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愛知万博の会場計画の変更などに関する質問主意書
衆議院 第151回 第53号
質問本文
二〇〇五年開催予定の愛知万博の会場計画が大幅に変更され、長久手町がメイン会場となる可能性が大きい。その際、長久手町の自然環境のみならず、生活環境への配慮が不可欠である。また、愛知万博協会の最高顧問に堺屋太一氏が就任したことによるさらなる計画の変更なども予想される。従って、次の事項について質問する。
一 「万博とくらしを考える長久手町民の会」など地元住民は、万博開催中および開催前の工事期間中の交通渋滞やそれに伴う環境汚染、そして廃棄物処理問題、生活・自然環境への様々な影響を懸念している。また、特に開催地周辺の愛知県立大学、及び愛知県立芸術大学などの通勤、通学への影響を心配している声が出ている。環境省、経済産業省など関係省庁はそれぞれの問題に対してどのような対策をとるのか。また国から愛知県、万博協会へはどのような指導がなされているのか。
二 二〇〇〇年成立の循環型社会形成推進基本法に鑑みて万博事業全般において「環境会計」や「ライフサイクルアセスメント」の手法を二十一世紀型公共事業のモデルとして取り入れることが必要と思うがいかがか。
三 青少年公園のオオタカの調査が市民によって行われている。それによれば、青少年公園はオオタカの採餌場所として大変重要な場所になっており、このまま万博計画が実施されるとオオタカ保護に影響があるのではないか。国として、オオタカ保護のため今後どのような対策を行うのか。
四 「海上の森エコミュージアムネット」など環境保護団体から、メイン会場を、長久手町の青少年公園から笹島地区に変更することが提案されている。メイン会場を笹島地区とした場合のメリットは何であると評価するか。またデメリットにはどのようなものがあると考えるか。
五 堺屋太一氏はどのような経緯で、愛知万博協会の最高顧問に就任することになったのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
二千五年日本国際博覧会(以下「本博覧会」という。)については、「愛知県における国際博覧会の開催申請について」(平成七年十二月十九日閣議了解)において、本博覧会に係る計画の具体化に当たって自然環境の保全に十分配慮すること、環境影響評価を適切に行うこと等を確認しているところである。
同閣議了解を受け、通商産業省は、その具体的実施方法について、財団法人二千五年日本国際博覧会協会(以下「協会」という。)に、平成十年三月二十七日、「二千五年日本国際博覧会環境影響評価要領(通達)」を発した。これに基づき協会が取りまとめた環境影響評価書(以下「評価書」という。)に対して、通商産業大臣は、環境庁長官の意見を踏まえた上、平成十二年一月二十一日、通商産業大臣意見(以下「大臣意見」という。)を示した。
右の中で、通商産業大臣は、�@大気環境の良好な状態を保持するため、協会が使用する来場者輸送用車両等について可能な限り低公害型のものを採用する等の対策を講ずること、来場者に対し公共輸送機関の利用や低公害型車両の使用を奨励する等実効ある対策に努めること、�A水環境の良好な状態を保持するため、会場から発生する汚水について適切な措置を講ずること、�B廃棄物について、その発生量を最小化すること、ライフサイクルアセスメント(製品やサービスについて、原料等の調達段階から製造、流通、使用、廃棄・リサイクル段階までの全般にわたる環境負荷を総合的に評価する手法をいう。以下同じ。)の考え方に留意しつつ施設撤去時の発生抑制に努めること、�C生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全につき、オオタカ等の動植物及びその生息・生育環境を含めた里地生態系の適切な保全を図ること等の意見を述べている。
現在、協会において、大臣意見を勘案し、必要な調査等を行った上、評価書の内容について検討を行っており、今後、必要に応じて適切な措置が講じられるものと承知している。
また、本博覧会の会場周辺においては、現在、政府及び関係地方公共団体が東海環状自動車道を始めとする道路交通網の整備等を推進しており、これらが交通渋滞の緩和等に資するものと考えている。
今後とも、本博覧会の事業の実施に当たり自然環境や生活環境への配慮が行われるよう、必要に応じ、関係地方公共団体と連携を行うとともに、協会を適切に指導する所存である。
二について
現在、協会において、大臣意見を勘案して、環境負荷低減のための手法の一つとしてのライフサイクルアセスメントの考え方の活用を検討するとともに、環境対策に係る費用と効果を評価する手法としての環境会計の導入の可能性についても検討していると承知している。
三について
本博覧会の会場内及びその周辺地域におけるオオタカの保護対策の在り方等を検討するために平成十一年六月二十三日に愛知県及び協会が設置した国際博会場関連オオタカ調査検討会(以下「オオタカ調査検討会」という。)は、平成十三年三月二十七日に「国際博会場関連オオタカ保護方策中間報告」(以下「中間報告」という。)を取りまとめた。中間報告においては、オオタカの保全目標、具体的保護方策、モニタリング計画等について示されており、御指摘の愛知県長久手町青少年公園地区会場については、「営巣環境に大きな影響を与えることはないと考えられる。暫定的な判断ではあるが、現在の計画を推進してよい。」とされ、同地区における採餌環境に対して検討すべき配慮事項として、「鳥類の建築物等への衝突防止」、「樹林地等を多く設ける」等が示されている。
また、大臣意見においても、協会に対して、オオタカ調査検討会における検討内容を確実に反映した適切な保護対策を具体的に明らかにし、オオタカの繁殖等に支障が生じることのないよう対処するとともに、オオタカの追跡調査を行うこと等適切な対応を求めている。
今後は、協会において、大臣意見、中間報告等に基づき、適切なオオタカ保護対策を講じていくものと承知しており、必要に応じ協会を適切に指導していく所存である。
四について
本博覧会の会場については、平成十二年十二月十五日に開催された博覧会国際事務局総会において、愛知県瀬戸市の南東部(海上地区)、同県豊田市の科学技術交流センター予定地及び同県長久手町の青少年公園とすることが登録されたところである。
なお、御指摘の同県名古屋市笹島地区については、名古屋市は、市議会において、名古屋駅に近接するという立地条件をいかして、例えば会場へのシャトルバスの発着場や本博覧会の広報拠点として利用することを想定しており、具体的な利用方法については、今後関係者間で検討する旨説明したものと承知している。
五について
堺屋太一氏は、平成十三年三月十九日に開催された協会の理事会で、協会の最高顧問に委嘱されたと承知している。
なお、協会においては、同氏を最高顧問として委嘱するに当たり、同氏は千九百七十年の日本万国博覧会を始め国内外の様々な博覧会において優れた見識に基づいた活躍をしており、これらの豊富な経験を本博覧会にいかすよう期待している旨発表したと承知している。
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