなく、この地方の最高の医療機関としての期待は大きいと思われる。患者が安心して手術を受けられるよう改革と改善を求めて第一口腔外科教授の選考経過と資質の適否について、以下質問する。

一 教授選考について

広島大学教員選考基準は、先の質問主意書でふれたとおり「学位」「研究実績」「学問上の業績」を定めている。その点をふまえて確認したい。

(1) 教授は教育研究実績として学生教育の講義を年間何時間行ったのか。また実績論文数は何編あったのか。

(2) 臨床実績としての臨床従事年数は何年間どこで、どのような内容で行われたのか。また、手術執刀に必要な全身麻酔の研修は受けているのか。

(3) 医者を選ぶ業者にとって判断材料として重大な経験であり条件である執刀医を務めた症例は過去五年間で何例になるのか。さらに過去二年間には症例がないというのは事実なのか。明らかにされたい。

(4) 手術症例が一〇〇例以上必要とされる口腔外科認定医の資格はあるのか。さらに認定医を指導する指導医の資格はどうか。

(5) 新教授選考資料の中に他人の論文や学位論文のデータ流用があると「安心して広島大学歯学部第一口腔外科で手術を受けることを希望する一万人委員会」は次のように報告している。

一九九六年三月二十二日(平成八年)に提出した。Androgen− Dependent Expression of Fibroblast; Growth Factor−1 in Submaxillary Gland of Mouse. Okamoto,Tet,al Biochemicak and Biophyscal Research Communications 221(1996)796−802には Fig.1からFig.4とTable の5つのデータがあるが、すべて次の論文のデータをそのまま使用している。その論文とは、マウス顎下腺に存在する線維芽細胞増殖因子 −1の精製、遺伝子クローニングならびに機能解析 藤田善教、他、日本口腔外科学会雑誌 第四〇巻 第七号 七〇七−七一六 一九九四(平成六年)。同教授の論文は学内公募の締め切り後に提出されていて、上記二つの論文のabstract(英文)の内容はほぼ同じ。

普通論文に他人の図表を引用したら Reference に記載するし、図表の下に注釈としてその論文の筆頭者、論文名、年数等を記載するが、同教授の論文にはこれらの記載はない。

Growth and differentiation of human periodontal ligament derived cells in serum− freedefined culture.Okamoto,T.,et,al,In Vitro Cell.Dev.Biol 32:(in press),1996 はヒト歯周靱帯由来細胞の増殖と分化に関する細胞内分泌学的研究、八塚信博 thesis(学位論文)一九九六と写真、図式が全く同一である。

前回の答弁書には調査中とあるが、その後広島大学からどのような報告を受けているのか明らかにされたい。これらの事例は教授選考資料であり、単に研究者のモラル欠落として片付けられるのか問いたい。

(6) 新教授は平成四年六月二七日から八月七日まで四十一日滞在してドイツ連邦共和国ハノーバー医科大学顎外科で研修し、「口腔の癌、顎変型症、口唇、口蓋裂などの顎顔面外科手術の研修によって外科手術の技術を培った」と報告している。しかも、一万人委員会が入手した資料によると、ハノーバー医科大学教授 J.E.Hausamen氏の手紙では、『新教授は七月二日、三日、六日、九日の四日間手術の研修をした』と述べられている。これは、虚偽の報告ではないのか。事実はどうなのか明らかにされたい。

二 地域住民に対する医療供給体制

(1) 一九九六年五月に第一口腔外科の新教授となった後の第一口腔外科の患者数は九六年度が前年比六・一%減、入院では十七%減った。患者の不安が広がったからではないかと思うがどうか。

(2) 医療事故を起こして以来、手術はほとんど執刀していない状況で、医員の指導や学生教育に支障をきたしているが、その職務を全うしていると言えるのか。また職務とは何なのか明らかにされたい。

三 博士号(乙種)授与

(1) 「広島大学学位規程歯学部研究科内規第九条の研究歴期間に対する申し合わせ」によると

�@ 週五日以上の勤務をフルタイム勤務とみなす

�A 教務員および医員等のフルタイム勤務者の研究歴はその期間を全部研究歴と認める。医学研修生等の研究歴は実情に応じて期間を求める

�B 他の病院への出張期間については最高一年まで研究歴期間として認める

�C 二講座以上にまたがる研究歴など特殊事例については実情に照らして研究科委員会で判断する

となっている。しかし、基礎系講座は五年以上、臨床系講座は六年以上の研究歴が必要であるが、五年に満たない事例が増加している。内規に反して学位を授与するような事例はないとする根拠を明らかにされたい。

(2) 博士号取得にともなう謝礼の授受については九八年九月『サンデー毎日』紙面で「謝礼もすべての教授が受け取っているわけではありませんし、それによって学位の判定は左右されません」と長坂信夫学部長が発言している。しかし、学位の謝礼は当事者が一般的に研究費用として研究途上でまとまった金額を寄付するか、学位を授与されて礼金として一般常識以上の金品を出す。すなわち謝礼が職務に関してなされていると思われるが見解を問いたい。

(3) 乙種学位申請論文の論文受理発刊証明書添付について、広島大学名誉教授高田和彰氏は「平成八年まで(自分が退官する)は必要だった」と証言している。事実関係を明らかにされたい。もし必要ないとするなら、学位の甲種と乙種がまったく同じ形で申請できることになる。国内にこのような安直な学位に関する内規をもつ大学、学部の例があるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(1)について

広島大学からは、平成八年度の同大学歯学部口腔外科学第一講座教授選考で選考された教授(以下「選考された教授」という。)は、平成七年度において同大学歯学部の口腔外科学の授業のうち年間四時限(同大学では四十五分の授業を一時限としている。以下同じ。)の講義及び臨床実習指導主任として口腔外科学の臨床実習を担当するとともに同大学大学院歯学研究科の口腔外科学の実験及び実習を年間九十時限担当しており、また、選考された教授が教授選考応募時において提出した論文数は、五十一編であったとの報告を受けている。

一の(2)について

広島大学からは、選考された教授の臨床実績は、歯科医師免許を取得した昭和五十五年六月から平成八年四月の教授選考に応募するまでの約十三年間(アメリカ合衆国における三年間の海外研修期間を除く。)の同大学歯学部附属病院第一口腔外科における診療業務等であるとの報告を受けている。

また、同大学からは、手術時における全身麻酔は麻酔科医によって行われるため、口腔外科医が全身麻酔の研修を受けることは必要ではなく、選考された教授は、全身麻酔の研修を受けていないとの報告を受けている。

一の(3)について

広島大学からは、選考された教授の手術執刀症例については、平成三年四月から平成八年三月までの五年間において、手術室での手術執刀症例については二十例、外来での手術執刀症例は少なくとも二百七例であることを確認しており、このうち平成六年四月から平成八年三月までの二年間において、手術室での手術執刀症例はないが手術助手として十八例の手術に参加するとともに、外来での手術執刀症例は少なくとも九十二例であることを確認しているとの報告を受けている。

一の(4)について

広島大学からは、選考された教授は、社団法人日本口腔外科学会の認定医及び指導医とはなっていないとの報告を受けている。

一の(5)について

広島大学からは、選考された教授は、「マウス顎下腺に存在する線維芽細胞増殖因子−一の精製、遺伝子クローニングならびに機能解析」と題する論文の共著者となっており、その論文を基にして「Androgen‐Dependent Expression of Fibroblast Growth Factor‐1  in Submaxillary Gland of Mouse」と題する英文による論文を作成することについて、他の共著者の同意を得ているとの報告を受けている。 なお、 同大学からは、 当該英文による論文は、 同大学歯学部口腔外科学第一講座教授の追加公募の締切日である平成八年四月八日以前の同年三月二十二日にアカデミックプレス社の雑誌 「Biochemical and Biophysical Research Communications」に受け付けられていることを確認しているとの報告を受けている。

また、同大学からは、「GROWTH AND DIFFERENTIATION OF PERIODONTALLIGAMENT‐DERIVED CELLS IN SERUM‐FREE DEFINED CULTURE」と題する英文による論文中の写真及び図式と八塚信博博士の学位論文中の写真及び図式が同一であるのは、八塚信博博士が当該英文による論文の共著者になっており、その一部を使用して自らの学位論文を作成したことによるものであるとの報告を受けている。

一の(6)について

広島大学からは、選考された教授がドイツ連邦共和国のハノーバー医科大学で研修を行った期間は平成四年六月二十九日から七月三十一日までの三十三日間となっており、その期間、研修を行ったことについて、ハノーバー医科大学の教授の確認を得ているとの報告を受けている。なお、広島大学からは、御指摘の「新教授は七月二日、三日、六日、九日の四日間手術の研修をした」との記述については、ハノーバー医科大学における全研修期間のうち、選考された教授が手術に参加した記録が残っている日を示したものであるとの報告を受けている。

二の(1)について

広島大学歯学部附属病院第一口腔外科の外来患者数及び入院患者数については、平成八年度において平成七年度と比較して、それぞれ、五・七パーセント、十七・七パーセントの減少となったが、平成九年度以降においては、大きな変動なく推移してきている。平成八年度において同大学歯学部附属病院第一口腔外科の外来患者数及び同入院患者数が減少した理由については承知していない。

二の(2)について

大学の教授の職務については、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五十八条第六項で「教授は、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」と規定されているところであり、広島大学歯学部口腔外科学第一講座は臨床に関する教育研究を行うことを目的としていることから、同講座に置かれた教授の職務である教育研究には、同大学歯学部附属病院で臨床を行うことも含まれるものである。

選考された教授は、同大学歯学部口腔外科学第一講座教授として選考されているところであり、同大学からは、現在、手術室での執刀は行ってないが、外来患者の診療等の教育研究を行っており、教授としての職務を全うしているとの報告を受けている。

三の(1)について

広島大学からは、同大学大学院歯学研究科の平成三年度から平成十一年度までの間における広島大学学位規程(昭和三十二年十二月十日制定)第二条第三項の規定に基づく学位取得者についての研究歴を調査した結果、広島大学学位規程歯学研究科内規(昭和五十年九月十一日制定)及び広島大学学位規程歯学研究科内規第九条の研究歴期間に対する申合せ(昭和五十年九月十一日制定)に基づいて研究歴期間が適正に算定されており、また、研究歴期間が不足している事例は認められなかったとの報告を受けている。

三の(2)について

広島大学からは、過去に同大学の博士(歯学)の学位授与の審査を行ったすべての存命の教授に対して事情聴取したところ、御指摘のような学位授与に伴う礼金の授受はなく、金銭により学位授与の判定が左右されたということはなかったとの報告を受けている。

三の(3)について

広島大学からは、広島大学学位規程及び広島大学学位規程歯学研究科内規では、御指摘の論文受理発刊証明書を学位申請時に添付することは明記されていないが、同大学大学院歯学研究科において、その内容に新しい考え方や新事実を含む単独著作の論文であって、いまだ印刷及び公表されていないものを学位授与の申請論文とする場合には、学位申請時に論文受理発刊証明書の添付を求めているとの報告を受けている。

また、学位の授与に係る審査に必要な書類については、学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)第十三条の規定により、各大学において定められており、文部科学省が国立大学について調査した結果によれば、すべての国立大学において学位申請時に論文受理発刊証明書の添付を必要としているものではない。

なお、御指摘の学位のいわゆる甲種とは、広島大学大学院博士課程に入学し、所定の修業年限以上在学し、所定の単位を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、論文の審査及び最終試験に合格した者に授与するものを指し、御指摘の学位のいわゆる乙種とは、所定の研究歴を有し、論文の審査に合格し、かつ、試問に合格した者に授与するものを指すが、これらの学位の資格要件、審査方法等については、それぞれ、広島大学大学院学則(昭和二十九年九月二十一日制定)、広島大学学位規程及び広島大学学位規程歯学研究科内規において規定されているものと承知している。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2000年5月26日 保坂展人 答弁 2000年6月2日
衆議院 第147回 第37号
提出 2002年12月12日 櫻井 充 答弁 2003年1月28日
参議院 第155回 第14号個別の事案 ×1
提出 2004年8月5日 井上和雄(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年8月11日
提出 1950年3月18日 田中元 答弁 1950年3月31日
衆議院 第7回 第92号
提出 1989年10月9日 塩出 啓典 答弁 1989年10月17日
参議院 第116回 第1号
提出 2007年5月21日 大久保勉 答弁 2007年5月29日
参議院 第166回 第39号
提出 2000年1月31日 櫻井 充 答弁 2000年2月29日
参議院 第147回 第3号
提出 2002年11月12日 小川 敏夫 答弁 2002年12月20日
参議院 第155回 第3号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる